雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

原発ニュース やっぱりそうなんだ、170km圏内は強制移住覚悟

2012年01月31日 05時34分44秒 | 地震・原発・津波・防災情報
原発ニュース やっぱりそうなんだ、170km圏内は強制移住覚悟

 昨年のあの3月の頃に、求められて最悪の事態を想定してみたら、ものすごい結果で、そのときは公文書にせず、葬り去ろうとした文書が出てきました。

 なんと、福島第1原発から170kmは強制移住、さらに250km圏内は希望者は移住というシナリオ。

 170km圏内だと、仙台市・山形市・宇都宮市・水戸市などがスッポリ入ります。

 250km圏内だと、新潟市・前橋市・千葉市・東京都・横浜市などがスッポリ入ります。

 当時の菅直人首相は退任後のインタビューで「最悪の場合、避難対象は 首都圏を含め3000万人。国として機能しなくなるかもしれないと思った」と証言しています。

 3000万人が避難できる場所なんて、ないですよ。

 やはり、原発事故と放射能汚染の危険から市民の命と健康を守るためには、原発をすべて止めるしか、方法はないと思います。

 
 
 

雨宮日記 1月30日(月)の2 長女が「ただいま」と家に来ました

2012年01月31日 05時22分40秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月30日(月)の2 長女が「ただいま」と家に来ました

 夕方、中田島海岸から家に帰ったら、長女がいて「ただいま」と言うので「おかえり」といいました。

 実は、最近、次女と長女がかなり似てきて、いっしゅん、「え、どっちだ」と迷うことがあります。長女が次女と似たショートカットになったので、なおさらです。

 則子さんと一緒に台所に立って夕食を作っていたので、則子さんに「新聞でイルカが海岸に打ち上げられた」って書いてあったから、見に行ってきた」と言ったら「え、ほんとに行ったの?」と半信半疑のご様子でした。

 長女がお吸い物を飲んで「これだと、彼が、薄すぎて味がない、っていうんで、濃くするの」と言うから則子さんが「うちは薄味だからね」と言ってました。

 ぼくも、どっちかというと濃い味支持なのですが、雨宮家では多勢に無勢で、2人に「ぼく、味のないお吸い物をガマンして飲んでます」とは、言えませんでした。

  ☆

 「うちって都市ガス?」と長女が聞いたので、ガス料金・電気料金・浜松市の水道料金の値上げの話になりました。

 これって、どうなんですか?

 全部いっぺんにって、ちょっと、ひどいです。


 

地震ニュース 浜松市中区の自宅と中田島海岸で、磁石の異常は

2012年01月30日 22時08分52秒 | 地震・原発・津波・防災情報
地震ニュース 浜松市中区の自宅と中田島海岸で、磁石の異常は

 磁気異常が房総半島などでひどくて、東海地方の渥美半島まで広がっているとネットで広まっています。

 ほんとかな?と思うのは、「海洋学者」なのに陸上のデータばかりなのと、フォッサマグナを越えて東側の房総半島と西側の東海地方が同じ現象を示すのは、どんなものでしょうか?と。

 磁気で方位を測る磁石を2種類もって、中区十軒町の自宅と、南区中田島の海岸で磁気異常がないか、調べました。

 自宅前の東西の道路は、少し南に偏していて北から時計回りに260度で、異常なしです。

 中田島の海岸で、海岸から見えるアクト・タワーの方向を磁石で測りましたが、これも異常なし。

 浜松で、ボクの測った範囲内では、いちおう磁針は異常なし、ということです。

 誰か、磐田市福田漁港で測ってくれないかな?

 週刊誌?の記事でしょうか、福田漁港で35度狂っていたとありますので。 

 それとも、則子さんと二人で測りに行こうかな?

 みなさん、自分で磁石を買って、地図の北と同じ方向を指し示すか、自分で確認しましょう。

 科学は事実と道理に基づいて、誰がやっても同じ結果が出ないと、科学の成果にはなりません。

 なお、金属がそばにあると磁石は狂いますので、気をつけましょう。


雨宮日記 1月30日(月) 恐いけど行ってきました、中田島海岸

2012年01月30日 21時59分14秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月30日(月) 恐いけど行ってきました、中田島海岸

 今朝の新聞に、中田島海岸でイルカの一種のスナメリが打ち上げられているのを若いカップルが発見した記事が載っていました。

 海岸にイルカやクジラが打ち上げられるのは、海底の磁気異常のせい?との説もあるので(あくまでも説です)、津波が恐くてずっと行ってなかった中田島砂丘へ行ってきました。

 中田島の駐車へ車を止めて、降りると、寒い!

 それに今、この瞬間に東海大地震が起こったらと思うと、恐い。

 海辺まで砂丘を早足であるきました。

 ところどころに白くなりかけた流木。

 砂流出を止めるための海の中のテトラポッド。

 東の方に、浜松市が昔捨てたごみが流出して土をかけた崖。

 戦後、観光客用に砂丘につくったという「プール」?のコンクリの残骸。

  ☆  

 遠くまで見渡して、望遠鏡(単眼鏡)で偵察したけど、スナメリさんの遺体は、わからない。それに、ボク以外、人っ子一人いない。
 
 恐くなって逃げ帰りました。帰りに若い二人連れとすれちがいました。

 
 

地震ニュース ほんとうかな?磁気異常・クジラの上陸・富士山の雪溶ける

2012年01月30日 05時47分41秒 | 地震・原発・津波・防災情報
地震ニュース ほんとうかな?磁気異常・クジラの上陸・富士山の雪溶ける

 富士五湖地震に触発されて、ネット世界を少し探検しました。

 そしたら、① 房総半島から東海地方での磁気異常、② クジラが陸にのりあげる異常、③ 富士山の雪が今年2012年に入って真冬に溶ける異常、というのが出てきました。

 これらが本当かどうか、事実と道理に基づいて探っていきたいと思います。

 「① 房総半島から東海地方での磁気異常」ですが、磁石1つあれば、誰でも測れるのに、すべて、たぶん「週刊プレイボーイ」の「海洋学者の辻囲周氏」の記事のコピーです。

 科学というのは、事実に基づく、事実と道理による実証で、つまり「誰が測っても」結果は同じでないと、おかしいです。

 2011年7月の調査で、福田港で35度の磁気異常を観測と書いてあるので、ほんとかどうか、確認したいと思います。

  ☆

 写真は、昨年、寺院・古墳の方向性(主には東西か、南北か)を確かめるために購入した磁石です。
 
 こういうことに役立つとは思いませんでした。

地震ニュース 富士五湖地震と富士山噴火の関係など

2012年01月30日 05時18分49秒 | 地震・原発・津波・防災情報
地震ニュース 富士五湖地震と富士山噴火の関係など

 1月28日(土)朝から始まって、29日(日)までに、富士山の北麓、富士五湖の地下で地震が頻発しています。

 最大の地震は、28日朝7時43分のM5.4、最大震度5弱ですが、M2.0以上。震度1以上の地震が2日間で19回おきています。

 気象庁は「富士山噴火と関係はない」といってますが、直接の関係はない、マグマの上昇ではないにしても、富士山直下のマグマの上昇による近くの歪みが、直近の富士五湖の地下20kmで地震を誘発している可能性はあるのではないでしょうか。

  ☆

 富士山噴火との関係では「「地震・防災の本 木村政昭さん『富士山大噴火』宝島新書、2011年8月」 2011年11月30日 05時29分27秒 | 震災・防災・くらし情報」を紹介しました。

 地震でいうと、2009年8月11日に静岡市沖の駿河湾の地下23kmでM6.5の地震が起きました。

 さらに東日本大震災の直後4日目の3月15日に、富士山頂の南数kmの富士宮市、地下10km?で、静岡東部地震(富士宮地震)がおきました。

 そして、今回は、富士山頂を飛び越して、山中湖付近の地下20kmで、2日間の群発地震になったわけです。

 2009年駿河湾地震から、2011年3月15日の富士宮地震へ、東北へ地震の震央が伸びていって、今回は富士山を越えて北東に、富士五湖地下まで来た、という感じがしませんか?印象批評ですけど。

 もともと昨年3月15日の富士宮地震は、やはり東日本超巨大地震(M9.0)の余波でフォッサマグナを越えて、西日本にまで影響が波及したと思います。

 

 

本と映像の森 189 ヤマザキ マリ/著『テルマエ・ロマエ Ⅰ』エンターブレイン/発行

2012年01月29日 05時26分59秒 | 本と映像の森

本と映像の森 189 ヤマザキ マリ/著『テルマエ・ロマエ Ⅰ』エンターブレイン/発行、角川グループパブリッシング/発売、2009年12月8日初版初刷~2011年12月14日初版19刷、定価680円+消費税

 テルマエ・ロマエ」は、たぶん「ローマのお風呂」とかいう意味でしょうか?奇想天外なアイディアの「お風呂物語」です。主人公は紀元2世紀、紀元129年のローマに住む「お風呂建築家」のルシウスさん。
 
 ルシウスさんがローマのお風呂につかっているうちに、現代日本のお風呂と水中で「タイム・トンネル」(古い!)のようにつながって現代日本の「平たい顔族」のお風呂に出没して、現代日本のお風呂から学んで、ローマのお風呂を改革し という物語。

 とにかく「時空を超えた大冒険(風呂限定)」がおもしろい!あと4巻まで出ていて、この4月には映画化、4月28日から上映されます。マンガも映画も必見かな。

 人類史上、いちばんのお風呂好きは、古代ローマ人と現代日本人ということでしょうか?知りませんが。

 作者のヤマザキ・マリさんは、イタリア人と結婚してポルトガルに住んでいるようです。

 


地震ニュース 1月28日(土)午前7時39分と43分に富士五湖地下で地震

2012年01月29日 05時25分57秒 | 地震・原発・津波・防災情報
地震ニュース 1月28日(土)午前7時39分と43分に富士五湖地下で地震

 お昼過ぎ、目が覚めて着信しているメールを開けたら、浜松市の防災メール「地震情報」が来ていました。
 山梨県・富士五湖の地下20kmを震源にM5の地震が朝2回ありました。7時39分の地震がM5.0で浜松市内でいずれも震度1、4分後の43分の地震はM5.5で浜松市内は震度2と震度1です。
 中区元城町で震度2でしたが、ぼくはぐっすり寝ていて気づきませんでした。浜松で誰か気づいた人、いますか?
 富士山噴火に関連する地下のマグマが原因なのでしょうか。その可能性は、ありますね。詳報を探します。
 なおメールは7時52分と7時53分に来ていますから、13分後と10分後で、とっさの対応には役に立ちませんね。



浜松・放射線量測定情報 自宅定点 1月28日(土)午後

2012年01月28日 21時37分23秒 | 地震・原発・津波・防災情報
浜松・放射線量測定情報 自宅定点 1月28日(土)午後

 1月28日(土)15時25分、うすぐもり、寒い、風強い
  
 11回目から20回目、10回測定
  平均値 0.050
  最大値 0.056
  最小値 0.043

 21回目から30回目、10回測定
  平均値 0.050
  最大値 0.057
  最小値 0.043

 11回目から30回目、20回合計
  平均値 0.050
  最大値 0.057
  最小値 0.043


浜松・放射線量測定情報 自宅定点 1月27日(金)

2012年01月28日 05時28分34秒 | 地震・原発・津波・防災情報
浜松・放射線量測定情報 自宅定点 1月27日(金)

 1月27日(金)16時17分、晴れ(雲は0%)、西から東の風、少し強い

 11回目から20回目、10回測定
  平均値 0.056
  最大値 0.063
  最小値 0.051

 21回目から30回目、10回測定
  平均値 0.053
  最大値 0.059
  最小値 0.046

 11回目から30回目の合計
  平均値 0.055
  最大値 0.063
  最小値 0.046

 写真は、金曜日の雨宮家の夕食(作成は則子さん)。この夕食に含まれる放射線量はどれくらいでしょうか…。

日本の古代史 「邪馬台国」をめぐる奇術・トリックを考えました

2012年01月28日 05時01分57秒 | 古代史を考える

日本の古代史 「邪馬台国」をめぐる奇術・トリックを考えました

 前回、邪馬台国の所在地・卑弥呼の墓について、物証=物と遺跡からの証明について考えました。

 簡単に言うと、たとえば青銅器とくに矛、それから銅鏡、青銅器の鋳型、卑弥呼の絹、そして弥生時代の鉄器などの分布です。

 詳しくは、この問題でいちばん論陣を張ってきた古田武彦さん(その前期の著書)と安本美典さんの著書を参照してください。

 なお、古田さんと安本さんとは犬猿の仲で(つまりけんか状態で)すが、だからと言って、二人の意見の共通内容について、無視しないでくださいね。

  ☆

 今日のテーマは邪馬台国をめぐるトリック・奇術です。

 奇術とは、舞台にあがった奇術師が、聴衆の目の前で、聴衆の視線や興味を「ミス・リーディング」して、別の方向にそらして、肝心の動きを見落としてしまう術です。

 そもそも「邪馬台国」は中国から認められた日本列島の国「倭国」の「女王の都するところ」です。

 つまり「倭国」の首都が「邪馬台国」なのです。日本の首都は東京です。
 
 ですから、まず「倭国」の研究をしてから、その首都の「邪馬台国」を研究すべきで、「倭国」の歴史を無視しての「邪馬台国論」は無意味です。

 つまり「倭国」「倭人」は、中国の歴史書、朝鮮の歴史書に、紀元前後から8世紀に至るまで出現するわけですから、その「倭国」と古代「日本国」との関係、さらには「天皇」との関係を考えることが重要です。

 中国人・朝鮮人・日本人が入り乱れた日本の古代史、どうして「日本国」ができたのか考えることから、歴史を始めましょう。


 


原発を考える  1 「除染で2年後に50%」という目標について

2012年01月27日 21時24分12秒 | 原発を考える2

原発を考える 1  「除染で2年後に50%」という目標について

 政府は「除染によって2年後に現在の値の50%、半分にする」と言ってますが、ほとんどインチキ・手品のたぐいだと思います。

 なぜなら、いま残っているのは、セシウム134(半減期2年)とセシウム134(半減期30年)がほとんどで(少量のプルトニウムなどはあるでしょうが)、事故当初のセシウム134とセシウム137の比率は福島第1の場合、ほぼ1対1でした。

 セシウム134は急速に減って2年後に半分になるので、2年後には全体として計算してあるサイトを見ると「2年後に6割」に減ります。

 計算したサイトの数字を引用します。

   1年後 78.9%
   2年後 63.6%
   3年後 52.5%
   5年後 38.5%
  10年後 23.7%

 つまり、何にもしなくても2年経つと、放射線量は6割になるのですから、「除染」をしたところでは「確かに半分近くに減りました」と発表できます。

 「6割」を「5割」に減らすのは「83%に減らす」ことです。
 
 「8割に減らした」ことは「効果がある」と言えるでしょうか?

 「除染」がまったく効果がないとは思いませんが、「除染」に過度な期待をかけるのは無理があるというのは、かなり聞こえてきますね。

  ☆

 「除染」という行動は、つまり「単位時間あたりの放射線量の高い物質」を人間への影響ができるだけ小さい地域へ「移動」させる行動です。

 その「移動」した地域の放射線量が「移動」させた分だけ高くなるわけで、大面積を平均すれば平均した放射線量は、まったく同じです。

 たとえばA地点で放射線量が100で、B地点では60とすると、A地点の物質をB地点に移動させてA地点が40になれば、B地点は120になります。A地点とB地点の平均値160は、まったく変わりません。変わるはずもありません。

 そういうことです。
 


原発ニュース 福島市で1月2日、放射線量が急上昇

2012年01月27日 21時16分30秒 | 地震・原発・津波・防災情報
原発ニュース 福島市で1月2日、放射線量が急上昇

 ネットで、1月4日に文部科学省の「定時降下物環境放射能調査結果」で、福島市内で1月4日に、データが急増したとの記事がありました。

 1日以前は「降下物」未検出で、2日午前9時から3日午前9時までにセシウム134が1平方kmあたり180メガベクレル、セシウム137が同じく252ベクレル、だったそうです。

 その後の報道記事によれば雨が降らず乾燥しているので、土が舞い上がったのが原因という記事でした。
 
 はて、福島市民ではないので、わかりませんが、福島市は積雪がないのでしょうか?

 調べてみたら雪は降るそうですが、土が露出しているのかどうか、いちおう疑問ということにしておきます。

雨宮日記 1月26日(木) イオン市野店へフィルム現像など

2012年01月27日 05時19分19秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月26日(木) イオン市野店へフィルム現像など

 今朝は、東京は珍しく数センチの雪で、車の事故や歩行者の転倒やら、たいへんだったようです。

 積雪の坂を車のタイヤが空転して登れなくなって、後ろに後続の車がつながっていて、慌てて、タイヤにチェーンを巻こうとする「泥縄」の光景もテレビで見ました。

 でも「縄」があって、よかったですよね。

 雪の滅多に降らない浜松人のぼくも、タイヤチェーンくらい買っとかないと…と思いました。

  ☆

 寒くて起きたくなかったのですが、午後、則子さんとイオン市野店へ車で行きました。フィルム一眼レフで望遠レンズで撮ったフィルムを現像するところが近くでなくなってしまったのです。

 平日の木曜日なのに、駐車場がいっぱいで、空白をさがすのに、しばらくウロウロしました。

 まずイオン内の「カメラのキタムラ」で現像をおねがいして、ネガフィルム(3本セット)を買いました。

 昨年、お茶碗を買った「織部」へ行って、小さいコーヒーカップを探しましたが、あまりいいのがありません。別のところで探すことにしました。

 ぼくの妹の家に電話したかったのですが、ボクの携帯は電池切れ、則子さんの携帯は「不携帯」で、いきなり下石田へ行くことにしました。

 「もんず」の前で左折、馬頭観音さまの前で右折して、妹夫妻宅に入り、玄関の呼び鈴をならすと、運良く、妹がいました。

 マスクをしていて「旦那がスキーへ行ってインフルエンザをもらってきて、私にうつっちゃった」そうです。

 長女からのおみやげを渡しました。
 
  ☆

 則子さんと家に帰って、ぼくは三方原の谷島屋店に、注文した本が来たので買いに行きました。

 

本と映像の森 186の補足  柳田邦男さん著『生きなおす力』新潮文庫、2011年11月

2012年01月27日 05時16分14秒 | 本と映像の森

本と映像の森 186の補足  柳田邦男さん著『生きなおす力』新潮文庫、2011年11月

 ジャーナリスト・評論家、柳田邦男さんの新潮文庫シリーズの8作目。「本と映像の森186」では不十分でしたので、補足します。

 日本のある母子センターで、母親が検診のあとなどに立ち寄って赤ちゃんに授乳できる部屋がある。ある時、医師がなにげなくその部屋に立ち寄ったら、そこにいた授乳中の母親10人くらいが全員、授乳しながら赤ちゃんの顔も見ずに携帯電話でメールしていた、という話が、ある学会で報告されました。

 オランダの医師プローイュ博士は、ゼロ歳児の心の「退行」について研究し、「3つのC」「しがみつく(Cling)」「泣き叫ぶ(Crying)」「おこりっぽい(Cranky)」にたいして、親が「しっかりと目を見て温もりのある〝抱きしめ〟をしてあげると、赤ちゃんの心は会談を1段ステップアップするように、ポンと1段階成長する。」

 葛藤による退行にたいして、親が無視したり、しかったり、叩いたりすると、赤ちゃんは心の成長に必要な親のエネルギーが得られずに、心が歪んだり、抑圧されたままになってしまう。
 
 つまり、子どもの時に、たっぷり甘えることができた子は、大人になって自立した甘えない子になるし、甘えられなかった子は、甘えん坊の歪んだ大人になってしまう。



 柳田さんがすきな絵本の紹介が今回もあります。その中で、『だいじょうぶ、だいじょうぶ』(いとうひろし作・絵、講談社)というタイトルの絵本と、上記の「甘えさせよ」という話は、符節が合っています。

 親は子どもを「だいじょうぶだよ、わたしがいるからね」と抱きしめるんですね。

 つい最近のNHKテレビの人類誕生の謎を追った番組「ヒューマン」で、アフリカの原住民が生まれた子どもに、まず「私たちがついているからね。だいじょうぶだよ」と貝がらのネックレスをつらねた1つめの首輪を贈るのだそうです。その人たちは、たくさんの首輪を首に懸けていますが、すべて他人からの贈りものだそうです。
 
 番組の中で「結婚指輪」も同じ意味だろうと、ガイドの主人公が言ってました。



 逆に赤ちゃんにうれしいお話。あるお母さんは、絵本が好きで、妊娠した2ヶ月からお腹の胎児に聴かせるように絵本を朗読していました。
 
 生まれた赤ちゃんは、胎児の時に母親が読んでいた絵本を読むと、手をばたばたさせて、まるで「これだよ!ぼくがお腹の中で聴いたお話は!」とでもいうように、喜ぶのです。

 父親が同じ本を読んでも赤ちゃんは知らんぷりか泣いてしまい、うけつない、というのもすごくおもしろい現象です。


 
 飛行機事故や鉄道事故で「初歩的なミス」などはない、という指摘も、世間では常識になってないことです。

 静岡県焼津沖上空での飛行機ニアミスの管制官が罪に問われた裁判を題材にして、柳田さんは事故原因を調査し解明するよりも現場担当者の「責任」「ミス」を刑事捜査的に追求する悪習は手を切らないと事故はなくらなないと訴えています。

 そのことの正否は、直接、この本をお読みください。



 タイトル「生きなおす」は、東日本大震災を経て、私たちが「生きなおし」て、再出発が出来るのかという意味だと、私は理解します。

 私たちは生きなおしができるのでしょうか。