自称「一般的な会社員」

どこにでもいる、一般的な会社員の日常

8月15日 終戦記念日

2013-08-15 | 登山
『一度も登らぬ馬鹿 二度登る馬鹿』OFT第一回総会を開催致しました。

まだまだ不安だらけにも関わらず、ヤージーの『大丈夫大丈夫、なんとかなる』で押し切られる。お前、そう言ってゴルフのコースデビューも強行したよな…。普段アウトドアとかしない女の子が『私でも登れた』って言ってたから、それを信じて受諾。

準備から色々大変だったよ。我ながらいつも思う、前日準備の記述は必要なのだろうかと。前日準備の影響が翌日に出るんだけどさ。

と言うわけで前日。午後半休を貰って、登山準備。マスコミは冬山と同じって言っているし、ウェブにも独立峰だから天気の急変が多いって書いてある。とりあえず真冬装備で行くか。流石にタイツは要らないにしても、ヒートテックインナーに、厚手のトレーナーに、フリースに防風ジャンバーと。万全を期すならここに厚手のネルシャツかハイネックセーターが入るけど…バッグに収まらない。水分4Lは邪魔。あとはネックウォーマーとホッカイロと…。という準備を汗だくで行う矛盾感。あ、膝サポーターとサングラス、メガネケースに帽子も忘れないようにしないと。

一通り荷造りを終え、実家に向けて出発。平日の夕方の道路状況はどんなもんかなー…。はい、渋滞していました。サンデードライバーが居ないから順調に流れるのではないかと思いましたが、実際には交通量が多すぎて滞ってた。1時間半の道のりが、2時間ちょっとかかりましたよ。その道中でアルペンに立ち寄り。酸素缶とストックを購入。酸素缶は、合コン知り合った女の子が『高山病になったけど、これのおかげでスッと楽になった』って言ってたから。ストックは、ヤージーが『膝弱いならマジオススメ』って言ってたから。

で、早速忘れ物。冬山用に買ったモンベルのウェア。薄くて軽くて暖かいんだよ。これがあればトレーナーいらんかった…。あと、メガネケース。入れようと思って入れずにきた。あと帽子。入れようと思って(ry。あと厚手のグローブ。予備のヘルメットと一緒にバイクから出しちゃった…。まぁ、メガネケースは無くてもなんとかなるし、帽子やグローブは実家にあるだろ。最悪、野球帽と薄手のグローブで。ちゃんと実家にあったけどね。

親と言うものは有り難いもので、富士登山は危ない、寒い、気を付けろとマスコミと同じことを延々と…わかってるっちゅーねん。一応、赤岳は登ってるし、北横岳では気温-15℃風速15m/sも経験してますねん。心配してもらえるのはありがたいけどね。

明日は早いので、9時に就寝!のはずが、中々寝付けず。暑いしうるさいし時間早いし。うたた寝とマジ寝を繰り返すうちに、起床時間。3時って、まだ日が出てないんだね。防風カーゴパンツにヒートテックを装備して、集合場所へ。早朝とはいえ歩くだけで汗が湧いてくる…。既にヤージーは来ていました。5分前に着いたのに…早いね。

途中コンビニに寄りつつ、中央道へ。早朝だから渋滞は心配していなかったけど、上野原あたりで渋滞に捉まる。どういうこっちゃ…。原因は、反対車線の事故でした。脇見渋滞とか冗談じゃないよ。事故現場を過ぎた途端にガラガラ。どこのバカ共だよ、ホント。途中でカーナビが迷子になったりしましたが、富士北麓駐車場に到着。あれ?結構ガラガラ。

駐車場から5合目まではバス移動です。往復チケット1,800円を購入して、荷物を整えて乗車。あ、帽子忘れた…。バスの時刻表はあるんだけど、朝一はバスが満員になったら出発。おにぎりを食べながら揺られること1時間弱、富士スバルライン5合目に到着。目の前にドーンと富士山が鎮座。富士山近ぇ…って思ったけど、ここはもう富士山です。お土産売り場で帽子を買って、トイレ行って準備運動をして出発。

天気は快晴。雲一つないよ。そしてかなり暑い。汗が出てくるから、早く高いところ行って寒くなってほしい。見上げると富士山頂、意外と近く見える。思ったより簡単なんじゃないかなぁ。見下ろすと馬糞、このルートは7合目付近まで馬で登れるんだよ。コレを道具袋に入れられる勇者の気持ちがわからない…。

暑い暑いと愚痴りながらテクテク歩くこと30分ちょっと。6合目に到着。ちょろいもんだぜ。ここまでは勾配がほとんど無いからね。水分補給をして、これからが登山です。

足元は砂利。日光のいろは坂のようにつづら折りの道が続きます。そこそこの勾配はあるし、高さのある土止めが多くて歩きやすいとは言えない。そしてこの暑さ。嫌でも息が上がってしまう。ヒーヒー言いながら歩き続けるけど、ヒーヒー言えるのは混んでいないから。ついついオーバーペースで息が上がってしまう。1時間ちょっとくらいかけて、7合目に到着。あっづー…。背中は汗でびっしょりで、余裕で絞れる。スポーツドリンクをがぶ飲みだよ。4L、このペースで飲んだら下山までもつかしら…。しかし、マッズイなぁ、コレ。某S薬局のPB品、あかんな。

そして地獄はここからだった。7合目からは急に岩場。どうしても大股になるので、体力の消耗が半端ない。そしてここで団体さんとご対面。岩場をまともに歩けないようなおばさま方が、一歩一歩ガイドに聞きながら登っているんですよ。そりゃ大渋滞にもなりますよ。『ここでいいんですか?』じゃないよ。ヤージーの悪態が大変恐ろしい…。このままでは何時間かかるかわからないので、ちょっと無理して追い越し。これでまた体力消費だよ。

んー?気持ち頭が痛いし、ちょっと気持ち悪いぞ…。もしかして高山病になりかけてる?それとも熱中症か。体力の消耗が激しくて呼吸も激しいし、ここで酸素投入。3口吸ったけど、効果あんのか、これ。その後も水分補給も兼ねて10~20分に1回休憩を挿み、2回ほど酸素吸入を行いながら、えっちらおっちらと登り続けること1時間ちょい、ようやく8合目に到着。無理、もう歩けない。つーか足が上がらない。

山小屋のベンチでグッタリ。ようやく3000m超えたよ。素晴らしい景色が眼下に広がっているのが唯一の癒し。水分を多めに取って、糖分塩分を補給。呼吸を整えると、ヤージーからエネルギー飲料が配給されました。ピーチ味なんだけど、スゲー飲みづらい!ものっそい粘度。『これがどろり濃厚シリーズだ!』とヤージーが豪語するだけある。パッケージにも『このままお飲み頂くか、180mlの水に溶かしてお飲みください』って書いてあるしね。即効性があるらしく、楽になるだろうとのこと。

10分ほど休んで、再出発。まだまだ岩場は続くよ。3000mを超えたはずなのに、全然涼しくない。ヒートテックと防風カーゴパンツが恨めしい…。休憩のペースは上がって、10分に1回以上。それでも歩くペースは速いから、基本的には人を追い越して登っているよ。ペースが早いから疲れるんだと言うことには目を瞑ろう。この辺りでは雲と同じ目線。雲が湧き立ってきているんだよ。それはもう、すごい光景。景色に見とれるふりをして休んでいるのがヤージーにバレました。

本8合目を超えると、また砂利のつづら折りに戻ります。気温もだいぶ下がって、圧倒的に歩きやすい!相変わらず足は上がらないけど、呼吸の乱れは落ち着いたよ。そう言えば3000mを超えてから酸素吸引してないけど、なんともないなぁ。吸うよりも吐くことを意識するって何か読んだおかげかな。頭痛と吐き気はどっちかっつーと水分不足気味だったんだろうな…。

登山道にはところどころ、山頂までの距離と時間が書かれています。ある山小屋の手前では『山頂まで82分』、その山小屋の奥の方では『山頂まで81分』、そして山小屋を超えたあたりでは『山頂まで50分』。おかしい、どこで時空がねじれた。

歩きやすいおかげで、体力的にはだいぶ回復。なので、3500mを超えたにも関わらず、7合目8合目よりも呼吸はむしろ楽。でも足の疲労は結構深刻で、思うように上がらない。足が上がらないのを無理矢理上げるから疲れる、疲れるから小休止する、体力は回復しているのですぐ呼吸が整う、歩き始める、の繰り返し。

9合目を超えたあたりで、また渋滞に遭遇。ここでは狭すぎて追い越しできない。もはや渋滞に加わるしかない。足元がまた岩場で疲れるから、のんびりペースでむしろ有り難かったりもするんだけどね。ホントさ、ヤージーの悪態が怖いよ…。いや、そんなに激しい口調では無いよ。『岩場歩けないなら高尾山で満足しとけよ』とか『ガイドも空気読めよ、点呼は歩きながらとか、渋滞したら先に行かせるとか』くらいな感じ。普段そういうこと言わないヤツだからね。

そんなこんながありましたが、登り続けること5時間、遂に吉田口の山頂に到着!イェーイ!標準所要時間が7時間半なのに、5時間って…2/3じゃないか…そりゃヘロヘロにもなるわ…。しかしまだ登頂ではありません。一応、山頂ではあるのですが、富士山の最高峰はまた別の場所。いわゆるお鉢巡りをしながら最高峰まで歩きます。

しかし、とっくに限界を超えた私にお鉢巡りは苦行以外の何物でもない。緩やかな登りでも、休憩しないと登りきれない。すぐに息が上がるんだよ、そしてすぐに呼吸が整うんだよ。考えてみれば、朝食を摂ってから6時間、さらに5時間歩き続けたわけで、体力が空っぽでもおかしくないわな。

吉田口山頂を出発してから1時間近く、遂に剣ヶ峰に登頂。3775.6mでございます。ここが日本最高峰…なんだか感慨深いものがあるな…。ヤージーが女の子にメールを送っている間、休憩。写真撮影含めて20分くらいいたかな、お腹が空いたのでご飯のために広いところへ移動開始。

剣ヶ峰から下りきったところで、歩数を確認しようとポケットからスマホを取り出して気づいた。同じポケットに入れてたカギ入れが無い…。はっはっは、顔面蒼白…。家のカギ、実家のカギ、会社の机のカギをまとめて失くした!小銭も入ってたし、2GBのmicroSDカードも…!落ち着けオレ、スマホを取り出したのはいつだ。さっき剣ヶ峰で出した!ってことで逆戻り。気持ちは焦るけど、体力が追いつかない。剣ヶ峰への登りが憎い…。見かねたヤージーが先行してくれました。

やっとこさ着いた剣ヶ峰に、カギ入れは無し。あとは…お鉢巡り中に富士宮口の山頂で座った時だ!戻るのもつらいので、とりあえずお鉢巡りを終わらせましょう。色んな理由でトボトボ歩くこと30分。吉田口に戻ってきました。これで富士山を制覇だ!いえーい!っつーテンションでもないんだけどね。一応、山小屋に落し物が無かったか聞いてみましたが、ありませんでした。

本来ならここでご飯ですが、カギ入れを探すべく富士宮口山頂へ。富士山頂を1.5周する羽目になってしまって申し訳ない…。本当にやっとの思いで富士宮口に再び着きましたが、山小屋は閉まってました…。2時に閉まるって早いよ…。近くの神社で聞いてみたけど、カギ入れは届いていませんでした。ここに無いってことは、あとは登り中の休憩のときくらいか…。

もうね、失意以外の何物でもない。限界を超えた体でわざわざここまで来たのに、カギ入れが無いんですよ。これからまた吉田口に戻らなきゃならないんですよ。絶望した。

果たしてこれからどうなってしまうのか、限界を超えた私はこの日のうちに下山出来たのか、カギ入れは見つかったのか。

後半へ続く。