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アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

絶滅の渦巻

2008-05-27 07:14:27 | 思い
 野生動物はある臨界数を超えると、あたかも渦巻に呑み込まれたかのごとく加速度的に絶滅へと向かう    トキ(朱鷺): 学名「ニッポニア・ニッポン」(Nipponia nippon)"  トキの消え去った原因は開発である。富国強兵は明治政府の至上命題であった。一日でも早く日本の近代化を達成するに、資源開発やインフラ整備、生産力の増強は焦眉の急だった。日清戦争。日露戦争。時局は国民に、各地か . . . 本文を読む

次代を担う生きものたち

2008-05-26 07:17:22 | 思い
 よく地球温暖化によって引き起こされるマイナス現象として、異常高温の発生や、台風大雨など異常気象の頻発、海水面の上昇、農畜産業や漁業への影響、感染症の拡大などが取りざたされている。しかし、そんなものは大したことじゃない(わけでもないけれど)、というよりは、それらはすべてより高次の深刻な事態を導く要因の、あくまでひとつずつでしかないのだと思う。地球温暖化のもたらす最大の被害、それは、地球が確実に多く . . . 本文を読む

地球と人体

2008-05-25 09:28:59 | 思い
 例えば僕たちの体、人体は、それ自体単独で存在しているわけではない。一般に、人体の細胞数は60兆個と言われている(その他に赤血球が20兆個あるという)けれど、しかし僕たちの体を構成しているのはこれらの細胞だけではない。例えば腸内細菌がおよそ100種類100兆個。それと皮膚の表面や粘膜、各種臓器には夥しい数のバクテリアが住んでいるから、それらを全部含めると人体を組織する微生物の数は人体細胞のゆうに倍 . . . 本文を読む

人類の絶滅

2008-05-24 11:13:22 | 思い
 多細胞生物の多様性が爆発的に増加したカンブリア紀以降、現在までの6億年の間に、地球上の生命は5度の大量絶滅を経験してきたという。1回目のオルドビス紀には生物種はほぼ半分となり、デボン紀には約30%の減。二畳紀には再び半減してこのとき三葉虫が絶滅している。4回目の三畳紀には35%の減。そして5回目の白亜紀には恐竜が絶滅した、といった具合である。  しかし地球上の生物層は、そのたびごとに不死鳥のごと . . . 本文を読む

温暖化の春

2008-05-20 09:27:42 | 思い
 いつもなら田植の準備が押し迫った頃に見頃を迎えるはずのわが家の遅咲きの桜が、今年は連休中に満開になった。例年より四五日早い。そういえばこの春は、ふきのとうも、ワラビも随分早くに顔を出し始め、福寿草もアブラナも水仙も、花という花は軒並み開花を早めたようだった。少しは寒い日もあったけれど、暖かで雪の少ない冬だった。雪が降ってはすぐに溶けて、啓蟄の頃には道路や畑はすっかり乾いていた。こんな年は今までな . . . 本文を読む

ニホンオオカミ

2008-05-17 09:52:24 | 思い
 文献によれば、古来よりオオカミは田畑を荒らす害獣を駆逐する農耕の守護者であったという。万葉集に記載ある「大口の真神」はオオカミのことと言われ、今も各地の神社で祀られている。御犬様、ヤマイヌ様、犬神もみな同じであり、また「オオカミ」という名も本来は「大神」と表記されていた。珍しいところでは東熊野に「狼除神社」なるものもあって、やはりオオカミを祭神としているそうだ。このようにオオカミは神に連なるもの . . . 本文を読む

パートナーの条件

2008-04-01 09:12:17 | 思い
 最近読んだ本の中に、ちょっと面白い情報があったので記しておこう。男と女は(本能として)お互いのどこに惹かれ合うかといった内容だ。出典はマット・リドレー著「やわらかな遺伝子」(中村桂子・斉藤隆央訳。紀伊国屋書店刊)。以下はその箇所についての自分なりの要約だけれど、極めて大雑把なものなので、微妙な部分では必ずしも内容を厳密に伝えているものではないことを断っておく。  調査は心理学者たちによって19 . . . 本文を読む

日本の中の枯葉剤

2008-02-20 09:46:07 | 思い
 ヴェトナムで使用された枯葉剤は、大戦中に日本人の糧道を断つ目的で開発が進められてきた化学兵器だった。元はといえば植物の成長促進物質の研究の中で見出された成長抑制作用だったのだが、これを効果的に利用することにより日本の田や畑をすみやかに壊滅させることが期待でき、それによって米軍の実質的損害なくして戦局を押し進めることができるはずだった。  結局その意図は実現されないまま、日本は終戦を迎えた。しかし . . . 本文を読む

人間と農業

2008-02-14 10:15:34 | 思い
 近年の私たちにとって、食の変化にはとても激しいものがあるけれど、これを人類の歴史の中で見ると、今の変化よりももっともっと大きくて重大な変化の時が遠い昔にあったように思う。それはたぶん、人間が主たる食生産基盤としての農業を始めた時だったろう。有史以前のことなのではっきりとはわからないが、今から一万年ほど前に当たるのかもしれない。  思うに、それまでの人類の暮らし向きは、決して今の私たちが頭に想い描 . . . 本文を読む

農薬大好き!

2008-02-11 18:20:07 | 思い
 先日の記事「農薬を食べる」にて引用した農薬使用量についてのデータが少し古かったので、今回あらためて調べなおしてみた。ネット上で幾つかのサイトや資料を閲覧したのだが、その中で裏づけのある数値を使っているなど、信憑性の高いと思われるものを基本にして以下に纏めてみる。  農薬使用量は世界的に漸減傾向にあり、日本においても1980年の69万トンから20年余りで半分以下にまで減っている。その理由としては . . . 本文を読む

私は地球

2008-02-02 18:05:46 | 思い
 朝の一服に干し柿を齧りながら思う。  晩秋に穫れたあのパンパンに張った赤い柿が、幾度かの雪と寒さを経てこのように縮み皺がより、肌にうっすらと粉を吹いた甘い甘い干し柿へと変わる。干し柿も干し芋も、日光を浴びながら乾燥することによってより甘くなりまた幾つかの栄養素を加味して、こうして冬に生きる私たちの活力源となってくれている。自然の力、生命の力とは不思議なものだ。ミイラとなることによって、更に自身を . . . 本文を読む

農薬を食べる

2008-01-25 10:17:06 | 思い
 日本で初めて製造販売された化学合成農薬は、1921年に三共株式会社から売り出されたクロルピクリン(殺菌剤)だから、この国の農薬の歴史はさほど古いものではない。しかも技術的な問題や経済性、まだ土壌が今ほど破壊されていなかったことなどさまざまな要因があって、初期の農薬はそれほど急速には普及しなかった。化学合成農薬が本格的に使われ出したのは、戦後占領軍の指揮下でDDTが導入された頃からになる。  DD . . . 本文を読む

日常の食事と子どもの心理

2008-01-16 09:28:29 | 思い
 つい先日ある小冊子を読んでいて興味深い情報に触れたので記しておく。常々食習慣が人間に、特に成長期の人格形成にとても重要だということは感じていたのだが、こうしてあらためて傍証を挙げられると驚きを通り越してショッキングでさえある。以下にかいつまんでその要約を連ねる。  アメリカ合衆国では従来よりファストフードが子どもたちの食事に大きな地位を占めていた。学校の校内にはカフェテリアがあり、そこではファ . . . 本文を読む

煙の試金石

2008-01-12 10:30:18 | 思い
 僕の家が「敷地内禁煙」だってことは前に一度話したことがあるよね。敷地内といってもポツリポツリと屋根が点在する田舎のことだから随分と広い。わが家だって母屋を中心にして田や畑、取り付け道路や庭などを含めるとそれだけでひと回り犬を散歩できるくらいの広さになる。だから訪れた客がもしどうしてもタバコを喫いたいって言うならば、しかたないから玄関から100m離れた角の神社まで歩いていってもらうことにしてる。も . . . 本文を読む

河童と先住民

2007-11-03 07:54:56 | 思い
 とかく悪戯好きのイメージのある河童だが、不思議なことに河童が人を助けた、援助をして家が栄えたという話もまた方々に伝わっている。火事を消し止めたり、困ってる人に秘薬を与えたり、また全国的にさまざまな形をもって催される「夏祭」が、本来水神を祭る行事であったこと(例えば祇園祭などは疫病神に対する祭なのだが、柳田國男は「水の神=疫病の神」と推測していた。一方河童を水神とみる向きもある)を考え合わせても、 . . . 本文を読む