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●西山太吉さんを見殺し…《結果として、その後の日米関係はどのような「隷属の道」を辿ることになったのか…今もわれわれ一人ひとりの喉元に…》

2023年07月07日 00時00分08秒 | Weblog

[※ 沖縄復帰50年 利用され続けた海と大地/西山太吉 「密約」を語る (週刊金曜日、2022年5月13日1376号)↑]


(20230621[])
偽りの日米関係偽りの沖縄返還の尻尾を捕まえて、これをすっぱ抜いた伝説の記者西山太吉さん。(神保哲生さん)《これだけの大ニュースだ。本来であれば、この記事を発端に偽りの日米関係の実態が次々と明らかになりアメリカに隷属することで日本国内で安定的な権力が確保できるという現在の日本の国辱的な属国体質は、もっと早くに改善されるはずだった》のだが…。様々な意味で、西山太吉さんは《見殺し》にされた。《ジャーナリズム界最高の栄誉とされるピュリッツァー賞を受賞》してもおかしくないレベルの大スクープだったのに…。「ペンタゴン・ペーパー」報道と比較して、《ところが、同じく政府の壮大な嘘がばれた日本はどうなっただろうか。》 《強面のニクソン政権と言えども、アメリカ中の新聞をすべて差し止めることなどできるはずもなかった》…一方、ニッポンでは、ニッポン中の新聞をすべて差し止め》たかのように、《すっぱ抜きを後追いする社は一つも無かった》。日・米での結果の彼我の差はなぜ?

 再びの引用。日刊ゲンダイのコラム【佐高信「追悼譜」/西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319554)によると、《国家の嘘を暴いた元『毎日新聞』記者の西山太吉の死を各新聞を含むメディアがそれなりに大きく取り上げている。しかし、報じたメディアは西山の怒りがそのメディアにも向けられていることを知っているのだろうか》。
 佐高さんの「追悼譜」タイトルが示す通り、《西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ》。無念だった、と思う。

   『●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、
      今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【偽りの沖縄返還を暴いた伝説の記者・西山太吉の遺言/マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1101回)】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1101)によると、《なぜあの時日本は西山氏を見殺しにしたのか。西山氏の取材手法を非難したとしても、なぜ同時にそこで暴かれた密約をきちんと追求できなかったのかその結果として、その後の日米関係はどのような「隷属の道」を辿ることになったのか。これは決して過去の話ではなく、今もわれわれ一人ひとりの喉元に突きつけられた匕首なのではないか。》

   『●三十数年前の映画 ~『密約 ―外務省機密漏洩事件―』
   『●『密約 ~外務省機密漏洩事件~』読了
   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
      「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
     「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
      (佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。
      また、「西山事件が
      示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。
      その時の権力に
      よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
     「「公務員法でも政と官がその気になれば、
      ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
      それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
      自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
      のでしょう?」

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
       伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
     「田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、
       本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で…
      「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム
      (SPEEDI)」や
      被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ…
      身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
       ホント~にロクでもない事ばかりする政権!」

   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
              メディアが入っている」非民主国
   『●密約破棄
     「自民党の政治家の顔色を見てもみ消したわけですね。西山太吉
      元毎日新聞記者の記者生命を奪っておいて、さんざん嘘を吐き、
      最後はもみ消してあげるわけ」

   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
          という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ
   『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
       沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」
   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
     「「無いんだから仕方ないジャン」、
      「捨てちゃっただからもういいジャン」
      という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまった
      のならば、それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を
      呼んだこんな重要な文章が、
      そういう風にいい加減に取り扱われていて大丈夫なのか? 
      廃棄を指示したのは一体誰で、実行したのは一体誰?」

   『●西山太吉さんが喝破、
      「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
         報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
    「リテラの記事【森友文書改ざん問題を彷彿と話題の映画
     『ペンタゴン・ペーパーズ』! 三浦瑠麗はまたトンチンカンコメント】」

   『●政権広報「アベ様のNHK」への切っ掛け…アベ様や
       中川昭一氏に「勘ぐれ、お前」と忖度を強要されて…
    《綿井健陽さん…「報道やジャーナリズムに携わる者が、
     「言論・報道の自由」という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、
     それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。
     たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの
     安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞
     西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、
     最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と
     文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは
     「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での
     〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった》

   『●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、
      国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》
   『●西山太吉さん亡くなる: 事件の本質のすり替えであり、「西山事件」に
     非ず…《今も政府は密約を認めない…「返還密約事件」は終わっていない》

   『●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、
      今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1101


西山太吉×宮台真司×神保哲生:偽りの沖縄返還を暴いた伝説の記者・西山太吉の遺言【ダイジェスト】】
https://youtu.be/FYS1qSLLwoY

完全版part1 ( 42分 15秒 )  https://youtu.be/6a-YWupmt10
完全版part2 ( 44分 14秒 )  https://youtu.be/fHyV8HzaSgw


2022年05月14日公開
偽りの沖縄返還を暴いた伝説の記者・西山太吉の遺言
マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1101回)


ゲスト
西山太吉 (にしやま たきち)
元毎日新聞記者
その他の放送 (3件)

1931年山口県生まれ。52年慶應義塾大学法学部卒業。54年慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修了。同年毎日新聞社入社。横浜支局、経済部を経て、政治部記者として首相官邸、自民党、外務省などを担当。72年沖縄密約取材をめぐり、国家公務員法違反容疑で逮捕・起訴。一審無罪、二審で逆転有罪、78年、最高裁で有罪確定(懲役4ヵ月、執行猶予1年)。74年毎日新聞社を退社し西山青果勤務。91年退職。著書に『沖縄密約 「情報犯罪」と日米同盟』、『記者と国家  西山太吉の遺言』など。


概要
 西山太吉さんの2023年2月のご逝去を受けて、過去の番組を追悼番組として無料で放送いたします。


 この5月15日で沖縄は本土返還50周年を迎える。終戦と同時に始まった米軍の4半世紀にわたる占領が解かれ、沖縄の施政権が日本に返還された記念日は、本来であれば日本にとっても沖縄にとっても祝うべきおめでたい日なのかもしれない。

 しかし、実は50年前、沖縄は完全に日本に返されたわけではなかった。それは沖縄の施政権を返還するにあたり、当時の日米政府間では米軍が沖縄の基地を自由に使用し続けることを認めるという密約が存在していたからだ。にもかかわらず当時の佐藤政権は「核抜き、本土なみ」などというスローガンであたかも沖縄が無条件で日本に返還され、これから沖縄は日本の他の都道府県と同様の地位を得るかのような幻想をしきりと喧伝した。もちろん核兵器もないし、基地負担も他県と同等程度になるはずだった

 ところが、これがとんでもない嘘だった。そして、沖縄はその後も基地負担に喘ぎ続けることになるが、それが沖縄返還時の両国が密かに合意した条件だったのだ。

 その偽りの日米関係偽りの沖縄返還の尻尾を捕まえて、これをすっぱ抜いた伝説の記者がいる。元毎日新聞記者の西山太吉氏だ。今年、齢91歳となる西山氏は、日米間で沖縄返還を巡る交渉が大詰めを迎えていた1971年6月、日米間の機密電文を入手し、両国の間には国民に説明されていない密約が存在することを暴く記事を書いたのだ。

 これだけの大ニュースだ。本来であれば、この記事を発端に偽りの日米関係の実態が次々と明らかになりアメリカに隷属することで日本国内で安定的な権力が確保できるという現在の日本の国辱的な属国体質は、もっと早くに改善されるはずだった

 実はアメリカでもほぼ同時期に有名な機密暴露報道があった。西山氏が密約をすっぱ抜いた2日後の1971年6月13日、機密指定されていた国防総省の内部文書「ペンタゴンペーパー」が、内部告発者ダニエル・エルズバーグ博士によって持ち出され、これを入手したニューヨークタイムズがスクープしたことをきっかけに、それまでのアメリカ政府によるベトナム戦争に関する嘘が次々と明らかになっていた

 アメリカではペンタゴンペーパー報道の結果、アメリカ国民がベトナム戦争の実態を知ることとなりニクソン政権がベトナム戦争に対する国民の支持を失った結果、4年後のアメリカによるベトナムからの撤退につながっている。そして、これを報じたニューヨークタイムズのニール・シーハン記者はジャーナリズム界最高の栄誉とされるピュリッツァー賞を受賞する一方で、支持率が低迷したニクソン政権はその後、ウォーターゲート事件を引き起こし、アメリカ史上初の現職大統領の辞任へとつながっていった。ところが、同じく政府の壮大な嘘がばれた日本はどうなっただろうか

 まず、当時、西山記者のすっぱ抜きを後追いする社は一つも無かった。記者会見で密約の存在を質したりする記者もまったくいなかったと西山氏は言う。結果的に、国家機密を暴いた毎日新聞、とりわけ当時、同社の外務省記者クラブのキャップだった西山氏だけが矢面に立つこととなった。ペンタゴンペーパーをスクープしたニューヨークタイムズも、ニクソン政権が取った法的措置によって発行が差し止められていたが、ペンタゴンペーパーはワシントン・ポストを始めとする全米の新聞が後追いで内容を報じ続けたために、政府は嘘を隠し通すことができなくなっていた。強面のニクソン政権と言えども、アメリカ中の新聞をすべて差し止めることなどできるはずもなかった

 しかも、西山氏と西山氏に機密文書を渡した外務省の女性事務官を公務員法違反起訴した検察が、起訴状の中で「密かに情を通じ」という表現で西山氏と事務官の間の男女関係にことさらに焦点を当てたことで、日本では西山氏の情報の入手手段に対する一斉攻撃が始まった。「沖縄密約佐藤内閣が日本国民に対してアメリカとの合意内容について嘘の説明をしている問題」がいつのまにか「外務省機密情報漏洩事件となり気がつけば密約とはまったく関係のない毎日新聞記者と外務省女性事務官の不倫スキャンダルすり替えられてしまったのだ。もはや日本には、密約や政府の嘘を問題視する空気感は残っていなかった

 それから4半世紀が過ぎ、アメリカで機密指定されていた沖縄返還交渉に関わる膨大な量の公文書の機密が解除されたことで、1990年代後半になって日米密約の存在が明らかになった西山氏の報道内容が正しかったことも、初めてそこで裏付けられたが、時既に遅し。西山氏は裁判の一審で無罪判決を受けた1974年に毎日新聞を退社し、地元小倉に戻り家業の青果店を継ぐ選択を下していた。アメリカ側の公開文書によって密約の存在が明らかになった後、西山氏の名誉を回復するための国賠訴訟や密約の存在を確認するための情報公開請求訴訟などが提起されたが、裁判所はいずれもこれを退けている。アメリカ側の公式文書でその存在が確認された今となっても、日本政府は未だに密約の存在を正式には認めていないのだ。

 アメリカではペンタゴンペーパーの存在を暴いたニューヨークタイムズのシーハン記者がピュリッツァー賞を受賞し、ニューヨークタイムズもその報道によって高級紙としての地位を確固たるものとした。その一方で、日本でほぼ同時期に政府の嘘を暴いた西山氏は、逮捕された上に筆を折りジャーナリスト活動を廃業せざるを得なくなった。この事件で社会から指弾された毎日新聞はそこから一気に部数を落とした挙げ句、事件から6年後の1977年には事実上の倒産をしている。また、アメリカではニクソン大統領がその後、辞任に追い込まれたが、一方の佐藤栄作首相は沖縄返還を実現したことが評価され、ノーベル平和賞まで受賞している。両国のこのギャップは一体何なのだろうか

 西山氏の情報入手方法の是非については、メディア論としては色々な議論があって然るべきだろう。また、西山氏が国会で政府を追及させるために、入手した機密情報の一部を当時の社会党の国会議員に渡したことも、仮に目的が公益的なものであったとしても、メディア倫理上、その是非は当然議論されて然るべきものだ。また、守秘義務を負っている公務員に機密を持ち出させてそれを報じた以上、公務員法違反(そそのかし罪)に問われることも覚悟はしなければならないだろう。しかし、それもこれも、その一方で、西山氏が暴いた政府の嘘がきちんと追求され、責任者がしかるべき責任を取らされるという大前提があればこその話だ

 西山氏の記事は密約のほんの一端を捉まえただけだった。西山氏はこれを「巨大な密約の尻尾を捕まえただけ」と表現する。しかし、例え尻尾でも、沖縄返還協定でアメリカ側が負担することになっていた原状回復費の400万ドル(当時のレートで約14億円あまり)を実は日本政府が負担し、国民には嘘の説明をして頬被りをしようとしていたことを白日の下に晒すものだったことに変わりはない。そして、実際には日本政府はアメリカとの間で沖縄の基地の自由使用の容認という、主権国家としては到底あり得ない密約まで結んでいたことが、後にこれもまたアメリカ側で公開された文書によって明らかになる

 なぜあの時日本は西山氏を見殺しにしたのか。西山氏の取材手法を非難したとしても、なぜ同時にそこで暴かれた密約をきちんと追求できなかったのかその結果として、その後の日米関係はどのような「隷属の道」を辿ることになったのか。これは決して過去の話ではなく、今もわれわれ一人ひとりの喉元に突きつけられた匕首なのではないか

 沖縄が返還50周年を迎える今週、マル激はジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が福岡県の小倉に西山太吉氏を訪ね、西山氏とともに当時の日米関係と、その後、日本が歩んだ道をどう考えるかなどについて議論した。
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コメント
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●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》

2023年03月30日 00時00分15秒 | Weblog

// (20230311[])

[※ 沖縄復帰50年 利用され続けた海と大地/西山太吉 「密約」を語る (週刊金曜日、2022年5月13日1376号)↑]

   『●西山太吉さん亡くなる: 事件の本質のすり替えであり、「西山事件」に
     非ず…《今も政府は密約を認めない…「返還密約事件」は終わっていない》

 【<金口木舌>「ペンタゴン・ペーパーズ」】《▼後追いで報じたポストもタイムズと共に政府に訴えられた。だが最高裁は「制限を受けない自由な報道のみが政府の偽りを効果的に暴くことができると新聞社勝訴の判決を出す報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? (リテラ)(ワシントン・ポスト編集主幹のベン・ブラッドリー氏)《報道の自由を守るには報道しかない》。
 日刊ゲンダイのコラム【佐高信「追悼譜」/西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319554)によると、《国家の嘘を暴いた元『毎日新聞』記者の西山太吉の死を各新聞を含むメディアがそれなりに大きく取り上げている。しかし、報じたメディアは西山の怒りがそのメディアにも向けられていることを知っているのだろうか》。
 佐高さんの「追悼譜」タイトルが示す通り、《西山太吉メディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ》。無念だった、と思う。

   『●三十数年前の映画 ~『密約 ―外務省機密漏洩事件―』
   『●『密約 ~外務省機密漏洩事件~』読了
   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
      「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
     「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
      (佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。
      また、「西山事件が
      示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。
      その時の権力に
      よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
     「「公務員法でも政と官がその気になれば、
      ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
      それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
      自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
      のでしょう?」

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
       伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
     「田島泰彦氏の発言で気になるのは、「日本は今でさえ、
       本来なら国民が知るべき情報が出てこない。原発事故で…
      「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム
      (SPEEDI)」や
      被ばくに関する正確な情報が伝えられなかったのがその表れだ…
      身近で必要な情報が一層隠される」という部分。
       ホント~にロクでもない事ばかりする政権!」

   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
              メディアが入っている」非民主国
   『●密約破棄
     「自民党の政治家の顔色を見てもみ消したわけですね。西山太吉
      元毎日新聞記者の記者生命を奪っておいて、さんざん嘘を吐き、
      最後はもみ消してあげるわけ」

   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
          という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ
   『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
       沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」
   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
     「「無いんだから仕方ないジャン」、
      「捨てちゃっただからもういいジャン」
      という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまった
      のならば、それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を
      呼んだこんな重要な文章が、
      そういう風にいい加減に取り扱われていて大丈夫なのか? 
      廃棄を指示したのは一体誰で、実行したのは一体誰?」

   『●西山太吉さんが喝破、
      「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
         報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
    「リテラの記事【森友文書改ざん問題を彷彿と話題の映画
     『ペンタゴン・ペーパーズ』! 三浦瑠麗はまたトンチンカンコメント】」

   『●政権広報「アベ様のNHK」への切っ掛け…アベ様や
       中川昭一氏に「勘ぐれ、お前」と忖度を強要されて…
    《綿井健陽さん…「報道やジャーナリズムに携わる者が、
     「言論・報道の自由」という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、
     それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。
     たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの
     安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞
     西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、
     最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と
     文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは
     「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での
     〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった》

   『●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、
      国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》

 さて、モリカケ桜事件以前、官僚らの〝忖度〟の始まり。アベ様直伝の息吐くようなウソ吐き…「礒崎さんという名前は今年3月になって初めて聞いた」!? 「202333日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。(琉球新報)《しかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていた。まさに自作自演》だった。青木理さん《礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です》。この問題、有耶無耶でいいのか?
 沖縄タイムスの【[社説]放送法巡る文書公表 解釈変更の真相究明を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1116088)によると、《安倍晋三政権当時、官邸官僚が各省庁ににらみを利かせ、官邸主導の政治を担っていたことはよく知られているが、その実態を伝える内部資料が明らかになった。放送法が定める「政治的公平」の解釈を巡り、立憲民主党議員が公表した内部文書とされる資料について、松本剛明総務相は、同省の「行政文書」だと正式に認め、全文を公表した》。
 琉球新報の【<社説>放送法解釈変更 「報道の自由」を侵害した】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1674441.html)によると、《露骨な政治介入の経緯が明らかになった。「報道の自由を侵害するものであり、到底許されない。放送法第4条が定める「政治的公平」の解釈変更を巡り、立憲民主党の小西洋之参院議員が公表した総務省の内部文書について、松本剛明総務相は公式な「行政文書」と認め、全文をホームページで公表した。小西氏が公表した文書と同じ内容だった》、《当時の高市早苗総務相は15年5月、国会で「一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」と答弁した。高市氏の答弁は官邸と総務省の協議を踏まえたものだったしかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていたまさに自作自演である。政権に批判的な番組へのけん制を狙い、官邸主導で放送法の解釈を変えたのだ。岸田文雄首相は「従来の解釈を変更することなく補充的な説明を行ったと承知している」と解釈変更を否定するが、高市氏の答弁は放送局を萎縮させるものにほかならない》。

 斎藤美奈子さん《メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく権力の監視なんです。それ、常識。》
 日刊ゲンダイの記事【批判的なコメンテーターは今や皆無 自民党政権の言論弾圧“黒歴史”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319684)によると、《第2次安倍政権以降、権力は公然と大手メディアに圧力をかけ、萎縮したメディアによる忖度は常態化し、「権力の監視は骨抜きにされた。大きな転換点となったのが、2015年5月に示された放送法の政治的公平性をめぐる「新たな解釈」の追加だ。政権に批判的なメディアに対する圧力を強めるため、…》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…
   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》
   『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
     公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》
   『●青木理さん《関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの
     番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きる》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319554

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

佐高信「追悼譜」
西山太吉はメディアや岸田文雄に絶望して憤死したのだ
公開日:2023/03/06 06:00 更新日:2023/03/06 11:38

西山太吉(2023224日没 享年92

     (西山太吉さん(2023年2月24日没 享年92)
                /(C)日刊ゲンダイ)

 国家の嘘を暴いた元『毎日新聞』記者の西山太吉の死を各新聞を含むメディアがそれなりに大きく取り上げている。しかし、報じたメディアは西山の怒りがそのメディアにも向けられていることを知っているのだろうか。

 私が聞き手を務めた西山の『西山太吉最後の告白』(集英社新書)で西山はこう憤る。

戦後において、国家機密が日本のメディアによって暴かれたことがありますか? 1回もないよ西山太吉だけですよ国家機密の暴露は

 沖縄返還の密約を暴いて、時の首相・佐藤栄作の怒りを買い、その取材方法が「情を通じて」だったとして逮捕された西山は天国から地獄への苦痛を味わった。

 その時、メディアは西山に味方して国家権力に立ち向かったのかと西山は問うているのである。

国家機密の暴露は1回だけ最初にして最後情けないですよ

 死後にこれほど焦点を当てるなら、生前にもっと西山の名誉回復に努めるべきではなかったのか。

 「最後の告白」を受けた私はこう言わざるをえない。

 「日本のメディアは何一つ、自力で取材し、裏付けを取ってはいないんです」

 密約をいまだに政府は認めていないが、危険なものは焼却したり、なかったことにしてきたのだが、たとえば森友事件などでは改ざんに変えた。

「特に、安倍政権では特定秘密保護法を制定し、国民の知る権利を侵害する一方、内閣人事局による人事統制で、公文書改ざん国会での虚偽答弁など好き放題やってきた。これに対して、メディアが徹底した取材や追及を本当にやってきたかについては、私は大いに疑問を持っています」

 最初は否定しながらも、のちに密約を認めた事件当時の外務省アメリカ局長の吉野文六諸永裕司著『ふたつの嘘』(講談社)の中で西山をこう語っている。

「自分を、そして国民を欺いた国家に嘘を認めさせようとする執念、そして正義感。さらには、みずからの名誉をなんとしても回復させたいという欲。そのすべてをひっくるめて、偉大だと思います。なにしろ、鎧兜をつけたような国を相手に、ひとり素手で戦ってきたのですから」

 西山によれば、岸信介やその弟の佐藤栄作らの強権的な秘密主義を阻止すべく池田勇人大平正芳らの宏池会は組織された。しかし、その流れをくむはずの岸田文雄には「宏池会のこの字もない」と西山は断罪する。大平と一心同体だった西山は岸の孫の安倍晋三に、亡くなってからも追随する岸田が腹立たしくてならないのだろう。岸田が腹立たしくてならないのだろう。岸田は宏池会を名乗るが、「私の知っている宏池会とは似て非なるものですよ。宏池会は絶対追随しません」と西山は怒りに体をふるわせていた

 西山はメディアや岸田に絶望して憤死したのだと私は思う。(文中敬称略)
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●ニッポン〝復帰〟50年…《沖縄の自然が破壊され、民意が踏みにじられて軍事基地ができていく現実》、辺野古は単なる破壊「損」な現実

2022年04月27日 00時00分19秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(2022年04月17日[日])
沖縄タイムスの【社説[復帰50年の国会決議]基地負担軽減の決意を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/942383)。
琉球新報の【<社説>復帰50年国会決議へ 「空手形」にしない努力を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1501448.html)。

 《決議は国会の意思を表明する行為であり意義は重い。ただし決議するだけでは十分とは言えない》。
 《しかし、この決議は未だに実現していない。今回の決議も「空手形」に終わらせてはならない。名護市辺野古の新基地建設断念日米地位協定の抜本見直しなど、沖縄側の要望を取り入れた内容にするよう強く求める》。

 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/「日本復帰」50年というクソのような節目に沖縄で起こっていること】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/30df4bba6833d2492397deddbd4954d5)によると、/《「日本復帰」50年というのに、新たな米軍基地が造られつつあるのが沖縄の現実だ。これからまた、大きな岩が海に投入される様子を間近に見なければならない日が続く。それだけで大きなストレスになる。現場にいれば嫌な現実を目にするだけでなく、音もあれば臭いもあり、暑い日差しや寒さにも耐えないといけない。インターネットで情報を得て分かった気になってはいけない。ぜひ多くの人がカヌーに乗って海に出て、沖縄の自然が破壊され、民意が踏みにじられて軍事基地ができていく現実を、自分の目で確かめてほしい》。
 《インターネットで情報を得て分かった気になって》…あぁ、いつも胸が苦しくなる…。

 目取真俊さん《「日本復帰」50年というのに、新たな米軍基地が造られつつあるのが沖縄の現実》。在りもしない《在日特権》にはバカ騒ぎする人々は、明確に存在する〝在日米軍特権〟には沈黙する卑怯者。

   『●《権力欲に駆られた政治家》アベ様やカースーオジサンによる《含羞》
      なき、《廉恥》欠く、破廉恥な政権が8年8カ月も続いてしまった…
    《来年は沖縄の施政権返還日本復帰)から50年の節目を迎える。
     50年前の「沖縄国会」で、衆議院は在沖米軍基地の縮小決議を
     全会一致で決議したが、いまだに実現していない。岸田首相に
     国会決議を実現し、繰り返し民意が示された名護市辺野古の
     新基地建設見直しを求める》

   『●《沖縄が切り捨てられた日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に
     殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている》
    《72年の日本復帰後も沖縄の人々は基地の自由使用に抵抗し、抜本的な
     整理縮小や日米地位協定の改定を求めてきた。その意思を尊重せず
     国益や国策の名の下で沖縄を国防の道具にする日米政府の手法は
     植民地主義だ。県内の主要選挙や県民投票で反対の意思を示しても
     建設工事が強行される辺野古新基地は、沖縄の人々の自己決定権を
     侵害する植民地主義の象徴である》

   『●自公政権やお維に壊され行く沖縄: 沖縄「屈辱の日」を「主権回復の
     日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…
    《72年5月15日の日本復帰記念式典で屋良朝苗知事は「沖縄がその
     歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除」すると述べた。
     日本復帰から半世紀。日米に利用されてきた立場に終止符を打つ時期が
     来ているのではないか。》

   『●来年の「5・15」で50年…屋良朝苗氏は「基地のない平和の島としての
        復帰」を望んだ…モノクロから「天然色」に変わっても現実は…
   『●<金口木舌>《コロナ感染再拡大後も米軍は詳細を説明せず、米兵は
     基地の街をマスクをせず闊歩している。これが復帰から半世紀の沖縄》
    《2022年を迎えた。今年は沖縄の施政権返還日本復帰)から
     50年の節目に当たる。半世紀前に琉球政府が日本政府と国会に求めた
     のは、自己決定権の確立であり、民意を尊重することであった》

   『●「思いやり予算」として小さく生んで、いまや「同盟強靱化予算」
     として大きく育った番犬様の「お財布」、とっても気前の良いニッポン
    《▼沖縄は来年日本復帰50年を迎えるのに、過重な基地負担と沖縄戦や
     米軍統治下から続く特殊事情に今も苦しんでいる思いやりなどなく
     札束で頬をたたくような政府を想像すれば、予算の増減に一喜一憂せず、
     新時代を自ら切り開く県民の気概を見せたい。(吉川毅)》

   『●長周新聞《まるで地獄の沙汰もカネ次第 名護市を丸ごと買収する国
     ミサイルの標的と引き換えの「繁栄」》…渡具知武豊名護市長再選の闇
    《今年で復帰50年を迎えるが、なんのための日本復帰だったのか
     ドルが円に変わっただけではないか。いまだに米軍の統治下に置かれ、
     問答無用で踏み台にされていると思わざるを得ない。人殺しの基地の島
     ではなく、人を生かす島にならなければならないし、そのために
     もたらされる豊かさは砂上の楼閣でしかない」と憤りを込めて話した》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/942383

社説[復帰50年の国会決議]基地負担軽減の決意を
2022年4月14日 06:49

 沖縄の復帰50年に当たり国会決議の調整が進んでいる。21日の沖縄・北方特別委員会で与野党の案について質疑が行われ、その後、衆院本会議で決議する見通しだ。

 「強い沖縄経済」「平和創造拠点」「万国津梁」といった文言を盛り込む方向で調整しているといい、全会一致での決議を目指す。

 復帰に関する国会決議は過去に2度あるが、全会一致が実現すれば初となる。

 決議は国会の意思を表明する行為であり意義は重い。ただし決議するだけでは十分とは言えない

 復帰に関する初の決議は1971年、沖縄返還協定の審議中に採択された「非核兵器ならびに沖縄米軍基地縮小に関する決議」だ。沖縄の米軍基地の速やかな整理・縮小を政府に求めたが、復帰を前後して本土の米軍基地が急速に減少し約3分の1となったのに対し、沖縄の米軍基地は数%しか減らなかった

 復帰という局面に際しても沖縄に基地を集中させる形で、本土の米軍基地が整理統合されたことになる。71年決議は、なんら具体化されなかった。

 2度目の国会決議は97年に県側の提案で実現。ここでも基地の整理・縮小、移転に全力で取り組む-などが盛り込まれた。前年96年の日米特別行動委員会SACO最終報告で11施設の返還が合意されたこともあり、ようやく道筋が見えたと思われたが、実態は違った。

 返還とうたわれた大半は県内移設で、合意が実行されていない施設も多い

■    ■

 結果として復帰50年の日を目前にした今も、在日米軍専用施設の約7割が沖縄に集中している。

 基地派生の事故は一向になくならず、逆に、米軍機の緊急着陸や米軍機からの落下事故の報告、有毒なPFOS(ピーホス)・PFOA(ピーホア)を含んだ排水の漏出など、県民生活を脅かす事故が相次いでいる。

 最近は基地や訓練区域以外での訓練も目立つ。それなのに政府は、過去に「違反」「協定外」としてきた区域外訓練について、日米地位協定の解釈を変更し「認められている」との見解を示している

 例外的な米軍の運用を追認するのみで、米軍と交渉する姿勢は見られない

 国会では、こうした政府の弱腰を追及する声も少なく、決議の趣旨は全くと言っていいほど顧みられていない。政治の怠慢と言われても仕方ない。

■    ■

 3度目の決議はどうなるのか。

 基地負担の軽減は、復帰後、県民が一貫して要求してきた課題の一つである。国会もそれに応え、過去2度の決議に「基地の整理・縮小」の文言を盛り込んできたはずだ。

 しかし現状を見れば、決議の目的が達成されたとは到底言えない。引き続き、はっきりとした基地負担軽減への意思を示すべきだ。

 加えて何よりも重要なのが、県民の目に見える形でその実現に力を尽くすことだろう。それこそが国会や政府の責務である。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1501448.html

<社説>復帰50年国会決議へ 「空手形」にしない努力を
2022年4月14日 05:00

 与野党は、国会で沖縄の施政権返還日本復帰)50年についての決議を行う方向で調整している。

 国会での沖縄に関する決議は、「非核兵器ならびに沖縄米軍基地縮小に関する決議」がある。沖縄返還協定を可決した1971年11月24日、全会一致で可決した。

 しかし、この決議は未だに実現していない。今回の決議も「空手形」に終わらせてはならない。名護市辺野古の新基地建設断念日米地位協定の抜本見直しなど、沖縄側の要望を取り入れた内容にするよう強く求める。

 今回自民党が衆院本会議での決議を目指す決議案には、琉球王国時代の鐘に刻まれた碑文に由来する「万国津梁」、岸田文雄首相が政府方針に掲げる「強い沖縄経済」、沖縄戦の経験を踏まえた「平和創造拠点」などの文言を盛り込む見込みだという。

 一方、野党案は子どもの貧困、労働生産性の低さなどを課題として挙げ、自立的発展に役立つ振興策を求めている。政府に在沖米軍基地の整理縮小や早期返還に努めるよう求め、日米地位協定見直しの検討が盛り込まれている。

 日本復帰から50年を振り返れば、日本政府が沖縄側に期待させて、結果的に期待を裏切る事例が目立つ。1996年4月に日米合意した米軍普天間飛行場の返還は典型的な例といえるだろう。

 民主党の鳩山由紀夫氏は、2009年、普天間の「最低でも県外移設」を主張し、県民の期待を高めた。だが、首相に就任すると官僚の抵抗に遭い県内移設に回帰した。鳩山氏は「防衛、外務官僚は米側を通して辺野古でないと駄目だという理屈を導いた」と証言している。

 自民党の安倍晋三首相は13年、当時の仲井真弘多知事から辺野古新基地建設に伴う埋め立て承認を得る際に、仲井真氏が提示した「普天間飛行場の5年以内の運用停止」などの条件に対し「全力で取り組む」と強調した。仲井真氏は埋め立てを承認した。

 仲井真氏を破って当選した翁長雄志知事は「5年以内運用停止は辺野古埋め立て承認を得るための話のごちそう、話くゎっちー、空手形」であり、最後は「知らんぷり」すると批判した。翁長氏の指摘通り安倍氏は米国と交渉せず運用停止は実現していない

 そもそも1971年の非核・基地縮小決議は、妥協の産物である。自民党が特別委員会で沖縄返還協定を強行採決して以来、国会は空転した。国会を正常化し衆院本会議で返還協定可決を目指す自民党は、野党側が提案した決議案を受け入れたのだった。

 沖縄返還交渉に際し、佐藤栄作政権は核密約基地の自由使用米国と合意していた。政府にとって国会決議は受け入れられない内容だった。「空手形」に終わった過去の決議を繰り返してはならない。与野党とも肝に銘じてほしい。
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●《核弾頭が搭載可能な中距離ミサイル》配備…《ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す》

2019年10月09日 00時00分04秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



琉球新報の【<社説>米国の新型中距離弾 沖縄配備許してはならぬ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1001081.html)。

 《核弾頭が搭載可能中距離ミサイルを、米国が沖縄をはじめとする日本に配備しようと計画していることが明らかになった。米中ロによる新たな冷戦構造の中で、沖縄が恒久的なミサイル基地に位置付けられかねない危険な計画だ。何としても阻止しなければならない》。

 琉球新報の記事【米、沖縄に新型中距離弾道ミサイル配備計画 ロシア側に伝達、2年内にも 基地負担大幅増恐れ】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1000469.html)によると、《中距離核戦力(INF)廃棄条約が8月2日に破棄されたことで、条約が製造を禁じていた中距離弾道ミサイルの新型基を、米国が今後2年以内に沖縄はじめ北海道を含む日本本土に大量配備する計画があることが2日までに分かった》。

   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
        メディアが入っている」非民主国
   『●密約破棄
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
          という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ

 《核弾頭が搭載可能な中距離ミサイル》配備…《ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す》ということだ。しかも、《核弾頭》って、正気なのか?

   『●中村敦夫さん、《経済的に弱い地域が犠牲になって危険を
             引き受ける構図は、原発も基地も同じだ》

 核発電所を《経済的に弱い地域に押し付け、《標的の島》を沖縄本島与那国島石垣島宮古島などに押し付けて…。《誰かの犠牲の上でしか成り立たない社会》でいいのでしょうか?
 《標的の島》化を加速することを、ニッポン政府は《断固拒否する姿勢を早期に打ち出す》ことは……ないでしょうねぇ。

   『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、
           「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの
     「風かたか」」…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの
     「風かたか」」…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●辺野古破壊という大愚を続行…民意無視、
     《地方自治や民主主義、県民の尊厳をどう考えるか…自身の見解を》
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…
      「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て
                 宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●「沖縄は米国の植民地ではない。私たち沖縄県民は、
        米国民との友好は望むが、服従は望んでいない」――。
   『●《支持者と反対者が排他的に対立》…
     排他的に対立させているのは、与党自公や癒党お維の側ではないのか?
   『●辺野古破壊《移設方針は揺るがないとの政府の姿勢》…
        アベ様や最低の官房長官らの無為無策・無能ぶりの表れ
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心を
      ないがしろにして、地域の平和を守るといえるの》か?

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1001081.html

<社説>米国の新型中距離弾 沖縄配備許してはならぬ
2019年10月4日 06:01

 核弾頭が搭載可能中距離ミサイルを、米国が沖縄をはじめとする日本に配備しようと計画していることが明らかになった。米中ロによる新たな冷戦構造の中で、沖縄が恒久的なミサイル基地に位置付けられかねない危険な計画だ。何としても阻止しなければならない。

 東西冷戦時代の米国とソ連の軍拡競争は、世界中を核戦争の恐怖に陥れた。

 1962年のいわゆるキューバ危機では、ソ連がキューバでミサイル基地建設に動き、米国がその撤去を求めて艦船と航空機で海上を封鎖した。全面核戦争の一歩手前まで緊迫した。

 米施政権下にあった当時の沖縄も無縁ではなかった。ソ連極東地域などを標的とする在沖米軍基地には、核搭載の巡航ミサイルが配備されていた。米軍内で沖縄のミサイル部隊に核攻撃命令が誤って出され、現場の指揮官の判断で回避されたこともある。

 欧州では、77年にソ連が弾道ミサイルSS―20を東欧に配備し、米・NATO側は対抗措置として地上発射型トマホーク巡航ミサイルとパーシングⅡ弾道ミサイルを英、西独、伊などに持ち込んだ。

 軍拡競争を恐れた市民による反核運動が欧州全土に広がり、87年の「中距離核戦力(INF)廃棄条約」調印へ米ソを動かした。両国は地上配備の中・短距離核ミサイルの全廃に合意し、東西冷戦は終結に向かっていった。

 しかし、トランプ米大統領はINF廃棄条約の破棄を表明し、8月に条約が失効した。30年以上も禁止されていた中距離ミサイルの発射実験に踏み切り、対抗してロシアのプーチン大統領もミサイル開発の再開を表明した。

 米国には、条約に縛られずミサイル増強を続ける中国への危機感がある。だが、ひとたび大国間の軍拡競争が始まれば制御不能というのが冷戦の教訓だった。核戦力廃棄の枠組みに中国を引き込むことこそが米国の責務だ。

 日本に配備される場合の候補地として、PAC3が配備される米軍嘉手納基地や、イージス・アショア配備候補地の秋田市と山口県萩市も可能性があるとの見方がある。

 ミサイル防衛の名の下に進められてきた装備は、容易に攻撃用に転用できる。既に米国のミサイル戦略の最前線として日本、沖縄が着々と組み込まれてしまっている

 東アジアには朝鮮半島の南北分断や中台問題など、冷戦時代に生じた紛争の火種が今も残る。さらに米中対立が強まる中での中距離ミサイルの配備は、新たな「火薬庫」を持ち込むようなものだ

 ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す。基地機能の強化という以上の、壊滅的な被害をもたらしかねない。

 県は情報収集を急ぎ、日米両政府に対してミサイル配備を断固拒否する姿勢を早期に打ち出すべきだ。
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●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ

2017年01月21日 00時00分14秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>核密約非公開要請 国民の「知る権利」に応えよ】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-422218.html)。

 《国民の「知る権利」を侵害するあきれた隠蔽(いんぺい)体質である。外務省が米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む1950年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していた。西日本新聞が入手した米公文書で明らかになった》。

   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
    「「無いんだから仕方ないジャン」、「捨てちゃったのだからもういいジャン」
     という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまったのならば、
     それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を呼んだ
     こんな重要な文章が、そういう風にいい加減に取り扱われていて
     大丈夫なのか? 廃棄を指示したのは一体誰で、
     実行したのは一体誰?」

   『●密約破棄
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

 歴代自民党政権・官僚の隠蔽体質とそれを裁けない最「低」裁。今回は、外務省が、核密約の公文書の非公開を米政府に要請していたというもの。一方で、表では、《日本側は「ない」と言い張ってきた状況は異様》。

   『●自公投票者が目指す社会ってどんなモノ?
       アベ様の「政」、善政の例が一つも思い浮かばない…

 アベ様からして《職務上の責任感》《未来への覚悟と責任感》が欠如している。東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017010502000135.html)には、《▼そういう「職務上の責任感を発揮する人物は、いなかったのか。アフリカの南スーダンで国連平和維持活動に参加する陸上自衛隊の部隊が、日報を廃棄していたという。現地で大規模な武力衝突が起きた際のことを記録した文書を消し去っていたのだ▼廃棄ばかりではない。政府や電力業界の幹部たちが核燃料サイクル事業の今後について話し合った「五者協議会」にいたっては、議事録すら作っていなかったという。大切な会議の記録もなしに後からどう検証をしようというのか▼問われているのは、記録を作り、守ることへの覚悟と責任感だけではない。未来への覚悟と責任感だろう》という指摘。

   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた:  
       アベ様達と何を協議したのか「内情」をどう検証?
    「2014年7月1日「7・1クーデター」、その議事録さえないそうです。
     歴史の検証もすることが出来ない「7・1クーデター」。
     反知性的タカ派なアベ王様による独裁政治……
     アベ王国国王様の「人治主義国家
    「「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」……アベ様達からして

   『●「5月0日」?…内閣法制局は安保関連法案の
       審査をいつ決裁したのか? そもそも審査したのか??
   『●アベ様「TPP断固反対といったことは一回も、
      ただの一回もございません」…TPPのみならずウソだらけ
   『●東京電力を何かと支援したい
     原子力「寄生」「委は、公文書管理法の趣旨を理解していない」
   『●「廃棄」どころか、議事録さへ作成しないことを
            「謀議」して決めた?…「謀議の犯罪性」?
    《首相・安倍晋三は「共謀罪」…組織犯罪処罰法改正案…
     ★この法案議論の際に念頭に置いていただきたいのは、
     5日付東京新聞の筆洗が指摘する記録の大切さだ

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http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-422218.html

<社説>核密約非公開要請 国民の「知る権利」に応えよ
2017年1月5日 06:01

 国民の「知る権利」を侵害するあきれた隠蔽(いんぺい)体質である。

 外務省が米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む1950年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していた。西日本新聞が入手した米公文書で明らかになった。

 公文書は主権者である国民の共通財産である。それを官僚の都合で非公開にするとは、民主主義を否定する行為だ。外交交渉の経過を明らかにすることは国民の「知る権利を保障することであり、行政にとって「説明責任を果たすことになる。

 外務省による非公開要請は80年代から慣例化し、現在も随時行われているという。外務省に対し非公開要請の撤回を強く求める。

 日本側が非公開を求めたテーマは(1)核兵器の持ち込み、貯蔵、配置ならびに在日米軍の配置と使用に関する事前協議についての秘密了解(2)刑事裁判権(3)ジラード事件 [引用者注: ウィキペディアリンク](4)北方領土問題(5)安保改定を巡る全般的な討議-の5項目。

 これは米政府の情報公開に対する内政干渉だ。米側は最終的に核密約と刑事裁判権以外のテーマには応じられないと決定した。核密約は「米核搭載艦船の通過・寄港を事前協議の対象外とした核持ち込み容認の密約」で、今も関連文書の一部は非公開だ。刑事裁判権とは米兵らの公務外犯罪のうち重要事件以外は日本政府が裁判権を放棄したとされる問題とみられるという。米側はこれらの要請も拒否すべきだった。

 米国は50年に連邦記録法が成立し、67年に情報自由化法が施行された。記録法によって意図的な廃棄や隠蔽は禁固刑に処されるなど公文書は厳しく管理されている。そして情報自由化法で国民に公開する。二つの法律は「車の両輪」といえる。

 日本は2001年に情報公開法が施行され、公文書管理法は09年にようやく成立した。これらの法律を施行する前の00年度に行政文書1282トンが廃棄され、「知る権利を担保する国民の財産が大量に失われてしまった

 15年には「何が秘密かすら秘密」という特定秘密保護法が施行された。今回明らかになった外務省の隠蔽体質に加えて、秘密保護法によって国民が知らない間に必要な情報ですら秘密とされ闇に葬られることを許してはならない。
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●沖縄密約文書: 「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

2014年07月16日 00時00分33秒 | Weblog


asahi.comの記事『「情報公開の極小化」 沖縄密約原告、最高裁判決を批判』(http://www.asahi.com/articles/ASG7G5HXCG7GUTIL03L.html?iref=comtop_list_nat_n04)と、
社説『沖縄密約文書―説明なしではすまない』(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞の記事 『沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071590070844.html)と、
社説 『沖縄密約判決 「国家の嘘」を許すのか』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071502000133.html)。

 沖縄密約文書について「『ないのだから仕方ない』という国の言い分を正当化する判決。こんなことを認めたら民主主義は崩壊する」・・・・・・「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国、それを許容する最高裁!? 「請求者に立証責任」ってどんな言いぐさ?? 世界を見渡してこんなにダメダメな裁判所ってあるのだろうか? それにしても、この国は一体・・・・・・。

   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
               ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

    「綿井健陽さんの言葉を再掲。
     「【http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-10-01】 wataitakeharu昨日(29日)は
      沖縄密約文書開示訴訟の判決の一報を、
      普天間基地の隣りの沖縄国際大で聞いた。
      東京高裁では頻繁にある“逆転判決”とはいえ、驚く
      外交文書を政府が捨ててOKの国・日本。沖縄の地元2紙から→
      http://t.co/j9vJ34QW http://t.co/qw6ZaIKm 09/30 01:32」」

   『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
      「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」
   『●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」
   『●特定秘密保護法案: 「うそをつく人たちが作」る猛毒を
              「いい内容に仕上がっている」認識とは!?
   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
       沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」
   『●政治家の耳には市民の反対の声は届かず:
                      特定秘密隠蔽法案が衆院通過
   『●特定秘密隠蔽法案衆院通過: ・・・だから?、
       福島の人々の声は聞こえないのだろうか? それとも・・
   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
                      メディアが入っている」非民主国


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http://www.asahi.com/articles/ASG7G5HXCG7GUTIL03L.html?iref=comtop_list_nat_n04

「情報公開の極小化」 沖縄密約原告、最高裁判決を批判
2014年7月15日01時14分

   (判決を受け、厳しい表情で会見する西山太吉さん
     =14日午後、東京・霞が関、諫山卓弥撮影)

 「『ないのだから仕方ないという国の言い分を正当化する判決こんなことを認めたら民主主義は崩壊する」。判決後、東京・霞が関で記者会見した元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)は、最高裁判決を批判した。

 「情報公開をできるだけ極小化し、押さえつけようとするもので、政府にとって都合のよい情報だけが届く危険な状態になる」。情報公開の制度について、「民主主義の一番の要だ」と強調した。

 西山さんは、初めて密約の存在を暴いた。だが、沖縄返還が迫った1972年4月、密約を示唆する機密電文を西山さんに渡した外務省女性事務官(当時)とともに国家公務員法違反容疑で逮捕され、78年に最高裁で有罪が確定した。その後も、密約の存在を訴え続けてきた。西山さんをモデルに、作家の故・山崎豊子さんは密約事件をテーマにした小説「運命の人」を書いた。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

沖縄密約文書―説明なしではすまない
2014年7月15日(火)付

 あるべき文書がなぜないのか。このまま、説明なしではすまされない。

 42年前の沖縄返還に伴う米国の財政負担を、日本が肩代わりするという秘密の合意。

 日本政府は否定してきたが、米公文書館が公開した文書で、90年代以降裏付けられている。

 その存在を認めた司法判断が、きのう最高裁で確定した。元毎日新聞記者の西山太吉さんらが国などを相手に起こした情報公開請求訴訟である。

 判決は文書を開示しないことを認めており、形の上では国側の勝訴だ。だがその判断は、密約は存在し、01年の情報公開法施行前に秘密裏に廃棄された可能性を否定できないという見方に基づいている。政府は判決の意味を厳しく受け止めなければならない。

 沖縄密約文書を「ないものはない」とかわしてきた政府の態度は目に余る。密約によって多額の税金が使われた。国民の評価にさらされるべきだ。当時の外務省の内規に照らしても永久保存すべき文書だったことは裁判所も認めている。

 その存在をジャーナリストとして突き止めた西山さんは刑事罰を受けた。その一方で、闇に葬った政府関係者がとがめなしでは、あまりにバランスを欠くのではないか

 そもそも政府が「文書が存在しない」といって公開を免れられるのなら、情報公開制度は成り立たない

 知る権利のうえからも、歴史を記録する観点からも、「第一級の極めて重要な歴史文書」と裁判所が評価した今回の密約文書が、この先も存在しない状態でいいとは考えにくい。

 政府が見つけられないならいっそ、米国側に文書の写しをもらい、それを保存、公開することを考えてはどうか。

 気になるのは、米側の公開文書や外務省元局長の証言から原告が密約文書の存在をはっきり立証したのに、文書の性質によってはその後保管されなくても許容されるかのような判断を最高裁がしたことだ。情報公開を狭めることにならないか。

 公文書管理法が11年に施行され、公文書の保存や廃棄のルールは明確になった。しかし、年内に施行される特定秘密保護法で指定されたら、それとは別ルートで扱われる。外交に不利益だとみなされれば、半永久的に秘密扱いにできるのだ。

 この大がかりな情報隠しの道具を適正に運用できるのか。沖縄密約文書をめぐる一連の政府の姿勢を振り返るにつけ、疑問と不信は新たになる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071590070844.html

沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」
2014年7月15日 07時08分

    (記者会見する西山太吉さん=14日、東京・霞が関の
     司法記者クラブで(平野皓士朗撮影))

 一九七二年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書開示訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は十四日、元毎日新聞記者西山太吉さん(82)ら原告側の逆転敗訴とした二審判決を支持し、上告を棄却した。西山さんらの敗訴が確定した。行政機関が存在しないと主張する文書について「開示の請求者側に存在を立証する責任がある」との初判断を示した。裁判官四人の全員一致の意見。

 情報開示を求める市民に重い立証責任を課した判断で、特定秘密保護法の施行を控え、国民の知る権利に大きな制約を与えそうだ。

 判決理由で千葉裁判長は「いったん文書があると立証された場合、その後も行政機関が持っていると認められるかどうかは文書の内容や性質、作成の経緯などに応じて個別具体的に検討すべきだ」と判示。文書廃棄などの立証責任を行政側に負わせた一、二審とは異なる判断を示した。

 その上で、密約文書の探索調査をした外務、財務両省が「文書は見つからなかった」としたことを踏まえ、「交渉過程で作成されたとしても、不開示決定時に文書があったと認めるには足りない」と結論づけた。密約の存在を認めた一、二審の判断は維持した。

 一審・東京地裁判決は、米国立公文書館で見つかった米公文書や元外務省局長の法廷証言を基に、国が文書を作成、保有していたと認定。国に文書の全面開示を命じ、原告一人当たり十万円の賠償も認めた。二審・東京高裁判決も国が過去に文書を保有していたことは認めたが「外務、財務両省が秘密裏に廃棄した可能性を否定できない」とし、不開示は妥当と判断した。

 西山さんらは、日本が米軍用地の原状回復費を肩代わりするなど三つの密約に関する文書を開示請求。外務、財務両省は二〇〇八年、文書の不存在を理由に開示しなかった。


◆国の主張を正当化

 西山太吉さんの話 日米政府が共同して国民をごまかすために作ったのが密約文書で永久に保存されるべきだ。最高裁判決は、その文書がないという国の主張を正当化した。国民主権にのっとった情報公開の精神がみじんもなく、民主主義の基礎を崩壊させかねない。

 <沖縄返還協定の密約> 1972年5月に発効した沖縄返還協定をめぐる日米の交渉過程で、米軍用地の原状回復費400万ドルや米短波放送中継局の国外移設費1600万ドルを日本政府が肩代わりし、協定で定められた米国への支出金に上乗せして負担することにした密約。「沖縄を金で買い戻した」との批判が予想されたため、国民には伏せられた。毎日新聞記者だった西山太吉さんが外務省の極秘公電を入手し、報道で密約を示唆したが、公電を提供した同省女性職員とともに国家公務員法違反罪で起訴され、2人の有罪判決が確定した。2000年以降、米国立公文書館で密約文書が見つかり、外務、財務両省は10年3月に「広義の密約」があったと認めた。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071502000133.html

沖縄密約判決 「国家の嘘を許すのか
2014年7月15日

 沖縄密約の文書は、とうとう国民の前には出なかった。最高裁はまるで情報公開の流れに逆行する初判断をした戦後の重要な領土返還交渉での「国家の嘘(うそ)」を司法が隠蔽(いんぺい)するのと同然ではないか

 「沖縄密約はない」と長く政府は言い張ってきた。でも、米国で次々と密約文書が公開され、日本政府の嘘がばれた。原告らは情報公開法でその公開を求めた。

 一、二審とも密約の存在は認めた。東京高裁は「文書は廃棄された可能性がある」と考え、原告の求めを退けた。

 だが、最高裁は密約があったとは明確には言わず、「文書が作成されたとしても、(外務省や財務省が不開示の決定をしたとき)文書が保有されていたことを推認するには足りない」と述べた。

 かみ砕いて言えば、「役所が文書を保管していることを証明しなさい」と原告側に求めたのだ

 この論法だと、役所が「文書はない」と言えば、情報公開を求める国民は、その時点で「役所に文書がある」ことを証明せねばならない。このハードルは高い。情報公開の精神は、役所側に証明させることではなかろうか

 国家の秘密と公文書の在り方を根源から問うた大事な裁判で、このような判決が出たのを憂う。

 米国側がオープンにした「国家の嘘」を挙げてみよう。まず、沖縄返還協定に基づいて、日本が米国側に支払った三億二千万ドルの中に、不適切な出金が数々あった。本来、米国側が負担すべき軍用地復元補償費などだ。

 それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない」と言い張ってきた状況は異様である。

 「秘密枠」の金は国会の承認を得ておらず、違法なはずだ。「核密約」も非核三原則の国是に反する。国家は国民に嘘をつく-、その典型例が沖縄密約である。しかも、秘密文書は作成、保管、移管、廃棄というプロセスがまったく霧の中である。

 特定秘密保護法が年内に施行される。チェック機関が正常でないと、違法な秘密や実質的な秘密でない情報まで隠蔽される懸念がある。特定秘密でなくとも、さまざまな情報が官庁から出にくくなる副作用を伴うだろう。

 正しい情報を持たない国民は正しい判断ができないことをあらためて強調したい。
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●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関にメディアが入っている」非民主国

2014年05月27日 00時00分03秒 | Weblog


東京新聞の記事【ツワネ原則関わった米元高官 秘密保護法を批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014050902000133.html)。
田中龍作ジャーナル』の二つの記事【元米政府高官 「秘密保護法なくても安全保障交渉に支障ない」】(http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009308)と、
【沖縄密約、因縁の日米2人が語る「秘密保護法」】(http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009315)。
最後に、nikkanーgendai.comの記事【米NSC大物が「安倍首相のウソ」明言 解釈改憲はデタラメ】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150186)。

   『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
          非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任


 世界の潮流と逆行する「『平成の治安維持法』をつくった総理」アベ様・・・・・・「国家が秘密にする情報の明確化などを求めた、安全保障と知る権利に関する国際ルール「ツワネ原則」・・・・・・「日本政府はきちんとした手続きを踏んでおらず、急いで成立させた。民主社会であるべき協議をしていない」と政府の姿勢を批判」、「米国の安全保障の生き証人であり、日米交渉の舞台裏を知り抜いた人物である。特定秘密保護法の国会上程にあたって安倍首相や政権幹部はことごとく「日米の安全保障、特に防衛機密の漏えいを防ぐために欠かせない」と説明してきた。だがハルペリン氏の話を聞く限りでは、それは全くウソだった」。

 「西山氏「特定秘密保護法制の実施機関にメディアが入っている。そんな国が世界のどこにあるか?」 ハルペリン氏「ない」」・・・・・・この国の異常さといううよりも、アベ様はじめ自公議員、翼賛野党議員、そして、それが分かっていて、あるいは、無関心に彼・彼女らに投票してしまった人々の異常さ。

   『●ジャーナリズムの矜持無きこんな「公共」放送なんて要らない!
   『●原発再稼働・もんじゅ推進を
        無批判に放送できる公正中立な公共放送「アベ様のNHK」
   『●確信犯? ノー天気? 猛毒法に、
      座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長は断言「・・・賛成だ」
   『●「治安維持法」を止めるために:
        「アベ様のNHK」などマスメディアだけに任せてはおれない


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014050902000133.html

ツワネ原則関わった米元高官 秘密保護法を批判
2014年5月9日 朝刊

 国家が秘密にする情報の明確化などを求めた、安全保障と知る権利に関する国際ルール「ツワネ原則」の策定に深く関与したモートン・ハルペリン氏(75)が八日、国会内で講演した=写真、伊藤遼撮影。昨年十二月に成立した特定秘密保護法について「日本政府はきちんとした手続きを踏んでおらず、急いで成立させた。民主社会であるべき協議をしていない」と政府の姿勢を批判した。

 ハルペリン氏は外交政策や核戦略論などが専門の政治学者で、米国家安全保障会議(NSC)の元メンバー。ニクソン政権時代に沖縄返還時の核密約にも関わり、クリントン政権時代には大統領特別顧問を務めた。昨年公開されたツワネ原則の策定にも主要な役割を果たした。ハルペリン氏は、米国などでは秘密法の制定や改定に二、三年費やしたことを説明。秘密保護法が民間人に刑事罰を科し、政府の不正を秘密にしてはならないという要件や内部告発者の保護などが明確でない欠点を指摘した。

 ツワネ原則が国際的に認知されていない、との日本政府の主張については「世界の民主的な国で実行されているものを踏まえた」と反論。「秘密を守る法律がないことを根拠に、米政府が日本との協議や情報共有に及び腰になると決めた事実はない」と疑問を呈した。
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http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009308

田中龍作ジャーナル
元米政府高官 「秘密保護法なくても安全保障交渉に支障ない」
2014年5月8日 19:57 

    (ハルペリン氏は民主党、共和党両政権で安全保障交渉に
     携わってきた。眼光は76歳とは思えないほど鋭い。=8日、
     衆院会館 写真:筆者=)

 日弁連などの招きで来日した元米政府高官がきょう、衆院会館で「特定秘密保護法」の危うさについて語った。

 モートン・ハルペリン氏(1938年生まれ)は、ジョンソン政権で国防次官補代理、ニクソン政権とクリントン政権で国家安全保障会議のメンバーを務め、ニクソン政権時には「沖縄核密約・返還交渉」にあたった。

 米国の安全保障の生き証人であり、日米交渉の舞台裏を知り抜いた人物である。

 特定秘密保護法の国会上程にあたって安倍首相や政権幹部はことごとく「日米の安全保障、特に防衛機密の漏えいを防ぐために欠かせない」と説明してきた。だがハルペリン氏の話を聞く限りでは、それは全くウソだった。

 ハルペリン氏の証言は冒頭から強烈だった。「特定秘密保護法制定にあたって日本政府に米国政府から大きな圧力があったと理解している」としながらも「事実として言えることは、秘密保護法がなくても最もセンシティブな安全保障交渉に支障はなかった。現政権と日本との協議でもそうだ」。

 「私はジョンソン政権から今に至るまで、長い間アメリカ政府側担当者として、またアメリカ政府のアドバイザーとして日米関係に関与してきた。日本の秘密保護に関する強い法律がないために協議ができないということは、一度たりとも誰の口からも聞いたことはない」。ハルペリン氏は畳みかけた。

 「(核交渉でさえ)この新しい法律(秘密保護法)は必要ない」とまで言った。実際に核密約の交渉にあたったハルペリン氏の指摘は説得力があった。

    (衆院会館での講演は「特定秘密保護法」に反対する超党派の
     国会議員が主催した。=写真:筆者=)

 特定秘密保護法で懸念されているのが「知る権利」の侵害だ。国家機密をスッパ抜いたジャーナリストが罪に問われることになる。ハルペリン氏は次のように警鐘を鳴らす―

   「一番問題だと思われるのは、ジャーナリストが政府から情報を
    得て公開(記事に)することに刑事罰を与えることだ。ツワネ原則(※)は
    市民が国家安全保障に関する情報を漏らした時に刑事責任を
    問うてはならないと明確にしている。アメリカでもNATO諸国(同盟国)の
    多くでも国家安全保障に関する情報を漏洩したからと言って
    刑事罰を問うようなことは設けていない」。

 国家機密を暴いたジャーナリストが罪に問われない、とは本当だろうか? 質疑応答の時間が設けられたため、筆者は「メキシコの麻薬戦争」に関する調査報道をしていたフリージャーナリストが2012年9月、FBIに拘束されたことをハルペリン氏に質問した。

 ハルペリン氏は「事実を知らないのでコメントできない」と答えた。一介のフリージャーナリストの身柄拘束なんぞはベタ記事にさえならないため、氏も知らないのだろうか。

 特定秘密保護法には「取材報道の自由」が書き添えられた。ただし報道機関とは記者クラブメディア(大新聞、大放送局、大通信社)のことである。権力とお友達の取材報道活動の自由は保証されるが、権力のコントロールが効かないフリーランスが特定秘密に触れた場合は罪に問われる、ということだ。

 安全保障を知り尽くしたハルペリン氏もそれは知らなかったようだ。

 ◇

(※)ツワネ原則

「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」。国家安全保障上の国家秘密に関する法津制定と国民の知る権利の保護の両立をはかるための国際的な指針。2013年南アフリカのツワネで採択された。
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http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009315

沖縄密約、因縁の日米2人が語る「秘密保護法」
2014年5月11日 00:19

    (西山氏「特定秘密保護法制の実施機関にメディアが
     入っている。そんな国が世界のどこにあるか?
     ハルペリン氏「ない」 =10日夜、弁護士会館 写真:筆者=)

 沖縄返還(1972年)に絡んで日米両政府の間で交わされた密約をスッパ抜き逮捕された記者(※)と返還交渉に携わった元米政府高官が10日、初めて対面した。

 元毎日新聞の西山太吉記者とジョンソン、ニクソン政権で安全保障を担当したモートン・ハルペリン氏。霞が関の弁護士会館で顔を合わせた二人は照れ臭そうに席を並べた。特定秘密保護法の さきがけ となる事件から40年余りが経っていた。

田中:かつてスッパ抜いた方として密約の担当者にお会いしたお気持ちはいかがですか?

西山:喜ばしいことですよ。とにかく彼はどうしても一回お会いしたい人だったから。それができたから、今日は本当に喜ばしい日ですよ。人生にとって。

田中:(西山さんは)密約によって人生を犠牲にしたといえるが、どう思いますか?

ハルペリン:Very Sad. 大変嘆かわしい

田中:彼に会ってどうですか?

ハルペリン:大変うれしいです。

田中:西山氏の事件は特定秘密保護法のオリジナル版のようなものです。彼は法を犯したが、それによって密約が明らかになり国民は喜んだが?

ハルペリン:彼は法を犯すべきではなかった。(ハルペリン氏の真意は、法律に不備があるということではないだろうか。幾度も「ジャーナリストに特定秘密保護法を適用してはならない」と述べていることからもわかる。)

   (「安倍政権独特の歴史認識がある。集団的自衛権、
    武器輸出・・・権力が集中する時、必ず秘密を独占したがる」。
    西山氏は現政権の危険性を厳しく指摘した。=写真:筆者=)

 沖縄返還にあたって米国は核を撤去し、軍用地の原状回復費用を負担するとされていた。しかし実際は日米両政府の間で「沖縄米軍基地への核再持ち込み」「米国が負担する400万ドルは、日本政府が肩代わりする」という“合意”がなされていたのである。これが沖縄返還密約だ。

 「核抜き・本土並み返還」は、佐藤栄作首相(当時)が政治家としての集大成をかけた粉飾だったのである。実態は真逆だった。国民の血税が使われ、沖縄の基地は核(再)持ち込みのまま固定化することになったのだ。

 パネルディスカッションで司会者から「沖縄返還交渉で密約は必要だったか?」と問われた西山氏は次のように答えた―

   「核密約は非核三原則を自らの手で引き裂くものだから、
    密約が成立する。財政上の密約は、なぜ国民に言えなかったか?
    綺麗に「無償返還だ」と美化して、あらゆる戦略をとった。
    これは国民を愚弄すること。外交交渉のプロセスは隠しても、
    結論は国民に言うべきだ。民主主義のイロハのイでしょう。
    密約なんて必要じゃなかったと思う」。

 同じ趣旨を質問されたハルペリン氏は「(密約は)開示すべきだった。敵国からの反撃というより国民からの反感が怖かったから日本政府は開示しなかった」と答えた。

 パネルディスカッションの冒頭、西山氏は「(日本に)秘密保護法がないとアメリカが困るということはない」と言い切った。ハルペリン氏も8日、衆院会館で行った講演でまったく同じことを話している。

 外務省アメリカ局長(当時)が「密約の存在」を認め、米公文書館で「密約文書」が見つかり、故佐藤栄作氏の家族も「密約文書」を公開している。2010年、岡田克也外相は「密約はあった」とする調査結果を公表している。

 それでも「密約はない」と言い張る自民党政権が、無理やりに成立させたのが「特定秘密保護法」だ。国民に知られると都合の悪いものは、厳罰で縛って知らせないようにする。

 国民の利益に適うことであっても為政者には不利益なのである。故佐藤栄作が安倍首相の大叔父というのも因縁か。

  ◇

外務省の女性事務官から機密情報を引き出した西山氏は、国家公務員法違反(教唆)の罪で逮捕、起訴される。1978年に最高裁で有罪が確定した。
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150186

米NSC大物が「安倍首相のウソ」明言 解釈改憲はデタラメ
2014年5月15日 

米は集団的自衛権の行使を望んでいないゾ

■解釈改憲はかくもデタラメ

 先日、アメリカの国家安全保障会議(NSC)の元メンバーで、外交専門家のモートン・ハルペリン氏が来日し、複数の国会議員や識者と懇談した。

 ハルペリン氏といえば、エール大で博士号を取得、国務省政策企画本部長などを務め、現在、外交問題評議会上級フェローという大物だ。そのハルペリン氏の口から飛び出したのが、安倍の「ウソ」なのである。

 意見交換会をセットしたひとり、柳澤協二元内閣官房副長官補にハルペリン氏を呼んだ趣旨と発言内容を語ってもらった。

 ハルペリン氏を呼んだのは集団的自衛権についてアメリカの識者から生の声を聞くことが目的です。安倍政権や解釈改憲容認派は『集団的自衛権行使容認をやらないと日米同盟が揺らぐ』みたいな言い方をするが、果たして、それは本当なのか。それを彼に聞いてみたかったのです。

 意見交換会には与党も含めて、複数の国会議員が参加しました。ズバリ、「集団的自衛権行使容認をアメリカが求めているのか」という質問が出ました。それに対してハルペリン氏の答えは明確でした。

 「秘密保護法よりも優先度は高いだろうが、最も優先度が高いのは貿易だ」「集団的自衛権にそれほどプライオリティーはない」と明言し、こんな例え話をしたのです。

   「夜中にオバマ大統領に電話をして、『(日本は米国のために)
    何が必要か』といきなり聞いてみればいい。その時にどんな答えが
    返ってくるのか。『1に貿易(TPP)、2に貿易、3に貿易だ』と言うだろう」

 日本が米国のために「集団的自衛権を行使できるようにします」と言えば、そりゃ、米国は「歓迎します」とは言うでしょう。米国にとって、迷惑な話ではないからです。しかし、それは米国が望む優先事項ではない。

 先日の日米共同声明で米国は「日本が集団的自衛権行使を検討することを歓迎する」とは言いました。でも、オバマ大統領は同時に『中国とは平和的に問題を解決するのが重要だし、あまり挑発的な言葉を使ったり、挑発的な行動を取るべきではない』とクギを刺した。


政府の言い分を信じちゃいけない

 私はハルペリン氏に「石破幹事長はアメリカに行って『アンザス条約(1951年に締結された米、豪、ニュージーランドの安全保障条約)のような多国間の同盟をつくっていきたい』という趣旨のことを述べた。そういうことをアメリカは考えているのか」と聞きました。

 ハルペリン氏は「マルチ(多国間)の同盟をつくるということは、それだけフリーハンドを失ってしまうことになるので、米国は望んでいない」と否定した。安倍政権がもくろむ中国包囲網のようなことをすれば、米国の利益を損なう。それが米国の考え方なのです。

 米国が日本の集団的自衛権の行使について、積極的に後押ししないのは理由があります。米国は日本の核武装や歴史認識について、かなり心配しているのです。ハルペリン氏も

   「(日本が)核開発はしない」というメッセージを出した上で、
    「北東アジアの非核地帯化というマルチ(多国籍間)の条約を
    作るべきだ。その方が日本の安全に役立つ」「安倍政権の
    歴史認識についても『昔の日本になるのではないか』と不安に
    思うアメリカ人がいる」「集団的自衛権の前に核軍縮や
    歴史認識問題を片付ける必要がある」と強調していました。
    改めて、「それが集団的自衛権行使容認の前提条件なのか」

と聞くと、「そうだ」と言う。

 「アメリカで安倍政権に危惧している人はいますか」という質問も出ました。この答えも「イエス」でした。なぜ、集団的自衛権がいま必要なのか。米国にもさまざまな意見、見方があるのです。政府側の言い分を100%うのみにするのではなく、幅広い検証と深化した議論が必要です。
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●「日米の核持ち込み密約」、次は「非」特定秘密「隠蔽」法でその存在を隠蔽か?

2014年02月08日 00時00分26秒 | Weblog


asahi.comの記事【首相、核密約「否定は誤り」 政府見解示す意向】(http://www.asahi.com/articles/ASG107VVBG10UTFK01B.html?iref=comtop_6_05)。

   『●白々しい歴代首相・関係者
   『●白々しかった歴代首相・関係者(2/2)

   
    「麻生太郎前首相は、「『密約は自分は承知していない。当時の国会、
     国民への説明ぶりは、わが国の安全保障を確保する観点に立った賢明な
     対応だった」とコメントを出し、安倍晋三元首相は、「核密約についての
     申し渡しは前任者(小泉純一郎元首相)からなかった」と強調した。
       密約の存在を検証しようとすらしなかったのに、ただ「知らない」を
     繰り返すのは、無能責任放棄としか言いようがない。少なくとも
     この数年間に米国が文書を公開し、事実が暴露された後は、
     ヤル気さえあれば、できたはずだ」

 安倍首相は「日米の核持ち込み密約について「ずっと国民に示さずにきたのは、私は間違いだったと思う」と答弁し、存在を否定してきたのは誤りだったとの認識を示した」そうだ。OK。では、どう落し前をつけるのか? 猛毒法・「非」特定秘密「隠蔽」法で、その存在を隠蔽するつもり?

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
           伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   『●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が
               隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”」

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http://www.asahi.com/articles/ASG107VVBG10UTFK01B.html?iref=comtop_6_05

首相、核密約「否定は誤り」 政府見解示す意向
2014年2月1日05時31分

 安倍晋三首相は31日の衆院予算委員会で、日米の核持ち込み密約について「ずっと国民に示さずにきたのは、私は間違いだったと思う」と答弁し、存在を否定してきたのは誤りだったとの認識を示した。首相は「この問題について政府としてどう考えているか示したい」とも述べ、政府見解を発表する方針も示した。

 民主党の岡田克也元外相が「歴代首相が国民にうそをついたと言われても仕方のないことを答弁した。重大だ」と追及したのに答えた。

 核持ち込み密約は、核兵器を積んだ米軍の艦船の日本への寄港・通過を事前協議の対象外とする内容。民主党政権時の有識者委員会が2010年、日米間に暗黙の合意という「広義の密約」があったと結論付けた。09年までの自民党政権は存在を否定していた。
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●特定秘密隠蔽法案衆院通過: ・・・だから?、福島の人々の声は聞こえないのだろうか? それとも・・

2013年12月02日 00時00分35秒 | Weblog


asahi.comの社説【秘密保護法案―福島の声は「誤解」か】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit211月26日)、
東京新聞の記事【秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html)、
『田中龍作ジャーナル』の記事【【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272)。
最後に、東京新聞の社説【特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html)。

 東京電力原発人災であんな大変な思いをした福島の人達でさえもアリバイづくり?、に利用されたようだ。無茶苦茶。

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
           伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   『●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が
               隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”」

 「秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対」、「「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」・・」、「実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけている」・・・・・・。

 アリバイ作りに利用され、猿芝居・デキレースにつき合わされ、またしても福島の人達は踏みつけられてしまった。
 田中龍作さんの記事、「「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた・・「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。額賀座長は一顧だにしなかった」・・・・・・、酷いものである。
 馬耳東風な馬さんや鹿さんな政治家には反対を叫ぶ市民の声など聞こえないか、それとも、単に無神経なだけなのか?

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、11月26日】

2013年11月26日(火)付
秘密保護法案―福島の声は「誤解」か

 特定秘密保護法案を審議する衆院の特別委員会がきのう福島市で地方公聴会を開いた。

 福島第一原発の事故は日本にとって近年最大の危機だった。その恐ろしさを肌身で知る福島の人たちは公聴会で、口々に法案への懸念を語った

 秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対した。

 与党である自民、公明両党は、この事実を重く受けとめるべきだ。

   「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を
    避けることができた」

 浪江町の馬場有(たもつ)町長は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報が適切に公開されず、町民が放射線量の高い地域に避難した問題を取り上げた。

 自民、公明両党の委員は「誤解がある」「今回の法案の対象ではない」と反論したが、そう単純な話ではない

 危急の時にあっても行政機関は情報を公開せず、住民の被曝につながったその実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけているのではないか。

 法曹関係者は公聴会で「(秘密の範囲について)拡張解釈の余地をきちんと狭めるべきだ」と指摘した。

 特別委員会の審議で明らかになった、こんな事実もある。

 福島第一原発の事故直後、現場の状況を撮影した情報収集衛星の画像を、政府が秘密保全を理由に東京電力に提供しなかったというのだ

 東電には秘密保全措置がないから、画像は関係省庁だけで利用した。代わりに商業衛星の画像55枚を4800万円で購入して東電に提供したという。

 情報収集衛星は災害目的にも使われるはずだった。それが肝心のときに「秘密」にされた。

 公聴会の出席者に自民党議員は「どうぞ信頼していただきたい」と述べた。どう信頼すればいいのか。反対意見を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 地方公聴会を、みんなの党、日本維新の会を含めた4党による衆院通過に向けたアリバイづくりにしてはならない。

 福島県議会は10月、法案への慎重対応を求める意見書を出した。「もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵(かし)ある議決となることは明白である」と訴えている。

 与党はもう一度、考えたほうがいい。福島の人々の懸念は、ほんとうに「誤解」なのか。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html

秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念
2013年11月26日 朝刊

 衆院国家安全保障特別委員会は二十五日、福島市で特定秘密保護法案の地方公聴会を開いた。七人の公述人が意見を述べたが、与党側が推薦した二人を含め、全員が法案の慎重審議や廃案を主張。福島側には、東京電力福島第一原発事故で政府の情報公開が遅れたことに対する不信感が強く、国民の「知る権利」を一段と制限しかねない法案への批判が噴出した。 (横山大輔)

 与党が推薦したのは、今も「帰還困難区域」を抱える福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長と、畠中信義いわき短大特任教授。

 馬場氏は原発事故後、放射能拡散予測の公開が遅れたため、住民が放射線量の高い地域に避難した経緯を説明し「適切な経路を示してくれれば被ばくは防げた」と政府を批判。畠中氏は「知る権利」の重要性を指摘し「国民が判断するには情報が重要だ」と秘密保護より情報公開を進めるよう要求した。

 与党側は馬場氏との質疑で「原発情報は特定秘密の対象にならない」との政府解釈を持ち出して理解を求めた。しかし、馬場氏は納得せず、原発施設の警備情報はテロ防止のため公表されないことを指摘。秘密が際限なく広がりかねない懸念から「どう絞り込むのか。慎重に議論を尽くすことが大切だ」と強調した。野党推薦の公述人からも「今ある法律で十分だ」「拡大解釈はしないというが、歴史を踏まえると権力は腐敗する」と反対論が相次いだ。

 福島での開催は野党が求め、成立を急ぎたい与党が応じた。厳しい意見を受け、特別委の額賀(ぬかが)福志郎委員長(自民)は終了後の記者会見で「非常に濃密な意見交換ができた。与野党で議論して、まとめたい」と述べた。

 <地方公聴会と参考人質疑> 国会法は、委員会が一般的に関心の高い重要法案を審議する際、有識者らから意見を聴くことができると定める。これを中央公聴会と呼び、予算案や予算関連法案の審議には開催が義務付けられており、公聴会開催は一般的に採決の前提とされる。
 一方、地方公聴会は委員が地方に出向いて意見を聴くもので、正式には「委員派遣」という。公聴会の名が付くものの、中央公聴会とは異なり、法的に位置付けられたものではない。むしろ、利害関係者や学識経験者などの意見を聴く参考人質疑と似ている。
 特定秘密保護法案をめぐっては与党は参考人質疑と地方公聴会を終えたことで「採決の環境が整った」と主張。野党側は中央公聴会も開くよう求めている。
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http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272

【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」
2013年11月25日 18:26

     【浪江町の馬場有町長は憤りと落胆を隠せなかった。
      =25日、福島市 写真:島崎ろでぃ=】

 「衆院の国家安全保障・特別委員会はきょう、「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた

 各党から選出された地元の7人が意見陳述した。

 トップバッターの浪江町の馬場有(たもつ)町長は次のように話した―

 「SPEEDIの情報が的確に公開されず、避難に活かせなかった。情報公開さえしてくれれば何らかの方法があった。東電と通報協定を結んでいたが守られなかった。我々は民主主義の拠り所である幸福追求権、生存権、財産権を全て侵害されている。人権を守って、情報公開してほしい。明るみに出せるところは出してほしい。もうちょっと慎重な対応をするべき。国民と論議を尽くすことが大切だ」。

 二瓶由美子・桜の聖母短大教授は「まず、廃案にしてほしい」と切り出した。

 「3.11以降、たくさんの情報が隠されていたのではないか、ここ(福島)で若い人々を教育していいのか思い悩む日々が続いた」。

 二瓶教授は原発事故の際、東電社員の家族がバスで先に逃げたとされることに触れ「情報は流れている所には流れているが、私たち愚民には与えられないのではないか?それが懸念される」。教授は官僚や政府トップによる情報独占の危険性を指摘した。

     【「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。
      懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。
      額賀座長は一顧だにしなかった。=写真:島崎ろでぃ=】

 原発関連会社の名嘉幸照社長の陳述にはド肝を抜かれた。情報隠ぺいの多い原発政策を擁護するのかと思っていたら、その真逆だった。

 「原発労働者が原発について家族にも話せない状況が続いてきた。それが安全神話を生み取り返しのつかない事故につながった」。

 「私は沖縄県出身だが、米軍事故では何も知らされなかった。“ 私達は日本人ですか? ”といつも問いかけて来た。福島県の人にも“ 私達は日本人ですか?”と言わせないで下さい」。名嘉社長は体の深奥から言葉を絞り出すようにして訴えた。

 陳述人7人全員が「特定秘密保護法に反対する」と宣言した

 公聴会終了後、額賀福志郎座長(自民)、国家安全保障特別委員会の中谷元・与党筆頭理事らが記者会見を開いた。

 「地元陳述人は原発災害における情報公開と国民の生命・財産を守る特定秘密を若干混同していたが整理できた」。額賀座長は自信をのぞかせた。

 “ 国民が心配する情報隠しと、国が守ろうとする特定秘密は違うのだから、通過させても構わないだろう ” といわんばかりだ政府が福島で公聴会を開いた意図がここにあった

     【国家安全特別保障委員会・福島公聴会。
      中谷元・与党筆頭理事(右端)は記者会見で「原発で秘密指定の
      対象となるのは警備」と強調した。=写真:島崎ろでぃ=】

 ところが浪江町長にぶら下がり記者会見で話を聞くとそうではなかった。「(特定秘密の)範囲が広すぎる。テロ防止の名目で(原発)事故隠しをされたら困る」。

 「理解してもらえたか?」と記者団が聞くと「理解してないんじゃないかな。表情を見る限り」。浪江町長は肩を落とした。

 「中央でも公聴会をすべき。2週間やそこらの審議で済むことではない。国民の安全保障に関わる問題なのだから」と続けた。

 公聴会開始前、幼子を背負った母親が受付に現れた。「秘密保護法にイヤと言いたいんですけど、私たちは言えないんですか?子供のためにもすごく心配。何か分からないで知らずに触れる恐れがある。議員さんにもぜひ伝えたい」

 母子はたまたま公聴会会場のホテルに投宿していたのだった。安倍政権は国民の心配をよそに猛スピードで「特定秘密保護法案」を成立させようとしている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html

【社説】
特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ
2013年11月27日

 広く疑念の声があがる特定秘密保護法案が衆院の本会議で可決した。巨大与党が力ずくで、渦巻く反対論をねじ伏せたのだ。強行突破は看過できない

 福島で二十五日に開かれた地方公聴会は、いったい何のためだったのだろう。首長や学者ら七人が意見を述べたが、賛成者は一人もいなかった。「慎重に、国民のために議論を尽くすことが大切だ」「外国の信頼よりも、国民の信頼を得るべきだ」-。もっともな意見が続出した。

 とくに原発事故で放射能の拡散予測が隠された体験があるだけに、「一番大切なのは情報公開だ」と語った人もいた。


数の力でのおごりだ

 その翌日に衆院の本会議で、一部野党との修正協議を経た法案が、駆け足で可決された。つまり、福島の公聴会はたんなる“儀式”にすぎず与党は耳をふさぎ、尊重もしなかったのだ。あまりに乱暴である

 さまざまな危うさが指摘される秘密保護法案であるため、報道各社の世論調査でも「慎重審議」を求める意見が、60%台から80%台を占めていた。国民の声すら軽視したに等しい

 与党は圧倒的な数の力におごっている。修正案に加わった日本維新の会さえ、この採決には退席した。この強行可決をあえて暴挙と呼ぼう。

 修正案自体も評価に値しない内容だ。秘密の有効期間は最長三十年だったが、「六十年を超えることができない」という規定が加わったため、「六十年原則」の方が幅を利かせる恐れがある。

 その場合も七項目の例外が設けられていて、中には「政令で定める重要な情報」という、あいまいな言葉が挿入されている。これでは半永久的に国民から重要情報が遮断されてしまう。


議員こそ反対の先頭に

 特定秘密の指定や解除などについて、首相が「その適正を確保するため(中略)指揮監督する」という条文も、効力を発揮しないだろう。首相は行政機関の「長」の上に存在する「長」であるから、公正な審判役たりえない

 約四十万件とも見積もられる特定秘密の膨大な文書に対し、首相がいちいち目を通すはずもない。全くの空文である。

 有識者会議もたんに基準を示すだけの存在だ。本当に実質的な秘密に値するかどうかのチェックは、司法権さえからも受けない仕組みなのだ。

 付則では「独立した公正な立場において検証し、監察する新たな機関の設置」が書かれた。だが、あくまで検討事項にすぎないし、具体的な中身も不明である。法案が抱える欠陥を補えるとは到底、期待できない。

 国会への特定秘密の提供も付則に記されたものの、その方策はやはり検討事項にとどまる。この法案が国権の最高機関さえ素通りし、官僚機構が情報支配を進める原点に変わりはないのだ。

 問題のありかは特別委員会の審議を経ても山積している。衆院本会議で可決・通過したので、次は参院に移る。もっと議論して、廃案に持ち込んでほしい。

 とくに憲法の観点から疑念が持たれている点を重視すべきである。国民主権や基本的人権、平和主義の三大原則から逸脱していることだ。

 いわゆる「沖縄密約」や「核密約」などの問題は本来、活発に議論されるべき国政上の大テーマである。これに類似した情報が特定秘密に指定されると、国民は主権者として判断が下せない。

 国会議員といえども、秘密の壁に阻まれてしまう。仮に情報を得たとしても、政策秘書や所属政党に口外すると、処罰対象になる。議員は院内での免責特権があるものの、国会追及はとても期待はできないだろう。

 国政上のテーマについての言論を封じ込める法案とは、ほとんど情報統制の世界に近い。国会議員自身の問題でもある。どれだけの議員が、この深刻さを理解しているか。本来は議員こそ反対の先頭に立つべきなのだ。

 軍事面に過度に傾いている法案であるうえ、安倍晋三内閣は来年にも集団的自衛権の行使ができる「国家安全保障基本法案」の提出をめざしている。平和主義とも相いれないはずだ。


三角形は美しく保て

 特定秘密の取扱者は、飲酒の節度や借金などまで調べ上げられる。調査は親族にも及ぶ。人権上の懸念が持たれるのも当然だ。反原発運動など、さまざまな市民活動の領域まで、公権力が監視する心配も濃厚だ。

 行政権だけが強くなる性質を持つ法案である。民主主義の三角形を美しく保つためにも、あらためて反対表明をする。
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●安倍晋三氏の政治を振り返ってみると・・・

2012年12月19日 00時00分52秒 | Weblog


近々首相に返り咲くらしい安倍晋三氏がどんな政治家であったのかを振り返っておくのも悪くないだろう。彼や彼らの党、親戚の党に投票してしまった(小選挙区制という最悪の選挙システムによって、3割の人で7割も勝たせてしまった)「その人の品格」について考えてもらうためにも。

・・・・・・ 『●『「反日」とは何か ~中国人活動家は語る~』読了(3/3)』 
■「小泉純一郎や安倍晋三など、・・・アジア諸国民からの批判に開き直る一群の政治家・・・、日本人として空しい。彼らに、そもそも平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい。むしろ、・・・彼らは先人の掘った井戸の水を濁らせているのだ、と」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『だまされることの責任』読了(2/3)
■「(佐高さん)「「自己責任」とイラクで人質になった人たちに向かって言った政治家って、きれいに二世・三世・・・小泉をはじめ・・・福田康夫・・・中川昭一・・・麻生太郎・・・安倍晋三・・・つまり、本当は「自己」というものがない人たち。・・・田中秀征・・・かなり鋭い二世論を書いている・・・「この人たちは存在は許されても、行動は許されていない」・・・保守の中のリベラル、数少ない自民党の民権派の系譜、松村謙三、石橋湛山、宇都宮徳馬、鯨岡兵輔、これがきれいに世襲させてないんですよ。この四人はいずれも文章家です。いわば〝ペンだこをもった政治家〟」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『創(2009年4月号)』(2/2)
■「「・・・中川氏は安倍晋三議員とともに、NHKの従軍慰安婦を取り上げた番組の放送前日に・・・NHK幹部を呼び、番組を「偏った内容だ」と指摘し」、番組を改悪するように政治的圧力をかけ、NHKはそれに屈した訳だ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了
■「「安倍晋三幹事長は、犯行グループの解放声明が出されて数時間後にオンエアされたテレビの生番組で、人質事件を憲法九条〝改正〟と絡ませてみせた」(p.34)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『創(2009年12月号)』読了(1/2)
■「綿井健陽さん・・・「報道やジャーナリズムに携わる者が、言論・報道の自由という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。/たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(4/4)
■「教育にまで自由化の波が・・・、それは赤紙を意味した。「・・・安倍晋三氏は・・・公教育の場に市場原理を導入する・・・。・・・学校間競争が始まり、学校は効率化され、子どもたちも「選択の自由が得られる」とうたいました。しかし、実際に・・・アメリカの自治体や、イギリスなどでは、・・・その選択権を行使することさえできないという結果になっています。・・・これまでもあった学校格差がもっと激しいかたちであらわれ、階層化はよりいっそうすすみました。/・・・/・・・イラクで死んでいった若者の多くは、製造業が死に絶え、荒廃し、仕事もない地方の学歴の低い若者たちです。海兵隊、そうした仕事のない街に狙いをさだめてリクルーターを派遣します。/・・・軍隊は、階層社会を這いのぼる唯一の梯子です。/そのチャンスに賭けて、多くの若者が戦場にでかけ死んでいっているのです」(pp.179-180)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●白々しかった歴代首相・関係者(2/2)
■「麻生太郎前首相は、「『密約』は自分は承知していない。当時の国会、国民への説明ぶりは、わが国の安全保障を確保する観点に立った賢明な対応だった」とコメントを出し、安倍晋三元首相は、「核密約についての申し渡しは前任者(小泉純一郎元首相)からなかった」と強調した。
 密約の存在を検証しようとすらしなかったのに、ただ「知らない」を繰り返すのは、無能責任放棄としか言いようがない。少なくともこの数年間に米国が文書を公開し、事実が暴露された後は、ヤル気さえあれば、できたはずだ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『官僚とメディア』読了(3/3)
■「朝日新聞の誤報などでは決してない「番組改変が政治的圧力によって行われた」間違いのない事実(p.150、『国家とメディア』)。「NHK・・・らが中川昭一・経産相(当時)、安倍晋三自民党幹事長代理(当時)内閣総理大臣に呼ばれ、・・・などと放送中止を求める発言もした」。「中川NHKに事前に圧力をかけたことをはっきり認めている。これだけはっきりしゃべったことを後でひっくり返すのは、無責任極まりない態度だと言うほかない」(p.167)。辰濃哲郎記者の〝無断〟録音〝事件〟。「・・・辰濃の名誉はどうなるのだろう。ことの真相を伏せられ、必要以上の汚名を着せられたまま退社処分になった彼の人権はどうなるのか」(p.170)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『官僚とメディア』読了(1/3)
■「共同通信で、「・・・安倍晋三にからむ記事の出稿を当面見送るとの通告・・・。・・・上から突然ストップ・・・。/・・・「美しい国」を掲げて安倍政権が華々しく登場した直後、・・・差し止められた・・・」(pp.9-10)。「ドロドロした実態」とへそ茶。「安倍事務所の体質からいって・・・、安倍直系の江島市政では談合とか選挙違反とかいろんな不正が無法地帯のように横行している。『美しい国』とか『再チャレンジ』とか、・・・へそで茶がわくっていう話だよ」(p.16)。
 共同通信の「支局開発を非難するのは増元だけではない。・・・、特に安倍首相や麻生外相ら政権中枢にそれが強い・・・。/・・・官邸から嫌がらせをされることを恐れた共同の上層部が自主規制した結果でしょう。記事を差し止めたのは編集局長の後藤(謙次)さんの判断だったと聞いています。・・・/・・・報道機関が権力批判の刃を鈍らせてしまうなら、・・・。まして、首相にまつわる記事を自主規制で握りつぶしたのなら、メディアとしてはこれ以上ない、絶望的な愚行だろう。たとえどんな大義名分があろうと、権力批判の刃を捨てた報道機関報道機関の名に値しない」(pp.27-29)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ 『●『自民党の終焉』読了(1/4)
■「「・・・カーティス教授は・・・。/≪第一に、有権者は、指導者としての安倍晋三首相に「NO」と言った。≫/≪第二に、有権者は、安倍首相の政策アジェンダ(課題)の優先順位に「NO」と言った。国民が関心を抱いているのは、医療問題、年金制度の健全さ、公立学校教育の向上、所得と地域間の格差である。だが、安倍首相が優先させるのは、戦後レジームの脱却、愛国教育、憲法改正、そして美しい国づくりだ。・・・国民に一番身近な課題に具体策を示さないばかりか、大きな関心さえ示さなかったことへの「NO」であった。≫/・・・/7月29日の参議院議員選挙において有権者は安倍政権を不信任したのである。不信任された首相が・・・具体的な反省点を示さないまま首相の座に固執しつづける姿は異常であった」(pp.15-16)」
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・・・・・・ 『●『自民党の終焉』読了(3/4)
■「日米関係と自民党の二つの政治路線。「一つは保守中道路線と云うべきもので、外交政策においては国連中心主義をとりつつ米国とも中国、韓国などアジア諸国とも友好関係を維持し、国内政策においては国民生活を重視し、・・・。・・・石橋湛山、池田隼人、田中角栄三木武夫、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一、・・・細川護煕、村山富市らであった。/もう一つは、・・・従米路線である。・・・岸信介中曽根康弘小泉純一郎であった。安倍晋三もこの路線の政治家である。/・・・両者の中間路線である。・・・佐藤栄作、福田赳夫、海部俊樹、橋本龍太郎らであった」(pp.134-135)」
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・・・・・・ 『●『自民党の終焉』読了(4/4)
■「「歴史認識が甘すぎる安倍前首相の発言が招いた危機」(pp.165-167)。「歴史を見直そうとする一部の右翼思想家たちの活動に政治家は加わるべきではない。・・・思い上がりである。・・・愚か過ぎいるほど愚かで軽率な行為だった。・・・。/・・・河野談話を否定する運動が起きた。・・・安倍晋三氏はこの運動の中心にいた。/「従軍慰安婦は歴史的事実に反する」という者がいたら、その人は戦争のことをほとんど知らない人である。そうでなければ異常な人である。・・・無神経な話はとうていできないであろう。具体的な政府文書があるかないかは、どうでもよい問題である」。
 歴史認識について、「たとえば安倍応援団の一つとみられている読売新聞は、・・・。・・・まことに愚かである。過ちを重ねている」(p.170)」
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・・・・・・ 『●『首都圏生きもの記』読了(2/2)
■「『セキュリティー意識の高揚とアシナガバチ』。「・・・アナフィラキシー・ショック・・・。・・・アシナガバチも同様だ」(p.177)。「安倍晋三元首相が「美しい時代」と形容した「三丁目の夕日」の時代の少し前である一九五四年、この国の治安は最悪だった。殺人事件の認知件数は・・・二〇〇九年は・・・。戦後最小だ。ここ十数年は毎年のように戦後最小を更新している。・・・彼らの天下り先を保障しなければならない。治安セキュリティーの業界が冷え込んだら困るのだ。/こうして危機管理意識が上昇するばかりの東京。いいよ。どんどんあがれ。僕は東京には住まないから」(p.173)」
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・・・・・・ 『●蓮池透×森達也ロング対談
■「拉致被害者家族連絡会の内部の状況や蓮池さんの孤立化と家族会からの離反の経緯、さらに後半では、遺骨からのDNA抽出の問題やマスコミ・安倍晋三氏などのバカ騒ぎとミスリードの問題など、非常に多くの事柄が対談の中に出てきます。対談から既に1年以上経過していますが、その間、対北朝鮮関係にはほとんど進展が見られません。対談の中でも語られていますが、まずは、国交正常化が変化の第一歩で、経済制裁を声高に叫んでも進展はますます遠のくものと感じました」
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・・・・・・ 『●『ふたたび、時事ネタ』読了
■「安倍晋三氏についてしつこいくらいに(p.32、43、63、66、67、71、83、156、256)。
 麻生太郎氏(p.158、163、171、174、186、257)。自民党や国民のセンスの悪さ。
 石原慎太郎氏(p.49,136)。
 橋下徹府知事(p.108)。「・・・ああいう都知事を三選させた東京都民の私がいうのもなんだけど、懲りてません大阪も」。「大阪府知事の思いつき語録」(pp.141-143)プチ小泉改革、民尊官卑。
 新自由主義路線(p.165)。
 「検察の暴走と「小沢問題」」(pp.189-192)。
 古賀選対委員長との対話での、東国原氏の「日本中があきれた瞬間」(p.216)。「土建化せんといかん」」
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・・・・・・ 『●『創(2011年1月号)』読了
■「森達也さん「極私的メディア論/第57回 尖閣映像流出とポピュリズム」(pp.84-87)。安倍晋三氏のお笑いブログ、「誰が愛国者か?」。こっちが聞きたいよ! 石原慎太郎都知事も、「国家の英雄」だってさ!? 「・・・近代司法における最重要な原理である罪刑法定主義は否定され、この国の近代司法国家の看板を下ろさねばならなくなる」」
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・・・・・・ 『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト
■「旧聞に属する話ながら、大手マスコミはまったくというほど自民党、特に安倍晋三元首相(冒頭写真)の責任を追及しないので報じる。・・・海水注入中断の件、谷垣総裁は「報道によれば」といっているが、その報道は5月21日にあり、そのネタ元は前日発信の安倍元首相のブログだった。
 要するに、これを偽メール事件に当てはめると、ガセネタを提供した西澤孝(2年少し前に養子に入り別姓に)というフリーライターの立場にいるのが安倍元首相であり、自殺した永田氏に当たるのが谷垣総裁ということになる。
 結果は大丈夫だったが、海水注入を中断していれば再臨界が起こる可能性があり、このネタが本物なら菅首相はすでに辞任していたかも知れない。自民党、安倍元首相の背後には原発を今後も推進したい経産省が付いており、この谷垣総裁質問の本質は、菅降ろしのための「原発クーデータ」計画だったといっていいだろう。」
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・・・・・・ 『●山口県知事選、賢明な選択を!: 土建派暗躍・・・・・・恥ずかしい
■「それを象徴したのが7日、県東部の防府市内のホテルで開かれた山本氏の決起集会だ。ユニホーム姿の地元建設業者もズラリと揃った中、安倍晋三・元首相と高村正彦・元外務大臣が講演したのだが、その中身たるや、かつての利益誘導型選挙そのものだった。
 安倍は「消費増税の3党合意に『経済弾力条項』があって名目経済成長を3%にしましょうと書いてある」と指摘、公共投資の必要性を強調した。」
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・・・・・・ 『●ダブル党首選の街頭演説ネタ二題
■「どうでもよい内容ですが、過去の人、三人、安倍晋三氏・麻生太郎氏・田母神俊雄氏についての記事。こんな軽薄3人に大きな顔をされたのでは、日本もお終い。安倍氏が党首となり、再び総理へ・・・なんて、想像しただけで私は耐えられません。自民党に相も変わらず投票し続けている人たち、本当に大丈夫ですか? 田母神氏の「トリクルダウン理論」もどき、小泉純一郎氏の盟友、そして、橋下大阪元〝ト〟知事の「ブレイン」竹中平蔵氏そっくりで、吐き気をもよおす。」
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・・・・・・ 『●視察パフォーマンスと経団連詣で
■「一方、「自民党の安倍晋三総裁は9日午前、経団連米倉弘昌会長らとの政策懇談会を都内のホテルで開き、2030年代の原発ゼロを目指す野田政権の方針について無責任だとの認識で一致」したそうだが、2030年代では遅すぎて無責任だ、ということかと思ったら、さっさと原発再稼働、原発建設再開しろ、という趣旨らしい。核燃サイクルもんじゅをやれ、という趣旨まで含むのかもしれない。まったく、自民党も経団連も救い難い。自民党なんかを復権させてはたまったものではない。
 民主党もダメ、自民党はもっとダメ、橋下元大阪〝ト〟知事の新党なんて恐ろしくて、論外。あ~、お先真っ暗。」
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・・・・・・ 『●「ト党、等々」についての最近のつぶやき
■「ト党を組んだ、とこぞのト党の両元「ト」知事にもそれは当てはまりそう。『安倍晋三 再発し始めたもう1つの「病気」/気に入らない媒体をネチネチ批判』(http://gendai.net/articles/view/syakai/139835) / 「ほめられる媒体を重用し、批判する媒体を毛嫌いする。お腹と同じ安倍の“持病”が再発だ」」
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・・・・・・ 『●なんで今、憲法改正を俎上に?
■「○七年、自民党の安倍晋三総裁は首相だった当時、自衛艦と並走する米軍艦艇の防御、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃など四類型を示し、集団的自衛権行使の容認を目指しました。いったいどの国が世界一の軍事力を誇る米国に対して正規戦を挑むというのでしょうか」
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●白々しかった歴代首相・関係者(2/2)

2010年03月11日 04時10分08秒 | Weblog
つづき
検証すらしなかった無能・無責任
 報告書では、「72年の沖縄返還時の核再配備に関する密約」こそ認めなかったものの、「60年安保条約改定時の核持ち込みに関する密約」と「沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わりに関する密約」を広義の密約と認め、「朝鮮半島有事の在日米軍基地自由使用に関する密約」を狭義の密約と認定した。
 密約の有無を認めたことに加え、今回の意義は、あの閉鎖的な外務省が「重要文書」の内容を明らかにしたことだ。有識者委員会のメンバーのひとりで、名古屋大学大学院教授の春名幹男氏がこう言う。
「4423冊ものファイルから、外務省が関係する文書を見つけ、全部、表に出してきました。外交文書について米国では情報公開が進んでも、日本はこれまで一切出さなかった。これを契機に日本も出すようになれば、今回の報告書の意義は大きい」
 岡田克也外相は、早速、自らを本部長とする「外交記録公開・文書管理対策本部」を設置。外交文書の公開基準の見直しに着手した。
 報告書を受けて、広島市の秋葉忠利市長は、「事前協議がない以上、核の持ち込みはないと政府が主張してきたことは国民を欺く行為」と怒りをあらわにした。被爆地として当然だ。許せないのは歴代の自民党首相たちが、9日、密約の事実を突き付けられても、「知らぬ存ぜぬ」を繰り返したことだ。
 麻生太郎前首相は、「『密約』は自分は承知していない。当時の国会、国民への説明ぶりは、わが国の安全保障を確保する観点に立った賢明な対応だった」とコメントを出し、安倍晋三元首相は、「核密約についての申し渡しは前任者(小泉純一郎元首相)からなかった」と強調した。
 密約の存在を検証しようとすらしなかったのに、ただ「知らない」を繰り返すのは、無能責任放棄としか言いようがない。少なくともこの数年間に米国が文書を公開し、事実が暴露された後は、ヤル気さえあれば、できたはずだ。
「それはないものねだりですよ。自民党は米国の安保政策に万々歳で賛成していたわけではなく、ただ単に、米国に追随しただけ。日米関係さえうまくいけばよく、日本国の安保のことなんて頭になかったのですから」(九大名誉教授・斎藤文男氏=憲法)
 自民党時代にたまった膿が、ドンドン白日の下にさらされていく。これこそ、政権交代の効果だ。
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