雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 120 石黒輝原作・正吉良カラク漫画『カグツチ (上・下)』講談社、2008年

2011年01月06日 05時19分41秒 | 本と映像の森
本と映像の森 120 石黒輝原作・正吉良カラク漫画『カグツチ (上・下)』講談社、2008年11月7日発行、各667円+消費税×2巻

 マンガですが、すごくインパクトがあったので、紹介します。

 原作の石黒輝(あきら)さん著の『死都日本』(講談社、2002年発行)では、主人公は火山科学者の黒木助教授ですが、マンガ版では、その黒木助教授の息子のりょうが父親のいる宮崎県へ母と引っ越してきて、火山噴火による大変動に遭遇するという設定に変更されています。

 物語の背景にあるのは、日本列島に過去、いくつもある大規模な「破局噴火」です。
 
 つまり阿蘇カルデラをつくるような、日本列島全体に火山灰が降り注ぐような「破局噴火」が、いま現在、起こったらという、リアルな物語です。

 物語は、霧島火山群を中心である巨大カルデラ「加久藤(かくとう)カルデラ」が、宮崎沖地震を引き金に活動を始めてしまいます。

 火山弾と、次の火砕流、そして火山灰による土石流などで、食糧不足も含めて日本列島で死者予測は1000万人、さらに全世界的な気温低下で数億人が死に追い込まれます。

 カグツチは、日本神話で火の神様の名称です。

 このマンガの魅力は、少年主人公の16才、黒木りょうが転校してきた宮崎の高校の男女群像でしょう。
 りょうと日向子(ひなこ)と少年少女達が、この災害にどう立ち向かい、どう生きるか、それがテーマです。

 おすすめです。