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●砂川事件国賠…「公平な裁判」だったのか? 《最高裁長官が米国側に評議の状況などを伝えたことで「公平な裁判を受ける権利が侵害された」》

2024年02月11日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 190107-東京新聞‐9条壊憲]


 (2024年01月19日[金])

ニッポンの裁判所は大丈夫か? 法はどこに? 「司法判断」せずに、デタラメな「政治判断」を繰り返している。
 絶望的な気分。「砂川事件」の国賠訴訟にはいくつかの論点があるのでしょうが、ブログ主が感じる大きな問題は、元・最高裁長官の振舞いとそれを許容した現在の裁判所。ニッポンの裁判所は大丈夫なのか? (東京新聞)《憲法37条が保障する「公平な裁判を受ける権利」は、民主主義国で最も基本的な権利のはずだ。司法が身内を守るような発想では、信用を失うだけである》。違憲に違憲を重ねている。

 (東京新聞)《59年の一審判決は「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡した》…違憲認定した《伊達秋雄裁判長の名をとり通称・伊達判決》、何が何でもこれを闇に葬りたくて仕方ないらしい政権に忖度する裁判所。
 東京新聞の【<社説>砂川事件判決 「公平な裁判」だったのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/303779?rct=editorial)。《1957年の「砂川事件」を巡り、最高裁長官が米国側に評議の状況などを伝えたことで「公平な裁判を受ける権利が侵害された」として国に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は原告の訴えを退けた。「具体的な評議内容まで伝えた事実は認められない」との判決は疑問で納得しがたい。…59年の一審判決は「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡したが、検察は高裁を飛び越えて最高裁に跳躍上告最高裁は一審判決を破棄・差し戻して64年に7人の有罪が確定した。判決が再び注目されたのは2008年以降、米国国立公文書館での文書発見がきっかけだ。砂川事件の上告審の審理中に、当時の田中耕太郎最高裁長官がマッカーサー2世・駐日米大使らと裁判所外で面談していたことが記され、一審判決は覆される旨の発言まであった。原告が「公平な裁判を受ける権利が侵害された」と受け止めたのは当然だろう。しかし、東京地裁は判決で「具体的な評議内容、予想される判決内容まで伝えた事実は認められない」などと述べ、訴えを棄却してしまった》。

   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                   ~世界の笑いものにならないために~

   『●砂川事件: 「三権の長でありながら米国の干渉を
             受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」

   『●砂川判決という言い訳、再び: 
       アベ様は、じい様さえ「ウソツキ呼ばわり」したようなもの!?
    「「自衛権行使を「国家固有の権能」と認めた砂川事件の最高裁判決と
     「軌を一にする」と指摘」。
       また、砂川判決という言い訳話の蒸し返しかい!? 1959年以降の
     長きに渡る議論を無視するつもり? 風が吹けば桶屋が儲かるといった
     雑な論理で壊憲していいのか。憲法学者は売られたケンカを買うべきだ!!」
    《Q 現在の集団的自衛権の行使容認をめぐる議論とどう関係するのか。
     A 「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡した一審の東京地裁判決
       (伊達秋雄裁判長の名をとり通称・伊達判決)を破棄した最高裁判決
       首相が指摘する「砂川判決」だ。
       (1)憲法は固有の自衛権を否定していない(2)国の存立を全うするために
       必要な自衛の措置をとることを憲法は禁じていない(3)だから日本を守る
       駐留米軍は違憲ではない(4)安保条約のような高度な政治性を持つ
       案件は裁判所の判断になじまない-がポイント。首相らは「自衛権」や
       「自衛の措置」に集団的自衛権の行使も含まれると主張し始めた

   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
        この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
   『●「砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を
      照らす意味を持つ」…相変わらずの最「低」裁かな?
    「《五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の
     田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに
     裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に
     見つかった》…ということで、「三権の長でありながら米国の
     干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」をしていた訳です」

   『●最「低」裁判断に失望し、砂川事件の伊達秋雄裁判長は
      程なく退官…《わが国の司法にとって大きなマイナス》
    《駐留米軍の合憲性が争点となった「砂川事件」で、
     裁判史上初めて違憲と断じた伊達秋雄裁判長。…最高裁判断に
     失望した伊達さんは程なく退官した

   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている
   『●《59年に東京地裁は「米軍駐留は憲法9条に反する」…無罪》…砂川事件
     国賠訴訟で《元最高裁長官の行為に違法性は認められない》という東京地裁

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/303779?rct=editorial

<社説>砂川事件判決 「公平な裁判」だったのか
2024年1月19日 08時00分

 1957年の「砂川事件」を巡り、最高裁長官が米国側に評議の状況などを伝えたことで「公平な裁判を受ける権利が侵害された」として国に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は原告の訴えを退けた。「具体的な評議内容まで伝えた事実は認められない」との判決は疑問で納得しがたい。

 55年に米軍基地拡張のため、東京都砂川町(現・立川市)周辺の土地を大規模に収用する計画が浮上し、これに反対する運動は「砂川闘争」と呼ばれた。

 地元住民を学生や労働者が支援し、警官隊らと衝突を繰り返した。57年に柵が倒れたことで、学生ら23人が米軍基地内に立ち入り、7人が旧日米安全保障条約に基づく行政協定の実施に伴う刑事特別法の違反罪で起訴された。

 59年の一審判決は「米軍駐留は憲法違反」として無罪を言い渡したが、検察は高裁を飛び越えて最高裁に跳躍上告最高裁は一審判決を破棄・差し戻して64年に7人の有罪が確定した。

 判決が再び注目されたのは2008年以降、米国国立公文書館での文書発見がきっかけだ。

 砂川事件の上告審の審理中に、当時の田中耕太郎最高裁長官がマッカーサー2世・駐日米大使らと裁判所外で面談していたことが記され、一審判決は覆される旨の発言まであった。原告が「公平な裁判を受ける権利が侵害された」と受け止めたのは当然だろう。

 しかし、東京地裁は判決で「具体的な評議内容、予想される判決内容まで伝えた事実は認められない」などと述べ、訴えを棄却してしまった。

 米国の公文書は、駐日米大使が国務長官に宛てた電報や書簡の写しであり、極めて重要な書類である。「世論を揺るがす少数意見を避けたいとの表現は、最高裁長官の意向そのものだ。米側と評議の進め方などを巡り協議していたことを示す内容ではないのか。

 そもそも米軍基地自体が問題となっていた中で、最高裁長官が当事者とも言える駐日米大使と面会し、裁判を話題にすること自体が不適切極まりない。地裁が「文脈や意図が不明」「長官の発言か不明」と判断したのも早計だ。

 憲法37条が保障する「公平な裁判を受ける権利」は、民主主義国で最も基本的な権利のはずだ。司法が身内を守るような発想では、信用を失うだけである
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●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメにお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?

2023年10月06日 00時00分26秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20231005[])
心底、怒りに震える。こんな理不尽が許されるのか?
 国が寄って集って沖縄をイジメている、最「低」裁など司法が沖縄イジメ沖縄差別にお墨付きを与える…(なぜか国交相ポストが指定席となっているアノ下駄の雪党は平和の党子育ての党なんて自称していて、恥ずかしくないのかね? ゆ党なお維やコミなどは論外)真の意味での野党議員は団結して立ち上がってくれないものかね? 特に、立憲民主党には非常に大きな責任があるのではないですか。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
      ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

 アベ様はスガッチらに、無法に辺野古破壊に着工させてしまったのが大きなミス。出来もしない新基地のためにドブガネし、日々大量の土砂を美ら海にぶちまける愚行が続く。あの変わり果てた辺野古…。新基地など完成しない訳で、辺野古は単なる破壊「損」ではないか。美ら海を破壊して何か「益」があったか?
 琉球新報の【<社説>設計変更承認指示 歴史に堪える知事判断を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2323142-2-2-2.html)。《米軍普天間飛行場の全面返還を確認した1996年の日米合意に端を発し、今日まで続く辺野古新基地建設問題は重大局面を迎えた。玉城デニー知事は新基地拒否の民意を踏まえ、数々の困難と闘ってきた沖縄の歴史にも堪える判断を下さなければならない。斉藤鉄夫国土交通相が大浦湾側の軟弱地盤の設計変更を承認するよう県に指示した件で、玉城知事は指示期限であるきょう、判断を示す予定だ。承認すれば国は大浦湾側の地盤改良に向けた作業を加速させる不承認ならば国は代執行訴訟を福岡高裁那覇支部に提起する。県は大きな岐路に立たされている》。

 《県の敗訴は濃厚》って、暗澹たる気分だ…最「低」裁という司法のお墨付きによる沖縄差別、沖縄イジメ。あまりに醜悪過ぎないか…。
 沖縄タイムスの記事【玉城知事、期限内に承認せず 辺野古新基地巡る国交相指示で方針固める 国は代執行に向けあす5日にも提訴】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1233829)。《沖縄県名護市辺野古の新基地建設で軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更申請を巡り、玉城デニー知事は国からの承認指示の期限内に承認しない方針を固めたことが分かった。承認期限は4日だった。指示を出した斉藤鉄夫国土交通相へ4日夕にも「期限内に判断できないと回答する方向で最終調整している。国交相は国が代わりに承認する代執行に向け、5日にも福岡高裁那覇支部へ提訴する方針。県の敗訴は濃厚で、沖縄防衛局は早ければ年内にも海底に軟弱地盤がある大浦湾側での工事に着手する可能性がある》。

 立川談四楼さんのつぶやき:

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https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1709414679234433311

立川談四楼@Dgoutokuji

「国交相の承認指示届く 辺野古新基地の設計変更申請 玉城知事『引き続き対応検討』」 4日までの承認を迫ってるんだね。拒否すると、国は知事や県職員個人に数億から数十億の賠償を請求するんだってさ。鬼畜め維新が勝手にコケた万博は助けるのに民意を受けた沖縄には圧力をかけるんだ狂気だぜ

午後0:46  2023年10月4日
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 金子勝さんのつぶやき:

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https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1709570091527110691

金子勝@masaru_kaneko

【不当な処置を認めない】辺野古軟弱地盤工事の事業主体の防衛省沖縄防衛局が「私人」になりすまし不服申し立て、「身内」の国交相が審査庁として沖縄県の処分を取り消す裁決を出す異常さ。玉城沖縄県知事は「期限までに承認を行うことが困難」と発表。国は代執行するな

午後11:04  2023年10月4日
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   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし
     救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず


 福岡高裁那覇支部は代執行まで認めるのか?
 沖縄タイムスの【[社説]知事 辺野古承認「困難」 全国で議論深める時だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234160)。《県民投票で示された民意を尊重し、理不尽な埋め立てを承認しないよう求める県政与党や知事後援会、市民団体。承認しない場合の業務への影響を懸念し、行政として最高裁判決に従うしかないと知事を説得する県幹部ら。板挟みにあって悩み抜いた末に、玉城デニー知事が出したのは「期限までの承認は困難」という判断だった》。
 琉球新報の【<社説>設計変更「承認困難」 新基地阻止の道筋残した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2336040.html)。《米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設で、玉城デニー知事は軟弱地盤の設計変更に関する斉藤鉄夫国土交通相の承認指示に対して「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。承認勧告に対する回答と同じで、事実上の不承認と言える。県の対応を受け、政府は5日にも福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こす見込みだ》。
 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]いばらの道と不服従】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234216)。《「いばらの道ですが、踏みしめて、踏み越えていく覚悟が必要。その先に、県民が求めている未来が見えてくると信じて突き進んでいきたい」。玉城デニー知事が1期目の就任会見で語ったのは、2018年10月4日のことだ ▼あれからちょうど5年後の昨日。名護市辺野古の新基地建設問題は、重大な局面を迎えた。設計変更を巡る国交相の指示に対し、知事が出した結論は、いわば不当な権力にあらがう不服従」。政治家として、民意と公約を優先した ▼政府が自ら承認手続きに乗り出せば、県が関与できる余地は狭まる。巨額の損害賠償を請求されるのではという不安も渦巻く。「対話による解決を求めたい」。大勢の記者に囲まれた知事の顔は険しかった...》。


 2023年10月05日(木)。スガッチ並みの最低な官房長官・松野博一官房長官の以下のコメントを見て下さい。酷過ぎる。沸々と怒りが沸く。
 東京新聞の記事【辺野古巡り「代執行」へ国が提訴 福岡高裁那覇支部で弁論】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/281854)。《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は5日、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー県知事に代わって承認する代執行に向け、福岡高裁那覇支部に提訴した。15日以内に口頭弁論が開かれる。国が勝訴すれば、高裁は知事に承認を命令。知事が応じなければ、国交相が代わりに承認し、防衛省が工事を再開できる。9月4日の最高裁判決で承認の義務を負った知事が対応しなかったことを受け、国交相は19日、知事に承認を勧告した。28日にはより強い「指示」を出した。回答の期限を迎えた10月4日、知事が「承認は困難」と表明したため、提訴に踏み切った。松野博一官房長官は5日の会見で「辺野古移設は、普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するための唯一の解決策だ。地元に丁寧な説明を行い基地負担軽減に向け全力で取り組むと述べた。知事が訴訟で負けた場合は、最高裁に上告できる。逆転勝訴まで制度上、工事を止めることはできない》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1234160

[社説]知事 辺野古承認「困難」 全国で議論深める時だ
2023年10月5日 5:01

 県民投票で示された民意を尊重し、理不尽な埋め立てを承認しないよう求める県政与党や知事後援会、市民団体。

 承認しない場合の業務への影響を懸念し、行政として最高裁判決に従うしかないと知事を説得する県幹部ら。

 板挟みにあって悩み抜いた末に、玉城デニー知事が出したのは「期限までの承認は困難」という判断だった。

 自民党内の保守強硬派を中心に、玉城県政批判が高まるのは確実だ。ネット上にはここぞとばかりに「沖縄ヘイト」や「知事バッシング」が増えるのではないか。

 想定されるさまざまな逆風を考慮した上で、それでも玉城知事は、名護市辺野古で国が進める新基地建設の軟弱地盤改良に必要な設計変更申請の承認を、事実上拒んだのである。

 沖縄の自治と尊厳を守ろうとした知事の判断を、全国に向けた問題提起と受け止めたい。

■    ■

 今後、予想されるのは、大臣が高裁に「命令請求」を提起し、高裁の命令にも従わないとき、大臣が知事に代わって代執行=設計変更の承認をするという流れだ。

 政府は早ければ5日にも、代執行訴訟を高裁に起こす。

 埋め立て対象区域は、新基地建設予定地の大浦湾側約111ヘクタール。海面下に広がる軟弱地盤は深い所で90メートルに達するという。

 その場所に約7万本もの砂杭を打ち込む計画だ。サンゴやジュゴンへの影響、環境への負荷など不安材料が多い。

 県民投票で示された民意に反し、米軍基地建設のための埋め立て工事が、国の代執行によって行われれば、前代未聞の事態となる。

 玉城知事が「対話による解決」を求めてきたにもかかわらず、無視し続け、丁寧な合意形成を怠ってきたつけが回ってきたのだ。

 松野博一官房長官は4日の会見で「世界で最も危険といわれる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去すること」を強調した。

 官僚が書いたと思われるこの言い回しは、これからも頻繁に使われるはずだ。だが、ここにはごまかしがある。

 大浦湾側の埋め立ては、事業完了まで少なくとも12年かかるといわれている。工事が難航すれば工期はさらに延び経費も膨れ上がる

 「世界で最も危険」と自ら認めながら、今後12年余も街のど真ん中にある普天間飛行場を使い続け、なおかつ「一日も早い危険性除去」とい続けるつもりなのか。

 まともな行政のやることではない

 埋め立てが完成すれば土地は国有地になり、米軍や自衛隊に半永久的に使われるのは確実だ。本島北部に日米が共同使用できる飛行場を確保し、演習場や弾薬庫と一体的に運用する-これが日米の最大の狙いである

■    ■

 県が設計変更申請を不承認としたのは、普天間飛行場の危険性の早期除去につながらず、環境面への影響も払拭されていないからだ。「承認要件を満たしていない」と判断したのである。

 だが最高裁判決は、この件について何の判断も示していない主務大臣が裁決したのだから従えと言っているだけである。

 法は解釈され執行されることによって効力を発揮するが、その過程で法本来の趣旨から逸脱してしまう事態が生じることがある。

 一連の辺野古訴訟で浮かび上がった国による私人なりすまし」はその典型である。行政不服審査法は「国民の権利利益を救済するため」の法律だ。ところが(防衛省)は行審法を使って(国交相)に不服審査を申し立て、国交相がこれを是として県の不承認処分を取り消す裁決を行った。中立性、公平性を疑わせる措置だ

 国と地方自治体の関係はどうあるべきか。安全保障を巡る負担を国民がどのように分かち合うべきか。国は本当に南部の戦跡国定公園内から採掘された土石を埋め立てに使うつもりなのか。

 いずれも日本全体が考えなければならない問題であり、玉城知事の今回の対応はこれら重要な課題を浮かび上がらせたというべきだろう。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2336040.html

<社説>設計変更「承認困難」 新基地阻止の道筋残した
公開日時 2023年10月05日 05:00
更新日時 2023年10月04日 22:30

 米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設で、玉城デニー知事は軟弱地盤の設計変更に関する斉藤鉄夫国土交通相の承認指示に対して「期限までに承認を行うことは困難」と回答した。承認勧告に対する回答と同じで、事実上の不承認と言える。

 県の対応を受け、政府は5日にも福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こす見込みだ。

 設計変更承認勧告と指示への対応に関して、政府が県を相手に工事遅れによる損害賠償を求める訴訟を起こす可能性がある。県庁内では行政として最高裁判断に従うべきだとの意見もあった。

 一方、玉城知事は2度の選挙で新基地反対を公約に掲げて当選した。新基地建設に反発する県内世論は根強い。玉城知事が承認に踏み切れば公約違反の批判は免れない。県内外の新基地反対運動は計り知れないダメージを受けるであろう。知事辞職を求める声が上がる可能性もある。

 新基地建設問題は重大な局面を迎えている。玉城知事が政府の承認指示に対し、「承認は困難」という判断を下したことは、県が置かれた厳しい環境でのぎりぎりの対応であったと考える。新基地建設に反対し、政府に抵抗する道筋を残したのだ。

 設計変更申請を巡る県と政府の対峙(たいじ)は5日以降、代執行訴訟へと局面は移ることになる。辺野古新基地の埋め立て承認を取り消した翁長雄志前知事に対する代執行訴訟などの経験を踏まえ、訴訟に向けた理論構成を急いでほしい。併せて訴訟リスクへの対処も必要だ。

 知事判断を支える体制の整備も必要であろう。回答期限を前にした2日、県議会与党会派は玉城知事に対し、承認を避けるよう求めた。裁判に向け、与党としてどう対応するのか議論を進めるべきだ。

 今回の設計変更申請を含め、辺野古新基地建設を巡る県と国の対立は、常に県の側に理があることを改めて強調しておきたい。

 県民は近年の知事選で新基地拒否を公約に掲げた知事を選んだ辺野古埋め立ての是非を問う県民投票でも新基地ノーの民意を示した。さまざまな県民大会や集会を通じて平和的に訴えてきた。

 民主的な手続きを踏み、沖縄の意思を繰り返し示してきたのである。しかし、政府は新基地建設に固執し、沖縄に背を向け続けたのだどちらが民主主義に沿った態度であるかは明白であろう。

 メディアを通じて沖縄と政府の対立に接している日本本土の国民に伝えたい。

 沖縄は日米安全保障条約による過重な基地負担を背負っている。安保による利益を得ているならば、沖縄県民だけに負担を押しつけるのではなく、本来ならば日本国民全体で負担すべきである。

 新基地建設問題も沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題であることを忘れてはならない。
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●《犠牲になるのは一般の人々…戦争はしてはならない。命を何よりも大切に…平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》

2023年02月19日 00時00分40秒 | Weblog

(20230206[])
軍事費倍増…《標的》を沖縄に押し付けておけば済むと思っている大愚…。平和主義を捨て、戦争できる国となり、「鉾」を持てば、ニッポン中が《標的》だ。たとえ停止中でも、核発電所は格好の《標的》。特に「盾」が全く脆弱な使用済み核燃料プールなど格好の《標的》でしょうに。

   『●《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚…《ことさら攻撃能力について
     興奮して議論している様について、バカではあるまいか?》(狙撃兵)
   『●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、
      政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》
   『●《自民党タカ派…箕輪登…「戦争とは血を流す政治であります。外交とは
     血を流さない政治であります。日本は永久に血を流さない政治を…」》
   『●《自民党の独裁体制が根絶されない限り、いずれ軍拡の財源も消費税
        増税で賄われる》《騙されてはならない。騙されてはならないのだ》
   『●《決して沖縄だけの問題ではない…「だからこそ自分たちのこととして、
     そもそも戦争を起こさせないための声を国に対して上げる必要がある」》

 《犠牲になるのは一般の人々だ。大勢の人の命が奪われ、双方の国に大きな被害を出す。戦争はしてはならない命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》。
 長周新聞の記事【沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明】(https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/25589)によると、《「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている。以下、声明の全文を紹介する》。

 金平茂紀さん《連載第1回で僕は「自分たちにとってイヤなものを、弱い部分に押しつける生き方を続けていくことに倫理的な負い目を感じない国」が当時の日本だと批判した。現在はどうだ》…より一層ひどくなっている。いまや、《人柱》までやろうとするヒトデナシぶり。
 沖縄タイムスのコラム【再び沖縄を戦場にするつもりなのか 再開「ワジワジー通信」の初回で問う/金平茂紀】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1095220)によると、《本紙に「沖縄ワジワジー通信」連載の第1回が掲載されたのは、今から12年前の2011年1月11日。本連載の編集担当者が当時の紙面を見せてくれた。紙面を読んでみて、あらためてこの12年間の沖縄の激動、とりわけ県民の願いがいかに踏みにじられてきたか、その事実がいやというほど積み重ねられてきた歳月の重みを突きつけられ、痛切な思いにとらわれた》。

   『●沖縄の《遺骨が残る激戦地の土砂が国の米軍基地建設に…。愚かな戦争で
      犠牲を強いられた人々の遺骨を戦争の道具に使っていいはずがない》

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https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/25589

沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明
平和運動 2023年1月23日

 「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている。以下、声明の全文を紹介する。

     (沖縄県糸満市摩文仁平和祈念公園内に
      建立された全学徒隊の碑(2017年))


沖縄を戦場にすることに断固反対する声明

 今、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、沖縄を含む南西諸島で自衛隊の増強が進められる状況に、再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚え、むごい沖縄戦を思い出す

 78年前の沖縄戦では、米軍の上陸に備え、県民は子どもから大人まで、日本軍の飛行場設営や陣地構築に動員された。正義の戦争だと教え込まれ、知らないうちに戦争の加害者となり、戦争に加担させられた。日本政府は今、日米安全保障条約の下で「中国脅威論」を盾に軍備増強を進めている。自衛隊と米軍の一体化がさらに進む中、国民の緊迫の度を高め、自ら戦争を引き起こそうとしているような状況と戦前が重なる。軍拡ばかりが前面に押し出され、住民の被害に対する思いは微塵もない

 沖縄戦で戦場にかり出された県内21校の旧師範学校・中等学校の男子学徒と女子学徒は、戦争がいかに残虐なものかを、身をもって体験した。死の迫る極限状況の中、生き残った元学徒も学友や家族、親しい人々を失い、心に深い悲しみを負った。全学徒の死者は約2千人。戦後は戦没学徒の慰霊を続け、二度と沖縄を戦場にしてはならないという思いで、教え込まれた皇民化教育の過ちと悲惨な戦争の実相を語り継いできた。

 戦争する国は美しい大義名分を掲げるが、戦争には悪しかない。爆弾で人間の命を奪うだけである。戦争は始まってしまったら手がつけられない。犠牲になるのは一般の人々だ。大勢の人の命が奪われ、双方の国に大きな被害を出す。戦争はしてはならない命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい。

 先の大戦では、若い学徒を含め310万人の日本人が犠牲になり、アジア全体での軍民の犠牲者は2千万人を超えるとされる。日本は侵略した国の人々を虐げ、収奪し、命を奪った。今、日本政府がすべきことは、侵略戦争への反省と教訓を踏まえ、非戦の日本国憲法を前面に、近隣の国々や地域と直接対話し、外交で平和を築く努力である。戦争を回避する方策をとることであり、いかに戦争するかの準備ではない。しかし、今の政府は戦争をするきっかけを見つけ出し、戦争にまい進しようとしていることが強く危惧される。

 戦前に戻るかのような政府の動きを元学徒として見過ごすことはできない。県民の間で第三二軍司令部壕の保存・公開を訴え、「平和の砦」にしようという運動がある中、沖縄の陸上自衛隊第一五旅団を師団に格上げし、沖縄本島や先島諸島の駐屯地司令部の地下化を計画することは、県民の平和志向に反するものである。元全学徒の会は、日本政府による沖縄へのミサイル配備をはじめとする自衛隊増強と軍事要塞化で、再び沖縄を戦場にすることに断固反対する

2023年1月      元全学徒の会

中学校、沖縄県立第二中学校、沖縄県立第三中学校、沖縄県立農林学校、沖縄県立水産学校、沖縄県立工業学校、那覇市立商工学校、学校法人開南中学校、沖縄県立宮古中学校、沖縄県立八重山中学校、沖縄県立八重山農学校、沖縄師範学校女子部、沖縄県立第一高等女学校、沖縄県立第二高等女学校、沖縄県立第三高等女学校、沖縄県立首里高等女学校、沖縄積徳高等女学校、昭和高等女学校、沖縄県立宮古高等女学校、沖縄県立八重山高等女学校

  共同代表 與座章健、瀬名波栄喜、中山きく、吉川初枝
  幹事   宮城政三郎、山田芳男、太田幸子
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1095220

再び沖縄を戦場にするつもりなのか 再開「ワジワジー通信」の初回で問う
金平茂紀
2023年1月31日 6:10有料
金平茂紀のワジワジー通信2023

金平茂紀(かねひら しげのり)
1953年北海道生まれ。テレビ記者、キャスター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「筑紫哲也『NEWS23』とその時代」「金平茂紀の新・ワジワジー通信」(沖縄タイムス社)など。

 再開しますよ! 沖縄の皆さん! こんなワジワジー全開の世の中で、黙っていることは、罪を犯しているに等しい、と思うに至ったからだ。はっきりと申し上げよう。今の日本政府=岸田文雄政権は、再び沖縄を戦場にしようとしている。(最初にお断りしておきますが、この「ワジワジー通信2023」は紙面版とウェブ版のハイブリッド形式でお送りします。ウェブ版には紙面版では伝えきれない部分が加わっております)


 本紙に「沖縄ワジワジー通信」連載の第1回が掲載されたのは、今から12年前の2011年1月11日。本連載の編集担当者が当時の紙面を見せてくれた。紙面を読んでみて、あらためてこの12年間の沖縄の激動、とりわけ県民の願いがいかに踏みにじられてきたか、その事実がいやというほど積み重ねられてきた歳月の重みを突きつけられ、痛切な思いにとらわれた。

 この日の1面トップ記事は「移設先の再検討否定 岡田氏 『辺野古以外ない』」(注=当時の与党・民主党の岡田克也幹事長が普天間飛行場の辺野古移設を進める考えを那覇市内で明言した)だった。

 当時、日本は民主党政権下にあった。首相は菅直人氏。前任の鳩山由紀夫首相が(普天間飛行場の移設先は)「最低でも県外」と、マニフェスト(公約)に掲げて華々しく政権交代を果たしたものの、その後、米政府及び安保利権と直結する日米人脈の怒りを買い、日本の外務省、防衛省官僚らのあからさまな裏切りによって、鳩山氏が首相の座から追い落とされた後に誕生したのが菅直人政権だった。この政権下で、日本は東日本大震災に見舞われ、福島第一原発事故が起きた。連載開始からわずか2カ月後のことだった。

 菅政権下での沖縄政策は「辺野古が唯一の選択肢」とする地点まで後退したまま変わらなかった。菅氏にしてみれば、鳩山氏の二の舞は踏みたくないとの警戒心は尋常なものではなかったのだろう。鳩山氏に直接うかがったことがあるが、首相当時、沖縄政策について外務、防衛のトップ官僚たちと約束した守秘事項などは、翌朝の新聞にデカデカと報じられる始末だったという。対米従属が骨の髄まで滲みわたっている官僚たちの姿をまざまざと感じたという。

 当時の沖縄県知事は仲井真弘多氏。この時点での仲井真氏は、辺野古移設は容認できない、県外移設を求めるとの姿勢だった。このわずか2年11カ月後に、この知事は、復権した自民党・安倍晋三政権下で辺野古の埋め立て申請を承認するという沖縄県政史上に残る一大政策転換をやってのけた。仲井真氏は「有史以来の(沖縄関係)予算だ」「驚くべき立派な内容」「これは良い正月になるなどと政府を絶賛する発言を繰り返していたことを僕はよく覚えている。知事が率先して民意を裏切る。県民の怒りは頂点に達した。この当時の那覇市長が翁長雄志氏だった。

 14年の県知事選は大荒れとなった。仲井真氏が県民を裏切ったとの有権者の怒りは、約10万票の得票差となって翁長県政を誕生させた。ところが安倍・菅義偉両政権は、民意を背に辺野古移設反対を訴え続けた翁長知事に対して、面会さえも拒み、さまざまな方策を弄していじめにいじめ抜いた。翁長氏は病に倒れ、在職中の18年8月8日に死去、享年67。思い出すだけで、ワジワジーどころではなく、はらわたが煮えくり返るような、非道がまかり通ってきた。現在の玉城デニー県政は、翁長県政の姿勢を継承することを公約として選ばれたと記憶している。そうですよね、デニーさん。

  *     *

 連載第1回で僕は「自分たちにとってイヤなものを、弱い部分に押しつける生き方を続けていくことに倫理的な負い目を感じない国」が当時の日本だと批判した。現在はどうだ。辺野古の基地建設工事は強行され続けているうえ、政府は、ウクライナ侵略を奇貨として「台湾有事」「尖閣有事」をあおり、ミサイル配備を含め南西諸島の最前線基地化、軍事要塞化を、確信的に、かつ県民の意思を全く無視する形で進め沖縄を再び戦場にしようとしている。沖縄県民にとって、これは目の前にあるリアルな危険だ。

 そんななかでもとりわけ露骨な「暴挙」(このような強い言葉をあえて使わざるを得ない)は、沖縄防衛局が、辺野古などの基地建設工事埋め立て用の土砂に、沖縄戦の本土南部激戦地から採取した土砂を使う計画を策定したことだ。

 遺骨の混じる土を海に投じ、それで軍事基地をつくる戦没者に対する冒瀆だとの憤りを表明し抗議行動の先頭に立っているのは「ガマフヤー」(沖縄戦遺骨収集ボランティア)の具志堅隆松さん(69)だ。1月18日に衆議院議員会館で、沖縄戦遺族らも参加して、防衛省、厚労省、外務省などとの意見交換会があったので取材に赴いた。

 その現場で、具志堅さんたち切実な当事者と、遠い東京から沖縄を眺めているお役所の埋めがたいギャップを感じる場面があった。………
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●玉城デニー沖縄県知事の再選の一方で、自公政権はまだ「辺野古移設が唯一の解決策」と嘯く…《民主主義や…地方自治の原則》はどこに?

2022年09月15日 00時00分01秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20220913[])
9月11日(日)、取り合えず、ほっとした。玉城デニー沖縄県知事の再選。
 日刊ゲンダイの記事【【沖縄県知事選】自民党大惨敗 この国でマトモな民意は沖縄だけ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/311218)によると、《午後8時に「当確」の“ゼロ打ち”──。11日、投開票された沖縄県知事選は、野党勢力が支持する現職の玉城デニー氏が圧勝で再選を決めた。政府が進める辺野古の新基地建設に反対する玉城は、立憲民主、共産、れいわ新選組、社民、地域政党・沖縄社会大衆が推薦。前回、前々回の知事選と…》。

 自公の日本会議系統一協会ヅボヅボ氏https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/13eb6f479280d0e58aa1dec6f0da2c96)やお維のカジノ利権・基地利権氏https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/dc697ed6f50a4ec89c77544bca525143)が沖縄県知事ならずに本当に良かった。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/沖縄県知事選 保守票を戸惑わせた旧統一教会問題】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209130000070.html)/《一方、政府は沖縄への予算の減額を続け保守系知事が生まれるまで兵糧攻めにする考えを示す。それには保守層も反発した。玉城票には20%程度の保守票も加わった。別の見方もできる。旧統一教会の問題点が今回の選挙で有権者を混乱・失望させたのではないか。》

   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・普天間は 
        返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
    「沖縄タイムスの記事【沖縄知事「米軍に那覇空港使わせない
     普天間返還「民間施設使用も条件」の衝撃】(…)によると、
     《米軍普天間飛行場返還に緊急時の民間施設使用が条件となっている
     該当するのは那覇空港だが、翁長知事は「絶対に使わせない」と明言
     過去、政府から条件の説明はなく、普天閒は返還されない恐れも》」

   『●アベ様らは2019年2月までに普天間飛行場は返還される
               と云う寝言な「空想」 ~辺野古は破壊「損」~
   『●破壊「損」な美ら海への土砂投入… 
     「2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止」をやってみせよ!
   『●辺野古破壊反対の明確な《結果が出る前から、
       安倍政権は「民意などクソくらえ!」と言わんばかりだ》!
    「《2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止》の約束は一体
     どうなったのか? その日2019年2月18日は過ぎてしまったぞ!」

   『●半田滋さん《南西諸島の戦場化…住民が巻き込まれるリスクは避けられ
       ません…これを避けるには「戦争をしない」という選択しか》ない
   『●《欠陥飛行場》米軍普天間飛行場…《本来なら移設条件を付けずに
     直ちに閉鎖すべき軍事施設だ。閉鎖できないのは政治の不作為である》
    「2019年2月までに普天間飛行場は返還されるはずだったのでは?
     アベ様のアノ寝言は一体どうなったのですか?
     《海兵隊が日本防衛と関係がないのなら莫大な思いやり予算
     負担したり新基地を建設してまでいてもらう必要はないので、
     出て行っていただこうではないか》…大賛成。番犬様は、本国に、
     どうぞお引き取りを。」

 《政府は沖縄への予算の減額を続け保守系知事が生まれるまで兵糧攻めにする考え》のキシダメ自公政権、「唯一の解決策」って、まだ言っているよ。どこまで冷酷な自公お維コミ。《兵糧攻め》されても、自公の日本会議系統一協会ヅボヅボ氏https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/13eb6f479280d0e58aa1dec6f0da2c96)やお維のカジノ利権・基地利権氏https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/dc697ed6f50a4ec89c77544bca525143)に投票されなかった沖縄県民の皆さんに、本当に敬意を表したい。
 琉球新報の【<社説>玉城氏が知事再選 「辺野古」断念が民意だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1581977.html)によると、《参院選に続き新基地建設反対を掲げる「オール沖縄」勢力の玉城氏が再選したことで、沖縄の民意が変わっていないことが明白になった。日本政府にはこの結果を重く受け止め、新基地建設を断念することを強く求める》。
 東京新聞の【<社説>辺野古「反対」 民意と誠実に向き合え】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/201781?rct=editorial)によると、《沖縄県知事選で現職の玉城デニー氏が大差で再選された。名護市辺野古での米軍新基地建設に反対する民意は明らかだ。政府は県民の声と誠実に向き合い、計画の見直しに着手すべきだ。米軍普天間飛行場(宜野湾市)返還に向け、政府は「辺野古移設が唯一の解決策」(松野博一官房長官)との立場に固執する。しかし、辺野古移設「反対」の民意が県レベルで示されたのは二〇一四、一八年の知事選、一九年の県民投票に続いて四回目だ。政府は、民意に基づく民主主義や、地域の行政を住民に委ねる地方自治の原則からこれ以上、目をそらしてはならない》。
 山口哲人記者による、東京新聞の記事【ぶれない「辺野古NO」民意 岸田政権は新基地建設推進変えず 沖縄県知事選で玉城デニー氏再選】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/201735)によると、《任期満了に伴う沖縄県知事選は11日投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古の新基地建設反対を掲げた無所属現職の玉城デニー氏(62)が再選した。容認を明確に打ち出した与党推薦候補を破り、反対派が知事選で3連勝を果たしたことは、「辺野古ノーの民意を改めて浮き彫りにした。岸田政権はなお建設に固執するが、完成は早くても2030年代半ばと見込まれ、基地負担軽減という主張正当性は失われているのが実情だ。(山口哲人)》

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209130000070.html

コラム
政界地獄耳
2022年9月13日7時32分
沖縄県知事選 保守票を戸惑わせた旧統一教会問題

★日本復帰から50年の今回の沖縄県知事選は、辺野古の新基地建設問題や、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ県経済の浮揚策などを争点に繰り広げられたが、現職の玉城デニーが再選した。参院選挙前後はオール沖縄が停滞気味で玉城に不安があったものの、民意は辺野古基地建設反対を確認した形だ辺野古建設は地盤の弱さから困難を極め、完成時期すら明確にならない辺野古基地建設の予算は9300億円一体どれほどの巨大基地を造るのかと思うほどの予算が投入される。

★一方、政府は沖縄への予算の減額を続け保守系知事が生まれるまで兵糧攻めにする考えを示す。それには保守層も反発した。玉城票には20%程度の保守票も加わった。別の見方もできる。旧統一教会の問題点が今回の選挙で有権者を混乱・失望させたのではないか。11日、日本総合研究所会長・寺島実郎はテレビで旧統一教会について霊感商法などの「反社会性」、もう1つは「反日性」とし「日本の弱者に食いついて『朝鮮半島を支配していた贖罪(しょくざい)でもって日本は金を出すべきだ』っていう形で入り込んできた」と説明した。国会議員は「日本国民の生命・財産を守らなきゃいけない中心」と考えれば、それを御旗にしてきた自民党が、旧統一教会問題は保守票を戸惑わせた。

★米国には逆らえない、中央政界とはうまく付き合うべきだとした県民も、ウクライナ戦争が起きれば次は台湾海峡だ脅かされ、8月31日には元首相で自民党副総裁・麻生太郎が講演で台湾有事を念頭に「沖縄、与那国島にしても与論島にしても台湾でドンパチが始まることになれば戦闘区域外とは言い切れないほどの状況になり、戦争が起きる可能性は十分に考えられる」と発言。こちらも相当県民を刺激したのではないか。自民党は保守政治の中心にいられるのはいつまでか。(K)※敬称略
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1581977.html

<社説>玉城氏が知事再選 「辺野古」断念が民意だ
2022年9月12日 05:00

 県知事選は無所属現職の玉城デニー氏が、前衆議院議員の下地幹郎氏、前宜野湾市長の佐喜真淳氏を破り再選を果たした。

 沖縄の施政権返還日本復帰)から50年に当たる今回の県知事選は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設や、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ県経済の浮揚策などを争点に論戦を繰り広げてきた。

 参院選に続き新基地建設反対を掲げる「オール沖縄」勢力の玉城氏が再選したことで、沖縄の民意が変わっていないことが明白になった。日本政府にはこの結果を重く受け止め、新基地建設を断念することを強く求める

 辺野古新基地建設を巡っては、埋め立て海域に軟弱地盤が見つかり完成のめどが立たないにもかかわらず、政府は2018年12月に埋め立て土砂を投入した。防衛省の試算では地盤改良工事がうまくいっても新基地完成には12年を要する。予算は約9300億円を見積もる

 そもそも沖縄戦のさなかに住民の土地を奪って建設した普天間飛行場は、無条件で閉鎖し返還すべきである

 今回は、沖縄振興特別措置法や、県が使途を決められる一括交付金など現行の沖縄振興策の是非に加え、国への予算計上を内閣府が一本化する一括計上方式の在り方も争点となった。

 玉城氏は沖縄振興について現行制度の維持を求めた。一括交付金は「『不利性』解消、振興推進で有効に機能した」と評価し「『不利性』の解消は不十分」として継続を求めた。一括計上方式も「ビジョン計画の各種施策を総合的・計画的に推進するための制度」として必要性を強調した。

 しかし、50年前に定めた沖縄振興の枠組みを、今後も踏襲することで、沖縄は自立できるのだろうか。あらかじめ基地問題の解決を排除した沖縄振興計画、他県と異なる一括計上方式による県の予算編成が、自立の気構えと県の政策立案能力を弱体化させたのではないか。

 今回の知事選で、国に頼らず県自ら独自の制度を立案・実施するなど裁量拡大を重視する主張があったことに注目したい。玉城氏は沖縄の真の自立に向けた県政運営を目指してほしい。

 とりわけ経済政策は重要だ。コロナの収束後を見据え、沖縄観光の再生や企業の「稼ぐ力」を強化する取り組みを進めてもらいたい。

 共同通信社による県民世論調査で、今後の沖縄の発展のために力を入れるべき分野として最も多くが望んだのが「」だった。

 県内の子どもの貧困率は全国の2倍に上る。その解決のためにも教育に対する大胆な施策が欠かせない。県予算の配分を変更して今後10年間、教育費を倍増するなど、玉城氏には、沖縄の未来を担う若い世代への惜しみない支援を求めたい。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/201781?rct=editorial

<社説>辺野古「反対」 民意と誠実に向き合え
2022年9月13日 07時06分

 沖縄県知事選で現職の玉城デニー氏が大差で再選された。名護市辺野古での米軍新基地建設に反対する民意は明らかだ。政府は県民の声と誠実に向き合い、計画の見直しに着手すべきだ。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)返還に向け、政府は辺野古移設が唯一の解決策」(松野博一官房長官)との立場に固執する。

 しかし、辺野古移設「反対」の民意が県レベルで示されたのは二〇一四、一八年の知事選、一九年の県民投票に続いて四回目だ

 政府は、民意に基づく民主主義や、地域の行政を住民に委ねる地方自治の原則からこれ以上、目をそらしてはならない

 今回の知事選では、自公両党が推薦した佐喜真淳元宜野湾市長が、辺野古移設への賛否を明確にしなかった前回から一転、移設容認を掲げた。政権側はもはや「辺野古移設は主要な争点ではなかったと言い逃れはできまい

 海底の軟弱地盤を埋め立てる現行計画の見直しを求める民意は、玉城氏の得票三十四万票近くに、計画修正を訴えた下地幹郎元衆院議員が得た五万票余が加わり、有効投票の六割近くに達する。

 今年、復帰五十年を迎えた沖縄県内にはなお在日米軍専用施設の約七割が集中する。政府は、日米安全保障条約体制が沖縄県民の過重な負担により維持されていることに留意し、沖縄の負担を軽減する義務がある。

 辺野古沖の埋め立てを巡り、政府は今年七月までに必要な土砂量の11・7%を投入したが、県は昨年十一月、軟弱地盤改良に向けた防衛省の設計変更を承認せず、政府と県との訴訟に発展している。工事長期化は避けられない。

 政府が新基地の完成を強行すれば、県民の不信感を募らせるだけだ。地域住民の理解を前提とする米軍駐留の安定性や持続可能性を保てるのか。中国が軍事的圧力を強め、台湾侵攻の可能性も指摘される中、かえって日米安保の抑止力を損なうことにならないか。

 岸田文雄首相は玉城知事に代表される県民の声を聞き、米国側に対しては、合意可能な代替案の検討を呼び掛けるべきである。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/201735

ぶれない「辺野古NO」民意 岸田政権は新基地建設推進変えず 沖縄県知事選で玉城デニー氏再選
2022年9月13日 06時00分

     (玉城デニー沖縄県知事)

 任期満了に伴う沖縄県知事選は11日投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古の新基地建設反対を掲げた無所属現職の玉城デニー氏(62)が再選した。容認を明確に打ち出した与党推薦候補を破り、反対派が知事選で3連勝を果たしたことは、「辺野古ノーの民意を改めて浮き彫りにした。岸田政権はなお建設に固執するが、完成は早くても2030年代半ばと見込まれ、基地負担軽減という主張正当性は失われているのが実情だ。(山口哲人


◆コロナで現職には逆風、政府は予算減らして締め付け

 「県民の思いは1ミリもぶれていない

 玉城氏は11日、選挙結果を受け、民意を背に建設阻止に取り組む考えを示した。

     (市街地に隣接する米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市))

 立民、共産、れいわ、社民、沖縄社大の推薦を受けた玉城氏は、自民、公明両党が推薦する元宜野湾市長佐喜真淳氏(58)ら新人2氏に勝利した。初めて出馬した18年の前回知事選で、新基地建設の賛否を曖昧にしていた佐喜真氏は今回、容認を明言して臨んだものの、6万票以上の差をつけられて次点に沈んだ。

 同日の県議補選も玉城氏が支援する候補が制し、県議会で知事与党が議長を除く過半数の議席を維持。宜野湾市長選では自公推薦の現職が再選したが、県政では辺野古反対の民意が反映される結果となった。

 知事選は、玉城氏にとって不利な材料が重なる逆風下の戦いだった。20年以降の新型コロナウイルス禍では、沖縄県の感染状況が全国最悪レベルになった。国内外からの観光客が激減したことで、県経済の生命線である観光が大きなダメージを被り、県民の不満も蓄積していたからだ。

 政府・与党も財政面で締め付けを強めた。新基地建設を受け入れた仲井真弘多知事(当時)に毎年度3000億円以上を約束した沖縄振興予算を、反対派の翁長雄志前知事時代からじわじわと減額し、来年度予算の概算要求では2700億円台まで削った佐喜真氏は選挙戦で、政府とのパイプを生かして「3500億円以上にする」と訴えた

 それでも、県民が選択したのは「辺野古ノー」を貫く玉城氏だった。新基地建設を推し進める第2次安倍政権以降、沖縄全県で行われた選挙は、知事選だけでなく参院選沖縄選挙区も辺野古反対を訴える野党系候補が4回連続で勝利。19年の県民投票でも埋め立て反対が7割を超えている


◆それでも松野官房長官「唯一の解決策」

     (普天間飛行場移設に伴う新基地建設が進められている
      沖縄県名護市辺野古沖)

 だが、政権は選挙結果にかかわらず、従来の姿勢を変えようとしない。松野博一官房長官は12日の記者会見で、普天間の危険性除去の必要性を強調し、「辺野古移設が唯一の解決策だ。着実に工事を進めていく」と述べた。

 もっとも、辺野古沖では海底の軟弱地盤が見つかり、完成・引き渡しまでは少なくとも12年かかると、政府は認めている。普天間の「一刻も早い危険性除去」という主張の土台は既にぐらついている地元の民意が繰り返し示される中、民主主義のあり方も問われている。

【関連記事】「この国の民主主義、沖縄は問い続けている」 政府の「辺野古」強行を批判 玉城デニー沖縄県知事インタビュー
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●《「一方的な義務ばかり」を負担し、日本の主権を阻む駐留米軍への特権条項が今もほぼ温存されている。沖縄だけの課題のごとく、矮小化》

2022年06月03日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20220522[])
琉球新報の【<社説>行政協定「草案」公開 「対米従属」協定見直せ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1519219.html)。

 《日米地位協定の前身となる、日米行政協定の外務省草案が公開された。日本国内で米軍の自由な移動を認めると、米国と戦争する「第三国」から無差別に攻撃されることを懸念し、対等な取り決めを求めていたことが明らかになった。実際に締結された行政協定は日本側の希望は通らず、現在の日米地位協定でも日本政府は米軍の自由な移動を認めている。行政協定締結から70年たっても不平等な協定を見直せないのは主権国家としてあるまじき姿であり、対米従属もはなはだしい》。

   『●屋良朝苗氏は「基地のない平和の島としての復帰」を望んだ
              …モノクロから「天然色」に変わっても現実は…
   『●《権力欲に駆られた政治家》アベ様やカースーオジサンによる《含羞》
      なき、《廉恥》欠く、破廉恥な政権が8年8カ月も続いてしまった…
    《来年は沖縄の施政権返還日本復帰)から50の節目を迎える。
     50年前の「沖縄国会」で、衆議院は在沖米軍基地の縮小決議を
     全会一致で決議したが、いまだに実現していない。岸田首相に
     国会決議を実現し、繰り返し民意が示された名護市辺野古の
     新基地建設見直しを求める》

   『●《沖縄が切り捨てられた日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に
     殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている》
    《72年の日本復帰後も沖縄の人々は基地の自由使用に抵抗し、抜本的な
     整理縮小や日米地位協定の改定を求めてきた。その意思を尊重せず
     国益や国策の名の下で沖縄を国防の道具にする日米政府の手法
     植民地主義だ。県内の主要選挙や県民投票で反対の意思を示しても
     建設工事が強行される辺野古新基地は、沖縄の人々の自己決定権を
     侵害する植民地主義の象徴である》

   『●自公政権やお維に壊され行く沖縄: 沖縄「屈辱の日」を「主権回復の
     日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…
    《72年5月15日の日本復帰記念式典で屋良朝苗知事は「沖縄がその
     歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除」すると述べた。
     日本復帰から半世紀。日米に利用されてきた立場に終止符を打つ時期が
     来ているのではないか。》

   『●来年の「5・15」で50年…屋良朝苗氏は「基地のない平和の島としての
        復帰」を望んだ…モノクロから「天然色」に変わっても現実は…
   『●<金口木舌>《コロナ感染再拡大後も米軍は詳細を説明せず、米兵は
     基地の街をマスクをせず闊歩している。これが復帰から半世紀の沖縄》
    《2022年を迎えた。今年は沖縄の施政権返還日本復帰)から
     50年の節目に当たる。半世紀前に琉球政府が日本政府と国会に求めた
     のは、自己決定権の確立であり、民意を尊重することであった》

   『●「思いやり予算」として小さく生んで、いまや「同盟強靱化予算」
     として大きく育った番犬様の「お財布」、とっても気前の良いニッポン
    《▼沖縄は来年日本復帰50年を迎えるのに、過重な基地負担と沖縄戦や
     米軍統治下から続く特殊事情に今も苦しんでいる思いやりなどなく
     札束で頬をたたくような政府を想像すれば、予算の増減に一喜一憂せず、
     新時代を自ら切り開く県民の気概を見せたい。(吉川毅)》

   『●長周新聞《まるで地獄の沙汰もカネ次第 名護市を丸ごと買収する国
     ミサイルの標的と引き換えの「繁栄」》…渡具知武豊名護市長再選の闇
    《今年で復帰50年を迎えるが、なんのための日本復帰だったのか
     ドルが円に変わっただけではないか。いまだに米軍の統治下に置かれ、
     問答無用で踏み台にされていると思わざるを得ない。人殺しの基地の島
     ではなく、人を生かす島にならなければならないし、そのために
     もたらされる豊かさは砂上の楼閣でしかない」と憤りを込めて話した》

   『●ニッポン〝復帰〟50年…《沖縄の自然が破壊され、民意が踏みにじら
     られて軍事基地ができていく現実》、辺野古は単なる破壊「損」な現実
   『●番犬様のものじゃない…《基地負担の軽減は遠く、米軍は今も島全体を
      自由使用する。よもや「返したけれど俺のもの」と思ってはいまいか》
   『●《元山仁士郎さん…「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わって
      いない」…言葉には、沖縄にずっとのしかかる負担の重さがにじむ》
   『●(沖縄タイムス)《軍事的な必要性が全てにおいて優先…沖縄は憲法が
        適用されない「軍事植民地」だった》…50年経っても変わらない
   『●《迷惑施設が自分の家の近くに来るのは嫌だという日本本土のNIMBY
        (Not In My Back Yard = ニンビー) …沖縄には基地を押し付け》

 《主権国家としてあるまじき姿であり、「対米従属もはなはだしい》…ウヨクの皆さんや、ホシュを自認する皆さん、いいのこれで? 《日米地位協定の前身となる、日米行政協定…自由党の中曽根康弘氏(後の防衛庁長官、首相)が外務省を訪れ「この協定は日本をアメリカの植民地化するもの」と語った逸話も記されている》そうですよ、ホシュの皆さんの大好きな中曽根康弘氏がですよ。
 沖縄〝復帰〟50年…《日米行政協定締結から70年》…アベ様・カースーオジサン・キシダメ氏にその気が全くないという悲劇なニッポン…。

   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
      そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
    《日米地位協定は日本における米軍兵士やその家族(軍属)、
     軍関連業者などの法的な地位を定めた日米両国間の協定だが、敗戦後
     間もない1952年に締結された日米行政協定から実質的に一度も
     改正されていないこともあり、いかにも戦勝国が敗戦国に要求する
     無理難題が羅列された条文がそのまま残っている。地位協定の下では、
     米軍関係者には事実上の治外法権が認められ、パスポートもビザもなく
     日本国内を自由に出入りできるほか、「公務中」の刑事裁判権も
     日本側にはない。この協定の下では、アメリカは日本の好きなところに
     好きなだけ基地の提供を要求できるし、日本の広大な空域が米軍に
     よって支配され、民間航空機はその合間を縫うような難しい飛行を
     強いられる等々、おおよそ現在の国際基準では考えられないような
     不平等な内容のままになっている
     2004年、普天間基地に隣接する沖縄国際大学キャンパスに
     米軍のヘリが墜落した時、武装した米軍兵が普天間基地の柵を
     乗り越えて勝手に大学のキャンパスに侵入し、大学そのものを封鎖
     してしまった。その瞬間に…》

   『●「日米地位協定が米軍に“特権”を与えているからだ。
         「半分主権国家」…編集者で作家の矢部宏治氏」
    《(著書で日本の歪んだ現実を指摘した矢部宏治氏…)…
     ――最悪な時期に、独立の交渉をしていたのですね。
     旧安保条約や行政協定(現・地位協定)は、朝鮮戦争で苦境に立った
     アメリカの軍部が、日本に独立後も全面的な戦争協力をさせるため、
     自分で条文を書いた取り決めなのです。たとえば旧安保条約の
     原案には、「日本軍が創設された場合、国外で戦争はできない。
     ただし米軍の司令官の指揮による場合はその例外とする
     と書かれています》

   『●在りもしない特権には大騒ぎするくせに、明確に存在する #在日米軍
     特権 には沈黙する…《米軍の在日特権こそ問題にすべき》(長周新聞)
    《さらに米軍の地位について「行政協定に代わる別個の協定及び
     合意される他の取極(とりきめ)により規律される」と記述した。
     この「別個の協定」こそ日米地位協定だった。
     そもそも行政協定は占領軍の特権をちりばめた協定であり、その
     精神を受け継ぐ日米地位協定は「在日米軍に多様な特権を認める協定」
     にほかならない。日米地位協定は、最初から日本国民を守るために
     つくられた協定ではなかった》

   『●《日米地位協定…あからさまに主権を踏みにじられても、岸田首相は
     「現実的に最善の方法を考えていく」とゴマカし、改定に後ろ向き》
    《(沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛氏…)…
     ――18年の国会審議で野党から追及された河野外相は「適切な取り
     組みを通じて解決する」、岩屋防衛相は「外相に聞いて」と逃げました。

     羹に懲りて膾を吹きまくるのが自民党なんです。もちろん、旧民主党
     にも言えることですが。主権を侵害する地位協定がなぜ全く改定され
     ないのか。戦後体制はサンフランシスコ講和条約、旧安保条約、
     地位協定の前身にあたる日米行政協定の締結から始まりました。米側の
     狙いは旧安保によって日本全土を潜在的基地とし、行政協定で具体的な
     運用を担保することだった。講和条約を立案した国務省顧問ダレス
     「われわれが望む数の兵力を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる
     権利を確保すること」という発言が知られていますが、その思惑通りに
     全土基地方式を盛り込んだのが大きな特徴なのです。だから米軍が
     必要だと主張すれば、どこでも自由に演習ができる。新安保、
     地位協定でもそれは変わりません。ダレスの補佐官だったアリソンが
     「安保条約が署名されたら、日本側代表団の少なくともひとりは帰国後
     暗殺されるだろう」と口にしたほど売国的な取り決めなのです》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>「残念では済まない」】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1519859.html)によると、《▼そんな「一方的な義務ばかりを負担し、日本の主権を阻む駐留米軍への特権条項が今もほぼ温存されている。沖縄だけの課題のごとく、矮小化されて「残念」と言われては困る》。
 《故・翁長雄志前沖縄県知事の次男で同県議の雄治さん(34こんな子どもが日本のどこにいるのか。…諦めさせる政治で良いのか自民党国会議員の皆さん、2年くらい普天間や嘉手納の周りに住み、考えてください》。
 目取真俊さん《「日本復帰」50年というのに、新たな米軍基地が造られつつあるのが沖縄の現実》。在りもしない《在日特権》にはバカ騒ぎする人々は、明確に存在する〝在日米軍特権〟には沈黙する卑怯者。
 《沖縄にずっとのしかかる負担の重さ》。元山仁士郎さん「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わっていない

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1519219.html

<社説>行政協定「草案」公開 「対米従属」協定見直せ
2022年5月19日 05:00

 日米地位協定の前身となる、日米行政協定の外務省草案が公開された。

 日本国内で米軍の自由な移動を認めると、米国と戦争する「第三国」から無差別に攻撃されることを懸念し、対等な取り決めを求めていたことが明らかになった。実際に締結された行政協定は日本側の希望は通らず、現在の日米地位協定でも日本政府は米軍の自由な移動を認めている

 行政協定締結から70年たっても不平等な協定を見直せないのは主権国家としてあるまじき姿であり、「対米従属もはなはだしい。地位協定の抜本的見直しを改めて求める。

 日本がサンフランシスコ講和条約発効(1952年)によって主権を回復する際、日本に米軍を駐留させる根拠として日米安全保障条約と、米軍の地位を定めた日米行政協定も発効した。

 行政協定交渉に際し、50年12月に外務省が草案をまとめた。今回公開された「軍隊駐在に関する技術的問題の研究」である。

 主な例として1点目に、日本側は米軍の航空機や車両、船舶が自由に日本国内を移動することを認めると、米国と戦争する「第三国」から日本の米軍駐留区域以外も無差別に攻撃される可能性が増すと懸念を示している。そこで、米軍の移動は「最小限にとどめる方針」とし、合意された経路に限定することを明記していた。

 しかし、米側から受け入れられなかった。現在の日米地位協定も実弾射撃訓練などを除けば提供施設・区域の外でも訓練が認められるとの立場だ。ことし3月、米海軍が提供施設外の名護湾でヘリコプターによるつり下げ訓練を実施した。県民の安全よりも、米軍の権利を優先する協定は容認できない。

 2点目として行政協定には、米軍が駐留している区域の外で米軍が訓練や演習をする際に、その場所や範囲、期間について日本側と事前協議をすることも盛り込んでいる。しかし、実現しなかった。

 3点目に、刑事裁判について、日本側に裁判権のある事件では、提供区域内で「ひ護しないよう」求め、米側が容疑者を発見した場合も要求に応じて引き渡しを義務付けようとしていた。だが現協定も容疑者の身柄が米側にあるときは日本側が起訴するまで米側が拘束する。

 行政協定の交渉経過を記録した外交文書がある。行政協定は「必ずしもすべてがわが方の所期したとおりにならなかった」と結んでいる。自由党の中曽根康弘氏(後の防衛庁長官、首相)が外務省を訪れ「この協定は日本をアメリカの植民地化するもの」と語った逸話も記されている。

 外務省の草案通りに地位協定が見直されれば、沖縄側が求める課題は改善されるだろう70年前、あるべき姿を模索した気概を今こそ発揮すべきだ
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1519859.html

<金口木舌>「残念では済まない」
2022年5月20日 05:00
金口木舌 復帰50

 日本復帰50年の東京式典に出席した与党議員がインターネット上の投稿サイト(SNS)に書き込んでいる。「日本全体でお祝いする意味を込めて努力してきたことから、残念に思いました」

▼残念だったのはテレビ放送を見てのことであるそうだ。「沖縄復帰50年など祝いたくない」「日米地位協定が見直されたら祝う」。そんな県民の声に「残念」という

施政権返還という政治の捉え方に賛否あるのは健全な民主主義の現れだろう。日米地位協定については、その「不平等の痛みを県民の負うケースが多いのはあえて差し置くとしても、協定の適用範囲は国全域だ。改定は国民課題ではないか

▼1951年に締結された旧安保条約と行政協定(地位協定の前身)の交渉に臨んだ外務省の担当者も当時の米側草案を読んで、後に感想を記す。その不平等さに「一読不快」と

▼そんな「一方的な義務ばかりを負担し、日本の主権を阻む駐留米軍への特権条項が今もほぼ温存されている。沖縄だけの課題のごとく、矮小化されて「残念」と言われては困る。
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コメント
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●自公政権やお維に壊され行く沖縄: 沖縄「屈辱の日」を「主権回復の日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…

2021年05月09日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


/ [2021年04月29日[木]]
沖縄タイムスの【社説[きょう「4・28」]基地押し付けを改めよ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/745315)。
琉球新報の【<社説>4・28「屈辱の日」 自己決定権を誓う日に】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1312376.html)と、
コラム【<金口木舌>われわれにパラシュートはあるのか】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1312593.html)。

 《1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約と旧日米安全保障条約が発効した。 当時、アナウンサー研修のため東京に滞在していた川平朝清さん(元沖縄放送協会会長)は、その日のショックと憤りを鮮明に覚えている。「独立を祝う報道一色だった。日本はいかに幸いなことか。ドイツや朝鮮半島のように分断されずよかったと。沖縄、奄美、小笠原はどうなるのか」》。
 《4月28日を迎えた。サンフランシスコ講和条約の発効(1952年)によって日本の独立と引き換えに、沖縄は日本から切り離された。米国統治が始まった日である。沖縄はこの日を「屈辱の日」と呼んできた》。
 《▼「琉大文学」同人で、宮森小米軍ジェット機墜落事故を取材した作品「恐怖と血の代償」を残した。子どもの命を奪った墜落機から操縦者がパラシュートで脱出していた。詩人は悲痛な叫びを刻す。「われわれには、パラシュートはない!」…▼太平洋戦争の末期、日本は沖縄を捨て石にし、サンフランシスコ講和条約で米国に差し出した。「屈辱の日」の4・28から69年。今も続く閉塞感の中で県民は自問する。「われわれにパラシュートはあるのか」》。

 沖縄の「屈辱の日」…どこが「主権回復の日」だ?
 《基地問題は戦後史を抜きに語れない》…沖縄「屈辱の日」を「主権回復の日」と言う元首相・アベ様、平然と沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官・カースーオジサン…。
 《子どもの命を奪った墜落機から操縦者がパラシュートで脱出していた。詩人は悲痛な叫びを刻す。「われわれには、パラシュートはない!」 ▼身の危険から逃れる術(すべ)がない。…「屈辱の日」の4・28から69年。今も続く閉塞感の中で県民は自問する。「われわれにパラシュートはあるのか」》。

   『●沖縄の「屈辱の日」を祝う神経
    「コラム「筆洗」の云う「仲井真弘多沖縄県知事は欠席する。当然だ。
     沖縄にとっては、祖国から切り離された「屈辱の日」なのだから
     ▼「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。
     保守系の翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の
     耳には聞こえないようだ」、に全く同感。
      「屈辱の日」を祝う神経を疑う。
      「安倍政権を礼賛している右寄りの人たちは、実は自分たちも
     切り捨てられる側にいることに気づいていない」、これってハシズム
     大絶賛している人たちにも言えます」

   『●「空疎で虚飾に満ち」た弔辞を代読する
     最低の官房長官に怒声…「翁長氏の遺志に応える唯一の道」とは?
    《象徴的だったのが、2015年9月に沖縄県と政府の集中協議が決裂した際の、
     菅官房長官の発言だ。翁長前知事は、講演でこのように語っている。
      〈菅義偉官房長官は4月に最初に話してから沖縄の歴史を含め
       私が一番思いを話した方だが、集中協議の最後に私の話は
       通じませんかと聞いたら、「私は戦後生まれなので沖縄の歴史は
       なかなか分からないが、19年前の日米合同会議の
       辺野古が唯一というのが私の全てです」という話だった〉》

   『●《権力をほしいままにし、国家を私物化してきた安倍首相も官邸を
      出てしまえば“ただの人”…司直の手に落ちることになるのか》?
   『●独裁をサポートさせるための《安倍政権の「未来投資会議」を解体し、
       菅政権が新たに始動》した「成長戦略会議」…その面子の悍ましさ
    「沖縄イジメオジサンは、かつて、「私は戦後生まれなので沖縄の歴史は
     なかなか分からないが、19年前の日米合同会議の辺野古が唯一というのが
     私の全てです」…あぁぁ…。」

   『●《そんなふうに静かに始める抵抗にこそ、人々を変える力があるの
      かもしれない》(北原みのりさん)――― 辺野古破壊と《人柱》
    《菅義偉首相は「ご遺骨に配慮した上で土砂の採取が行える」と
     容認の姿勢を崩していない。官房長官時代に翁長雄志前知事との会談で
     「私は戦後生まれなので、沖縄の置かれた歴史については分からない
     と述べ、翁長氏の言葉を受け止めようとしなかったことを思い出す。
     首相は沖縄戦についてどのような認識を持っているのか国会で歴史観を
     語るべきだ。歴史を顧みていかに学び取るかが政治家の仕事である
     山中貞則氏や野中広務氏ら戦争を知る自民党の重鎮が健在だったら、
     この問題にどう反応しただろうか》
    《菅義偉首相は「ご遺骨に配慮した上で土砂の採取が行える」と容認の
     姿勢を崩していない。官房長官時代に翁長雄志前知事との会談で
     「私は戦後生まれなので、沖縄の置かれた歴史については分からない
     と述べ、翁長氏の言葉を受け止めようとしなかったことを思い出す》
    《静かな夜、首相官邸前。そういえばここの主は官房長官時代の2015年、
     故・翁長雄志沖縄県知事に
     「私は戦後生まれなので、歴史をもちだされても困る」と言ったの
     だった。歴史を見ない首相に、遺骨のために座るこの声は届くのだろうか
     故・翁長知事は「イデオロギーよりアイデンティティー」と、沖縄の声を
     一つにした。沖縄の基地問題は、アイデンティティーの闘いなのだ》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/745315

社説[きょう「4・28」]基地押し付けを改めよ
2021年4月28日 07:15

 1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約と旧日米安全保障条約が発効した。

 当時、アナウンサー研修のため東京に滞在していた川平朝清さん(元沖縄放送協会会長)は、その日のショックと憤りを鮮明に覚えている。

 「独立を祝う報道一色だった。日本はいかに幸いなことか。ドイツや朝鮮半島のように分断されずよかったと。沖縄、奄美、小笠原はどうなるのか

 日本が国際社会に復帰、高度経済成長へ向かう一方で、米軍統治が続いた沖縄では住民を追い出して、基地拡張が進められた

 本土と沖縄の距離は、復帰によって縮まったのだろうか。

 2013年「主権回復の日」を開催した安倍晋三首相(当時)は「7年間の占領期間があったことを知らない若い人が増えている。日本の独立を認識する節目の日だ」と意義を強調したが、そもそも政府主催の記念式典を実施することに大きな無理があった。

 辺野古新基地建設を巡る政府との集中協議で、翁長雄志前知事は、米軍圧政下の「無主権状態」で基地が造られたことを強調した。しかし、当時の菅義偉官房長官は「私は戦後生まれなので(沖縄の戦後史は)なかなか分からない。辺野古合意がすべてだ」と語ったという。

 基地問題は戦後史を抜きに語れない。安保の「負の部分」である基地負担を沖縄に押し付けている源流が4・28にあることを、いま一度、政府も国民も胸に刻んでほしい。

■    ■

 沖縄への米軍基地の「押し付け」として象徴的なのが米海兵隊の本土からの移転だ。海兵隊は当初、朝鮮戦争の後方支援のため岐阜と山梨に駐留していた。司令部を沖縄に移したのは、休戦後の1956年のことである

 新基地の土砂投入が進むキャンプ・シュワブは海兵隊受け入れのため56年に、北部訓練場も57年に使用が始まるなど、沖縄の基地は急速に拡張された。一方、日本政府は、反対運動が激しかった本土駐留の米陸上部隊を58年に撤退することを米側と合意した。この結果、講和条約発効時の52年に約13万ヘクタールだった面積は10年後に約3万5千ヘクタールに激減した。

 本土の基地縮小は、沖縄への米軍移転なしには、あり得なかったのだ

 不平等な日米地位協定の下、沖縄では米軍機の騒音や低空飛行、事件事故が後を絶たず、軍事植民地とも言える状況が今日も続いている。

■    ■

 新基地建設には膨大な土砂が必要となる。国は沖縄戦の激戦地である本島南部からの採取を検討している。

 ガマフヤー代表の具志堅隆松さんは「戦没者の血や骨粉を含んだ南部の土砂を遺骨とともに海の埋め立てに使うなど、人間の心を失った行為で遺族の心を傷つける」と訴える。国はこうした南部の土砂を新基地建設に、使わないことを明確に示す必要がある。

 講和・安保によって形成されたのは「沖縄基地の固定化」と「本土・沖縄の分断」である。沖縄依存の安保政策を見直すべきだ。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1312376.html

<社説>4・28「屈辱の日」 自己決定権を誓う日に
2021年4月28日 05:00

 4月28日を迎えた。サンフランシスコ講和条約の発効(1952年)によって日本の独立と引き換えに、沖縄は日本から切り離された米国統治が始まった日である。沖縄はこの日を「屈辱の日」と呼んできた。

 米国統治によって沖縄は人権より軍事が最優先される軍事植民地のような状態に置かれた。講和条約調印(51年9月)から70年たった今も、米軍は駐留し続け、事件事故、環境汚染などで県民の人権と安全が脅かされている。

 日本は自国の安全を米軍の抑止力に頼り、基地負担を沖縄に押し付けている。沖縄には自らの将来を自ら決める権利がある。今年の「4・28」は「屈辱の日」を返上し、自己決定権の確立を誓う日としたい。

 「屈辱の日」の源流に二つの提案がある。サンフランシスコ講和条約が締結される4年前、昭和天皇は沖縄を「25年ないし50年、あるいはそれ以上」米軍に提供したいと提案した。「ソ連の脅威」に対抗するためだ。沖縄を日本から切り捨てることに等しい。

 対日講和条約交渉が始まると、吉田茂首相は講和後の沖縄を「バミューダ方式」によって米国に租借する提案をした。西大西洋の英国領バミューダ諸島の一部を米国に99年間貸して、軍事基地を建設したことに由来する。

 講和条約第3条によって、米国は他国から干渉されず、沖縄基地を自由使用する権利を手に入れた。日本政府も同意している。

 1972年の施政権返還の際もこの構図は繰り返される。米国は日本に沖縄の施政権を返したが、日本政府の同意の下で基地の自由使用権は手放さなかった。

 沖縄返還から半世紀。この間、米軍は沖縄から海兵隊の撤退を検討した時期もあったが、日本政府に慰留されとどまっている。

 その結果「一つのかご(沖縄)に、あまりにも多くの卵(米軍基地)を入れている」(カート・キャンベル元国防次官補代理)現状がある。

 基地の整理縮小の目玉として日米は、米軍普天間飛行場の移設を合意した。ところがふたを開けると、名護市辺野古への新基地建設であり基地機能の強化だった

 かつて昭和天皇が理由とした「ソ連の脅威」は、今や「中国の脅威」に取って代わり、日本政府は米軍が駐留する理由を正当化している。沖縄に米軍が駐留する必要性は変わらず、むしろ大きくなっているという言説が広がる。

 しかし、米中の緊張が高まり、有事の際に沖縄が標的にされ県民の命が脅かされる危険性が高まる

 72年5月15日の日本復帰記念式典で屋良朝苗知事は「沖縄がその歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除」すると述べた。日本復帰から半世紀。日米に利用されてきた立場に終止符を打つ時期が来ているのではないか。
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1312593.html

<金口木舌>われわれにパラシュートはあるのか
2021年4月28日 05:00
金口木舌 屈辱の日 宮森小事故 米軍

 詩人で長年演劇活動に携わってきた中里友豪さんの出演作に演劇集団「創造」の2014年公演「でいご村から」がある。沖縄戦で深い傷を負った沖縄本島北部の集落が舞台。中里さんは「創造」の創設メンバーの一人だった

沖縄戦の記憶をどう継承するかを問う劇だった。学校長役を演じた中里さんは公演パンフレットで「忘れていけないものを忘れていないか」と記している。時代と向き合い、言葉を紡いだ詩人が亡くなった

▼「琉大文学」同人で、宮森小米軍ジェット機墜落事故を取材した作品「恐怖と血の代償」を残した。子どもの命を奪った墜落機から操縦者がパラシュートで脱出していた。詩人は悲痛な叫びを刻す。「われわれには、パラシュートはない!

身の危険から逃れる術(すべ)がない。宮森小の事故現場だけでなく、沖縄中が危機と隣り合わせにあった。米統治下で県民の多くが出口のない閉塞(へいそく)感にさいなまれていたのではないか

▼県民は「祖国」に光明を見いだし、復帰を求めた。しかし、宮森小の事故で米軍を糾弾した詩人は「責任は本土政府にもある」と書くことを忘れなかった

▼太平洋戦争の末期、日本は沖縄を捨て石にし、サンフランシスコ講和条約で米国に差し出した。「屈辱の日」の4・28から69年。今も続く閉塞感の中で県民は自問する。「われわれにパラシュートはあるのか
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●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》

2021年04月17日 00時00分29秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


(20210402[])
沖縄タイムスの【社説[安保法施行5年]米軍との一体化を危惧】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/729089)。
琉球新報の【<社説>安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1294794.html)。
沖縄タイムスの【<社説>安保法施行5年 違憲性を問い続けねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/94430?rct=editorial)。

 《安全保障関連法が施行されてから5年たった。憲法解釈を変更して、歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を可能にした法律だ。他国軍への後方支援の拡大や、国連が統括しない国際連携平和安全活動への隊員派遣も可能になった。集団的自衛権の行使につながる活動は、これまでのところない。ただ、自衛隊の任務は大幅に広がり、日米の軍事一体化が加速している》。
 《憲法学者から違憲との指摘がある集団的自衛権行使を可能にし、日米の軍事一体化を進めるなど、さまざまな課題をはらむ安全保障法制は、29日で施行から5年を迎えた。この間、自衛隊と米軍の一体運用は常態化し、太平洋に面するオーストラリアだけでなく、欧州を含めた形で軍事的な連携が際限なく広がる。海洋進出を図る中国や弾道ミサイルを発射した北朝鮮など、東アジアの安全保障環境に懸念は絶えない。しかし軍事的な力に頼るばかりの安全保障策でよいのか》。
 《安倍前内閣が成立を強行した安全保障関連法が施行されてきょう二十九日で五年。この間、自衛隊の米軍防護が増えるなど米軍との一体化が確実に進むが、同法の違憲性を解消し、地域の緊張を緩和する外交・安全保障政策にこそ、知恵を絞るべきではないか。米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、バイデン政権の閣僚として初めての訪問先に日本を選んだ。このことは、アジア・太平洋地域の情勢が依然、厳しいことを物語る。その視線の先にあるのは、軍事的台頭が著しい中国にほかならない》。

 〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》(琉球新報社説)。自公お維には、(他所んちの)子や孫を戦場に送り、戦争をやりたくてしょうがない父母や祖父母がいるらしい。悍ましくてしょうがない。
 《国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ》…違憲な〝戦争法〟など、早く廃案にしなければ、危険極まりない。

   『●立派な「戦争法案」!: 後方支援=兵站「武力行使と
      一体不可分の中心構成要素」、「リッパな戦闘行為」
    「女性議員には「早く質問しろよ」!、と言えても、志位氏には
     それを言う勇気もないヘタレなアベ様。福島瑞穂さんの「戦争法案」
     にはレッテル貼りと言えても、志位氏には何も言えない情けなさ。」

   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
    「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん
   『●要《戦争絶滅受合法案》!: 憲法9条第2項抹殺…
       戦争したくてしょうがないアベ様ら自公与党議員達
   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/729089

社説[安保法施行5年]米軍との一体化を危惧
2021年3月29日 06:50

 安全保障関連法が施行されてから5年たった。

 憲法解釈を変更して、歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を可能にした法律だ。他国軍への後方支援の拡大や、国連が統括しない国際連携平和安全活動への隊員派遣も可能になった。

 集団的自衛権の行使につながる活動は、これまでのところない。ただ、自衛隊の任務は大幅に広がり、日米の軍事一体化が加速している。

 自衛隊が他国の艦艇や航空機を守る新任務「武器等防護」は2020年、過去最多の25件あった。対象はいずれも米軍。17年に初めて2件実施されて以降、18年に16件、19年14件と増加傾向にある。

 政府は当初「可能な限り情報を公開する」と説明していた。だが、実際に公表されている情報は限定的だ。

 「米軍の運用に直結する」として日時や場所、自衛隊がどの部隊を出したのかは明らかにしていない。活動内容も「情報収集・警戒監視」「共同訓練」など大くくりで示すのみだ。

 安保法は、後方支援の対象を安保条約を結ぶ国に限定していない。日本の連携強化の相手は欧州やオーストラリアに拡大しつつある

 活動が、なし崩し的に広がり、歯止めが利かなくならないか、懸念が拭えない。国会が十分検証できるよう情報開示を徹底すべきだ。

 「駆け付け警護」の任務が付与された南スーダンPKOでは、日報の隠蔽(いんぺい)が発覚した。このような事実隠しも二度とあってはならない。

■    ■

 安保法は名護市辺野古の新基地建設ともつながる。それを象徴する「事実」が判明した。

 陸上自衛隊と米海兵隊が、辺野古新基地に陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させること極秘に合意していた、というのだ。

 計画は一時凍結されているというが、このままなら新基地が自衛隊と共同使用されるのは目に見えている。

 自衛隊は中国の動きをにらんだ「南西シフト」を鮮明にし八重山や宮古、沖縄本島、奄美へと配備を着々と進展させる。

 一方で県内では既に日米の一体化が目に見える形で進む。航空自衛隊は今月、米軍嘉手納基地で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練を実施した。

 政府が唱える「負担軽減」は掛け声だけとなっている。その裏で進む基地機能の強化を受け入れることはできない。

■    ■

 歴代の法制局長官や多くの憲法学者が成立前に訴えたように、安保法は違憲の疑いが濃厚だ。にもかかわらず放置している政府の責任は重い。

 米中対立が激化する今、日米軍事一体化は、かえって米中の戦争に巻き込まれかねないというジレンマを抱える。政府が「抑止力」に頼りすぎなのも危うい。

 必要なのは冷静に物事を見極め、バランスの取れた安保政策を議論することだ。中国との間で太いパイプをつくる、といった一見すると遠回りに見える外交努力が、地域の平和を築く上で求められている
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1294794.html

<社説>安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ
2021年3月29日 06:01

 憲法学者から違憲との指摘がある集団的自衛権行使を可能にし、日米の軍事一体化を進めるなど、さまざまな課題をはらむ安全保障法制は、29日で施行から5年を迎えた。

 この間、自衛隊と米軍の一体運用は常態化し、太平洋に面するオーストラリアだけでなく、欧州を含めた形で軍事的な連携が際限なく広がる

 海洋進出を図る中国や弾道ミサイルを発射した北朝鮮など、東アジアの安全保障環境に懸念は絶えない。しかし軍事的な力に頼るばかりの安全保障策でよいのか。

 有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄であるのは疑いない。76年前、軍民混在の地上戦を経験した県民は「軍隊は住民を守らないという教訓を得た。

 政府は違憲の疑いが濃い安保法制を見直すだけでなく、国民を守るため平和外交にこそ力を注ぐべきだ

 安保法制で可能になった任務では、集団的自衛権の行使こそなかったが、平時に他国軍の艦艇などを自衛隊が守る「武器等防護」は19年に14件、20年に25件実施している。防衛省は件数と概要のみ公表し、詳細は明かしていない。

 現状は米軍だけを対象にしているが、菅義偉首相はオーストラリアのモリソン首相との昨年11月の会談で、オーストラリア軍も「武器等防護」の対象に追加するよう調整を進めることで合意した。

 「武器等防護」は地理的制約がなく自衛隊が世界中で活動できる。しかし詳細な情報を公開せず、国会も十分関与できない。これでは自衛隊を統制できない

 当時の安倍晋三首相は国会と国民に説明責任を果たすと語ったはずだ。「抑止力」を名目にした自衛権が際限なく広がれば国民が知らないうちに戦争に巻き込まれる可能性がある。

 国民に重要な情報を開示しない中で各国軍隊との訓練が日常化すれば、沖縄を拠点とする米軍の活動もさらに激しくなる。沖縄は現状でも過重な負担を強いられている。最近では米軍の低空飛行や物資つり下げなど危険な訓練も常態化する。自衛隊の先島配備も着々と進みつつある。

 法そのものの問題も多いが、成立過程で残した立憲主義や法治主義の否定は現在にもつながる。集団的自衛権行使を違憲とする専門家の声に耳を傾けず、政権の意に沿う人物を登用し「法の番人である内閣法制局の見解さえも変えてしまった

 安倍前政権が残した負の遺産は、政権に異議を唱える学者を排除するという点で、現政権の日本学術会議任命拒否問題とつながっている。

 法的安定性を損ない、違憲とする国民からの疑念も絶えない安保法制は、本当に必要なのか。現状では隣国との摩擦の種にしかならない

 政府は、違憲との指摘がある安保法制を根幹から見直すべきだ。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/94430?rct=editorial

<社説>安保法施行5年 違憲性を問い続けねば
2021年3月29日 07時31分

 安倍前内閣が成立を強行した安全保障関連法が施行されてきょう二十九日で五年。この間、自衛隊の米軍防護が増えるなど米軍との一体化が確実に進むが、同法の違憲性を解消し、地域の緊張を緩和する外交・安全保障政策にこそ、知恵を絞るべきではないか。

 米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、バイデン政権の閣僚として初めての訪問先に日本を選んだ。このことは、アジア・太平洋地域の情勢が依然、厳しいことを物語る。その視線の先にあるのは、軍事的台頭が著しい中国にほかならない。


◆増える米軍の防護任務

 今月十六日に開かれた日米両国の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)後の共同発表では、海洋進出の動きを強める中国を名指しで批判し、「日米同盟」をさらに強化する決意を表明した。

 自衛隊と米軍の防衛協力はこれまでも、自衛隊の役割拡大という形で、緊密化が進んできた。

 その度合いを一層強めたのが、安倍晋三前首相が二〇一五年九月に成立を強行し、翌一六年三月に施行された安保関連法である。

 「一体化」ともいえる自衛隊と米軍との緊密な協力関係は、数字にも表れている。自衛隊が昨年一年間、安保法に基づいて実施した米軍の艦艇や航空機の防護は一九年の十四回から増え、二十五回を数えた。初めて実施した一七年以降で最も多い。

 内訳は弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視活動による艦艇警護が四回、共同訓練の際の航空機警護が二十一回。法律上は米国以外の軍隊も対象だが、安保法施行後の五年間で自衛隊が防護したのは米軍だけだ。

 「アジアで最も強力な二つの軍隊の統合が進んでいることの表れだ」。米CNNは、自衛隊による米軍防護の増加をこう報じた。


◆軍事衝突の引き金にも

 安保法の施行以前、自衛隊が平時に武器を使って防護できる対象は自衛隊の武器や施設に限られていたが、同法の施行で「日本の防衛に資する活動」を行う米軍など外国軍隊の武器や施設が対象に加えられた

 しかし、いくら日本の防衛に資する活動をしているといっても、米艦などの防護活動中に攻撃や妨害行為があった場合、阻止するために自衛隊が武器を使用すれば、紛争の引き金を引きかねない。

 しかも、防護活動の時期や場所は米軍の部隊運用に関わるとして発表されず、情報に乏しい。

 安倍前首相が安保法案の国会審議で、米艦などへの防護活動について「国会および国民に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えだ」と、情報公開を約束したにもかかわらずだ。

 安倍前内閣は法案提出に当たって、歴代内閣が堅持してきた「集団的自衛権の行使」を憲法違反とする解釈を一内閣の判断で強引に変更し、一部とはいえ行使容認に転じた。

 安保法を巡り、各地で違憲訴訟が提起されたのも当然だろう。

 安保法でさらに進んだ自衛隊の任務、装備両面での強化や米軍との一体化が、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法九条に合致するのか。施行から五年を経ても、その妥当性を問い続けねばなるまい。

 今年は一九九一年に湾岸戦争が勃発してから三十年の節目の年でもある。振り返れば、この戦争を契機に日本の国際貢献策として自衛隊の海外派遣が始まり、イラク戦争や「テロとの戦い」など国際紛争の度に、自衛隊は海外での活動範囲や役割を拡大してきた。

 そして私たちが今、直面するのが、中国の著しい台頭だが、これまでと全く違うのは中国が日本にとって地理的、経済的に極めて近い関係にあることだ。

 もし、米中両国が日本周辺地域で軍事的衝突に至れば、日本も無傷ではいられまい。米国が日本に対し、日米安全保障条約に規定された以上の、さらなる軍事的協力を求めてくるかもしれない。


◆「したたかな外交」こそ

 もちろん「平和」と口にするだけで、日本の平和と安全を保つことはできないが、日米の軍事的一体化を進めることで逆に、地域の緊張を高める「安全保障のジレンマ」に陥らないだろうか。

 日本は憲法が許す範囲内で自国の守りを固める一方、地域の警察力としての米軍の存在を認め、米軍への基地提供という安保条約上の義務は誠実に果たす。

 その上で、権威主義に大きく傾く中国とは対話を通じて自由や民主主義、人権を重んじ、国際社会の責任ある一員として責任を果たすよう促す。そんな外交戦略を描き、果敢に展開するしたたかさが必要とされているのではないか。

 対立をあおり、封じ込めに固執することを、賢明な外交・安全保障政策とはとてもいえない
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●平和憲法・専守防衛の下で、愚かしい過剰な「思いやり」や在日米軍特権を差し出してまで…そんな「不公平」は不要

2019年07月16日 00時00分05秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



琉球新報の記事【米軍操縦士長男を取材 宮森墜落60年 真相追う】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-923724.html)。
沖縄タイムスの阿部岳さんによるコラム【[大弦小弦]トランプ氏と沖縄に映る「不公平」】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/439528)。
琉球新報の【<社説>日米安保変更発言 沖縄の不公平こそ解消を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-945936.html)。

 《うるま市石川(旧石川市)の宮森小学校に米軍嘉手納基地所属のF100D戦闘機が墜落した事故から6月30日で60年になるのに合わせて、沖縄テレビ放送(OTV)が25日午後2時から開局60周年記念特別番組「60年目の宮森~失われたピースを探して~を放送する。操縦士の長男にメディアで初めてインタビューしたほか、事故後に消息が分からなくなった少年を追った》。
 《宮森小学校…▼児童ら18人が亡くなった戦後最悪の米軍機事故パイロットは脱出していた。それでも、遺族は怒りをぶつけることさえできなかった。米軍に差し出した沖縄の要塞(ようさい)化と本土の経済発展を引き換えにする日米安保体制が、犠牲と沈黙を強いた》。
 《トランプ米大統領が日米安全保障条約見直しを公然と要求した。この際、沖縄の過重な基地負担を含めて、いびつな「同盟」の在り方そのものを見直してもらいたい》。

   『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」
        (高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖
   『●安仁屋眞昭さん《沖縄では民意よりも米軍が優先。
      沖縄の戦後は終わっていない》…何度事故・事件が起きようとも
    「琉球新報の高田佳典記者の記事【「沖縄、民意より米軍」 戦後の重荷、
     74年変わらず】…。宮森小ジェット機墜落事故(1959)、
     沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事故(2004)、オスプレイ墜落……
     何が起ころうとも、何も変わらない沖縄。今も《不条理の連鎖》が続く。
     《一方、沖縄では何度事故が起きようとも主要な基地は撤去されない》。
     安仁屋眞昭さんは、《沖縄では民意よりも米軍が優先沖縄の戦後は
     終わっていない》《戦後74年がたっても沖縄は重荷を背負っている
     と言います」

 宮森小ジェット機墜落事故(1959)から60年の月日が経ったそうです。沖縄では、いまも《不条理の連鎖》は続いています。

 琉球新報の【<社説>宮森小墜落事故60年 危険な状況は変わらない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-945599.html)によると、《ミルク給食を待っていた児童たちを突然、ごう音と火の玉が襲った。死者18人、重軽傷者210人を出した石川市(現うるま市)の宮森小学校米軍ジェット機墜落から60年がたった。人為的ミスによる事故だったにもかかわらず原因は伏せられ、事故後の賠償も不十分だった。米施政権下の沖縄で、住民の命が軽んじられた象徴的な事故だ。そんな理不尽な戦後史を伝え続けなければならない。墜落事故は1959年6月30日に起きた。嘉手納基地所属の米軍ジェット機F100が石川市の住宅地に墜落し、衝撃で跳ね上がった機体が宮森小に突っ込んだ。犠牲者のうち児童は12人だった。パイロットはパラシュートで脱出し、けがはなかった。事故後の米軍の対応は不誠実極まりない。米軍は事故原因を「故障による不可抗力」と発表した。しかしその後、米空軍がまとめた事故調査報告書では、事故の「最大の要因は整備ミス」で、人為的な原因だったと結論付けていた。整備不良だったのに整備監督者が飛行を認め、燃料が漏れてエンジン熱で引火した。そもそも墜落したF100戦闘機は開発段階から事故を繰り返し、47人のパイロットが死亡する“欠陥機”であった。しかし、事故原因も欠陥機であることも沖縄の人々に説明されることはなかった》。
 また、同紙の他の記事【60年前の惨劇思い涙 宮森小で慰霊祭 米軍ジェット機墜落】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-946063.html)によると、《同校中庭の慰霊碑「仲よし地蔵」前で献花や焼香が行われた。遺族や地域住民、うるま市や県の関係者が参列し、黙とうをささげた。参列者は同じような事故が繰り返されぬよう、平和な社会実現を犠牲者に誓った…630会の久高政治会長は「沖縄の基地問題の象徴のような出来事だった。遺族の中には今でも涙を流す人がいる。県民の願いは米軍の事件事故がなくなることだ」とあいさつした》。

 さて、トランプ氏が口にする「不公平」、アベ様が口にする「公平・公正」…これほど似合わない言葉は無い。最後の阿部岳さんの言葉《米国にすがりつくだけの思考停止から脱し、米軍と自衛隊の意味を一から議論する時が来た》…重い言葉だ。沖縄では、これだけのデタラメがまかり通っているのだから、その答えは簡単なはずだ。一方、「本土」でこそ、平和憲法・専守防衛の下で、愚かしい過剰な「思いやり」や在日米軍特権を差し出してまで《米国にすがりつくだけの思考停止から脱し、米軍と自衛隊の意味を一から》議論すべきではないのか? 《この沖縄の不公平の解消こそ両国が最優先で取り組むべき課題ではないのか》。

 最後に、日刊ゲンダイのコラム【高野孟 永田町の裏を読む/自民でも賛否 憲法改正議論が参院選の争点というまやかし】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257478)によると、《第1に米国は膨大な在日米軍基地を置いて、それを日本の費用で維持することで、太平洋からインド洋、中東まで地球の半分で軍事行動を展開する世界戦略国家たりえている。第2に、安倍は2015年に安保法制を強行成立させ、米国の戦争に対して集団的自衛権を発動して共に戦う方向にすでに踏み出している…前出の議員に問うと、こう答えた。「いやあ、そこに触れると、野党からはまた対米過剰サービスだ、属国化だ、海外派兵だと叩かれる。だからトランプ発言も聞かなかったことにして触れようとしない。結局、憲法も安保も、本質に迫る議論から逃げまくっているのが安倍なんです」と》。
 2019年7月参院選、アベ様は壊憲について《議論》できる党であるかどうかが争点だ、と喧伝しています。大笑い。何カ月にもわたって、予算委員会での《議論》から逃げ続けた方の言い草とは思えない。そんなことに騙される、「1/4」の与党自公・癒着党お維の支持者の皆さん。アベノサギに騙されるマゾヒスティックな信者の皆さん。

   『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
      「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」

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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-923724.html

米軍操縦士長男を取材 宮森墜落60年 真相追う
2019年5月24日 06:00
宮森小 沖縄テレビ 操縦士 長男

 うるま市石川(旧石川市)の宮森小学校に米軍嘉手納基地所属のF100D戦闘機が墜落した事故から6月30日で60年になるのに合わせて、沖縄テレビ放送(OTV)が25日午後2時から開局60周年記念特別番組「60年目の宮森~失われたピースを探して~」を放送する。操縦士の長男にメディアで初めてインタビューしたほか、事故後に消息が分からなくなった少年を追った。

 企画したのはフリージャーナリストの土江真樹子さん。土江さんは他局の記者だった20年前に宮森小の墜落事故を初めて取材。遺族や関係者に接した経験から「事故をなかったことにはできない」と取材を続けている。OTV報道部の松本早織記者も制作に携わった。

 番組ではパラシュートで脱出して無事だった操縦士の事故後を追跡。土江さんは20年来、操縦士に取材を申し込んでいたが断られ続けていた。今年になって操縦士の長男ジョン・シュミッツさん(59)の住まいが分かり、インタビューが実現した。

 シュミッツさんは、父が事故後も1年半、嘉手納基地にいたことやベトナム戦争にも出兵していたことを明かした一方で、宮森小の事故については一切聞かされていなかったと話したという。

 土江さんは「沖縄が負った傷の一つとして、事故のことをちゃんと知らなければならない」と話し、松本記者も「事故から60年がたっても被害者や遺族の傷は癒えていない。番組が事故の真相を知るピースの一つになってほしい」と語る。

 事故は1959年6月30日に起きた。飛行中、突然火を噴き操縦不能となった機体が住宅地に墜落。弾みで宮森小にも突っ込み、児童12人を含む18人が死亡(児童1人は後遺症で死亡)、210人が重軽傷を負うなど戦後の沖縄で過去最大の墜落事故となった。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/439528

[大弦小弦]トランプ氏と沖縄に映る「不公平」
2019年7月1日 05:00

 ジェット機墜落の翌日、加害者である米軍が現場の宮森小学校で慰霊祭を開いた。1959年の本紙記事に「いつまでも祭壇にしがみついて泣きぬれる遺家族」とある

▼30日、事故から60年の慰霊祭を開いた石川・宮森630会の久高政治(まさはる)会長(71)は「米軍は早く事態を収拾したかった。今なら遺族の参加なんて考えられない。当時は軍で働く人も多く、断れなかった」と考える

▼児童ら18人が亡くなった戦後最悪の米軍機事故パイロットは脱出していた。それでも、遺族は怒りをぶつけることさえできなかった。米軍に差し出した沖縄の要塞(ようさい)化と本土の経済発展を引き換えにする日米安保体制が、犠牲と沈黙を強いた

▼トランプ米大統領が安保条約は「不公平」だと公に見直しを要求している。日本政府はまともに反論せず、首脳会談では聞いていない、と頬かむりするばかり

沖縄もずっと前から不公平を告発し、聞き流されてきた。現状への責任は安保を支持してきた保守側だけでなくリベラル側にもある。憲法9条と軽武装路線は、沖縄の重武装が前提だった

▼トランプ氏の発言がきっかけなのは情けないが、米国にすがりつくだけの思考停止から脱し、米軍と自衛隊の意味を一から議論する時が来た。事故の犠牲者を弔う「仲よし地蔵」が、60年後の日本を見つめている。(阿部岳
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-945936.html

<社説>日米安保変更発言 沖縄の不公平こそ解消を
2019年7月1日 06:01

 トランプ米大統領が日米安全保障条約の見直しを公然と要求した。この際、沖縄の過重な基地負担を含めて、いびつな「同盟」の在り方そのものを見直してもらいたい

 日米安保条約は1951年に調印され、60年に全面改定された。第5条は日本の施政下への武力攻撃があった場合、米国が日本の防衛義務を負うと定めている。一方、第6条では日本と極東の安全へ寄与するため米軍は日本国内の施設・区域を使用できるとして、日本による米軍への基地提供義務を規定している。

 この内容についてトランプ氏は29日の記者会見で「不公平な合意だ」と述べた。その上で日本の防衛義務を負う米国の負担が一方的だとの不満を安倍晋三首相に「この6カ月間言ってきた」と明らかにし「(条約を)変えなければならないと伝えたと語った。

 トランプ氏は米国による日本防衛義務は片務的で不公平だと言いたいようだ。だが日本の基地提供義務に伴う沖縄への負担の偏在はおそらく理解していないだろう

 住民の4人に1人が犠牲となった苛烈な沖縄戦の結果、沖縄は米軍に軍事占領され、強制的に奪われた土地に基地が建設された。戦後の米施政権下時代には日本本土から海兵隊の部隊が移駐され、基地の集約が進んだ

 今も沖縄には在日米軍専用施設面積の7割が集中している。基地から派生する事件・事故は後を絶たず、米軍人・軍属の優越的地位を保証する日米地位協定の存在が、米軍駐留に伴う諸課題の解決に大きな壁となり続けている。

 この沖縄の不公平の解消こそ両国が最優先で取り組むべき課題ではないのか特定の地域が軍事負担の重荷を長年背負って成り立つ2国間関係の本質と今こそ正面から向き合ってほしい

 トランプ氏は日米安保条約の必要性に関しては「破棄は全く考えていない」と説明しており、今回の発言には、在日米軍駐留経費負担思いやり予算)の増額を迫る狙いがあるとも指摘される。今後の貿易交渉で圧力をかけるための材料だとの見方もある。

 防衛省の試算によると米軍駐留経費の日本側の負担割合は2015年度で86%にも達し、韓国やドイツなどの他の米同盟国に比べて突出している。一方で沖縄などの在日米軍の活動範囲は世界各地に広がっており、第一義的に米国の国益のために駐留していることは自明である。

 菅義偉官房長官は30日、トランプ氏の発言について日本側に直接伝えられたものではないと説明した。そうであれば抗議してもおかしくないはずだが、米側に真意をただす考えは全くないという。これが「同盟」の現実だ

 沖縄の過重負担の解消日米安保の在り方を米側と率直に議論する好機として、今回の発言を生かしたい。それは米国との主従関係を乗り越える第一歩ともなるはずだ
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●アベ様や最低の官房長官ら独裁政権が《国民に知らせないことの利益より不利益を考える》はずがない

2019年06月02日 00時00分39秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



東京新聞の記事【ドローン規制 知る権利脅かさぬよう】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019052102000140.html)。

 《ドローンの飛行禁止範囲を米軍や自衛隊の基地に広げる改正ドローン規制法が十七日、成立した。メディアの取材が制約される懸念が大きい。市民による監視もできなくなる。知る権利を守るべきだ…法改正に伴う影響は、特に沖縄で深刻である。政府が埋め立てを強行する名護市辺野古の新基地建設現場は、米軍キャンプ・シュワブと提供水域に囲まれ、ドローンが近寄れなくなる可能性が高い》。

   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
    「琉球新報の【<社説>基地にドローン規制 沖縄を狙った報道弾圧だ】…
     によると、《政府方針が盛り込まれれば、自衛隊基地や米軍基地への
     取材が大きく制限される。国民の知る権利を著しく侵害する方針に、
     新聞協会が反対を示したことは当然といえる》…そうです。
       どこまでも《卑(ミーン)》なアベ様ら。」

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
    《二月初め、沖縄県名護市の安和(あわ)桟橋では、辺野古の埋め立て
     用土砂の積み出しが行われていた。ドローンの映像からは、
     ベルトコンベヤーで運搬船に土砂が積み込まれていく様子がくっきりと
     見える。船内の土砂は、二カ月前、辺野古(へのこ)の海に投入された
     土砂の色そのものだった》

 ドローン規制は、特に、辺野古破壊などの問題を抱える沖縄で深刻…《沖縄を狙った報道弾圧》。どこまでも《卑(ミーン)》なアベ様ら。
 《政府は、国民に知らせないことの利益より不利益を考えるべきだ》? アベ様や最低の官房長官ら独裁政権が《国民に知らせないことの利益より不利益を考えるはずがない。「本土」の報道は既にズタズタにされ萎縮しっぱなし。肝心の《権力の監視》を放棄。 

   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 
     《安倍政権の言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 
     《安倍政権の言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 そしてこのデタラメ。
 東京新聞の社説【基地外の銃携行 協定はなぜ守られない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019052202000168.html)によると、《在日米軍基地の日本人警備員が実弾入り拳銃を基地外で携行するよう米軍側に指示されていた。日米地位協定明白な違反である。日本側の抗議で是正されたが協定違反がなぜ繰り返されるのか。在日米軍基地に勤める日本人警備員が基地内で銃を持つことは日米地位協定で認められているが、基地外では協定違反になるため、持つことはできない。日本の銃刀法違反に当たる疑いもある》。
 《日本の銃刀法違反に当たる疑い》!? 《疑い》? 明確な違反・犯罪でしょ?? 基地の外で、市民に対して、一体拳銃で何をするつもりなのか? 市民や報道をガンジガラメに規制する一方で、在日米軍特権は野放しか?

   『●日米地位協定では《受け入れ側》ニッポンの
      《国内法を米軍に適用している》のか? 沖縄はニッポンでは?
   『●番犬様との地位協定…《何のたがもはめず、
       米軍のやりたい放題を許している》ニッポン、主権は何処に?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019052102000140.html

【社説】
ドローン規制 知る権利脅かさぬよう
2019年5月21日

 ドローンの飛行禁止範囲を米軍や自衛隊の基地に広げる改正ドローン規制法が十七日、成立した。メディアの取材が制約される懸念が大きい。市民による監視もできなくなる知る権利を守るべきだ

 二〇一六年施行のドローン規制法は、首相官邸や原子力施設周辺上空の飛行を禁止してきた。改正法は、対象に防衛関係施設として自衛隊および米軍施設を加える。米軍については、基地の敷地のほか提供水域・空域も規制する方針だ。

 ドローンの飛行は一般的に航空法などにより規制されている。従来はそれらの法令に反しない限り米軍基地周辺の飛行は日本政府による自粛要請にとどまっていたが、六月中とみられる改正法施行で一律に禁止される。

 罰則は一年以下の懲役か五十万円以下の罰金。警察官や自衛官は違法ドローンを捕獲したり破壊したりできる

 防衛施設へのテロ対策の必要性は理解できる。だが、取材規制は受け入れがたい。日本新聞協会は法改正が「国民の知る権利を著しく侵害する」と談話で批判した。

 参院内閣委員会では立憲民主党が報道目的の場合、原則として飛行を認めるとした修正案を出したが賛成少数で否決された。飛行禁止の判断を最終的に基地司令官に委ねる点で原案と変わらないとして共産党も反対に回った。野党内の調整不足は残念だ。

 法改正に伴う影響は、特に沖縄で深刻である。政府が埋め立てを強行する名護市辺野古の新基地建設現場は、米軍キャンプ・シュワブと提供水域に囲まれ、ドローンが近寄れなくなる可能性が高い。

 辺野古では、報道各社や市民団体が埋め立て海域に赤土のような汚濁が広がったり、建設中の護岸から汚濁防止膜を越えて濁り水が漏れたりしている様子をドローンで撮影し、政府を追及してきた。

 今後はそんな不都合が隠されないか。基地やその周辺での米軍機事故や自然災害の実態把握が難しくなるのも心配だ。

 政府は、国民に知らせないことの利益より不利益を考えるべきだ

 衆参両院の内閣委は、法案採決に当たり、報道の自由や知る権利の確保の観点から限度を超える規制を行わないよう政府に求める付帯決議を採択した。

 対象の防衛施設は今後、防衛相が米側とも協議しながら指定する。防衛省は、対象となっても司令官ら管理者の同意があれば飛行は可能になるとも説明している。決議に沿う運用を望む。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019052202000168.html

【社説】
基地外の銃携行 協定はなぜ守られない
2019年5月22日

 在日米軍基地の日本人警備員が実弾入り拳銃を基地外で携行するよう米軍側に指示されていた。日米地位協定の明白な違反である。日本側の抗議で是正されたが、協定違反がなぜ繰り返されるのか

 在日米軍基地に勤める日本人警備員が基地内で銃を持つことは日米地位協定で認められているが、基地外では協定違反になるため、持つことはできない。日本の銃刀法違反に当たる疑いもある。

 しかし、在日米海軍佐世保基地(長崎県)の日本人警備員が今月上旬、同基地警備隊の指示で、実弾入りの拳銃を携行したまま同基地を出て、飛び地になっている約六十メートル離れた別の米軍施設まで歩いて移動していた。

 防衛省は基地従業員らでつくる全駐留軍労働組合(全駐労)から事前に情報を得て、在日米軍司令部(東京都)に中止を口頭で要請したが、しばらく続き、文書で即時中止と再発防止を要請したところようやく中止された、という。

 米軍側は「(日本人警備員の移動に関する日米)合意について、米側に誤解があった」とするが、同様の事態は二〇〇八年に沖縄県の海兵隊基地で起きており、このときも日本政府は抗議している。

 今回、同じようなことが繰り返されたばかりか、在日米軍は日本政府の再三にわたる要請にもなかなか応じなかった。地位協定や日本の法令、日本政府による要請を軽く見ているのではないか。

 そもそも日米地位協定には、日本に駐留する米軍人や軍属らに対して、特権的な法的地位を認めているとの批判がある。

 米軍人らが公務外で事件や事故を起こしても米側が身柄を確保すれば、日本側への引き渡しは起訴後となる。一九九五年の沖縄県での少女暴行事件を受け、殺人、性的暴行の凶悪事件に限り起訴前の引き渡しに米側が「好意的考慮を払う」よう運用が改善されたが、身柄引き渡しはあくまでも米側の判断であり、拒否した例もある。

 また公務中の事故や事件は日本側に第一次裁判権がない上に公務も拡大解釈され、米側に有利な運用がされてきた。こうした特権的な法的地位に守られていること協定や法令軽視につながっているとしたら、日米安全保障条約体制を揺るがす深刻な事態だ。

 在日米軍専用施設は70%が集中する沖縄だけでなく全国十五都道府県に広がる。日本人警備員が働き、今回と同様の問題が起きかねない。政府が法令順守の徹底を強く求め続けるべきは当然である。
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●『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)読了…《政権をチェックしようという意識が…》

2019年05月02日 00時00分02秒 | Weblog

[集英社新書WP(https://dosbg3xlm0x1t.cloudfront.net/images/items/9784087210378/500/9784087210378.jpg)↑]



『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著、集英社新書0937A)読了(2019年4月30日)。集英社、2018年7月10日初版第二刷(2018年6月20日初版第一刷発行)。税別¥860。


 望月さんの「はじめに」(p.4)。《映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」…は空前のヒット作となり、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの販売部数は過去最高の売れ行きだという。「日本の新聞も、本当はアベ政権に立ち向かう力を十分に持っている」 日本の記者をずっと見てきたファクラーさんはそう言った。実際、新聞報道をきっかけとして起こった…》。
 ドアホノミクス(©浜矩子さん)の真の姿が世間に知れ渡り、「害遊・害交のアベ様」であることが次々に露見…アベ様の政がほとんど幻想。そんな中で唯一上手く行っているのがメディアコントロール。見事にアンダーコントロールされているように見える。内閣支持率も5割に達しているとか。アベ様の独裁広報機関下足番新聞広報紙・広報誌のおかげ。

 「新聞は安倍政権に屈したのか?」(pp.14-15)。《望月 …一部のメディアは政権をチェックするという役回りより、政権とともに力を肥大化させていること。…新聞を含む大手マスメディアは、政権をチェックしようという意識が弱体化しているばかりでなく、その中から、むしろ政権に寄り添うような報道を続けるメディアや記者も出てきました。インターネットやSNS…新聞の報道を疑問視するようになり、新聞の社会的信頼性が従来より低下していると感じます》。
 広報機関に堕していてはダメ。「番犬ジャーナリズム」「調査報道」を求む。

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《だいたいみんな、このごろ、まちがえてんのよね。
     「偏らないことがいいことだ」「メディアは中立公正、不偏不党であるべきだ」
     「両論を併記しないのは不公平だ」。そういう寝言をいっているから、
     政治音痴になるのよ、みんな。》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》
    《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》

    《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
     …専門的には「番犬ウォッチ・ドッグジャーナリズム」理論という》
    《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
     一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していってこそ
     成長し、民主主義社会に貢献できる
のではないか》

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』(望月衣塑子×森ゆうこ著)読了
                    …《今、ジャーナリズムと野党の…》
    《今、ジャーナリズムと野党の存在意義を問い直す

   『●沖縄県知事選で「ファクトチェック(事実検証)」報道…
           「ネット上にはびこるデマやうそ、偽情報を検証」

   『●下野時の発言がブーメラン…「最低の官房長官」スガ殿は、
               「国民への背信行為」を自分自身で行っている
    「南彰記者による記事【自著での主張も記憶にない? 菅官房長官「知らない」】…。
     リテラの記事【菅官房長官が壊れ始めた! 会見で
     「ここは質問に答える場所じゃない」、自分の著書のことを「知らない」…】…
     《これに対して、菅官房長官「知りません」と一蹴。すると、朝日記者が
     こんな種明かしをしたのだった。
        「これは、官房長官の著作に書かれているのですが
     そう、朝日記者が会見で読み上げた政治家の著作とは、菅氏自身が
     下野時の2012年に著した『政治家の覚悟』(文藝春秋)という本の一節
     だったのだ。菅官房長官はかつて、政府にとってすべての記録を
     残すべきであり、その基本的資料である議事録がないなどというのは
     「国民への背信行為と断じていたのだ》」

   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
    「阿部岳記者は、《民主主義社会における報道はプロパガンダとは違う
     権力から独立し、監視するのが役割
     評価するのは権力ではなく、読者や視聴者だけだ》と言います。
     最低の官房長官は、市民の《評価》を妨害しようとしています。
     「事実誤認」「度重なる問題行為」かどうかは《読者や視聴者》が
     判断することで、最低の官房長官がやるべき事じゃない」
    《新聞労連南彰委員長)…首相官邸が昨年末の菅義偉官房長官の
     記者会見での本紙記者の質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」とし、
     「問題意識の共有」を内閣記者会に申し入れたことについて
     「官邸の意に沿わない記者を排除するような申し入れは、
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を
     狭めるもので、決して容認できない」とする抗議声明》

   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に… 
                 アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》

   『●《事実誤認》はどちらか? 《権力を監視し、
       政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命
   『●《「この会見は一体何のための場だと思っているのか」と質問 
                  菅氏は「あなたに答える必要はない」》!!
   『●記者イジメ…最低の官房長官が《民主主義を守るために努力》
                 《国民へ情報を知らせる義務》を果たしてる?
   『●小林節氏…《職業としての権力監視機関として、
       報道が発達し、憲法の重要な柱のひとつとして確立され》た
   『●三宅勝久さん《報道・言論の自由を標榜しながら
      じつのところ会見参加者を選別している…巧みな情報操作》
    「レイバーネットの記事【メディア攻撃をここで堰き止めよう!
     〜「知る権利を守る官邸前行動」熱く広がる】…。三宅勝久さんの
     スギナミジャーナルの記事【東京新聞記者の官房長官記者会見
     「質問制限」問題を考える】…《しかし、そこで前提として理解しておかねば
     ならないのが「記者クラブと官房長官記者会見の関係である。
     残念ながらこの「記者クラブ」が持つ問題の本質に切り込んだ言論
     というのは比較的少ないようにみえる》」

   『●最低の《官房長官が「これでいい」と決めれば、
      官僚も秘書官も誰も止められない。それは非常に危険》
   『●映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』《その中で…
      ナイト・リッダー社の記者たちは政権のウソを報じ続ける》
    「東京新聞の豊田洋一記者のコラム【【私説・論説室から】/
     権力のウソと新聞記者】…。《ブッシュ政権が開戦の大義としたのが
     大量破壊兵器の存在だが、イラクはそんなものは持っていなかった。
     証拠をでっち上げ、ウソの理由で戦争が始められ、多くの命が失われた
     米国の報道機関のほとんどが政権の誤った情報を垂れ流した》。」

   『●《新聞を含むマスコミは…「客観中立で、常に事実と正論を語る」
                     という自画像を描き、自ら縛られてきた》

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https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0937-a/

権力と新聞の大問題
著者: 望月衣塑子 マーティン・ファクラー

広報か?報道か?
日米の精鋭記者が忖度なしで語るメディアと日本の危機
 官房長官会見で記者として当然の質問を重ねることで、なぜか日本の既存メディアから異端視される東京新聞の望月記者。そんな「不思議の国・日本」のメディア状況を、彼女とニューヨーク・タイムズ前東京支局長マーティン・ファクラー記者がタブーなしで語りあう。
 政権とメディア上層部の度重なる会食や報道自粛の忖度など、問題は山積している。はたしてメディアや記者クラブが守るのは言論の自由かそれとも取材対象の利益か権力を監視・チェックするジャーナリズム本来の役割と部族化する言論空間の問題点、新メディアの可能性などの展望を示す警世の一冊。

[著者情報]
望月衣塑子 (もちづき いそこ)
一九七五年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。二〇一七年、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。著書に『新聞記者』(角川新書)等。共著に『THE独裁者』(KKベストセラーズ)、『追及力』(光文社新書)。

Martin Fackler(マーティン・ファクラー)
一九六六年、アメリカ合衆国アイオワ州生まれ。ニューヨーク・タイムズ前東京支局長。著書に『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)、『権力者とメディアが対立する新時代』(詩想社新書)等。
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https://honto.jp/netstore/pd-book_29088478.html

……

官房長官会見で記者として当然の質問を重ねることで、なぜか日本の既存メディアから異端視される東京新聞の望月記者。そんな日本のメディア状況を、彼女とニューヨーク・タイムズ前東京支局長ファクラー記者が語り合う。

推薦◆
森達也氏(映画監督・作家・明治大学特任教授)

メディアとはその国を現す鏡
ならばジャーナリズムの劣化は国の劣化を示す。

自民党一強政治のもとで、何が変わり何が失われたのか。
それはメディアの退行と同心円を描く。
読むべきは日本に暮らす人すべて。
絶対にあなたも、たくさんの発見をするはずだ」

◆内容◆
官房長官会見で記者として当然の質問を重ねることで、なぜか日本の既存メディアから異端視される東京新聞の望月記者。そんな「不思議の国・日本」のメディア状況を、彼女とニューヨーク・タイムズ前東京支局長マーティン・ファクラー記者がタブーなしで語りあう。

政権とメディア上層部の度重なる会食や報道自粛の忖度など、問題は山積している。はたしてメディアや記者クラブが守るのは言論の自由か、それとも取材対象の利益か。権力を監視・チェックするジャーナリズム本来の役割と部族化する言論空間の問題点、新メディアの可能性などの展望を示す警世の一冊。

◆目次◆
第一章 権力に翻弄される報道メディア
第二章 メディアを自縛する「記者クラブ」
第三章 劇場化する記者会見
第四章 “闘う本性”を持つアメリカのメディア
第五章 アメリカのシナリオで強権化する安倍政権
第六章 政権のメディア・コントロールの実体
第七章 政権批判がメディアを活性化する
第八章 ネット時代における報道メディアの可能性
第九章 権力から監視される記者たち

◆主なトピック◆
◎なぜ望月記者は質問をし続けなければいけないのか?
◎森友・加計疑惑以上に政権に都合の悪い問題を報じなかった新聞
◎情報のカオスに翻弄される新聞の存在意義
◎イメージとは違うオバマ政権の強硬なメディア弾圧
◎スノーデン事件につながる衝撃的な出来事
◎ブッシュ政権VSニューヨーク・タイムズの熾烈な闘い
◎安保法制と秘密保護法の本当の狙い
◎北朝鮮と米中の動きを読めない安倍政権
◎朝日新聞の逆襲
◎安倍政権にひれ伏したテレビ局
◎財務省文書改竄で見えてきた安倍政権の本性
◎政権に逆らう人間を潰す方法
◎トランプ大統領のおかげで部数を伸ばしたアメリカの新聞
◎なぜ日本では新しいメディアが出てこないのか
◎韓国のネット・メディアが日本よりも進んでいる理由
◎なぜフェイク・ニュースが喜ばれるのか
など

……
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https://webronza.asahi.com/culture/articles/2018091000003.html

[書評]『権力と新聞の大問題』
望月衣塑子、マーティン・ファクラー 著
野上暁 評論家・児童文学者
2018年09月11日

■言論の危機的状況にメディアは権力とどう対峙するか?

 特定秘密保護法から安保関連法、そして「共謀罪」法と、国民の反対を数の力で押し切って強引に成立させてきた第二次安倍内閣も、森友・加計疑惑で国会は1年以上紛糾し、文書改ざんや隠ぺいの事実が次々と明らかにされて、いつ退陣するかが時間の問題のように思えていたのがたった数か月前。いつの間にか支持率も回復して、いまや自民党総裁選に話題は移行し、3期目の安倍内閣が成立したなら、このまま改憲へと雪崩を打ちそうな気配でもある。

 この暴走する政権を止める力が、日本の新聞をはじめとしたメディアにあるのかどうか? 菅官房長官の記者会見で鋭い質問を度々投げかけて話題を呼んだ東京新聞の望月衣塑子記者と、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)などの著書がありニューヨーク・タイムズ前東京支局長のマーティン・ファクラー記者が忌憚なく語り合う。そこから権力と日本のメディアの様々な問題点が炙り出されてくる極めて今日的にホットな一冊だ。

 望月記者はまず、新聞を含む大手マスメディアが、政権をチェックする機能を弱体化させているだけではなく、むしろ政権に寄り添うような報道が出てきている。しかしその一方で、SNSを通じてそれとは全く違う情報を市民が得ていることもあって、新聞との信頼関係が低下している現状を指摘する。

 これに対してファクラー記者は、政権に対する取材の仕方を見ていると、日本にはもともと、なれ合いの構図と同時に、権力に逆らわないという姿勢がみられ、権力による圧力や情報操作に屈しないジャーナリズムが育ちにくい環境があるとみる。

 アメリカでは、権力に近い側に寄り添って取材し情報を得ることを「アクセス・ジャーナリズム」といい、メディア独自の調査や取材を重ねて確証を得た事実を報道し問題提起するのを「調査報道」とか「市民型ジャーナリズム」というが、日本では前者が強くて後者が非常に弱いのが問題だという。

 森友・加計疑惑について新聞各社は調査報道に力を入れて大々的に報道した。しかし、それ以上に政権に都合が悪い、フリージャーナリストの伊藤詩織さんが元TBSワシントン支局長に性的暴行を受けたと告発し逮捕状まで出た事件を、新聞が積極的に取り上げなかったのはなぜか。それが揉み消されたのは、元支局長が首相と極めて緊密な関係にあったからか。検察が「不起訴処分」にしたものに大手メディアは敢えて異を唱えないという空気があるのだという。ニューヨーク・タイムズやBBCなどの海外メディアがしっかり報道しているのに、司法も政権に忖度しているような現状に対して、そこを突かないメディアが国民の目にはもどかしく映るのだ。

 その一方で、大手メディアが詳細に報道しないことからネットが大騒ぎになる。政治に対するチェック機能を果たすべきメディアが、ネット社会の中でチェックされるというように、国民が政治と同時に既存のメディアをも疑問視する状況が生まれているのだ。こういう環境の中で、メディアが信頼を保つには、ジャーナリズムの基本姿勢を問い直すことが必要になるとファクラー記者は言う。

 その先例として彼は、かつてニューヨーク・タイムズの女性記者が亡命イラク人からの情報をもとに、「イラクには大量破壊兵器がたくさんある」とスクープし、つぎつぎと特ダネを報道して脚光を浴びたが、結局それが全てうそだとわかった例を挙げる。つまり、これが政権の意図的なリークをそのまま記事にしたアクセス・ジャーナリズムの典型であり、怖いところでもある。結果的にこれがブッシュ政権のイラク戦争に口実を与えることになったのだが、その深い反省がアメリカのジャーナリズムにはあり、アクセス・ジャーナリズムに対する警戒心が高まったのだという。

 それに対して、アクセス・ジャーナリズムの主要舞台であり温床でもある日本の記者クラブの問題点が様々に明らかにされていく。記者クラブは、常に当局の発表だけを待ち、他を排して優先的特権的に政府の情報を寡占的に受けて、権力に都合のいい情報だけを国民に伝える役割を担っている。しかも安倍政権になってからは、アクセス・ジャーナリズムそのものも閉じる方向に向かい、政権べったりのメディアの幹部と首相は会食などを通じてアクセスを強めているが、これは「政権に批判的なメディアは締め出してやる」と言わんばかりのやり方だと、望月記者は言う。

 そしてまた、第二次安倍政権になってからは、メディアのコントロールとともに、司法への影響力が強まってきていると彼女は言い、その象徴的な例として、辺野古基地反対運動のリーダーでもある山城博治さんの不当逮捕と異例の長期勾留を挙げる。詩織さん事件も含め、こういう政権がらみの司法の動きや、最高裁の人事にまで政権の意向が反映される現実三権分立などあるのかと疑問を呈するのだ。

 ファクラー記者は、時の政府は自分の政権に都合の悪い存在を法的に潰そうといつも狙っていると言い、当時野党第一党だった民主党の小沢一郎代表の西松建設からの違法献金問題を例に挙げる。同様な献金を受けていた、自民党の森喜朗元総理大臣や二階俊博氏らは何も問われなかったのに、小沢代表だけが槍玉に挙げられ糾弾される。望月記者は、普段は話もできないくらいの東京地検の幹部が、自ら近づいてきて必死にリークしたのを見て、「これは何が何でも逮捕したいんだなと思ってやっているんだな。マスコミを使って世論を味方につけようとしているんだな」と思ったという。こうして、小沢氏の政治的影響力が著しく削がれたのだから、政権の画策は見事に功を奏したのだ。

 このように露骨な政権のメディア介入や司法支配に対して、ニューメディアの台頭がネット時代の政権監視役としての役割を果たしつつある現状を、ファクラー記者はアメリカの例を挙げて紹介する。韓国にもかつては日本の記者クラブ制度のようなものがあったが、2002年に市民グループが大統領選でネット・メディアを使って盧武鉉大統領を誕生させた実績から、ネット系ニューメディアが複数誕生し、政治ばかりではなく経済や社会問題にも影響を与えていると彼は言う。

 同じようにネット・メディアの非営利団体が日本でも注目されつつあることを、望月記者は紹介する。早稲田大学ジャーナリズム研究所のプロジェクトとして発足した「ワセダクロニクル」という調査報道メディアである(現在はNGO)。創刊号の「買われた記事~電通グループからの『成功報酬』」という記事で、いきなり注目を集めたという。共同通信が配信した医薬品の記事に対して、電通グループから報酬が払われたという特ダネである。他にも、アメリカのネット・メディア、バズフィード社とヤフーの合弁事業で2015年に設立された「バズフィードジャパン」がネット系ニューメディアとして成功しているという。とはいえ、まだまだ取材力が弱いので、人材やノウハウを持った既存のメディアの強みといかに合体させていくかが今後の課題だという。

 メディアの基本は「不偏不党」「公平・中立・公正」だといわれるが、安倍政権にべったりの大手メディアもある。マスメディアがネット・メディアと共存していく関係の中では、改めてメディアの客観性・公共性とは何かが問われると望月記者は言い、なまじ中立神話などに寄りかかっていると、却って政府の強権に押し流されかねない危険性を指摘する。

 9条改憲と歴史修正主義、日米安全保障条約や日本の軍事力、日本が軍事大国化する現状などと話題は尽きないが、日米の気鋭のジャーナリスト同士の対談の中から、今日の政治とメディアの際どいせめぎ合いの現状と、ネット・メディアの可能性などが鮮明に浮かび上がってくる。
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●「砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を照らす意味を持つ」…相変わらずの最「低」裁かな?

2018年02月11日 00時00分18秒 | Weblog


東京新聞の記事【砂川事件 高裁も再審認めず 元被告らの即時抗告棄却】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000249.html)と、
社説【砂川再審問題 歴史の闇を照らした】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017111802000163.html)。

 《事件では、五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に見つかった。元被告側はこれらを新証拠に、「公平な裁判を受ける憲法上の権利を侵害された」と主張し、罪の有無を判断せずに裁判を打ち切る「免訴」を求めて、一四年に地裁に再審請求した》。
 《最高裁の判決前に当時の同長官が米国側へ情報提供していた。この歴史の闇は忘れまい。公平な裁判を受ける権利は、憲法で保障されている。元被告や遺族は「公平な裁判ではない」と知り、再審を求めていた。きっかけは二〇〇八年に機密指定を解かれた米公文書である》。

 《五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に見つかった》…ということで、「三権の長でありながら米国の干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」をしていた訳です。
 《「公平な裁判を受ける憲法上の権利を侵害された」と主張し、罪の有無を判断せずに裁判を打ち切る「免訴」を求めて、一四年に地裁に再審請求》していた訳ですが、東京高裁の秋葉康弘裁判長はそれをあっさりと棄却しました。《不当にも即時抗告棄却》。
 …司法の腐敗具合が分かろうというもの…、独立性もヘッタクレも無いことが分かります。東京新聞の社説は《砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を照らす意味を持つ》と言います…が、相変わらずの最「低」裁かな、きっと? 何の期待も持てそうにない。

   『●「ダムを壊したら魚がもどってきた」
      『週刊金曜日』(2013年5月10日、942号)について

    「宇都宮健児さん【黒風白雨23 最高裁までが対米従属なのか】、
     砂川事件、「田中耕太郎最高裁判長が、上告審の公判日程や裁判の
     見通しを駐日米大使館関係者に対して漏らしていた事実…最高裁は、
     はっきりと釈明すべきであろう」」

   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
    「砂川事件の名判決に匹敵する(13:45-)」

   『●「憲法9条にノーベル賞を」!、暴走改憲を止める一矢に!
                    ~世界の笑いものにならないために~

    「安倍晋三首相や自民党幹部が集団的自衛権の行使を容認するため、
     一九五九年の最高裁による砂川事件判決を根拠にする考えを
     相次いで示している
。しかし、この判決は五十五年前のもの。
     歴代政権は判決を踏まえた上で、集団的自衛権の行使は
     「憲法上許されない」とした政府見解を三十三年前に定め、
     維持してきた。安倍首相らは今になって、判決に独自の考えを
     加えて解釈改憲に利用しようとしている
。この判決の無効を求める
     動きまであり、憲法解釈の根拠とすることの正当性も揺らいでいる。
     (金杉貴雄、新開浩)
      <砂川事件> 1957年、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地
     拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に立ち入り、7人が
     日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴された事件。
     東京地裁は59年3月、米軍駐留は憲法9条2項が禁ずる戦力の保持に
     当たり、違憲として無罪を言い渡した。検察側の上告を受け、最高裁は
     同年12月、9条は日本に自衛権があると認め、安保条約のような
     高度に政治的な問題は司法判断になじまないとも指摘。一審判決は
     破棄され、その後有罪が確定した。」

   『●「僕らは「戦争」を知らない?」
     『週刊金曜日』(2014年4月25日・5月2日合併号、989号)

    「長沼節夫氏【砂川闘争・伊達判決・最高裁判決から55年後の新事実
      米大使と密談重ねた最高裁判決は違法だと再審請求へ】、
     「…判決の背景には政治的圧力があった」。砂川事件
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/92b74a8ed74fe9714b565af899754410)」

   『●「上級審では国側が勝つこの国の裁判」
       ・・・・・・今度こそ、福井地裁の名判決を活かしたい

    「原告弁護団事務局長の笠原一浩弁護士は「原発のように科学的見解に
     複数の知見が存在するテーマだからこそ、万一の事故もあっては
     ならないという、最高裁の判断も踏まえた判決だと理解しています」と言い、
     控訴審に自信を示したが、不安がよぎる。過去を振り返れば、この国では
     「司法の独立」なんて絵に描いたモチで、
     住民側が苦汁をなめる判決が多いからだ。
      米軍基地に立ち入った学生7人が安保条約に伴う刑事特別法違反に
     問われた砂川事件(1957年)は、1審は米軍駐留そのものが違憲だ
     として全員無罪となったが、米政府などから圧力を加えられた
     最高裁では国が逆転勝訴した」

   『●砂川事件弁護団:「眼科病院に行ったらいい」
       「アクロバチックでむちゃ」「ふらちな拡張解釈」とまで指摘
   『●砂川事件: 「三権の長でありながら
       米国の干渉を受け入れ、司法の独立性を損なう裏切り」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000249.html

砂川事件 高裁も再審認めず 元被告らの即時抗告棄却
2017年11月15日 夕刊

     (東京高裁の正門前で棄却決定を知らせる旗を掲げる
      弁護団のメンバー=15日、東京・霞が関で)

 一九五七年に、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地に立ち入ったとして、基地拡張に反対する学生らが逮捕、起訴された「砂川事件」の再審請求で、東京高裁(秋葉康弘裁判長)は十五日、元被告ら四人の再審請求を認めなかった東京地裁の決定を維持し、この決定に対して元被告側が高裁に行った即時抗告を棄却した。

 事件では、五九年の一審東京地裁の無罪判決を破棄した最高裁の田中耕太郎長官(故人)が、上告審判決前に駐日米大使らに裁判の見通しなどを伝えたとする米公文書が二〇〇八年以降に見つかった。

 元被告側はこれらを新証拠に、「公平な裁判を受ける憲法上の権利を侵害された」と主張し、罪の有無を判断せずに裁判を打ち切る「免訴」を求めて、一四年に地裁に再審請求した。

 十五日の高裁決定は「刑事訴訟法では免訴を言い渡す場合を時効完成などに限定している。『公平な裁判所』に違反したとしても、免訴はできない」として、請求を退けた。田中長官が米大使らに裁判の見通しを伝えたとする公文書の内容や、公平な裁判を受ける権利が侵害されたかについては判断を示さなかった。

 元被告側の四人は、静岡市葵区の土屋源太郎さん(83)、神奈川県茅ケ崎市の椎野徳蔵さん(85)、福岡県篠栗町の武藤軍一郎さん(83)、一三年に八十三歳で死去した坂田茂さんの長女の和子さん(60)=川崎市。


◆支援者ら「不当」

 「不当にも即時抗告棄却」。東京高裁の正門前では午前十一時半すぎ、事件の弁護団らが硬い表情で決定内容を伝える旗を掲げた。集まった支援者からは「どれだけやれば、公平な裁判が行われるのか」と不満の声が上がった。

 支援団体「伊達判決を生かす会」共同代表の島田清作さん(79)=立川市=は「証拠を見れば再審が認められると期待していたが、がっかりした。関係者も八十代になり時間がない」と焦燥感を募らせた。支援者の一人の東准二さん(72)=神奈川県茅ケ崎市=は「これだけの証拠があるのに正しく評価されないのは、どういうことなのか」と怒りを隠せない様子だった。


 <砂川事件> 1957年7月、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に抗議するデモ隊の一部が基地に立ち入り、7人が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪で起訴された。東京地裁は59年3月、米軍駐留は戦力の保持を禁じた憲法9条に違反するとして全員に無罪を言い渡した。検察側が上告し、最高裁は同年12月、安保条約は高度な政治問題で司法判断になじまないとして一審判決を破棄。63年に全員の有罪が確定した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017111802000163.html

【社説】
砂川再審問題 歴史の闇を照らした
2017年11月18日

 駐留米軍をめぐる砂川事件で有罪判決を受けた元被告らによる再審と免訴の求めは東京高裁が認めなかった。最高裁の判決前に当時の同長官が米国側へ情報提供していた。この歴史の闇は忘れまい。

 公平な裁判を受ける権利は、憲法で保障されている。元被告や遺族は「公平な裁判ではない」と知り、再審を求めていた。きっかけは二〇〇八年に機密指定を解かれた米公文書である。

 砂川事件は一九五七年に起きた。東京都砂川町(現立川市)の米軍基地拡張に反対するデモ隊の一部が刑事特別法違反の罪で起訴された。東京地裁は五九年、駐留米軍は憲法九条に反するとして無罪判決を出した

 検察側は最高裁に跳躍上告し、最高裁は同年末に「安保条約は一見極めて明白に違憲無効と認められない限り司法審査の対象外」と一審を破棄し、差し戻した。後に有罪が確定した。

 米公文書では、一審判決後に当時のマッカーサー駐日米大使が藤山愛一郎外相と会談して違憲判決を懸念し、東京高裁への控訴ではなく、最高裁へ跳躍上告すべきだとの考えを伝えた。さらに同大使が当時の田中耕太郎最高裁長官と密談してもいた。

 五九年にマッカーサー大使が米国務長官にあてた公電も明らかになった。田中長官が「(東京地裁の)伊達(秋雄)判事が判断を下したのは全く誤っていたと述べた」。しかも「下級審判決は覆されるだろうと思っている印象を受けた」と報告していたのだ。

 これは司法の独立性を揺るがしている。単なる個人の感想を述べたでは済まない。裁判の見通しを伝えた田中長官は少なくとも合議から外れるべきだった。元被告らが「公平な裁判ではない」と受け止めたのも当然といえよう。

 だが、不思議なことに今回の東京高裁の決定は、これらの田中長官の言動には一切触れないまま、再審の求めをあっさりと退けてしまったあたかも闇に葬り去るような姿勢ではなかろうか。

 ただ五九年の砂川判決は、全く無理筋であるにもかかわらず、現政権が集団的自衛権容認の根拠に使った判例でもあるこれが基になり安全保障法制ができた。そして違憲訴訟も起きている。現代的な意味も持っているのである。

 砂川事件の再審問題は、司法の歴史の闇を照らす意味を持つ。それゆえ最高裁には今後、ぜひ丁寧な回答を求めたい。
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●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」

2017年06月24日 00時00分11秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の社説【沖縄 あす慰霊の日 大田元知事を偲んで】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017062202000138.html)。

 《沖縄県の大田昌秀元知事が亡くなりました。鉄血勤皇隊として激烈な沖縄戦を体験し、戦後は一貫して平和を希求した生涯でした。沖縄はあす慰霊の日》。

   『●『DAYS JAPAN』(2014,JUL,Vol.11,No.7)の
                               最新号についてのつぶやき

     ■④『DAYS JAPAN』(2014,JUL,Vol.11,No.7) /
      大田昌秀元沖縄県知事【1.沖縄の戦争 
      軍隊は人を守らないという沖縄の教訓】、「鉄血勤皇隊の任務と
      壕での惨劇……食料の強奪と日本兵による暴力……非武装の
      王国への侵略者……その意味では、本土の日本人も米軍に
      加担しているのではないでしょうか?」

   『●「積極的平和主義」という愚:
      『軍隊は人を守らない』『戦争で得たものは憲法だけ』

 先日亡くなった大田昌秀元沖縄県知事の言葉で印象に残っているのは、《「軍隊は人を守らない」という沖縄の教訓》。

 社説によると、《「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」。大田さんが自著の中で繰り返し引用する、米紙ニューヨーク・タイムズの従軍記者ハンソン・ボールドウィンの言葉です》とあります。さらに、《「いくつもの地獄を同時に一個所に集めたかのような、悲惨極まる沖縄戦」で「無数の学友たちが人生の蕾(つぼみ)のままあたら尊い命を無残に戦野で奪い去られてしまう姿を目撃した」》とも…。

 《醜》い「本土」の仕打ちは今も続く。それは《醜さの極致な戦争》を再び引き起こす。《そこにあるのは、沖縄県民の苦悩をくみとろうとしない政権と、それを選挙で支える私たち有権者の姿です。大田さんはそれを「醜い日本人と断じました》。

 『マガジン9』に鈴木耕さんの「風塵だより」番外編が出ていました。【風塵だより 鈴木耕/番外編:大田昌秀さんへの、さびしい最終便】(http://maga9.jp/fujin170614/)。《1999年、21世紀を目前にして、ぼくは集英社新書の創刊準備に大忙しだった。その中で、ぼくがどうしても作りたかった本の1冊が『沖縄、基地なき島への道標』だった。沖縄の新書、それは絶対に大田昌秀著でなければならないと、ぼくは思い定めていた。……
 沖縄は、大田さんの思い描くような進み行きとは、まったくほど遠い現状だ。「基地なき島への道標」をあれほどしっかりと示してくれたのに、それを無視して基地を押しつける日本政府
 でも、沖縄の闘いは決して挫けてはいない。大田さんの遺志を継ぐ人たちは、後から後から湧き出てくる。
 ぼくも、また沖縄へ行く。
 大田さんのお墓に花を捧げて来よう。
 さようなら、大田昌秀さん。…ぼくの好きな先生…。》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017062202000138.html

【社説】
沖縄 あす慰霊の日 大田元知事を偲んで
2017年6月22日

 沖縄県の大田昌秀元知事が亡くなりました。鉄血勤皇隊として激烈な沖縄戦を体験し、戦後は一貫して平和を希求した生涯でした。沖縄はあす慰霊の日

 人懐っこい笑顔の中に、不屈の闘志を感じさせる生涯でした。

 今月十二日、九十二歳の誕生日当日に亡くなった大田さん。琉球大学教授を経て一九九〇年から沖縄県知事を八年間、二〇〇一年から参院議員を六年間務めました。

 ジャーナリズム研究の学者として沖縄戦の実相究明に取り組み、知事時代には「絶対に二度と同じ悲劇を繰り返させてはならない」との決意から、平和行政を県政運営の柱に位置付けます。


◆「平和の使徒」として

 敵味方や国籍を問わず戦没者の名前を刻んだ平和の礎(いしじ)を建立し、沖縄県に集中する在日米軍基地の撤去も訴えました。

 「全ての人々に、戦争の愚かさや平和の尊さを認識させるために生涯を送った『平和の使徒』だった」。長年親交のあった比嘉幹郎元県副知事は告別式の弔辞で、大田さんの生涯を振り返りました。

 大田さんはなぜ、学者として、そして政治家として一貫して平和の大切さを訴えたのでしょうか。

 その原点は、大田さんが「鉄血勤皇隊」として、凄惨(せいさん)な沖縄戦を体験したことにあります。

 太平洋戦争末期、沖縄県は日本国内で唯一、住民を巻き込んだ大規模な地上戦の舞台と化します。当時、四十万県民の三分の一が亡くなったとされる激烈な戦闘でした。

 鉄血勤皇隊は、兵力不足を補うために沖縄県内の師範学校や中学校から駆り出された男子学徒らで編成された学徒隊です。

 旧日本軍部隊に学校ごとに配属され、通信、情報伝達などの業務のほか、戦闘も命じられました。女子学徒も看護要員として動員され、学校別に「ひめゆり学徒隊」などと呼ばれます。


醜さの極致の戦場

 沖縄県の資料によると、生徒と教師の男女合わせて千九百八十七人が動員され、千十八人が亡くなりました。動員された半数以上が犠牲を強いられたのです。

 沖縄師範学校二年に在学していた大田さんも鉄血勤皇隊の一員として動員され、沖縄守備軍の情報宣伝部隊に配属されました。大本営発表や戦況を地下壕(ごう)に潜む兵士や住民に知らせる役割です。

 当初は首里が拠点でしたが、後に「鉄の暴風」と呼ばれる米軍の激しい空襲や艦砲射撃による戦況の悪化とともに本島南部へと追い詰められます。そこで見たのは凄惨な戦場の光景でした。

 最後の編著となった「鉄血勤皇隊」(高文研)にこう記します。

 「いくつもの地獄を同時に一個所に集めたかのような、悲惨極まる沖縄戦」で「無数の学友たちが人生の蕾(つぼみ)のままあたら尊い命を無残に戦野で奪い去られてしまう姿を目撃した」と。

 多くの住民が戦場をさまよい、追い詰められ、命を落とす。味方であるべき日本兵が、住民を壕から追い出し、食料を奪う。

 「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」。大田さんが自著の中で繰り返し引用する、米紙ニューヨーク・タイムズの従軍記者ハンソン・ボールドウィンの言葉です。

 その沖縄戦は七十二年前のあす二十三日、日本軍による組織的な戦闘の終結で終わります。大田さんも米軍の捕虜となりました。

 戦後、大学教授から県知事となった大田さんが強く訴えたのが沖縄からの米軍基地撤去です。

 背景には軍隊は住民を守らないという沖縄戦からの教訓に加え、なぜ沖縄だけが過重な基地負担を強いられているのか、という問い掛けがあります。

 沖縄県には今もなお、在日米軍専用施設の約70%が集中しています。事故や騒音、米兵による事件や事故は後を絶ちません。基地周辺の住民にとっては、平穏な暮らしを脅かす存在です。

 七二年の本土復帰後を見ても、本土の米軍施設は60%縮小されましたが、沖縄では35%。日米安全保障条約体制による恩恵を受けながら、その負担は沖縄県民により多く押し付ける構図です。


◆進まぬ米軍基地縮小

 九五年の少女暴行事件を契機に合意された米軍普天間飛行場の返還でも、県外移設を求める県民の声は安倍政権によって封殺され、県内移設が強行されています。

 そこにあるのは、沖縄県民の苦悩をくみとろうとしない政権と、それを選挙で支える私たち有権者の姿です。大田さんはそれを「醜い日本人と断じました

 耳の痛い話ですが、沖縄からの異議申し立てに私たちは誠実に答えているでしょうか

 慰霊の日に当たり、大田さんを偲(しの)ぶとともに、その問い掛けへの答えを、私たち全員で探さねばならないと思うのです。
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●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』…戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」

2017年04月24日 00時00分05秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の宮尾幹成記者の記事【米副大統領「平和は力で達成される」 安倍首相、連携強化で一致】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017041902000124.html)と、
社説【安倍・ペンス会談 平和解決へ日米連携を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017041902000140.html)。

 《首相は冒頭で「対話のための対話は意味がない」と指摘。ペンス氏は「平和は力によってのみ達成される」と語った上で、日本など同盟国とともに行動する考えを示した。会談に同席した萩生田光一官房副長官…》。
 《トランプ政権は軍事攻撃を排除していないが、日米両政府は連携して平和的解決の道を探るべきである》。


 まず、《会談で…、沖縄の米軍基地負担軽減に連携して取り組むことも確認》って、噴飯もの。一体どこら辺が「沖縄の米軍基地負担軽減」なのかを教えてもらいたいよ、全く。《不測の事態が、朝鮮半島での本格的な軍事行動に発展すれば、在日米軍基地が多く所在する日本も無傷ではいられまい》…現実に《米中の「新たな戦争の「防波堤」》の大半がどこに存在しているのか?

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
               …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
               …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)

    「そして、《さらに切迫した問題》として、南西諸島での自衛隊配備
     による「住民分断」。アメリカが画策し、日本政府が悪乗りする
     《「統合エアシーバトル構想」…アメリカと中国の争いに自衛隊と
     南西諸島が差し出され、新たな戦争の「防波堤」にされようとしている》。
     アメリカの意のままに、アベ様らのやりたい放題ではないか。でも、
     第一《防波堤》としての《日本全土がアメリカの「風かたか」》…
     《米中の「新たな戦争の「防波堤」に》なっているのは南西諸島を
     含むニッポン列島全体」

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
    「最後に、東京新聞の記事【自民、「敵基地攻撃」保有提言へ 
     北朝鮮脅威でミサイル防衛強化】
     (http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017032801002289.html)に、
     《自民党安全保障調査会…発射拠点を破壊するいわゆる
      「敵基地攻撃能力」の保有を直ちに検討するよう求めている…
       敵基地攻撃に関し、政府は法的に可能との立場だが…》。
      正気とは思えません。「裸の王様」壊憲王の「外交音痴
     「無定見外交」を暴露しているようなもの…愚かすぎる。
      次は「核」がほしい、と言い始めるにきまっています」

   『●「外交音痴、政治音痴、もう政治家とは呼べない領域」な
            失言王・萩生田光一氏…成果無しなアベ様外交
   『●歴史学者らの公開質問状に、「侵略の定義は  
       国際的にも定まっていない」というアベ様はどう応えるのか?
   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
    「こういったリテラ記事に添えられている「自由民主党HPより」の図
     ご覧あれ…その極めつきのウソツキぶりが明確に、呆れるほどに。
       《不戦の誓いを守り続ける
        そして、国民の命と
        平和な暮らしを守り抜く
        平和安全法制

     …噴飯もので、冗談としか思えない詐称


 あぁ、「力によってのみ」「軍事攻撃を排除していない」だってさ、…アベ様が番犬様を諌める訳もなく、危険な方向へ突き進んでいる。デンデン王国「裸の王様」の周りは、外交音痴氏も含めて、こんな取巻きばかりでウンザリ。

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/安倍政権まるで戦争前のめり】(http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1810508.html)によると、《★元民進党議員・山内康一は…この発言を「普通の日本語に翻訳すると『米国の軍事力行使を日本は支持する』という意味。『米国の戦争に巻き込まれる』というレベルではなく戦争を積極的に肯定しているレベルです。サラッと報道しているメディアはどうかしていると思います。重大かつ危険な発言です。嘆かわしいことです」》とのこと。
 アベ様らときたら、もう既に大きく一線を越えようとしている。《あくまでも非軍事的解決の道を探るべき》はずなのに…。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017041902000124.html

米副大統領「平和は力で達成される」 安倍首相、連携強化で一致
2017年4月19日 朝刊

     (会談の席でペンス米副大統領(左)と握手する安倍首相
       =18日午後、首相公邸で(代表撮影))

 安倍晋三首相は十八日、ペンス米副大統領と公邸で会談し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、日米で圧力を強める方針を確認した。首相は冒頭で「対話のための対話は意味がない」と指摘。ペンス氏は「平和は力によってのみ達成される」と語った上で、日本など同盟国とともに行動する考えを示した。

 会談に同席した萩生田光一官房副長官によると、首相とペンス氏は北朝鮮の挑発行動を阻止するため、中国がさらに大きな役割を果たすよう働き掛けを強めることで一致した。ペンス氏は「中国はこの問題をきちんと理解し、同じ行動をとってもらえると期待している」と話した。

 首相は外交的、平和的な解決を目指すことを前提に「北朝鮮が真剣に対話に応じるように圧力をかけていくことも必要だ」と指摘。軍事力行使を含む「全ての選択肢」を掲げるトランプ政権の姿勢を評価するとあらためて表明した。

 ペンス氏は会談後の記者会見で「北朝鮮が核・ミサイルの開発計画を放棄するまで圧力を強化する」と語った。

 会談で、拉致問題の早期解決や、沖縄の米軍基地負担軽減に連携して取り組むことも確認した。ペンス氏は沖縄県尖閣諸島は米国の防衛義務を定めた日米安全保障条約第五条の適用対象だと明言した。

 会談は約一時間半。昼食を交えた前半は岸田文雄外相や世耕弘成経済産業相、ロス米商務長官らが同席した。後半は首相とペンス氏を含め日米五人ずつの少人数会合になった。 (宮尾幹成
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017041902000140.html

【社説】
安倍・ペンス会談 平和解決へ日米連携を
2017年4月19日

 ペンス米副大統領が安倍晋三首相と会談した。北朝鮮情勢が緊迫する中での来日だ。トランプ政権は軍事攻撃を排除していないが、日米両政府は連携して平和的解決の道を探るべきである

 北朝鮮に国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言に違反する核、ミサイル開発をどうやって断念させるのか。日本や周辺国にとって安全保障上の脅威を取り除く上で重要な課題である。

 首相は副大統領との会談冒頭、北朝鮮情勢について「外交的に平和的に解決していかねばならないが、対話のための対話になっては意味がない。北朝鮮が対話に応じるように圧力をかけていくことも必要だ」と強調した。

 オバマ前政権の「戦略的忍耐」政策を転換して、軍事攻撃を含む「あらゆる選択肢が机上にある」とするトランプ政権は、原子力空母「カール・ビンソン」中心の空母打撃群を派遣するなど、北朝鮮への軍事的圧力を強めている。

 首相の発言は北朝鮮に「対話と圧力」で臨む日本政府の姿勢を示したものだが、米国の軍事的圧力を支持し、米軍に積極的に協力する姿勢を示したものでもある。

 対話を呼び掛けるだけで北朝鮮が核、ミサイル開発の断念に応じるようなことはないだろう。残念ながら軍事力の存在がなければ、交渉のテーブルに着けることすらできないというのが、国際政治の現実ではある。

 とはいえ、相手の挑発に乗って緊張を高めていいものでもない

 不測の事態が、朝鮮半島での本格的な軍事行動に発展すれば、在日米軍基地が多く所在する日本も無傷ではいられまい。

 北朝鮮は故金日成主席の生誕百五年に当たる十五日に軍事パレード、翌十六日にミサイル発射実験を行ったものの、懸念されていた通算六度目の核実験は見送った。

 先の最高人民会議では「外交委員会」を十九年ぶりに復活させるなど、孤立打開のための外交戦略に乗り出す可能性も指摘される。

 二十五日の朝鮮人民軍の創設八十五年を機に新たな挑発行動に出るのか否かは予測がつかないが、北朝鮮側の変化も慎重に読み取る必要がある。

 北朝鮮に核、ミサイル開発を平和裏に断念させるためには、中国が果たすべき役割は特に大きい。

 日米両政府は日米安全保障条約体制を「北東アジアの礎石」と位置づける。だとしたら、日米両国が連携して、中国の協力を得るために力を惜しむべきではない。
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●トンだ「負担軽減」!…稲嶺進さんは《異常事態だ。日本政府はわれわれを国民として見ているのか》と批判

2017年02月10日 00時00分21秒 | Weblog


東京新聞の社説【辺野古海上工事 民意は置き去りなのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017020702000134.html)。

 《日本は法治国家だが民主主義国家でもある。安全保障は国の専管事項でも、選挙に表れた沖縄県民の民意を置き去りにしては、日米安全保障条約で課せられた基地提供の義務は円滑には果たせまい》。

 《日本は法治国家だが民主主義国家でもある》って、ご冗談を。デンデン王国は無「法治国家」であり、国王様アベ様による人治主義国家

   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが
     文句を言うのは許されないというのが安倍政権の立場」
   『●仲井真氏は「空手形」を承知の上で「いい正月」を
      迎えていたのでは?・・米側が「空想のような見通し」と
   『●本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
      「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」
   『●翁長雄志知事、再度の決意表明: 「安倍晋三首相は
        「急がば回れだ」と言うが…政府の選択は誤りだった」
   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに
     喜びを感じている変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…
   『●「菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない 
     翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家だ」と牽制」だって!?
   『●「岩礁破砕許可」というルールを曲げてでも辺野古破壊
         …ルール無用の無「法治国家」デンデン王国の実態


 トンだ「負担軽減」!…名護市長の稲嶺進さんは《異常事態だ日本政府はわれわれを国民として見ているのか》と批判したそうだ。当然だろう。ましてや、この期に及んで、まだ、最低の官房長官沖縄負担軽減担当相のスガ殿は、「三区の同意」というトンデモないデマまで持ち出し、「基地負担軽減」というウソを撒き散らす厚顔無恥ぶり。あまりの仕打ち、沖縄イジメ・沖縄差別。

   『●稲嶺進名護市長「やり方が普通じゃない。
        地方分権の無視だ。法治国家としてやることか」
   『●一体どこが法治国家か? アベ様やスガ殿ら
       自公議員(公明も同罪)がやっていることは「傲慢」で沖縄差別
    《菅義偉官房長官は……「一番被害がかかる地元の人たちも、
     条件つきで辺野古移設に賛同している」と強調した。しかし、
     ……辺野古区嘉陽宗克(かようむねかつ)区長は「全然違う」、
     久志区宮里武継区長は「誤解だ」と否定。宮里氏は区が
     以前行った移設反対決議が「まだ生きている」と強調した。
     豊原区宮城行雄区長は「基地に来てほしいなんていう人は、
     誰ひとりいない」と話した》

   『●こんな理不尽なことが許されるのか!  
       アベ様らは辺野古や高江で一体何をやっているのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017020702000134.html

【社説】
辺野古海上工事 民意は置き去りなのか
2017年2月7日

 日本は法治国家だが民主主義国家でもある。安全保障は国の専管事項でも、選挙に表れた沖縄県民の民意を置き去りにしては、日米安全保障条約で課せられた基地提供の義務は円滑には果たせまい。

 政府がきのう、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の「移設」に向けて、名護市辺野古の海上で代替施設の本体工事に着手した。海水の汚濁拡散を防ぐ防止膜の設置を経て、五月にも埋め立て区域の護岸造成を始める、という。

 沖縄県や名護市など、地元自治体が強く反対する中での工事の着手である。到底、容認できない

 政府が海上での工事に着手したのは、沖縄県と国とが争っていた裁判で昨年十二月、県側の敗訴が最高裁で確定したためでもある。

 菅義偉官房長官は会見でわが国は法治国家だ最高裁判決や和解の趣旨に従い、国と県が協力して誠実に対応し、埋め立て工事を進める」と工事を正当化した。

 確定判決に従うのは当然だが、日本は民主主義国家でもある。

 安倍内閣は自由、民主主義、人権、法の支配という基本的価値を重んじると言いながら、翁長雄志県知事や稲嶺進名護市長に託された県内移設反対の民意なぜないがしろにできるのか

 訓練に伴う騒音や事故、米兵らによる事件など、米軍基地の存在に伴う地元住民の負担は重い

 昨年、米軍北部訓練場が部分返還されたが、それでも沖縄県内には在日米軍専用施設の七割が集中する。日米安保体制を支えるため沖縄県民がより多くの基地負担を強いられる実態は変わらない。

 北部訓練場返還はヘリパッドの新設が条件だった。普天間返還も代替施設建設が条件だ。県内で基地を「たらい回し」しても県民の負担は抜本的には軽減されない国外・県外移設こそ負担を抜本的に軽減する解決策ではないのか。

 安倍内閣はマティス米国防長官と、辺野古移設が唯一の解決策と確認したが、硬直的な発想は問題解決を遠のかせる。政府は工事強行ではなく、いま一度、沖縄県民を代表する翁長氏と話し合いのテーブルに着いたらどうか。

 稲嶺氏は、海上での工事着手を「異常事態だ。日本政府はわれわれを国民として見ているのか」と批判した。怒りの矛先は、法治国家と言いながら、憲法に定められた基本的人権を沖縄県民には認めようとしない政府に向けられている。本土に住む私たちも、そのことを自覚しなければならない。
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●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ

2017年01月21日 00時00分14秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>核密約非公開要請 国民の「知る権利」に応えよ】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-422218.html)。

 《国民の「知る権利」を侵害するあきれた隠蔽(いんぺい)体質である。外務省が米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む1950年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していた。西日本新聞が入手した米公文書で明らかになった》。

   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
    「「無いんだから仕方ないジャン」、「捨てちゃったのだからもういいジャン」
     という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまったのならば、
     それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を呼んだ
     こんな重要な文章が、そういう風にいい加減に取り扱われていて
     大丈夫なのか? 廃棄を指示したのは一体誰で、
     実行したのは一体誰?」

   『●密約破棄
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

 歴代自民党政権・官僚の隠蔽体質とそれを裁けない最「低」裁。今回は、外務省が、核密約の公文書の非公開を米政府に要請していたというもの。一方で、表では、《日本側は「ない」と言い張ってきた状況は異様》。

   『●自公投票者が目指す社会ってどんなモノ?
       アベ様の「政」、善政の例が一つも思い浮かばない…

 アベ様からして《職務上の責任感》《未来への覚悟と責任感》が欠如している。東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017010502000135.html)には、《▼そういう「職務上の責任感を発揮する人物は、いなかったのか。アフリカの南スーダンで国連平和維持活動に参加する陸上自衛隊の部隊が、日報を廃棄していたという。現地で大規模な武力衝突が起きた際のことを記録した文書を消し去っていたのだ▼廃棄ばかりではない。政府や電力業界の幹部たちが核燃料サイクル事業の今後について話し合った「五者協議会」にいたっては、議事録すら作っていなかったという。大切な会議の記録もなしに後からどう検証をしようというのか▼問われているのは、記録を作り、守ることへの覚悟と責任感だけではない。未来への覚悟と責任感だろう》という指摘。

   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた:  
       アベ様達と何を協議したのか「内情」をどう検証?
    「2014年7月1日「7・1クーデター」、その議事録さえないそうです。
     歴史の検証もすることが出来ない「7・1クーデター」。
     反知性的タカ派なアベ王様による独裁政治……
     アベ王国国王様の「人治主義国家
    「「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」……アベ様達からして

   『●「5月0日」?…内閣法制局は安保関連法案の
       審査をいつ決裁したのか? そもそも審査したのか??
   『●アベ様「TPP断固反対といったことは一回も、
      ただの一回もございません」…TPPのみならずウソだらけ
   『●東京電力を何かと支援したい
     原子力「寄生」「委は、公文書管理法の趣旨を理解していない」
   『●「廃棄」どころか、議事録さへ作成しないことを
            「謀議」して決めた?…「謀議の犯罪性」?
    《首相・安倍晋三は「共謀罪」…組織犯罪処罰法改正案…
     ★この法案議論の際に念頭に置いていただきたいのは、
     5日付東京新聞の筆洗が指摘する記録の大切さだ

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http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-422218.html

<社説>核密約非公開要請 国民の「知る権利」に応えよ
2017年1月5日 06:01

 国民の「知る権利」を侵害するあきれた隠蔽(いんぺい)体質である。

 外務省が米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む1950年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していた。西日本新聞が入手した米公文書で明らかになった。

 公文書は主権者である国民の共通財産である。それを官僚の都合で非公開にするとは、民主主義を否定する行為だ。外交交渉の経過を明らかにすることは国民の「知る権利を保障することであり、行政にとって「説明責任を果たすことになる。

 外務省による非公開要請は80年代から慣例化し、現在も随時行われているという。外務省に対し非公開要請の撤回を強く求める。

 日本側が非公開を求めたテーマは(1)核兵器の持ち込み、貯蔵、配置ならびに在日米軍の配置と使用に関する事前協議についての秘密了解(2)刑事裁判権(3)ジラード事件 [引用者注: ウィキペディアリンク](4)北方領土問題(5)安保改定を巡る全般的な討議-の5項目。

 これは米政府の情報公開に対する内政干渉だ。米側は最終的に核密約と刑事裁判権以外のテーマには応じられないと決定した。核密約は「米核搭載艦船の通過・寄港を事前協議の対象外とした核持ち込み容認の密約」で、今も関連文書の一部は非公開だ。刑事裁判権とは米兵らの公務外犯罪のうち重要事件以外は日本政府が裁判権を放棄したとされる問題とみられるという。米側はこれらの要請も拒否すべきだった。

 米国は50年に連邦記録法が成立し、67年に情報自由化法が施行された。記録法によって意図的な廃棄や隠蔽は禁固刑に処されるなど公文書は厳しく管理されている。そして情報自由化法で国民に公開する。二つの法律は「車の両輪」といえる。

 日本は2001年に情報公開法が施行され、公文書管理法は09年にようやく成立した。これらの法律を施行する前の00年度に行政文書1282トンが廃棄され、「知る権利を担保する国民の財産が大量に失われてしまった

 15年には「何が秘密かすら秘密」という特定秘密保護法が施行された。今回明らかになった外務省の隠蔽体質に加えて、秘密保護法によって国民が知らない間に必要な情報ですら秘密とされ闇に葬られることを許してはならない。
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