小学校や中学生の入試作文課題に、「環境問題」が増えています。先日、ある中学生と話しているとき、こんな考えを聞きました。「環境を守るといっても、車に乗らないわけにはいかないし、ゴミを出さないわけにもいかない。だから私は『自然を壊さないようにしたい』なんてウソは書けないです」と…。
確かに、そうかもしれません。ご飯やお菓子しを食べればゴミも出るし、何をするに付け車は必要です。昔のように飛脚がエッサホ . . . 本文を読む
私は先日、前からすすめられていた『お話を運んだ馬』(I.B.シンガー、岩波少年文庫)という短編集をやっと読みました。作者は、1978年ノーベル文学賞を受賞したそうです。そしてこの本は、子ども時代の自分のことや、お話好きだった自分が大人たちから聞いた話をもとに書いたものです。
その中の、『お話の名手ナフタリと愛馬スウスの物語』に、味わい深いことばがありました。それは、本をたくさんつめた重い袋を肩に . . . 本文を読む
◆一ヶ月に読んだ本…雑誌・漫画を除く
小学生高学年 5.6冊
中学生 1.9冊
高校生 1.3冊
このデータを見ると、小学生までは読書を習慣にしている人が多いのに、中学生以上になると、読書量がぐんと減ってしまうことがわかります。読書についての世論調査の結果によると、国民の「本離れ」が深刻な状況が、相変わらず続いているということです。1か月間に1冊も本を読まなかった人 . . . 本文を読む
知人にダジャレをギャグにしている人がいます。その人のダジャレを聞くと、オモロイときもありますが、腰砕けになるような気分で、正直笑うに笑えないときもあります。ダジャレの「ダ」は「駄」。無駄・駄作・駄目などの言葉が連想できるように、「つまらない・取るに足らない」などの意味があります。そのせいか、ダジャレは嫌われたり、格が下がると思われたりすることが多いようです。
荻野アンナという作家がいます。この人 . . . 本文を読む
いつの頃からか、「昼寝」の習慣がついてしまいました。こう言ってしまうと、なんだか怠け者のように思われないかと、以前は気になったものですが(今は平気です)、皆さんはどう思われますか?昼食後に一息つくと、眠くてたまらなくなってしまいます。以前は睡魔と闘いながら、必死で体を動かして気合いを入れて乗り切っていましたが、これはもう無理(だって、眠いんです)。年のせいでしょうか?(笑)
そこで思い切って昼寝 . . . 本文を読む
下駄箱の 奥になきけり きりぎりす 正岡子規
日本人は昔から虫の鳴き声を聞いては、季節のうつろいを感じてきました。ところが、外国人がこの虫の声を聞いたら、どう感じるでしょう。面白い話があります。藤原正彦さんの家に、アメリカの大学教授が遊びに来た時のこと、みんなで晩御飯を食べていると、網戸の向こうから虫の声が聞こえてきました。すると、このアメリカ人は言ったそうです。「あのノイズはなんですか? . . . 本文を読む
歴史の流れを追ってみると、最初は少数の優れたリーダーが社会を引っ張っていく時代でした。しかし、社会が複雑になるにつれて、官僚制が台頭します。始めは有効に機能していた官僚制のヒエラルキーは、次第に腐敗し、自己保身を第一に考える多数の中間的小リーダーの広がりに移行していきます。これが現在までの時代の社会学的な歴史認識だったと思います。
ところが、インターネットの普及は、そのヒエラルキーを急速に無効な . . . 本文を読む
『生きるとは 手をのばすこと
幼子の指がプーさんの鼻をつかめり』
上の短歌は、俵万智さんの歌集『プーさんの鼻(文藝春秋社)』に載り、その題名ともなった一首です。俵万智さんの短歌は、私たちにもわかりやすく、すぅっと心に入ってくるような気がします。特に、まだ小さいお子さんがいる方には、共感できる部分が多い歌集です。いくつかご紹介してみましょう。
『蒸し栗のような匂いに汗ばめ . . . 本文を読む
「地球の出」「地球の入り」「満地球」……何だか変な言葉です。月から見た地球の姿をこう言うのだそうです。
宇宙航空研究開発機構JAXAが打ち上げた月探査衛星「かぐや」には、地形カメラをはじめとする15種類の観測ミッションがあって、月の地表や地中、周囲の環境についてさまざまなデータを収集しました。最新の技術によって、これまでわからなかったことを知る喜び、今後広がる数々の可能性。「かぐや」が研究者や私 . . . 本文を読む
「人間はなんてちっぽけな存在なんだろう。」……『マザーツリー 母なる樹の物語(C・Wニコル著)』を読んで、つくづく感じたことです。
樹齢500年のミズナラの樹と、火山の噴火で山の天辺から転がり落ちてきた大きな岩は、山の自然の営みをただ静かに見守り続けています。「太陽や風、雪、雨、土、石、生きもの。すべてが大きな輪の一部だ。わしらは宇宙の中を星と共にぐるぐる、ぐるぐると回る終わりのない旅をしている . . . 本文を読む
近頃、驚いたことに「昔話」を知らない子供たちがけっこう多いようです。小さい頃から読む本が多彩に用意されている環境のせいでしょう。読書好きでたくさんの物語・小説を読みこなしている子でも、「桃太郎」は知っているが「わらしべ長者」になるとちょっとわからないというのです。
昔話とはもともと「語り継がれる」性質のものですから、語られた経験がないということがいちばんの原因でしょう。私の昔話の思い出といえば、 . . . 本文を読む
上野動物園のジャイアントパンダのリンリンが死んでだいぶ経ちます。パンダといえば「絶滅危惧種」。最近よく耳にする言葉。具体的にはどういうことなのでしょう。調べてみました。「絶滅危惧種」、文字通り「絶滅の恐れのある野生動物」ということです。
この動物たちを調査しているIUCN(国際自然保護連合)という団体が、その調査結果を「レッドリスト」にまとめているのですが、このレッドリストにはなんと5000種以 . . . 本文を読む
先週初めは節分で、吉田神社にもイワシ売りの出店が出ていました。節分といえばヒイラギの葉とイワシが風物詩。故事来歴があるのですが、それぞれに一人歩きしています。そう言えば以前、新聞の投書欄に「カタクチイワシが店に並ばない。どうしたものか。」という内容が載りました。イワシ漁は大漁期と不漁期が20年くらいの周期でやってくるそうで、今は不漁期とのこと。店には並ばないし、並んでも高級魚といわれるくらいの高値 . . . 本文を読む
「書を読むのみに非ざるなり」
この言葉は、幕末多くの志士を輩出した松下村塾で吉田松陰が言った言葉です。『気概を持ち節操を固くし、正しきことを行うこと、そしてそのような人物になることを目指しているのであり、いたずらに書物を読んでいるだけではない』、という意味です。
吉田松陰という人は小さな頃から厳しく育てられ、スケールの大きな思想を持つに至った人です。また、さらにその自己の資質を他者に伝えることの . . . 本文を読む
今朝、強風のためJRに遅れが出ていました。「出社時間に間に会わへんわ。急いでるのに~」と友人からイライラしたメールが来ました。確かに、自分の思い通りにならないことは面白くなくイヤなことです。しかし、だからといってこんなとき、どうなるでもありません。なるようにしかならないことが、日々生きていれば間々あります。
私は、幸せな人生を送るためには、高い視点から物事を見ることがとても重要だと思っています。 . . . 本文を読む