4年に一度開催されるスポーツの世界最大の祭典オリンピックが、ロンドンの地で終結した。「ロンドン五輪」での17日間に亘る超人的なアスリートたちの活躍には、目を見張るものがあった。陸上では、ジャマイカの星ウサィン・ボルトが、100メートル、200メートルで金メダルを2大会連続で獲得したり、男子4×100メートル・リレーで世界新記録を出した。米国のウィル・クレイ(21)が4日の幅跳び銅メダルに続き、9日の三段跳びでも銀メダルを獲得し、同一大会で両種目のメダル獲得は、1936年のベルリン大会の田島直人さん(故人)以来76年ぶりの記録であり、史上9人目の快挙である。女子レスリングでは、吉田、伊調が3大会連続の金メダルを獲得、女子サッカーでもアメリカが3大会連続で金メダルを獲得する等、話題の多い結果となった。
オリンピックを支えるハイテク技術の進歩も、目を見張るものがあった。先ずは、シンクロナイズド・スイミングを撮影する水面合成技術。この技術は、NHKが開発した技術で、世界に配信されたのである。水面合成カメラ「ツインズカム」の特徴は、水上・水中を一体で撮影しているカメラによって、1つの画像として合成されたもので、歪を抑えた映像を作り出している。これまで、水上のみ、水中のみの画像しか見れなかったものが、同時に両方を見れるようになったことで、高度な技が水中でどのような動きから繰り出されていたのかが、非常に良く分かった。また、高飛び込みでは、選手の水中への落下と同時にカメラも同じ速度で落下移動し、落下中の選手の演技を撮影できたこと。これまた、これまでのオリンピックでは、見れなかった映像である。水泳では、飛び込み台の下の部分に、順位表示ランプが設置され、順位を赤ランプの数で表示する仕組み。1位なら赤ランプ1個が点灯、3位なら3個の赤ランプが点灯するので、選手は3位までの何着になったのかが瞬時に分かるものなのである。
4年に一度という大会ならではの記録続出に、連日連夜感動した。中でも、サッカーは熱いものがあった。なでしこジャパンは、決勝ではアメリカに敗れたものの、初めてのメダル獲得(銀メダル)となった。男子サッカーでは、日本代表は準決勝でメキシコに敗れた上、3位決定戦では、韓国に敗れ4位となった。44年ぶりのベスト4進出は、大きな成果であったが、できることなら銅メダルは獲得して欲しかった。日本を撃破したメキシコは優勝候補のブラジルを倒して、初めての金メダルを手にした。また、日本女子バレーも、28年ぶり(ロス五輪以来)に銅メダルを獲得した。これまでの熱き戦いを見てきたこともあり、目頭が熱くなった。体操男子団体も、日本は北京五輪と同様、2大会連続の銀メダルに輝いた。ポイント制になった柔道では、日本男子柔道が古来の柔道から脱皮できず、初めてオリンピックで金メダルの無い結果となった。これまで、金メダルを積み上げてきた種目は、柔道・レスリング・体操であったが、この内容が大きく変貌した大会でもあった。しかし、ロンドン大会での日本が獲得したメダルの総数は38個となり、これまでの記録であったアテネ大会の37個を超え、最多メダル獲得の大会になったのである。金メダル数7個は確かに少ないが、全体では相当に日本の技能が上がったことを印象付けたし、団体でのメダル獲得(水泳、体操、フェンシング、サッカー、バレーボール)が多かったのも良かった。
連日の熱戦に、深夜のTV観戦も手伝って、眠い日が続いた。しかし、オリンピックで素晴らしい技術や能力を見れることは、この上ない幸せ感も感じるのである。次のリオ五輪(2016年)が待ち遠しいのである。激戦を見せてくれた選手たちに、大きな拍手を送りたい!!