Movieな空間

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「食」を扱う事

2007年10月20日 01時26分49秒 | Weblog
 この頃のニュース報道を見ていると、あきれてしまう事、仕切りですね!何でこの国の食に関するモラルが、これ程までに低いのか?ということです。人間にとって「食べる」という行為は、生命維持に最も大切な事なのに、その「食」に対する価値が、モラルがあまりにも低いと思いませんか?賞味期限を平気で改ざんする、偽ったものを売る、衛生管理を全く考えない・・・、こんな状況で、良いわけがありませんね。全く何を考えているんでしょうかね。江戸時代、飯炊きは最も社会的階級の低い人間の仕事でした。そんな流れが、意識に根ざしたものが、脈々と連なってきているのでしょうか?三重の老舗の「赤福」の偽装問題。冷凍保存していたものを出荷し、しかも、その日を製造日としていたなんて。また、売れ残った「赤福餅」を、゛あん゛と゛餅゛に分離し、子会社等に出荷していたなんて。あの「お伊勢さん」参りには、必ず立ち寄って、御餅を食したという伝統の老舗でさえ、この体たらくなんですね。つい最近では、あの北海道の有名菓子「白い恋人」の製造メーカー・石屋製菓も賞味期限を偽装していたし、同じく北海道の食肉卸・ミートホープは、牛肉と偽って、各種他の肉を混入させていた。ペコちゃんでおなじみの不二家も、ケーキやシュウクリームの賞味期限を改ざんしていたし、古くは、雪印が、生乳を賞味期限を大幅に超えて使いまわしをして、大腸菌感染を起こさせた。本当に、「がっかりだよ~!!」
 
食に対する素晴らしい映画があった。『レミーのおいしいレストラン』だ!!
さすがにピクサーの作品。映像の美しさや動きの細やかさ、物語性といったあらゆる分野で満点を付けて良い映画である。昨年見たソニー・ピクチャーズの「モンスターハウス」でも映像の美しさ・写実性、動きに驚愕したが、今回のレミーは、それをはるかに上回る完成された出来栄えであり、本当にCGアニメかと、疑う程である。この作品を観た後では、どんなアニメの評価も空虚であろう。素晴らしい出来栄えの評判は聞いていたが、ここまで凄いとは!!ただただ、恐れ入りましたと脱帽するだけです。先ず、ねずみのレミー他の描写が細やかで、本物の毛並みと見違うまでに良く描かれている。ねずみの走り方も素晴らしいが、色んな角度から視点が変わる映像、厨房の奥行き感や鉄パイプのさび具合まで、本物そっくり、と言うより、本物ではとの感じ。こんなCGアニメは観た事がない。感激の感動である。
  【ストーリー】
 すぐれた鼻と舌を持つネズミのレミーは、一流シェフになるのが夢。ひょんなことからパリにたどり着いた彼は、今は亡き5つ星の名シェフ・グストーの幽霊に出会い、彼のものだったレストランへ導かれる。そこで料理の才能ゼロの見習いシェフ・リングイニが、店の大事なスープを台なしにしてしまうのを見たレミーは、観ていられず、思わず味を整えに走る。レミーの才能を知ったリングイニは、二人でパリ一番のシェフを目指す…!?『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『カーズ』などの優れた3DCGアニメを生みだしてきた、スタジオ「ピクサー」作品。料理の才能は天才的だけど、“キッチンの嫌われ者”のネズミだから…と、シェフになる夢をあきらめていたレミー。だが人間の協力者(というより操り人形?!)を得て、一気に夢に近付くが…?!たまらなく愛らしいレミー、アニメとは思えないほどおいしそうな料理たち、魅惑的なパリの街並みと、心躍るような映像の連続!ストーリーも子どもが理解できるシンプルさながら、大人の胸に訴えかける深遠なメッセージを内包していて“噛みしめがい”がある。さすがはピクサー作品、期待を裏切らず万人を楽しませてくれる。
 亡き名シェフ・グストーの名言は「だれもが素晴らしい料理を作れる。しかし、本当の料理を作ることには、勇気が必要だ!」。この金言を胸に、ねずみのレミーは、このグストーの経営していたレストランに導かれる。しかし、今は、単に利益を求める陰険なシェフ・スキナーが切り盛りしていた。このグストーのレストランも、料理評論の大家・イーゴに酷評され、5つ星のレストランから3つ星に評価を落とされていた。そんなところに、手紙を携えたリングイニが現われる。働かせてほしいとのこと。彼は、亡きグストーの本当の息子であったのだ。このことで、経営権を握ろうとしているスキナーは、リングイニを追い出す事を画策するが、レミーという天才料理人を見方につけたリングイニには敵ではなかった。この天才ねずみ・レミーの天才的嗅覚から作り出す料理は、パリで一躍有名になる。さすが「リトル・シェフ」である。リングイニのシェフ帽に隠れ、髪の毛を操作し、リングイニを操って料理を作る。このうわさを聞きつけた恐怖の料理評論家・イーゴが、再び、グストーの店に現われた。「うわさを聞いてやって来た。あなたのお勧めの料理を食べさせてほしい」。この挑戦に驚愕するリングイニだが、今は、「リトル・シェフ」のレミーや伴侶のコレットがいる。作られた料理は、フランスの家庭料理「ラタトゥーユ」であった。誰もが反対したこの料理に、イーゴは忘れていた少年時代に食べた母親の思い出の味を思い出した。あの優しい料理の味だったのだ。「この料理は、あなたの作品か?」問うイーゴ。「いいえ、この料理を作ったのは、私ではありません。この料理を作ったシェフは厨房にいます。でも、今は、お連れで来ません。他のお客様が帰った後なら、お会いできます」とのリングイニ。
ーこのときの情景で、料理漫画「シェフ」を思い出した。あるアラブの富豪が、日本に来たとき、最高の料理を用意させることを命じられた‘幻の料理人・味沢シェフ‘が用意したものは、当時のアラブの家庭料理・野菜のごった煮スープだった。どんなおいしいものにも食べ飽きて感動しなかったアラブの富豪は、この料理に涙して食べ、お代わりをしたのだった。子供の頃最愛の母親が作ってくれた料理だったのだ。味沢シェフは言う。「料理の最高のスパイスは、素晴らしい思い出なのです」
 閉店後、イーゴが出会ったシェフは、恥ずかしそうに紹介された「リトル・シェフ:レミー」であった。このねずみが、料理を・・。イーゴは驚きの中、感動していた。「誰もが料理を作れる」と言っていた亡きシエフ・グストーの言葉をかみ締めていた。ねずみが料理を作っていたことで、衛生局から店の閉鎖を宣告されるが、やがて、また、活気のある店に生まれ変わる。「ねずみが料理する店」との看板のもと。

 しかし、物語も決して飽きさせないこのCG映画。最高にして、感動の止まない素晴らしい映像に拍手である。ねずみと人間の料理を通じた友情に‘乾杯‘である!!!