![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/83/f2353eda55384a3fc1d1d9b7256bcd23.jpg)
タバコの自動販売機による販売は、日本・ドイツ以外のほぼ全ての国で禁止(または「自販機を置く場合は未成年者が入場できない場所に限る」という規制)されています。特に未成年者に対する購買規制が完全には行われていないことで、日本ははWHOなどから名指しで批判されてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/18/e5dac27162f941c934278aa260f01ba3.png)
そこで社団法人日本たばこ協会(TIOJ)らは2008年よりtaspoによる成人識別自動販売機の導入を開始しましたが、しかし、taspoには抜け道がたくさんあり、これによって今は未成年者の購買が抑えられているとは一概に言えない状況にあります
例えば2004年からtaspoの試験導入を開始した種子島では、導入後3年目の補導件数は、かえって導入前より増えています。
平成21年の岩手県江刺署管内の少年補導件数も267件、対前年比29%(60件)アップと大幅に増加しています。岩手県内の全体数では減少しているのですが、江刺では、このうち特に中学生の喫煙が急増していることが報告されています。現在未成年者のタバコ入手経路のうちおよそ7~8割が自動販売機です。
次のグラフは「未成年者喫煙禁止法」違反者の推移を表したものです。ご覧のとおりここ数年間、激増しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/2d/1be6212bf9c48933f8bc5b30b5836c75.png)
これは、2008年以降は「少年法」改正があり(2008.7施行)、未禁法違反の略式起訴が家庭裁判所から地裁に移管され検挙送致しやすくなったこと、また同時期にタバコ自販機のtaspo等の義務化があり、これに対する違反が増えたことも増加の要因にあるので、これがそのまま未成年者の喫煙状況をそのまま表しているものではありません。しかし法律や制度を導入しても、それを破る人、抜け道を探る人が多くいて、かつ実際にそれを実行していることが読み取れます。
以前から警察側が主張している通り、未成年者の喫煙の防止は「タバコ自販機の撤去」が最も効果があります。自販機のない欧米諸国では、タバコ規制の強化とともに喫煙率が軒並み下降しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/f9/bff7636600dfe8d99b52a1dccfcf64ed.png)
対する日本では、男性の喫煙率は低下する一方、女性の喫煙率は若い層を中心に高まる傾向にあります。また未成年者の喫煙率も、正確な比較のデータはありませんが、下のグラフで見ると日本の喫煙率はいまだ非常に高い水準にあることがわかります。中学一年生の1割以上がタバコを吸ったことがある、高校生の半数が喫煙経験があるというのは、社会としては十分異常なことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/71/3082d1cd0da40becf94e3164465fde5d.png)
未成年者の喫煙を防止するのに最も効果が高い方法は、先に述べた「タバコ自販機の撤去」と「タバコの値上げ」です。自販機が無くても大人はタバコを買えるのですから、日本におけるタバコ自販機の氾濫は、単に一部の喫煙者の便宜と、子どもの喫煙を助長する結果を産んでいるにすぎません。
またこの場合のタバコの値上げは、未成年者が気軽に買えない値段、つまり1箱1000円程度にすることです。これらはいずれも欧米では既に実施されていることですが、日本では日本たばこ産業(JT)と財務省の反対でなかなか実現が進んでいません。
子どもの将来と健康を守るためには、まずは公共施設から始め、ゆくゆくは日本からタバコ自販機を全廃する方向に持っていかなければなりません。
最後にもうひとつ、タバコ自販機が地球温暖化に及ぼす影響について見てみましょう。
平均的なタバコ自販機は、1台につき一般家庭の消費する21%の電力量を消費します。つまり自販機5台でおよそ一件分の電力を消費している計算になります。
これによると、2009年の日本のタバコ自販機総数40.5万台が排出する年間CO2は、一般家庭8万1000戸分の排出量に相当します。これを一つのまちとして捉えると、岩手県内では盛岡市に次ぐ人口23万5000人規模の巨大都市が出来上がることになります。これは奥州市のおよそ2倍の大きさです。
だから地球温暖化防止の観点からも、社会にとって必ずしも必要とは言えず、徒に青少年の非行を助長するタバコ自販機は撤去しなければなりません。社会の歪みというのはえてして弱いもの、目に見えないところに凝縮されて顕れるものですが、タバコ自販機もそういった例の一つです。地球の未来のために私たちの子孫のために、まずは奥州市からタバコ自販機を減らしていきましょう。
P.S. 下の写真は、ネットで見つけたドイツと日本のタバコ自販機です。左はドイツ。右は日本ですが、ドイツの自販機は、一つの商品に対してすごく小さなボタンがあるだけという、ごく簡単なデザインのものだということがわかります。対して日本の自販機は、露出するスペース全部を使ってこれでもか、というほどに購買意欲を掻き立てるアピールをしています。特にセクシーな写真、かっこいい画像を使って、若者層を取り込もうとしています。
これはひとえに両国の法規制の差によるものです。これだけ見ても、いかに日本のタバコ産業が国の政策決定に影響力を持っているかがわかるでしょう。タバコ自販機の数にしても、日本とドイツでは比べものになりません。日本は実は、先進国の中では最大の「タバコ規制後進国」なのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/40/af3f5a3a7aaabdf7064e9c28538d149a.jpg)
(上の画像は「PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » 日本のタバコパッケージ」から無断借用させていただきました)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/18/e5dac27162f941c934278aa260f01ba3.png)
そこで社団法人日本たばこ協会(TIOJ)らは2008年よりtaspoによる成人識別自動販売機の導入を開始しましたが、しかし、taspoには抜け道がたくさんあり、これによって今は未成年者の購買が抑えられているとは一概に言えない状況にあります
例えば2004年からtaspoの試験導入を開始した種子島では、導入後3年目の補導件数は、かえって導入前より増えています。
未成年者の喫煙補導はtaspo導入前の2003年は39件だった。導入後、04年31件、 05年10件と順調に減少。ところが、06年は84件と大幅増に転じた。
補導された少年らは、成人の先輩のカードを借りたり、親のカードを持ち出して購入しているらしい。種子島署の中村純一次長は「同じ少年が数回補導されたケースもある。たばこカードは予防効果はあるが、常習者はあの手この手で対抗する。」と話している。
平成21年の岩手県江刺署管内の少年補導件数も267件、対前年比29%(60件)アップと大幅に増加しています。岩手県内の全体数では減少しているのですが、江刺では、このうち特に中学生の喫煙が急増していることが報告されています。現在未成年者のタバコ入手経路のうちおよそ7~8割が自動販売機です。
次のグラフは「未成年者喫煙禁止法」違反者の推移を表したものです。ご覧のとおりここ数年間、激増しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/2d/1be6212bf9c48933f8bc5b30b5836c75.png)
これは、2008年以降は「少年法」改正があり(2008.7施行)、未禁法違反の略式起訴が家庭裁判所から地裁に移管され検挙送致しやすくなったこと、また同時期にタバコ自販機のtaspo等の義務化があり、これに対する違反が増えたことも増加の要因にあるので、これがそのまま未成年者の喫煙状況をそのまま表しているものではありません。しかし法律や制度を導入しても、それを破る人、抜け道を探る人が多くいて、かつ実際にそれを実行していることが読み取れます。
以前から警察側が主張している通り、未成年者の喫煙の防止は「タバコ自販機の撤去」が最も効果があります。自販機のない欧米諸国では、タバコ規制の強化とともに喫煙率が軒並み下降しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/f9/bff7636600dfe8d99b52a1dccfcf64ed.png)
対する日本では、男性の喫煙率は低下する一方、女性の喫煙率は若い層を中心に高まる傾向にあります。また未成年者の喫煙率も、正確な比較のデータはありませんが、下のグラフで見ると日本の喫煙率はいまだ非常に高い水準にあることがわかります。中学一年生の1割以上がタバコを吸ったことがある、高校生の半数が喫煙経験があるというのは、社会としては十分異常なことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/71/3082d1cd0da40becf94e3164465fde5d.png)
未成年者の喫煙を防止するのに最も効果が高い方法は、先に述べた「タバコ自販機の撤去」と「タバコの値上げ」です。自販機が無くても大人はタバコを買えるのですから、日本におけるタバコ自販機の氾濫は、単に一部の喫煙者の便宜と、子どもの喫煙を助長する結果を産んでいるにすぎません。
またこの場合のタバコの値上げは、未成年者が気軽に買えない値段、つまり1箱1000円程度にすることです。これらはいずれも欧米では既に実施されていることですが、日本では日本たばこ産業(JT)と財務省の反対でなかなか実現が進んでいません。
子どもの将来と健康を守るためには、まずは公共施設から始め、ゆくゆくは日本からタバコ自販機を全廃する方向に持っていかなければなりません。
最後にもうひとつ、タバコ自販機が地球温暖化に及ぼす影響について見てみましょう。
平均的なタバコ自販機は、1台につき一般家庭の消費する21%の電力量を消費します。つまり自販機5台でおよそ一件分の電力を消費している計算になります。
これによると、2009年の日本のタバコ自販機総数40.5万台が排出する年間CO2は、一般家庭8万1000戸分の排出量に相当します。これを一つのまちとして捉えると、岩手県内では盛岡市に次ぐ人口23万5000人規模の巨大都市が出来上がることになります。これは奥州市のおよそ2倍の大きさです。
だから地球温暖化防止の観点からも、社会にとって必ずしも必要とは言えず、徒に青少年の非行を助長するタバコ自販機は撤去しなければなりません。社会の歪みというのはえてして弱いもの、目に見えないところに凝縮されて顕れるものですが、タバコ自販機もそういった例の一つです。地球の未来のために私たちの子孫のために、まずは奥州市からタバコ自販機を減らしていきましょう。
P.S. 下の写真は、ネットで見つけたドイツと日本のタバコ自販機です。左はドイツ。右は日本ですが、ドイツの自販機は、一つの商品に対してすごく小さなボタンがあるだけという、ごく簡単なデザインのものだということがわかります。対して日本の自販機は、露出するスペース全部を使ってこれでもか、というほどに購買意欲を掻き立てるアピールをしています。特にセクシーな写真、かっこいい画像を使って、若者層を取り込もうとしています。
これはひとえに両国の法規制の差によるものです。これだけ見ても、いかに日本のタバコ産業が国の政策決定に影響力を持っているかがわかるでしょう。タバコ自販機の数にしても、日本とドイツでは比べものになりません。日本は実は、先進国の中では最大の「タバコ規制後進国」なのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/40/af3f5a3a7aaabdf7064e9c28538d149a.jpg)
(上の画像は「PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » 日本のタバコパッケージ」から無断借用させていただきました)
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