雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

雨宮日記 2019年1月31日(木) 脳の使い方が変わった?

2019年01月31日 21時05分12秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2019年1月31日(木) 脳の使い方が変わった?

 久しぶりに「雨宮智彦のブログ」「青い地球」以外で、まとまった文章を書いて、自分の文章の編集の仕方が変わってきたように感じた。

 以前は、もうちょっと論理的・理論的な編集をしてように感じるが、いまは感性的・映像的な編集を文書の場合もしているように感じる。

 確証はないが。

 脳出血のため右半身が不随となった。だから右半身を制御している脳の左半球がだめになったわけではないと思うけど、何か脳の右半球が活発化そていることは考えられる。

 文章を動画的に編集するとは、論理的にいえば変な話だが。

    ◇

 昨日のレポートで「ヴェオリア」を一部間違って「ヴォエリア」と表記していたので訂正しました。

 

 今日で、「1月」「睦月(むつき)」はサヨナラ、明日から「2月」「如月(きさらぎ)」が始まる。

 


レポート ヴォエリアと西原環境 第1報

2019年01月30日 21時15分56秒 | 歴史

レポート ヴェオリアと西原環境 第1報  

           2019年1月29日(火) 雨宮智彦

1 発端
2 ネットでの「西原環境」の探索
3 フランス人・ヤニック・ラットさんのこと
4 自治体の西原環境への指名停止事件
5 西原環境の歴史
6 ヴェオリア日本グループ
7 「浜松ウォーターシンフォニー株式会社」

 

1 発端

 浜松市の下水道は、すでに2018年4月からコンセッション方式で民営化されてしまっています。民間会社の「浜松ウォーターシンフォニー株式会社」が運営しています。「浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク」では「西遠浄化センター」を見学しました。

 そこの玄関の訪問業者表には「西原環境」などの名前が書かれていました。<写真参照>

 さらに「浜松ウォーターシンフォニー株式会社」のホームページに以下の記事が掲載されていました。

 「契約情報
  以下の工事について契約情報を公開します
  工事名 平成30年西遠浄化センター水処理(3系)機械設備改築工事
  契約日 2018/7/12
  工期  2018/7/12 ~2019/7/31
  請負者 株式会社西原環境」 20190126採取

 これだけです。この「株式会社西原環境」とは、どんな会社なのか、それが発端でした。ネットで探索した第1報をお知らせします。


2 ネットでの「西原環境」の探索

 ネットで「株式会社西原環境」のホームページを探求した結果、以下のようなことが
わかりました。

 ① 西原環境はホームページによれば、本社「〒108-0022 東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー」です。

 ところが「ヴェオリア・ジャパン株式会社/ヴェオリア・ジェネッツ株式会社」もそのホームページによれば「本社 <住所>〒108-0022 東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー」です。

 つまり同じ「ヨコソーレインボータワー」ビルの中にあります。いつでも顔を合わせて相談できるわけです。あからさまに親密な子会社であることを隠そうともしていません。


 ② 西原環境は、各地方に支店・営業所がある全国的会社です。

「北海道支店
東京・東北支店
関東支店
中部支店
関西支店
九州支店
東北営業所
高崎営業所
横浜営業所
北陸営業所
四国営業所
沖縄営業所

国内子会社
株式会社西原環境おきなわ

外部リンク
ヴェオリア・ジャパン 株式会社
いするの家 西原脩三記念館【 後述 】
西原育英文化事業団」

 ③ 「営業品目」は以下のとおりです。

「(設計施工・維持管理・運転管理) 上下水道施設/生活排水処理施設/産業廃水処理施設/廃棄物処理施設等
(機器・装置) 上記施設の機器・装置
(薬剤) 高分子凝集剤他
(輸出入) 上記施設の輸出入」

 ④ 支店について

 ①で書いたように東京の本店の場所が一致しますが、下記のように2つの会社の支店、名古屋の「中部支店」と大阪の「関西支店」は住所が一致します。

 つまり、東京圏・名古屋圏・関西圏と3つの重要なところでだけ、支店まで一致するわけです。

「ヴェオリア・ジェネッツ中部支店
〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵3丁目15番31号 千種ニュータワービル6F
TEL:052-930-5513

西原環境中部支店
〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵3-15-31 千種ニュータワービル
Tel. 052-979-2570 Fax. 052-979-2571

ヴェオリア・ジェネッツ関西支店
〒532-0011 大阪市淀川区西中島3丁目9-12 10F
TEL:06-6302-7771

西原環境関西支店
〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島3-9-12 空研ビル
 Tel. 06-4805-7750 Fax. 06-4805-7760」
 

3 フランス人・ヤニック・ラットさんのこと

 西原環境の役員は、ホームページには代表者すら書かれていません。誰が役員なのかすらわかりません。なぜ表示しないのでしょうか。

 しかし、「グーグル検索」で「西原環境 指名停止」を検索すると「対象業者:株式会社 西原環境 代表取締役 ヤニック ラット(東京都港区海岸3-20-20)」が出てきます。

 代表取締役ヤニック・ラットさんはスペリング「Yannick Ratte」。

 フランス人と思われます。他のネット資料によれば現在「ヴェオリア・ジェネッツ株式会社【 後述 】 上級副社長」などです。

「過去のポジション Veolia France, Veolia, Credit Agricole Indosuez」となっていますから、ヴェオリアから日本に派遣されてきた人のひとりであると思われます。

 「職歴 Veolia Water Japan K.K. 2015年9月【から】 現在 3年 5ヶ月
  株式会社西原環境 2017年5月【から】 現在 1年 9ヶ月」となっています。

 「Veolia France 10年 6ヶ月」とあり期限は書かれていないので、ヴェオリア在籍のまま、日本に派遣されているという可能性もあります。

 他にもわかったことがあったら続報します。みなさんもわかったことがあったら知らせてください。


4 自治体の西原環境への指名停止事件

 ネットで「西原環境」「指名停止」するとたくさんヒットします。これは西原環境が2016年(平成28年)12月19日に北海道室蘭市で起こした労災死亡事故によるものです。昨年2018年8月2日に西原環境が札幌地裁で略式命令を受けたことから全国の自治体で指名停止されたことによるものです。

 例として「 国土交通省 北海道開発局」の「プレスリリース 平成30年12月18日」から引用します。

 「指名停止措置を行いました ~不正又は不誠実な行為~

 株式会社西原環境及び同社の従業員は、平成28年12月19日、室蘭市内の一般工事の工事現場において、単管足場の上部に設置した作業床の開口部に囲い等を設けることなく作業を行わせ、作業員が当該開口部から墜落し、死亡した事故に関し、平成30年8月2日、労働安全衛生法違反により札幌簡易裁判所から罰金刑の略式命令を受けたことから、指名停止を行うものです。」

 西原環境は自社のホームページで、この平成28年12月19日の死亡事故のことをいっさい掲載していません。環境企業として不誠実な態度だと思います。

 しかも自治体が民営化やPFIやコンセッションで民間に運営が移動すると、このような自治体のほんらいおこなわれるはずの指名停止はおこなわれないのではないでしょうか。

 だとすると、問題の起きた事業者へも自治体の事業を民間委託された民間企業は平気で取引できることになります。


5 西原環境の歴史

 「西原環境」はどんな歴史を持つのか。ホームページ「西原環境」のなかにリンク「いするの家 西原脩三記念館」がある。そこへ行くと、次のような文章を読むことができます。

「西原脩三記念展示室 西原脩三略歴

■明治16年(1883)東京生まれ。家庭の事情により中学進学を断念するが、工手学校夜間部に通い土木を学び、利根川の河川測量助手を経て、内務省土木局に勤務する傍ら、銀座メソジスト教会や、東京外国語学校夜間英語専修課にて英語を習得する。
■その後、釜山水道建設や鬼怒川でのダム工事に関ったの後、東京市下水課に就職したが、学歴のない者の官界での仕事に疑問を抱き、民間へ転出を決意。日独合弁会社「建材社」に客員として赴き衛生工事部門を担当。建材社入社後、ヴォーリス設計の神田YMCAを皮切りに、本邦初の高層ビル東京海上第1期ビルの衛生工事を担当し、トラブルを抱えながらも工事を完逐する。
■大正6年(1917)34歳の時、西原衛生工業所を創立し衛生工事事業の傍ら、し尿・汚水処理の研究と事業を手がける。
■昭和32年(1957)には(株)西原環境衛生研究所(現:(株)西原環境)を設立し、環境衛生分野での事業を行う。この頃から「自然から得たものは自然に返す」という理念のもと、し尿消化生産物の資源的利用に意を注ぎ、資源再利用の新分野開拓に貢献した。
■また、アジア学生協会への多額の寄付や、海外留学生のための保養施設「いするの家」を軽井沢に開設するなど、海外交流・社会貢献事業にも力を入れた。昭和40年(1965)没。享年82才。昭和30年(1955)黄綬褒章、昭和40年(1965)勲4等瑞宝章受章。」


 ネットの「ウィキペデイア ヴェオリア・ウォーター(英語: Veolia Water)」によるとヴェオリアは日本の企業を次のように買収しています。
 
 2002年 水道検針大手のジェネッツを買収
 2005年 昭和環境システムを買収
 2006年 中堅水処理会社の西原テクノサービス(現西原環境)を買収

 つまりヴェオリアは、日本のいくつかの古い環境会社を買い取って、ヴェオリア日本グループの手駒として使っているわけです。


6 ヴェオリア日本グループ

 いま世界の独占水企業の御三家といわれるのが「ウォーターバロン(水男爵)」と呼ばれる3社です。テムズウォーター(イギリス)、スエズ(フランス)、ヴェオリア(フランス)の3社を言います。

 ヴェオリアは、ネットで見ると「ヴェオリアグループは、資源管理最適化の世界的リーディングカンパニーです。全世界約16万9,000名の従業員・・・・・・2017年、ヴェオリアグループは、全世界で9,600万人に水道サービス、6,200万人に下水処理サービスを提供、また5,500万MWhの発電を行い、4,700万トンの廃棄物を新たな原料やエネルギーに変換しました。」と言っています。

 ヴェオリア日本グループは「ヴェオリア・ジャパン株式会社」「ヴェオリア・ジェネッツ株式会社」「株式会社西原環境」などから成っています。

 ネット「ヴェオリア・ジャパン株式会社」「ヴェオリア・ジェネッツ株式会社」の寺社PRを見ました。

「商号 ヴェオリア・ジャパン株式会社
設立 2002年5月1日
従業員数: 2,950名(グループ連結/2017年12月末現在)
 (「従業員数 3,669名(連結)」とする資料もある。)
本社 〒108-0022 東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー11階
代表者 代表取締役社長 野田 由美子」

「ヴェオリア・ジェネッツ株式会社
設立 1997年1月20日
本社 〒108-0022 東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー
代表者 野田 由美子
    深澤 貴
資本金 1億円
 ・・・・・(中略)・・・・・・・・
従業員数 1,575名
(検針員・パートタイム労働者を含む従業員数5,383名/2017年12月末現在) 」

 「ヴェオリア・ジャパン株式会社」「ヴェオリア・ジェネッツ株式会社」の2つの会社のホームページは大会社でありながら、代表者の肉声がまったくないのが特徴です。

 野田由美子さんは、以前に横浜副市長をしていましたが止めて、「ヴェオリア・ジャパン」の代表取締役社長になった人です。彼女のことについては続報で語りたいと思います。


7 「浜松ウォーターシンフォニー株式会社」

 浜松の下水道運営を請け負う「浜松ウォーターシンフォニー株式会社」についてはホームページを、まず見ましょう。

「会社概要
社名(商号) 浜松ウォーターシンフォニー株式会社
Hamamatsu Water Symphony K.K.
設立年月日 2017年5月12日
本社所在地 〒430-0834 静岡県浜松市南区松島町2552番1 [地図]
代表電話番号 053-424-7996
代表者名 代表取締役 山崎 敬文

役員情報
代表取締役 山崎 敬文
取締役 深澤 貴
取締役 貫井 純子
取締役 ボードゥアン・ドラクロワ
取締役 坂田 美恵
取締役 オードレ・クデール
取締役 城田 達弘
取締役 藤原 昌明
取締役 羽廣 潔
取締役 金原 秀明
取締役 越智 健三

監査役 ジュリアン・バレイ
監査役 玉置 揚一

株主 ヴェオリア・ジャパン株式会社
ヴェオリア・ジェネッツ株式会社
JFEエンジニアリング株式会社
オリックス株式会社
須山建設株式会社
東急建設株式会社」

 設立は「2017年5月12日」、つまり浜松の上下水道をとるための即製会社ということではにでしょうか。

 会社所在地は「〒430-0834 静岡県浜松市南区松島町2552番1」です。これは、もしかして「浜松市西遠浄化センター」の中では、ありませんか?

 これはまた、役員問題などとともに続報します。

 「代表取締役 山崎 敬文」さんは、ネット資料によれば、「2011年04月11日 ジェネッツの社長に1日付で深澤貴取締役営業本部長が就任した。前社長の山崎敬文氏は退任し、ヴェオリア・ウォーター・ジャパンの副社長に就任した。」と書かれています。

 その「山崎敬文」さんをネットで検索したら福岡県大牟田市の「株式会社フレッシュ・ウォ-タ-三池,」の「代表取締役」を「山崎敬文」さんがしていました。水関連の企業なので同一人物だろうと思います。

 大牟田と浜松とは、なんとも忙しい人と感じるのでしょうか。


 以上を第1報とします。もっと調査研究してみます。

 


雨宮日記 2019年1月29日(火) 水問題で「ヴェオリア日本グループ」を書く

2019年01月29日 19時08分17秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2019年1月29日(火) 水問題で「ヴェオリア日本グループ」を書く。

 浜松の水道民営化問題で探索をしたドキュメントをここ2日かけて書いた。タイトルは「レポート ヴォエリアと西原環境 第1報 2019年1月29日(火) 雨宮智彦」。

探索していて面白かった。まだ「第1報」なので「第2報」・・・なども書くつもり。

 目次を書いておく。

「1 発端
2 ネットでの「西原環境」の探索
3 フランス人・ヤニック・ラットさんのこと
4 自治体の西原環境への指名停止事件
5 西原環境の歴史
6 ヴォエリア日本グループ
7 「浜松ウォーターシンフォニー株式会社」

則子さんの職場ではインフルエンザがはやっていて、非常体制だそうです。

 


雨宮日記 2019年1月28日(月) 水のビデオ作品第3作完成

2019年01月28日 19時38分51秒 | 雨宮日誌

雨宮日記 2019年1月28日(月) 水のビデオ作品第3作完成

 13日の「命の水を守る全国のつどい・浜松」のビデオ動画第3作を完成。尾林弁護士の問題提起。約10分。

 説明に「コンセッション 直訳「利権」「租界」というのを加える。

 寒くなりました。

 


新・本と映像の森 231 安冨歩・本條『ハラスメントは連鎖する』光文社新書、2007年

2019年01月27日 19時50分55秒 | 本と映像の森

新・本と映像の森 231 安冨歩・本條『ハラスメントは連鎖する』光文社新書、2007年

 331ページ、定価本体840円

 8年前に「本と映像の森 31」で書いたものをまず再録する。

「2010年04月24日 05時41分08秒 | 本と映像の森
本と映像の森 31 安冨歩さん・本條精一郎さん著『ハラスメントは連鎖する』光文社新書299、2007年4月20日初版第1刷、331ページ、定価840円+消費税

 この本を書店で(たしか谷島屋三方原店で)見つけて、あっ!と思って,買ったのは2008年の初夏の頃でした。
 実は、自分が所属する組織のなかで、自分以外のAさんが、自分以外のBさんに仕掛けたハラスメント事件で、どうしたらいいか、このことの原因や本質は何なのか、悩んでいて、家に帰って、一晩で読みました。
 
 この本は、みなさんの回りにもいっぱいあると思いますが、パワハラ・セクハラ・モラルハラスメントなど「ハラスメント」についての基本的テキストであると思います。
 なぜかというと、ハラスメントについての基本的な構造とそれが起きる原因を解明しているからです。(もちろん、ぼくがこの本を読んでそう思ったと言うことです。)

 同時に、この本は、人間とはなにか、人格・魂とは何か、について、基本的な解明をしているように思います。
 というより、人間とは何かについて基本的解明ができたから、ハラスメントについても解明ができたというこでしょう。

 私の理解した範囲でまとめると、ハラスメントとは、
 ① Aという個人が他人に、「これをしろ」あるいは「これをするな」と押しつけ・強要・強制をすること。
 ② ①のことは、AがBに、教育として・助言として・先輩として・親としておこなう善意の行為だから、拒否するな、拒否するならAがBを罰するというさらなる押しつけ。
 ③ ①や②を拒否するBに、受け入れるまで①②を押しつける強制、さらに暴力(言論も含め)をふるうこと。

 つまり、たんなるいじめ・暴力ではなくて、「これはおまえを愛するがゆえの」とか「上司としての指導・教育だ」とか、入ってくるんですね。
 
 これは、たとえば学校の同じクラスの対等平等の生徒同士では、ぜったい理由になりません。「指導」とか「教育」とか言っても。

 安冨さん・本條さんが解明した問題は、かなり多岐にわたるので、今後は「人間と心と集団」のシリーズで考えていきたいと思います。

 集団という場合、そこには、すべての集団が入りますので(保守的集団・自治会的集団・NPO的集団・民主的集団)、思考はかなり多岐にわたります。
 でも、いつも,普遍的でありたいと思います。」

 以下、本からのいくつかの紹介。

 ≪ 安富歩・本條晴一郎/著『ハラスメントは連鎖する』<光文社新書>、光文社、2007年、p81~82 ≫

 「この1方向の流れは、単に、オルゴール人形のような単純な機械にのみ適用される見方ではない。たとえば、
 「原因 → 結果」…
 「意図 → 行為」…
 「選択 → 責任」…
 「ルール → 決定」…
 「計画 → 実行」…」

 ≪ 安富歩・本條晴一郎/著『ハラスメントは連鎖する』<光文社新書>、光文社、2007年、p174~175 》
 
 「評価の強力な味方であり、情動反応の大いなる敵となるのは、自分自身をパッケージ化することである。自分のパッケージ化とは、自分で作り上げた自己のイメージを、自分とみなすことだ。……
 その瞬間瞬間に感じたものを自分とするのではなく、自分が設定した自己の自己のイメージを、自分とすることがパッケージ化である。情動を感じる「今」の自分こそが「本来の自分」であり、パッケージ化は「自分に対する裏切り」と等価である。
 パッケージ化は、自発的に起こるものではない。他者によって情動反応を咎められた結果、本来の自分を受け入れることができなくなり、その代わりに設定されたものである。パッケージは評価の対象として作られる。」

 《 安富歩・本條晴一郎/著『ハラスメントは連鎖する』<光文社新書>、光文社、2007年、p286~289 》

 「アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』は、こうやって自殺に追い込まれるハラスメント被害者の物語である。‥‥(中略)‥‥ハラスメント論の観点からすれば、この小説の主題である王子さまとバラの関係は、女性によるモラル・ハラスメントの様相を見事なまでに描き出している。また、砂漠のキツネによるセカンド・ハラスメントの恐ろしさも、息を呑むほどである。
 王子さまは宇宙のかなたの小惑星で、ひっそりと自分のルールに従って暮らしている。おそらくは深刻なハラスメントを受けて、外界とインターフェイスの接続を切ってしまい、周囲とのコミュニケーションよりも、自分の世界に没頭することを選んだのであろう。
 そこにバラの種がどこからともなく飛んできて、入念に化粧して王子さまを誘惑する。王子さまはその姿にすっかり魅了されて、「あなたはなんて美しいんだろう」と感嘆する。
 こうして王子を惹きつけたバラは、些細なことやどうでもいいことを取り上げては王子を責める。バラの目的は、どんなことであれ、間違っているのは王子さまの方だ、と思わせることであり、良心の呵責を利用して支配することである。実際にこの手段によってバラは、王子さまにあれやこれやと世話を焼かせることに成功している。
 挙げ句の果てに王子さまは「つまらない言葉をまじめに受け取って、たいへん不幸になってしまった。」そして耐えきれなくなって、自分の家である小惑星を捨てて、放浪の旅に出る決意をする。
 王子さまが「さようなら」を言いに行くと、バラは突然、しおらしくなって、まったくとがめだてせず、「あたし、馬鹿だったわ」とかあ「お幸せになってね」とか「あなたが好きよ」とかいった言葉を連発して王子さまを面食らわせる。これがバラの最後で最強の攻撃である。
 地球に到達してから飛行士に
 「あの花は本当に矛盾している」
 と述懐していることから、バラが出会いの場面でも、日常でも、別れの場面でも、矛盾したメッセージを次々送り込んで、王子さまの思考過程を混乱させて支配するハラスメントの手法を用いていたことは確実である。バラは、堂々たるタガメ女(第2章参照)である。
 王子さまは見事にハラスメントにかかり、逃げ出すべきではなかった、とか、バラのやさしさを見抜くべきだった、とか、自分が幼すぎてそれが理解できなかったのがいけなかった、とかいった、ハラッシーに典型的な自責の言葉を述べている。‥‥(中略)‥‥
 王子さまの自責の念を強烈に刺激して、自殺に追い込むのが、砂漠に住むキツネである。キツネはまず王子さまに、「飼い慣らす」という言葉を教える。
 その意味をキツネは「絆を創る」ことだと言う。このすり替えはかなり悪質である。飼い慣らすと言う言葉には明確な方向性があり、「飼い慣らす者/飼い慣らされる者」という明確な立場の違いが生まれる。ところが、絆を創る、という言葉に方向性はない。両者は平等である。
 キツネは、これによってバラと王子さまの非対称な関係を、お互いさまだと思い込ませる。飼い慣らすという言葉を教えてもらった王子さまは、バラのことを思いだして、
 「一輪の花があってね‥‥その花がぼくを飼い慣らしたんだ」と言う。
 バラが王子さまをハラスメントにかけて操作したのであるから、この認識は正しい。ところがキツネは「飼い慣らされる=絆を結ぶ=飼い慣らす」という欺瞞的等式に基づいて、
 「バラ → 王子さま」という関係を逆転させて
 「王子さま → バラ」という関係にすりかえてしまう。そして別れ際にこ王子さまにこう宣告する。
 「きみは、きみが飼い慣らしたものに対して、永久に責任がある。きみは、きみのバラに責任がある‥」」

 まだまだ引用したいが、以上で今日は終える。

 


雨宮日記 2019年1月26日(土) 13日の水のビデオ作品第2作

2019年01月26日 20時57分27秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2019年1月26日(土) 13日の水のビデオ作品第2作

 13日の「命の水を守る全国のつどい・浜松」のビデオ動画第2作を完成。つどいの最初におこなった地元の基調報告。約12分ぐらい。

 午後9時現在、まだブログ「浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク」にアップしてありません。

 たぶん全部で10作品以上になる。こういう大作は編集するのがたいへんで、今日の場合、4人の撮影動画を組み合わせて編集する。

 則子さんは午後、メガネ屋さんへ10年ぶりくらいにメガネを直しにいきました。約2万2千円で、1週間くらいかかるそうです。

 


雨宮日記 2019年1月25日(金) ベネズエラ革命

2019年01月25日 20時39分11秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2019年1月25日(金) ベネズエラ革命

 ベネズエラで政変いや「革命」と言うべきだ。現政権は経済的も統治能力を失い、国民弾圧がひどい。

 今は二重権力状態か。旧政権が早く倒れることを望む。それはベネズエラ国民の当然の革命権です。

 いまちょうど1956年のハンガリー革命についての本を読んでいた。おもしろい。当時は「反革命へのソ連の革命的干渉」という認識が圧倒的多数だったと思う。

 フォトジャーナリストの広河隆一さんが若い女性を何人もホテルで暴行していたニュースがあった。ボクモ本を持ってるし、「デイズジャパン」の読者だったこともある。

 権威をふりまわすたんなるエロ爺(じじい)じゃないか。いい仕事をしても、人間が歪んでたんだと思います。いつから?

 ボクたちはフラットでオープンな人間関係でありたいものです。それができないなら、すぐ止めるという判断・決断はできないんでしょうね。

 明日は大寒波。さみいよお。

 


雨宮日記 2019年1月23日(水) 則子さんと父、『市民文芸』に入選

2019年01月24日 11時00分14秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2019年1月23日(水) 則子さんと父、『市民文芸』に入選

 昼閒、郵便で文芸館から『浜松市民文芸』の入選通知が来た。則子さんの「自由律俳句」入選と父の「評論」入選。お疲れ様。父の評論は堀辰雄の『風立ちぬ』(かぜたちぬ)についてのようです。則子さんが清書しました。

 日本各地でインフルエンザが大流行しています。お年寄りの施設で集団発病で1つの施設で何人も死亡というケースが3つほどニュースでやっていました。

 40代の女性が東京の電車駅でインフルエンザでもうろうとしてホームに転落して死亡だそうです。労働者はそんなでも仕事にいかねばと出勤しちゃうんですね。

 ボクはちょっとノドが痛いので、用心して暖かくしています。

 


新・本と映像の森 230 TBSテレビドラマ「くいず QUIZ」2000年

2019年01月23日 11時46分10秒 | 本と映像の森


新・本と映像の森 230 TBSテレビドラマ「くいず QUIZ」2000年

 「雨宮日記」でちょっと触れた「TBSテレビドラマ「くいず QUIZ」2000年をようやく見終わった。

 全6巻、12回。

 多摩市の新興住宅地の夫婦の7才になる1人息子生(しょう)が誘拐される。

 犯人は「くいずです」という件名でパソコンへメールで脅迫文を送ってくる。やたらとくいずが多い。犯人はくいずマニアか?

 「かごのなかの かわいいいのち
  いのちをけしちゃう かごってなーんだ」

 主人公は警視庁特殊捜査班(SIT)の若い女性。彼女は人の心が読める超能力者ゆえに心を病んでいる。主人公役は財前直見さん。

 でもボクが思うに、事件解決にその能力はあまり訳だっていない。同僚から畏怖されるという設定だけで。

 それより周りの家族の設定や便乗犯の設定がおもしろい。もちろん警察内部も。

 ストーリー全体は納得だけど、細部はちょっと荒いと思う。重要なエピソードや重要な「小物」の解決の仕方がちょっと変な感じ。

 4つの家族の壊れ方がリアルすぎて怖いくらい。

 なお、これは複合犯罪です.便乗犯がいるという意味ではありません。

 18年前のテレビドラマだけど今、見る価値は充分にある。

 


雨宮日記 2019年1月22日(火) 則子さん目医者に行く

2019年01月22日 21時37分01秒 | 雨宮日誌

雨宮日記 2019年1月22日(火) 則子さん目医者に行く

 則子さんがここ10日くらい右目が充血しているので、則子さんは、今日は目医者さんに行った。中区の佐藤町の目医者に行ったら、そこは基本的に紹介制だというので、東区将監町の目医者さんに行った。

 緑内障でも白内障でもなく、右目の涙腺の腫れだというので、ちょっと安心。メガネもあっていないと言われた。

 ぼくも一安心。


新・本と映像の森 229 近藤夏樹「水は「商品」ではありません」(『学習の友 2019年2月』p58~61)

2019年01月22日 11時00分17秒 | 本と映像の森

新・本と映像の森 229 近藤夏樹「水は「商品」ではありません」(『学習の友 2019年2月』p58~61)

 いま浜松でも問題になっている「水道民営化」問題を解説した小品。4ページのコンパクトな論文ですが、価値があります。

 著書は「自治労連公営企業評議会事務局長」で、浜松へも講演に来た方。

 日本政府・日本財界の野望や宮城県・千葉県君津・浜松市・大阪市・奈良市・パリの事例が取りあげられています。

 「水は公共の財産であり、住民と行政によるコントロールを必要とするため、再公営化と同時に住民参加の仕組みを模索していることです。」(p61)

 「これは」「ライフラインを住民の手にとりもどす運動なのです。」(p61)

 < 目次 >

 1 広域化と民営化をセットで推進する
    委託加速により失われた技術と技能
    遅すぎた「決断」
 2 水需要予測の誤りを隠す広域化
    簡易水道統合で経営が悪化
    スケールメリットを活かすというが
 3 失敗しない民営化ができるのか
    民営化への住民の反発
 4 世界は再公営化へ
    再公営化と同時に起きている住民参加
    住民への情報開示と経営への参加
    とても困難な再公営化


雨宮日記 2019年1月21日(月) ビデオ「1.13命の水を守る全国のつどい・浜松」を創る

2019年01月21日 23時39分11秒 | 雨宮日誌

雨宮日記 2019年1月21日(月) ビデオ「1.13命の水を守る全国のつどい・浜松」を創る

 ビデオ「1.13命の水を守る全国のつどい・浜松」の第1作で速報版の18分を完成しました。

 これから各発言者別の個別版を創っていきます。1月から2月はこれが最優先になります。

 テレビドラマ「クイズ」を見る。主人公は警察と主婦と子ども。7才の男の子が誘拐され、マザーグースばりの「くいずです」というメールで物語が展開する。

 ボクは最初、子どもたちが犯人かと思った。そういうテレビ?ストーリー、どっかにあったよね。今4回まで見てまだ未解決。


新・本と映像の森 228 ことばと詩 9 大隈言道『こぞのちり』より

2019年01月20日 10時25分33秒 | 本と映像の森

新・本と映像の森 228 ことばと詩 9 大隈言道『こぞのちり』より

 昨日に続いて江戸時代の歌人。寛政十年(1798年)生まれ。慶応四年(1868年)没。没年は橘(たちばな)曙覽(あけみ)と同じです。

 『こぞのちり』にこう書いています。

 「わがものを詠まんとすれば異軆になり、異軆ならじとすれば古人のものになる。歌の難きところなり。さはれ、古人の歌いくつ詠みたりとて、詠まざるも同じ、生涯歌なくて歌詠みなるは悲しむべし」

 心から同感します。他人の考えや組織の考えをいくら書いても、自分の考え・自分のブログには、なりません。

 羽仁五郎『明治維新』岩波新書、1956年改版、p79に引用。

 


新・本と映像の森 227 ことばと詩 8 橘曙覽「灯火のもとに夜な夜な・・・」  

2019年01月19日 11時00分33秒 | 本と映像の森

 

新・本と映像の森 227 ことばと詩 8 橘曙覽「灯火のもとに夜な夜な・・・」
 
 橘(たちばな)曙覽(あけみ)は江戸時代の文化九年(1812年)に生まれて。刑事維新直前の慶応四年(1868年)に没した歌人・国文学者です。
 「覽」は「ウィキペディア 橘曙覧」では「覧」になっていますが、本来は「覽」です。

 「たのしみは」の連作は、よく紹介されていますが、今日はボクの好きな1首を紹介します。

 「灯火のもとに夜な夜な来たれ鬼、我がひめ歌の限りきかせむ」
    ( 羽仁五郎『明治維新』岩波新書、1956年改版、p78 )

 江戸の時代背景と彼の生涯をバックに見て、よく味読することが可能な歌です。「鬼」とはなんでしょうか。「我がひめ歌」とは、どんな「秘め」られた歌・秘密の歌なんでしょうか。

 ボクは後世の「鬼」たちに、彼が「我がひめ歌」を秘かに書き残さなかったのか、と思考します。

 


役に立つ豆知識と役に立たない豆知識 (8) バナナの保存法

2019年01月18日 20時06分53秒 | 役に立つ豆知識と役に立たない豆知識

役に立つ豆知識と役に立たない豆知識 (8) バナナの保存法

 今日、則子さんが話していた「役に立つ豆知識」。

 バナナをすぐ食べずに、少し保存するときは、1本1本はずして、その1本1本をラップでくるんで冷蔵しておくそうです。

 役に立ちますか?