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望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話・昨日のつづき

2009-08-14 01:15:40 | 舞台・ウラ話
さてさて、昨日の続きでございます。
はい、劇場にいらっしゃる「あの方」の話です。

3年ほど前のこと。

そのときも例によって、小さい劇場で公演していました。

その小屋(劇場)は、
ずっと前に亡くなった、1人の女優さんが、
作った小屋なのだとか。

だからなのでしょう。
劇場全体の規模に較べて、珍しいほど楽屋が広くて、
さすが女優さんが作っただけあるね~、
とみんなで感心していました。

楽屋は、かなり広い部屋がひとつと、
その横に小さな部屋がもうひとつ。

で、まあ、年の功とでも言いましょうか。
私と、もう1人のベテラン女優さんと2人で、
その小さい部屋を使わせてもらうことになりました。

といっても、入り口はほとんど開けっ放しなので、
個室というより、奥のコーナーといった感じで、
みんなで楽しく、公演がスタートしました。

そのあたりからです 

「・・・ここ・・・、いるね」

といった話題がチラホラと、
一部の人間から出始めました。

「やめてよぉ~、そういうの極端に弱いんだから!」

なーんて言いつつ、
軽くいなして聞かぬふりをしていたのですが・・・。


たしかその日は、昼夜の2公演があった日で、
その間に、コンビニにお弁当を買いに行ったんです。

私たちが、公演中、一番通う所はどこか、
っていうと、まず間違いなくコンビニなんですね。

お弁当やお茶やらお菓子やら。
ちょっと外の空気に触れるためにも適当な距離だから、
みんな、せっせと通います。

中には、主催サイドから、
お弁当などが出る公演もありますが、
基本、自分の食べ物は自分で用意します。
(小劇場はお金ありませんからね)

で、そのときも、
毎度おなじみ、コンビニのおにぎりをぶら下げて、
楽屋に戻ってきました。

だいたい楽屋の席って、
若手ほど入り口の近くなんですね。

このときも、一番若手の男の子が、
ドアのすぐ脇に座っていて、
私を見た途端、

「あれーーー?? 望子さん!!」

と叫んだのです。

「なに?」

「あれ?? 今、どこにいました?」

「この袋見ればわかるでしょ。
 コンビニに行ってきたのよ」

「今・・・帰ってきたんですか?」

「そうよ」

「・・・・・・」

「どうしたの?」
  
  


「ほんのちょっと前に、
 
 望子さんの席に、女の人が座ってたんです」



「・・・・・・(声が出ない)・・・・・・」

楽屋を見渡すと、休憩時間のため、
全員外出中で、いるのは彼と私だけ。
(わ、わたしの、せ、せきが、おすきですか~ 
 
「あーーん。どうしよ~~。
 あの席、やだよぉ~。こわいよぉ~

「大丈夫ですよ。
 もう気が済んで、帰っちゃってますよ」

「ほんと? ホントにそう思う?(半泣き)」

「オレ、なんとなくわかるんです。
 さ、安心して座って下さい。大丈夫です!」


今思えば、ここで大騒ぎをされると面倒だ、
と思ったのかもしれません。
とりあえず、なだめとけ、って。

でも、私は実に素直に信じましたよ。
もちろん!
だって、その席に座らなければ、メイクもできないんですから。

でも、それ以降、絶対に1人にならないよう、
誰彼ともなく、くっつきまくっていたのは、
言うまでもありません。

そして、その方も、ありがたいことに、
それ以降、お出ましにはなりませんでした。
(私がニブいだけだったのかも、ですが)

でも、その公演自体は、とっても評判がよく、
ずっと満員御礼で盛り上がりました。

もしかして、
あの方が微笑んでくれたのかも、ね(笑)

長文におつきあいいただき、
ありがとうございました  
コメント
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