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●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)

2017年04月03日 00時00分46秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]


リテラのインタビュー記事【『標的の島 風かたか三上智恵監督インタビュー(前編) 宮古島石垣島が米中戦争の捨て石にされる!『標的の島 風かたか』監督が語る南西諸島自衛隊配備の本質】(http://lite-ra.com/2017/03/post-3020.html)と、
【『標的の島 風かたか三上智恵インタビュー(後編) 『標的の島』監督が問う『ニュース女子』問題、「土人」発言…なぜ沖縄ヘイトデマが生み出されるのか?】(http://lite-ra.com/2017/03/post-3023.html)。

 《「あまりにも悔しい。いまの状況が、悔しい」 3月25日より東京で公開されるドキュメンタリー映画『標的の島 風(かじ)かたか』先行特別上映の舞台挨拶に立った三上智恵監督は、目に涙を溜めながら、切実な声でそう語った》。
 《映画タイトルにもある「風(かじ)かたか」ですが、これは「風よけ」「防波堤」という意味だそうですね。 三上…昨年6月19日に那覇市で行われた、米軍属によって暴行され殺されてしまった被害者女性を追悼する県民大会で、この言葉が出てきました》

 三上智恵監督の映画『標的の島 風かたか』のタイトルは、《稲嶺進さんが「我々は、また命を救う《風かたか》になれなかった」という嘆きの言葉から》、《我々行政にある者、政治の場にいる者、多くの県民、今回もまた、ひとつの命を救う風かたかになれなかった》。その前段として、《古謝美佐子さんが「童神(わらびがみ)」という歌を歌われたんですが、そのなかに「風かたかなとてぃ 産子 花咲かさ」(私が風よけになって この子の花を咲かせてやりたい)という歌詞》がありました。

   『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、 
          「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!
   『●映画タイトルは、稲嶺進さんが「我々は、
      また命を救う《風かたか》になれなかった」という嘆きの言葉」から
    《三上智恵監督の新作映画『標的の島 風かたか』の試写に行ってきました。
     前作の『戦場ぬ止み』から2年近く。その2年の沖縄の状況が、
     あますことなく描かれた映画》。
    「《稲嶺進・名護市長が口にした「我々は、また命を救う風かたか
     なれなかったという嘆きの言葉から》映画のタイトルは採られたそうだ。
     《沖縄のことばで「風よけ」のこと》だそうです。
      番犬様には何も言えないアベ様ら。一方で、番犬様にシッポを
      振るために沖縄でやっていることは、「沖縄イジメ」そのもの」

   『●「なぜ巨大な権力にあらがえるのか。
      人々は「世代の責任」を語る」「子を守る「風かたか」になる」

 《あまりにも悔しい。いまの状況が、悔しい》という監督の言葉通りの酷い状況。沖縄破壊沖縄イジメ。《ここ最近の沖縄をめぐる状況は、誰の目にも異常だ》。インタビュー前編のリードの部分を読んでみて下さい。
 そして、《さらに切迫した問題》として、南西諸島での自衛隊配備等による「住民分断」。アメリカが画策し、日本政府が悪乗りする《「統合エアシーバトル構想」…アメリカと中国の争いに自衛隊と南西諸島が差し出され、新たな戦争の「防波堤」にされようとしている》。アメリカの意のままに、アベ様らのやりたい放題ではないか。でも、第一《防波堤》としての《日本全土がアメリカの「風かたか」》…《米中の「新たな戦争の「防波堤」に》なっているのは南西諸島を含むニッポン列島全体。

   『●中学生を「青田買い」する自衛隊: 
     「体験入隊や防衛・防災講話」という「総合的な学習の時間」も
   『●自衛隊配備で「住民分断」: 
     「自衛隊の配備計画…いずれの島でも人々は分断されている」
    「東京新聞の半田滋さんによるコラム【【私説・論説室から】
     島を分断する自衛隊配備】…。《「賛成派が新たな職を得て
     優遇される一方、反対した人は干され、島を出ている」という。
     …自衛隊の配備計画は与那国に続き、奄美大島、宮古島、
     石垣島でも急速に進む。いずれの島でも人々は分断されている》」

   『●「しかし、沖縄にはいまだ“戦後”は 
     一度たりとも訪れていない」…安倍昭恵氏には理解できたのだろうか?
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」

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http://lite-ra.com/2017/03/post-3020.html

標的の島 風かたか三上智恵監督インタビュー(前編) 
宮古島石垣島が米中戦争の捨て石にされる!『標的の島 風かたか』監督が語る南西諸島自衛隊配備の本質
2017.03.24

     (映画『標的の島 風かたか』を監督した三上智恵氏)

 「あまりにも悔しい。いまの状況が、悔しい
 3月25日より東京で公開されるドキュメンタリー映画『標的の島 風(かじ)かたか』先行特別上映の舞台挨拶に立った三上智恵監督は、目に涙を溜めながら、切実な声でそう語った。
 無理もない。琉球朝日放送のアナウンサーでありディレクターとして真っ先に高江のヘリパッド建設工事の問題を追い、映画監督として辺野古を守ろうとする市民たちと権力側の蛮行をフィルムに焼き付け、沖縄の現実を伝えてきた三上氏だが、ここ最近の沖縄をめぐる状況は、誰の目にも異常だ
 昨年7月の参院選でのオール沖縄の勝利の翌日から露骨にはじめられた高江でのヘリパッド建設工事、辺野古の埋め立て承認取り消し処分を求めた訴訟での最高裁による不当判決、そして山城博治さんの約5カ月もの非道な拘留。4月にはひとりの女性の命がまたも米軍属の男によって奪われ、12月にはオスプレイが300メートルほど先には住宅があるという場所で「墜落」した
 その一方で、高江に駆り出された大阪府警の警察官による「土人」発言に加え、よりにもよって松井一郎大阪府知事はその警官を「ご苦労様」とねぎらい差別を肯定してみせ、『ニュース女子』のデマ報道まで飛び出すようになった。
 しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した問題を沖縄から日本全国へ提起する。
 それは現在、安倍政権が進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある。
 この「エアシーバトル構想」でアメリカは、日本列島を含む第一列島線によって中国を堰き止める計画だ。そのために日本は南西諸島に自衛隊とミサイル配備を推し進めている。つまり、アメリカと中国の争いに自衛隊と南西諸島が差し出され、新たな戦争の「防波堤」にされようとしている、というのだ。
 非常に重要なテーマを突きつける『標的の島』だが、果たして三上監督は本作にどんな思いを込めたのか。さらに、沖縄をめぐる言論や報道をどのように見ているのか。三上監督のインタビューを前編・後編の2回にわたってお届けしたい。


──三上監督の第一作目『標的の村』では高江にスポットを当て、まったく報道がなされていなかった高江の問題を全国へ伝えましたが、『標的の島』も「エアシーバトル構想」という、まったく報道されていない問題が取り上げられています。そもそも、石垣島や宮古島などで自衛隊やミサイル配備が進められているというニュース自体が、大きく報道されていない状態です。
 たとえば宮古島で予定されている800人規模の自衛隊基地には、地対艦ミサイル基地に弾薬庫と射爆場、着上陸訓練所、さらには司令部まで設置される計画です。地対艦ミサイルというのは近づいてくる軍艦を撃つためのミサイル。これは宮古島だけではなく、奄美大島、沖縄本島、石垣島にも配備すると発表されています。つまり、南西諸島を要塞化しようというわけです。

──しかも、この「南西諸島の要塞化」を、政府は「南西諸島を中国の脅威から守るため」「尖閣防衛」などと言いますが、映画ではその本質がアメリカの極東戦略にあり、沖縄を戦場にした新たな戦争のための準備だと指摘しています。はっきり言って、とても衝撃を受けました。
 もともとこの話は2012年くらいに(現参議院議員の)伊波洋一さんの講演を聞いて、私もはじめて知りました。「そんなことになってるの!?」とビックリしたんですけど、さまざまな資料や論文などを調べて読んでみると、とても具体的な計画でした。ただ、宮古島に自衛隊を置いてそこで戦争が行われると言っても、その前の段階できっと沖縄県民が反対するに決まっている、と思ったんですよ。沖縄戦の体験があるのに、まさか宮古島に陸上自衛隊やミサイルとか置くなんて話が浮上したら、辺野古移設どころじゃなく沖縄中が反対するだろう、と私は思っていたんです。
 それで(監督2作目の)『戦場ぬ止み』をつくっていたら、その編集中に宮古島に自衛隊基地をつくるという話を聞いて、今度は宮古島と石垣島にそれぞれ600~800人の部隊を置くというニュースが出て。これは大変なことになる、辺野古や高江の前にこっちが先に戦争の導火線になるぞと、今回の映画製作に入ったんです。

──映画のなかで「エアシーバトル構想」は、アメリカが日本列島を含む第一列島線を防波堤にすることで中国を封じ込めようとする戦略だと説明されています。中国を通さないために南西諸島の島々にミサイル部隊を配置し、いざというときはそこで戦争をする。米中の直接対決となると核戦争のリスクが高まるため、それを避けるために南西諸島で「海洋制限戦争」を行おう、と。まさに南西諸島が「標的の島」になるわけですね。
 しかも、中国のミサイルが宮古島や石垣島の自衛隊基地に飛んできたとしても、米軍は半日で撤退するということが日米政府間で2005・06年の米軍再編合意によって決められています。中国に攻撃されても、米軍が沖縄に残って日本のために米軍が戦うことはないんです。そんな肝心なときに米軍が戦ってくれないのなら、何のために日本にいるの?と思うかもしれませんが、それが現実なんですよね。ようするに、これは「自衛隊が米軍に代わって戦争をする」という話なんです。
 実際、すでに米軍が自衛隊を指導するかたちで離島の奪還作戦といった共同訓練が行われています。また、昨年11月30日に在日米海兵隊が、日米合同で指揮所演習の戦闘予行を行ったとTwitterに写真つきで投稿したのですが、その写真は、先島の大きな地図が広げられている上に米軍の指揮官が立って、戦争を想定して図上演習をしている。米軍にしてみればただの離島の地図なのでしょうが、そこは人びとが住んでいる島なんですよ。
 しかも、南西諸島で制限戦争が起こるとなれば、それは偶発的にはじまるでしょう。その上、中国は攻撃を行ってくる地対艦ミサイルがある島を狙う。島が戦場になるということです。偶発的に突然はじまる戦闘に対し、陸つづきでもない島の住民は果たして避難などできるのでしょうか。

──沖縄が再び戦場の島になる可能性がある、と。映画のなかでも、石垣島で自衛隊配備に反対する戦争体験者の女性が「南西諸島防衛とか防衛大綱とか言うけれど、それはとりもなおさず本土防衛のために南西諸島を捨石にするという目論見は見え見えです。また捨石にされるのか」と話していましたね。
 72年前のことを沖縄は忘れちゃったの?と私も思います。1944年に沖縄は、日本の軍隊がやってきたとき「連戦連勝の日本軍だ」「これで安心だ」と歓喜して迎え入れました。もうすでに負け戦だったにもかかわらず、です。そうして沖縄は戦場のど真ん中に置かれてしまった。しかも日本軍が住民を守るために最後まで戦ったなんて話は、まったくないわけですよ。そんな経験をしていながら「中国が来たら自衛隊が守ってくれる」なんて、私には70年前の二の舞としか思えない。「自分の島のおじい、おばあから、ちゃんと話を聞きなさいよ」と思う。
 とくに石垣島の場合は地上戦がなく、空襲で178人が亡くなっているのですが、一方で、日本軍の命令によって住民たちがマラリアが蔓延する山奥に押し込められ、しかも日本軍は特効薬を大量に持っていたにもかかわらず住民に使うことはなく、結果3647人も亡くなっています。これは米軍が上陸してきたときに住民が捕虜となり、情報が筒抜けになることを避けるため、ゆるやかな集団自決を住民に強制した、ということでしょう。じつは沖縄でも、この一件は「たまたま疎開した先にマラリア蚊がいて、マラリアが蔓延してしまった」というくらいにしか捉えていない人が多い。映画のなかで山奥に押し込められた体験を証言してくださった方が出てきますが、この映画での新証言なんです。この部分は、どうしても映画のなかに残しておきたかった。軍隊がいたから、石垣島ではマラリア地獄が起きた。軍隊の論理で死ななきゃいけない人が出てきてしまった、ということですから。

──しかし、今年1月に行われた宮古島市長選挙では自衛隊配備に賛成する現職市長が再選するなど、市民のあいだに危機感が広がっていない印象を受けます。
 沖縄のなかでも自衛隊配備についての危機感は低調で、反対運動をしている人たちでさえピンときていない。多くの人が「メリットとデメリット、いろいろあるよね」といったような、まったく次元の違う話をしている。「自衛隊が来れば土地の値段が上がるんじゃないか」とか「学校に子どもが増えるんじゃないか」とか。

──そんななか、映画を観てひとつの希望だと感じたのは、地元の若いお母さんたちの活動です。子どもの未来と生まれ育った場所を守りたいという気持ちから、ミサイル部隊の配備に危機感を抱き、自ら動き出す。そしてSNSを通じて活動が広がっていく……
 若い彼女たちが何をやっているかといえば、市に要請を出したり、シール投票をしたり、映画のなかで見てしまうと一個一個が地味ではあるんですよ。でも、私自身が彼女たちにとても元気をもらったんです。SEALDsによって、いままで政治にかかわってこなかった人たちが声を上げていくという流れができて、それを引き継ぐようなかたちで、あちこちでママさんグループも少しずつ活発になっていった。そういうところに光が当たればいいなと思うし、彼女たちの活動を見て、「こういうかたちで、あんな小さな子どもを抱きながらもできるんだ」って全国の人に感じてほしいと思うんです。

──しかも、グループの共同代表として登場する石嶺香織さんは、1月の宮古島市議会選に出馬して、当選を果たしましたね。
 本音を言うと、宮古島市議会26人のうち22人が自衛隊とミサイル配備に賛成しているという状況で、香織ちゃんひとりが議会に行って何ができるの?と思ったりもしたんです。でも、そこで果敢にぶち当たっていく香織ちゃんというのがまた魅力的なんですけどね。ついこのあいだまで政治のこと何もわかりませんでしたという人が、壁にぶつかって、血を流すこともあるけど、それでも笑って前を向く。そういう姿だからこそ、見ている人に伝わる、横につながっていくんじゃないかと思ったんですよね。

つづく

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 インタビュー後編では、三上監督には、『ニュース女子』デマ報道や「土人」発言など、沖縄をめぐる問題についても語っていただいた。後編もお楽しみに。
(取材・構成/編集部)

………。
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[その2]へつづく

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