粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

こんな知事いらない!鹿児島と沖縄

2016-09-17 13:50:23 | 沖縄の虚像と実像

反原発と反基地、左翼メディアが強力に後押して当選した二人の県知事が県政を今や混迷へと陥れようとしている。これら知事はいわゆるシングルイシューの公約で住民のポピュリズムを煽って当選した。原発は再稼動させない、沖縄に基地をつくらせない…しかし、こんな子供だましの手法が実際の行政でいつまでも通用するはずがない。

まず、今年7月に当選したばかりの三反園教鹿児島県知事。すでに昨年から稼動している川内原発に対して九州電力に運転停止を求めた。避難計画が十分ではなく「安心が担保されない」などと言っているが、よく考えればこんなのは理由にならない。

知事は今年発生した熊本地震でのことを挙げて「川内原発の稼働に住民不安が高まった」とも述べている。しかし、今度の熊本地震では川内原発は何の影響も出なかった。また、知事にいわれなくてもより強い地震が起きれば原発が自動停止するようにできている。電力会社から見れば「余計なお世話」だろう。

結局「熊本地震による原発への住民不安」は左翼反原発メディアが意図的に煽ったとしか、言いようがない。その主導的役割を果たしたのが朝日新聞、そして同系列のテレビ朝日である。三反園氏がテレビ朝日のキャスターであったことを考えれば、知事の公約は「マッチポンプ」「自作自演」とも言ってよいのではないか。

当然、九州電力は知事の稼働中止要求を拒否した。停止権限がない知事には「不満」を表明したが、如何ともしがたい。しかし、この公約を安易に下ろすわけにはいかない。今後のいろいろと手を打ってくるに違いない。左翼メディアや一部反原発市民の支援を受けている以上、その看板を下ろすわけにいかない。そうしなければ、自分の知事としての任期を全うできないのだ。

しかし、こんな反原発知事のスングルイシューに付き合わされる鹿児島県民はたまったものではない。これは公約ではなくイデオロギー行使に近いからだ。したがって、知事が「避難対策」を九州電力に要求しているが、これは反原発からの観点から考えるべきもではない。原発とは関係なく一般の災害対策として認識すべきものであsる。そして、知事自身が政策を立案し実行すべき性格のもののだ。九電よりもまず県民である。対峙する相手を間違えていてはまさに本末転倒といってよいだろう。

次に翁長雄志沖縄県知事だ。三反園知事の「先輩格」といってよく三反園氏の「末路」を予感させる。この翁長知事も選挙にスングルイシューで当選した人物だ。「辺野古に基地をつくらせない」の一点張りで国の政策に反対ばかりしてきた。前知事が承認した辺野古埋め立て承認を翁長知事が取り消したことで最初から国とは泥沼の対立が続いた。一時が国が譲歩して話し合いが持たれたが、県側が埋め立て承認取り消しの姿勢を変えないため国は司法の判断を仰いだ。

そして、昨日、高裁で国の全面勝訴の判決が出た。当然といえば当然の話だ。県は長年基地負担を強いられてきた被害者だと、感情を論振り回すだけで何ら取り消しが正当である根拠を示せなかった。結局「県民が民意が反対」では話にならない。

昨年埋め立て承認取り消しを表明した前に、翁長知事は検証のための第三者委員会を設置した。しかし、そのメンバーが翁長知事の息のかかったものばかりで最初から結論ありきの形式的な検証に過ぎなかった。まさに茶番でしかなかった。辺野古に基地をつくらせないというシングルイシューの公約を実現するためのワンプロセスに過ぎない。

翁長知事が就任して2年近く経ったが、沖縄の政治の話題といえば、この基地問題一色といってよい。翁長知事のエネルギーは基地問題に集中して他の業務がおろそかになってしまった。この問題で政府との折衝で度々上京したり、アメリカの政府要人に訴えるために訪米したりした。また、こんなに裁判所に出頭する知事も珍しい。あげくにはスイスのジュネーブにある国連人権理事会で「沖縄の自己決定権がないがしろにされている」と、まるで沖縄独立を示唆するような発言までしている。多額な経費と時間を伴って。

この翁長知事を支えているるのが沖縄左翼だ。特に沖縄タイムズ、琉球新報という2大県紙が沖縄の世論を牛耳っているといってよい。それも「反基地」という強力なイデオロギーによってである。これに呼応して革新政党や組合、市民団体、さらには過激な左翼団体が結びついて沖縄をイデオロギー闘争の巣窟にさせてしまった。

翁長知事はこれらの左翼勢力の力を借りて知事に就任した。以前は辺野古移設に賛成であったばかりか、旗振り役でさえあった。しかし、知事として権勢を振るいたいばかりにそれまでの敵役とまで手を結んだ。だから、政府とは決して妥協することはできない。許されないのだ。妥協すると途端にこれが左翼勢力が翁長知事に牙をむく。これは知事生命を危うくするものだ。

こんな知事のイデオロギー先行の政策に沖縄県民は大迷惑であろう。県の産業が育たず依然観光に依存し生活水準が本土と比べて低い。多額な振興金でハードのインフラは充実しているが福祉や教育などソフトが立ち遅れている。あるいは中国の軍艦が沖縄の海を侵犯し脅威が身近になっているいるのにこの有様だ。

しかし、沖縄メディアの厳しい言論空間で県民の本音はなかなか表には出てこないのが現状だ。翁長県政もこうした支持勢力の顔色を伺うばかりでとても県民の方に向いているとはいえない。そして今度の敗訴で対決する国からも厳しい攻勢を受ける。前途多難というより八方塞がりの状況だ。

三反園鹿児島県知事がこの沖縄県知事の後を追うとしたらまさにこんな知事はいらない!シングルイシューのイデオロギー先行の県政に早く終止符を打って、県民の声をしっかりと汲み取る本来の知事に交替してほしい。