さてさて、昨日の続きでございます。
はい、劇場にいらっしゃる「あの方」の話です。
3年ほど前のこと。
そのときも例によって、小さい劇場で公演していました。
その小屋(劇場)は、
ずっと前に亡くなった、1人の女優さんが、
作った小屋なのだとか。
だからなのでしょう。
劇場全体の規模に較べて、珍しいほど楽屋が広くて、
さすが女優さんが作っただけあるね~、
とみんなで感心していました。
楽屋は、かなり広い部屋がひとつと、
その横に小さな部屋がもうひとつ。
で、まあ、年の功とでも言いましょうか。
私と、もう1人のベテラン女優さんと2人で、
その小さい部屋を使わせてもらうことになりました。
といっても、入り口はほとんど開けっ放しなので、
個室というより、奥のコーナーといった感じで、
みんなで楽しく、公演がスタートしました。
そのあたりからです
「・・・ここ・・・、いるね」
といった話題がチラホラと、
一部の人間から出始めました。
「やめてよぉ~、そういうの極端に弱いんだから!」
なーんて言いつつ、
軽くいなして聞かぬふりをしていたのですが・・・。
たしかその日は、昼夜の2公演があった日で、
その間に、コンビニにお弁当を買いに行ったんです。
私たちが、公演中、一番通う所はどこか、
っていうと、まず間違いなくコンビニなんですね。
お弁当やお茶やらお菓子やら。
ちょっと外の空気に触れるためにも適当な距離だから、
みんな、せっせと通います。
中には、主催サイドから、
お弁当などが出る公演もありますが、
基本、自分の食べ物は自分で用意します。
(小劇場はお金ありませんからね)
で、そのときも、
毎度おなじみ、コンビニのおにぎりをぶら下げて、
楽屋に戻ってきました。
だいたい楽屋の席って、
若手ほど入り口の近くなんですね。
このときも、一番若手の男の子が、
ドアのすぐ脇に座っていて、
私を見た途端、
「あれーーー?? 望子さん!!」
と叫んだのです。
「なに?」
「あれ?? 今、どこにいました?」
「この袋見ればわかるでしょ。
コンビニに行ってきたのよ」
「今・・・帰ってきたんですか?」
「そうよ」
「・・・・・・」
「どうしたの?」
「ほんのちょっと前に、
望子さんの席に、女の人が座ってたんです」
「・・・・・・(声が出ない)・・・・・・」
楽屋を見渡すと、休憩時間のため、
全員外出中で、いるのは彼と私だけ。
(わ、わたしの、せ、せきが、おすきですか~
)
「あーーん。どうしよ~~。
あの席、やだよぉ~。こわいよぉ~
」
「大丈夫ですよ。
もう気が済んで、帰っちゃってますよ」
「ほんと? ホントにそう思う?(半泣き)」
「オレ、なんとなくわかるんです。
さ、安心して座って下さい。大丈夫です!」
今思えば、ここで大騒ぎをされると面倒だ、
と思ったのかもしれません。
とりあえず、なだめとけ、って。
でも、私は実に素直に信じましたよ。
もちろん!
だって、その席に座らなければ、メイクもできないんですから。
でも、それ以降、絶対に1人にならないよう、
誰彼ともなく、くっつきまくっていたのは、
言うまでもありません。
そして、その方も、ありがたいことに、
それ以降、お出ましにはなりませんでした。
(私がニブいだけだったのかも、ですが)
でも、その公演自体は、とっても評判がよく、
ずっと満員御礼で盛り上がりました。
もしかして、
あの方が微笑んでくれたのかも、ね(笑)
長文におつきあいいただき、
ありがとうございました
はい、劇場にいらっしゃる「あの方」の話です。
3年ほど前のこと。
そのときも例によって、小さい劇場で公演していました。
その小屋(劇場)は、
ずっと前に亡くなった、1人の女優さんが、
作った小屋なのだとか。
だからなのでしょう。
劇場全体の規模に較べて、珍しいほど楽屋が広くて、
さすが女優さんが作っただけあるね~、
とみんなで感心していました。
楽屋は、かなり広い部屋がひとつと、
その横に小さな部屋がもうひとつ。
で、まあ、年の功とでも言いましょうか。
私と、もう1人のベテラン女優さんと2人で、
その小さい部屋を使わせてもらうことになりました。
といっても、入り口はほとんど開けっ放しなので、
個室というより、奥のコーナーといった感じで、
みんなで楽しく、公演がスタートしました。
そのあたりからです

「・・・ここ・・・、いるね」
といった話題がチラホラと、
一部の人間から出始めました。
「やめてよぉ~、そういうの極端に弱いんだから!」
なーんて言いつつ、
軽くいなして聞かぬふりをしていたのですが・・・。
たしかその日は、昼夜の2公演があった日で、
その間に、コンビニにお弁当を買いに行ったんです。
私たちが、公演中、一番通う所はどこか、
っていうと、まず間違いなくコンビニなんですね。
お弁当やお茶やらお菓子やら。
ちょっと外の空気に触れるためにも適当な距離だから、
みんな、せっせと通います。
中には、主催サイドから、
お弁当などが出る公演もありますが、
基本、自分の食べ物は自分で用意します。
(小劇場はお金ありませんからね)
で、そのときも、
毎度おなじみ、コンビニのおにぎりをぶら下げて、
楽屋に戻ってきました。
だいたい楽屋の席って、
若手ほど入り口の近くなんですね。
このときも、一番若手の男の子が、
ドアのすぐ脇に座っていて、
私を見た途端、
「あれーーー?? 望子さん!!」
と叫んだのです。
「なに?」
「あれ?? 今、どこにいました?」
「この袋見ればわかるでしょ。
コンビニに行ってきたのよ」
「今・・・帰ってきたんですか?」
「そうよ」
「・・・・・・」
「どうしたの?」
「ほんのちょっと前に、
望子さんの席に、女の人が座ってたんです」
「・・・・・・(声が出ない)・・・・・・」
楽屋を見渡すと、休憩時間のため、
全員外出中で、いるのは彼と私だけ。
(わ、わたしの、せ、せきが、おすきですか~

「あーーん。どうしよ~~。
あの席、やだよぉ~。こわいよぉ~

「大丈夫ですよ。
もう気が済んで、帰っちゃってますよ」
「ほんと? ホントにそう思う?(半泣き)」
「オレ、なんとなくわかるんです。
さ、安心して座って下さい。大丈夫です!」
今思えば、ここで大騒ぎをされると面倒だ、
と思ったのかもしれません。
とりあえず、なだめとけ、って。
でも、私は実に素直に信じましたよ。
もちろん!
だって、その席に座らなければ、メイクもできないんですから。
でも、それ以降、絶対に1人にならないよう、
誰彼ともなく、くっつきまくっていたのは、
言うまでもありません。
そして、その方も、ありがたいことに、
それ以降、お出ましにはなりませんでした。
(私がニブいだけだったのかも、ですが)
でも、その公演自体は、とっても評判がよく、
ずっと満員御礼で盛り上がりました。
もしかして、
あの方が微笑んでくれたのかも、ね(笑)
長文におつきあいいただき、
ありがとうございました
