ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

「言葉」にちょっと欲ばりに…

2009年03月16日 | 中学受験 行雲流水録
 『生きるとは 手をのばすこと
         幼子の指がプーさんの鼻をつかめり』


上の短歌は、俵万智さんの歌集『プーさんの鼻(文藝春秋社)』に載り、その題名ともなった一首です。俵万智さんの短歌は、私たちにもわかりやすく、すぅっと心に入ってくるような気がします。特に、まだ小さいお子さんがいる方には、共感できる部分が多い歌集です。いくつかご紹介してみましょう。


 『蒸し栗のような匂いに汗ばめる
        子どものあたま 五月となりぬ』

…みなさんのお子さんの頭もこんな香りの時期がありましたね。親というものは、そんな匂いも含めて、わが子をとてもいとおしく思うもののようです。


 『平日を足しても足しても 週末に
        ならない夢を 我は見ている』

…毎日毎日忙しいと、早く土日が来ないかなぁと、みんな思っています。


 『しがみつきながら 体をかたむけて
        子は犬という生き物を見る』

…小さいときの子どもたちは、本当にこんな感じです。生まれて初めての何かを見つけたとき、抱っこの腕から落ちんばかりに身を乗り出します。情景が目に浮かびます。


 『子を真似て 私も本を噛んでみる
        確かに本の味がするなり』

…これを読み、さっそく私は鉛筆を噛んでみました(笑)


 『あの赤い花がつつじで
        この白い花もつつじと呼べる不思議さ』

…言われてみれば確かに不思議ですし、少し哲学的な歌です。言葉は物事をじっと考えたいとき、便利です。


短歌も作文も同じ言葉です。こんな風に、自分の気持ちや小さくとも大事な出来事を言葉にすることができたら楽しいだろう、と改めて思いました。色々なものを読んで良い刺激を受け、「言葉」にちょっと欲ばりになれたら、文を書くことがさらにおもしろくなっていくはずです。


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