自称「一般的な会社員」

どこにでもいる、一般的な会社員の日常

1月13日

2012-01-13 | Weblog
鏡を見るのが大変不快です。何が悲しくて不細工なツラを見なけりゃならんのだ。今までは寝癖がほとんどつかない短髪でしたので、まじまじと鏡を見ることはありませんでした。歯磨きや髭剃りといった、どうしても鏡を見なければならないイベントは、口以外を視界から外すというスキルで乗り切っていました。

しかし、最近髪を伸ばしております。よって寝癖がつきます。今まで短髪だったため、ドライヤーなんて便利なものはありません。頭にタオルを巻いて、押さえつけて寝癖を直しています。なるべく顔が視界に入らないように、パパッと済ませます。

で、本日。どうも影がおかしい。頭から何かが飛び出している感じ。私は前頭部につむじがありますから、前髪が立つんですよ。きっとその前髪が影になっているに違いない。

まぁ、わざわざ日記に書くくらいですから、当然前髪のわけがありません。見事なまでに直立した髪の毛。業界用語で言うところのアホ毛。どうやらタオルを巻く際に、変な風になったらしい。オレはこんな髪型で出勤していたのか…。



最近やっている仕事がトラブル続発。弊社からは、『離島との交通用に、小型旅客機が欲しい』と要望しております。それに対して、3つの会社が返事をくれました。

A「ジャンボジェット売ります」
B「小型輸送機ならあります。旅客機に改造して売ります」
C「今から作ります。ヘリしか作ったことないけど」

持ってねーのかよ。どことお付き合いすればいいんでしょう。A社はジャンボジェットを持っているだけあって、大きくて安心できる会社。B社は小型輸送機持っているので技術はあるんだろうけど、初めての付き合い。C社は安いけど飛行機初挑戦。一長一短過ぎる。熟慮の末、B社に内定。ジャンボで赤字を垂れ流すわけにもいかず、一から作るには不安だからね。納期と機能は守るって言ってたし。

次は、B社に対して具体的な必要スペックを提出。『○km/h以上、燃費はこれくらい、内装はこんな感じで、CA室は真ん中で、他にもこんな機能が欲しいな』と。B社からは『速度と燃費は高度に制限ありますか、CA室の広さはこのくらいですか、この機能はこういう意味ですか』と、結構前向きに検討して頂けて、一同一安心。

で、第一次審査会。持ってきた設計図は、設計図ではなく小型輸送機の紹介資料でした。『ナメてんの?』と聞いたところ、『すみません、間に合いませんでした』とのご回答。『改修途中の小型旅客機を貸しますので、イメージを掴んでください』と、実機を渡されました。

渡された実機は、まんま輸送機。荷物室内にパイプイスが並んでいるだけ。『やっぱりナメてんだろう』と詰め寄ると、『少しずつ作っていきますので』とのご回答。やべぇ、暗雲漂うってこういうことじゃね?

とはいえ、設計図や機体が出来上がるのを待つわけにはいかないので、借りた機体で検証を開始。速度や航続距離、燃費と言った、今のままでも確認できるところをガリガリ試すよ。『ここがダメ、アレがダメ』とダメ出しを行います。実際に運用する人たちにも見てもらった結果、『ガッツリ改修は必要だけど、機体サイズなどは許容』という、もうちょっと頑張れば採用検討出来るという回答をもらったんだよ。その間もB社は改修を続けて、パイプイスにシートベルトが付いたりしたよ。

ア「あのさぁ、弊社はシートベルト付きのリクライニングシートが欲しいって言ったよね?」
B「いや、でもイスにシートベルトついてますよね?結果は同じじゃないですか?」
ア「お客様の満足度ってものがあるでしょう」
B「座れて体が固定できれば同じだと思います」
ア「いいから直せ」

このとき誰もが思ったね、『この計画、絶対頓挫する』と。しかし、私の上司だけは『いやぁ、やる気はあるんだけどねぇ。なんとかなるかなぁ』と呑気なことを言っておられました。

で、第二次審査会。持ってきた設計図は、こちらの要望がまったく反映されていないものでした。『ナメんのも大概にしろよ』と詰め寄ると、『今お約束出来るのはここまでです。残りの部分は納入期限までに全力で作りますが、一部遅れます』とのご回答。おいおい、話が違うよ。納期間に合わないんじゃん。仕方が無いので、納入時に絶対必要な機能を整理して、ここまでは最低限作れという要求書を作るよ。要求書を作っている間にもB社は改修を続けて、『CA室出来ました!』とか笑顔で持ってきたよ。

ア「うん、CA室は真ん中って言ったよね?なんで最後尾なの?」
B「ここが適切だからです。でもちゃんと配膳室は真ん中にありますよ」
ア「わざわざ真ん中に行って、ドリンクを持って戻ってくるわけ?」
B「わかりました、配膳室も後ろにします」
ア「CA室を真ん中にしろよ」
B「CA室と配膳室が隣なら問題ないでしょう」
ア「ファーストクラスは前だ。呼ばれたら最後尾から前まで行かなきゃならんだろう」
B「それが何か問題でも?」

この会社、ダメかもわからん。要求書を押し付けて、この日までに回答しろ!と恫喝しておきました。当然、回答日には何の音沙汰もないんだけどね。誰もが『この会社はダメだ。他の会社を探さないと』と思っていますので、上司に談判。『じゃあジャンボ買うか?どこにそんな金がある。じゃあ一から作るか?どこにそんな時間がある。他の会社探すか?他に入札なかったのに』と非情の回答。知ってるよ、八方ふさがりって言うんだろ。

で、第三次審査会。手ぶらできやがった。無条件降伏かと思ったら違った。

B「状況が変わりました。実は、小型輸送機を旅客機に改修する件、大々的に行うことになりました」
ア「ほうほう。それでそれで」
B「大量に小型輸送機を改修して、販売します」
ア「へー、量産効果で安くなるの?」
B「はい、改修費は頂かなくて大丈夫です」
ア「それはすごい」
B「その代わり、製品を買ってもらうことになるので、御社の要望を飲めません」
ア「お前は何を言っているんだ」

何?何が起こったの?ここまで来て希望の機体を買えないの?

B「もちろん、御社のご要望が他のお客様のメリットになるのであれば実装します」
ア「弊社以外は使わないような機能は?」
B「実装できません」
ア「寝言は寝て言え」

ここまで、弊社でどれだけ工数を使ったと思っているんでしょう。『要望は変えない。実現しろ』と突っぱねると、『すみません、ご要望のこの部分の意味がわからないんですが…』と今さらながらの質問だよ。何か月前に要件を出したと思っているんだ。

で、もうすぐ第四次審査会があります。守れ友を倒せ敵を 第四次スーパーロボット大戦だー。この時点で偉い人が設計書や計画書を確認して、導入の承認を行います。

ア「最終確認です。持ち帰り検討は即ちドロップとします」
B「はい、わかりました」
ア「この機能は納入時に間に合いますか」
B「社に持ち帰って確認します」
ア「滅びろ」

ホント、何か月前から要望の話をしたと思ってんだよ…。結果、項目数で言うと初期の要望の半分以下、最低限必要だと言った機能の2/3程度しか出来ないという回答。結構致命的な項目もあるぜ。今になって真っ青な上司。

上「どうすんだよ…」
ア「だから他の会社にしようと言ったんです…」
上「基本的に運用でなんとかなるだろ、この往復出来ることってのは、片道飛べればあっちで給油できるし」
ア「あっちに燃料を送る手間が大変です」
上「じゃあどうすんだよ」
ア「今まで通り船で、という意見が大半です」

なんかこれだけ見ると私が導入に反対しているように見えますが、とんでもない。大反対です。とはいえ導入するのが仕事なので、他の人たちをずーっと説得していたんですよ。しかし、流石に限界です。今は上司と一緒にアレコレと画策中。嗚呼、ゴルフにでも行ってスカッとしたい。今週中に出せと言った資料も出てこないし。

なんてやさぐれたことを言わせてください。週末だし、もう帰っていいよね…。