雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 123 高橋正樹さん著『破局噴火』祥伝社新書、2008年10月初版

2011年01月11日 05時11分43秒 | 本と映像の森
本と映像の森 123 高橋正樹さん著『破局噴火』祥伝社新書、2008年10月初版、244ページ、定価780円+消費税=819円

 「火山シリーズ」で新年から「本と映像の森 120 石黒輝原作・正吉良カラク漫画『カグツチ (上・下)』講談社、2008年」、「本と映像の森 121 石黒耀さん著『死都日本』講談社文庫、講談社、2008年(単行本2002年)」と書いてきましたが、実際に読んだ順は逆です。

 この高橋正樹さんの本は「カグツチ」や「死都日本」のような「破局噴火」が、日本列島で過去に何度も何度もおこって日本列島全体が火山灰に覆われたことを実証しています。

 たとえば7300年前に鹿児島県の現在の薩摩硫黄島の位置にある「鬼界カルデラ」の破局噴火で噴出した「アカホヤ火山灰」が日本列島に分布しています。
 浜松のあたりでは十数センチでしょうか。

 2万9千年前の地層からは、鹿児島県の桜島火山付近の「姶良カルデラ」からの「AT火山灰」が浜松付近でも20センチの厚さで降り積もりました。

 どちらも西日本は潰滅です。

 東日本では箱根火山から6万年前に破局噴火がおこり箱根から東は潰滅しました。

 九州の阿蘇カルデラは、過去に、27万年前、14万年前、12万年前、9万年前と4回にわたって破局噴火を起こしています。

 第1に、災害という観点でも、日本列島全体でも旧石器時代や縄文時代の日本人がどうなったか、当時の生態系がどうなったか、浜松ではどうだったか、ということがひとつです。

 第2に、それが現在の浜松の地層にどう残されているかと言うことです。

 つまり、火山学や地質学という自然科学と、考古学や歴史学、郷土学がすべて混ざり合って、真実の歴史を探究しないといけないということです。