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●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)

2019年11月26日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



石川智也記者による、アサヒコムのインタビュー記事【インタビュー/望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る】(https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04)。
レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』/望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る】(http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga)。

 《でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです》。
 《森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。…その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

 森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』が、先日、公開されました。

   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開



https://youtu.be/Y_UTOTWFVVI



https://youtu.be/_HafYKE2PvY?t=3



https://youtu.be/LAfwlVQH_jg

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。
 木下昌明さん、《一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

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http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga

木下昌明の映画批評 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』

●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』
望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る

 森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。

 森監督は、オウム真理教の中に入りこみ、教団内外のもろもろをとらえた『A』(98年)や『A2』(01年)で知られた映画作家である。そのかれが『東京新聞』の望月衣塑子記者の取材活動に密着して、緊迫したドキュメタリーをつくった。彼女が官邸の記者会見で、菅官房長官のいいかげんな返答食い下がり、同じ質問をなんどもくり返したことは有名だ。森の映画も、この二人の対立を軸に展開している。

 望月と映画のプロデューサーである河村光庸案による『新聞記者』は、先ごろ大ヒットしたが、それは内閣情報調査室の実態を暴露したものだった。フィクション仕立てのこの映画は、大学の獣医学部新設は毒ガス製造などの軍事目的のためと訴えていた。

 今度の森の映画は、「新聞記者」の頭に「i」と付しているように、一人でも立ち向かうという望月衣塑子の気概(きがい)に光をあてている。

 彼女はトップシーンから沖縄に飛び、船で辺野古の土砂投入の現場にのりこんで、禁じられている赤土が山盛りになっている光景を撮り、翌日には、記者会見で菅官房長官にその不正を問いただす。それに菅はニベもない返答をして逃げる。

 この赤土問題をめぐる沖縄説明会で、沖縄防衛局調達部長はまともに対応できない。望月は部長に「あなたは現場の責任者でしょう?」と迫り、車で逃げるかれに「答えられないような恥ずかしいことをしないで下さい」と大声で怒鳴る。

 別の日、望月は宮古島に飛ぶ。そこで、弾薬庫と給油所が並置している自衛隊新基地の危険な状況を地元の人々から教えられ、早速、それを新聞の一面トップで暴いて、防衛大臣を謝罪に追い込む。

 権力に物怖じしない彼女のジャーナリスト精神に喝采を送りたくなる。また、ところかまわず社内外の人々と携帯を手にわたり合っている姿にもひかれた。

 その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる

※11月15日より新宿ピカデリー他で公開
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https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04

インタビュー
望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る
2019.11.12

オウム問題、死刑制度、「3・11」に、ゴーストライター騒動……。時代時代の主題に迫りつつ、背後で進行する社会の「空気」の変化を見つめ、描いてきた映画監督・森達也さん。

この国のトップが歴代最長在任期間を更新しようとするなか、森監督が新たに被写体に選んだのは、東京新聞社会部の望月衣塑子記者。2017年夏から菅義偉・官房長官の会見に出席し始めて以来、妨害を受けながらも波状攻撃のように直球の質問を繰り出し、一躍時の人になったジャーナリストだ。

喝采を浴びる一方で激しい批判にもさらされてきたその望月記者に密着した『i -新聞記者ドキュメント-』が11月15日から全国で順次公開される。

森監督が、いま、メディアに携わる人間をあえて題材にした理由は何か。そこにはどんな問題意識があったのかを聞いた。


周囲の人間が普通ではなくなっている、という疑問

インタビューに現れた森監督は、自作のPR中というのに、ぼさぼさの髪に登山シャツ、すすけたジーンズという、いつもの出で立ちだった。そういえば、11月5日に六本木で開かれた東京国際映画祭のクロージングセレモニーに登壇した際も、パーカーにカーゴパンツ姿だった。

「僕は世の『空気』を描いてきたと言われますが、空気を読まない奴ともよく言われます。周りをあまり気にしない。胸を張ることでもないし、直したいんだけど。そういうところは、実は望月衣塑子さんとよく似ているんです。周囲から浮き、首相官邸の他の記者から色眼鏡で見られても、あの人は気にしない。もちろん、まっすぐでコケティッシュな部分もある彼女とは、性格はまったく似ていないですけどね」

確かに仏頂面で愛想がない。サービス精神もない。だが決して偏屈ではない。質問には一呼吸置き、じっくり悩んで答える。

「オウム内部から『A』を撮ったとき、色んな同業者から『なんでお前だけ撮影が許されたんだ?』と言われましたが、僕は普通の手順通り、広報に手紙を書いて取材申請をして、信者に『なぜオウムに入ったんですか』『なぜ脱会しないんですか』と疑問をぶつけただけ。当たり前のことを当たり前にやっただけです。でも周りはそういう手順を踏んでいなかった。普通のことをやっているだけだと思っていたけど、僕だけが浮いてしまった」

「望月さんの場合も、同じことが起きている。彼女も記者として当たり前のことをやっているだけだと僕は思う。それなのに彼女だけが目立って浮き上がってしまっている。それはなぜなのか、逆に周囲にいる人たちの方が普通ではなくなっているのではないか……。そんな疑問からこの映画は出発しています」

『i』は、望月記者の著書を原案にして今年ヒットした映画『新聞記者』河村光庸プロデューサーが企画・製作した。映画『新聞記者』は序章に過ぎなかった――とのキャッチコピーどおり、前作同様、昨今のメディア状況への危機感が強い動機となったという。

作中、辺野古問題森友・加計問題の関係者たちを「どうして答えられないんですかっ!」と追いかけ、官房長官に「回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています」と食い下がる望月記者の姿は、強い印象を残す。一方、望月記者の質問中に官邸報道室長が執拗に繰り返す「質問は簡潔に」という横やりに反応せず、ひたすらPCのキーボードをたたく内閣記者会の記者たちの姿も映し出される。

官邸は昨年末、望月記者の「度重なる問題行為」についての「問題意識の共有」を内閣記者会に求めたが、この極めて異例の文書が記者室の掲示板に貼られたまま放置されているシーンは、象徴的だ。

「でも、官邸の記者を糾弾する意図はありません。善悪の図式に押し込めるつもりもない。望月さんも別に記者として100点満点ではないし、質問も長い。他の記者からしたら『迷惑だ』『あんなのパフォーマンスだ』という理屈も分からなくはない。僕が撮りたかったのは、記者としてのスキルというより、記者としての内実や姿勢と言えばいいのかな……。集団に埋没し同調圧力に負けるのではなく、『個』として声を発するのがジャーナリストの大事な部分なんじゃないか、ということです」


自粛の連鎖と二項対立のワナにはまっていないか

過去の作品『A』 『A2』 『FAKE』では、オウムや佐村河内守の深部に入り込んだ森監督のカメラは、教団や「ニセ天才作曲家」の異様さよりも、むしろ取り囲むメディアや住民の暴力性を映し出してきた。結果として世の多数派とは異なる視点を提示するその表現スタイルは、強い批判も受けてきた。

「オウム事件を機に日本社会は変質した、というのが僕の意見です。事件後に続いた信者に対する別件逮捕や微罪逮捕の後遺症はいまだに社会をむしばんでいる体感治安の悪化防犯カメラが増殖し、危機意識からか人々の『群れ化』が進み、結果として異物を排除する空気が醸成されました。正義と悪、敵と味方、右と左、被害と加害。単純な二元思考で物事を切る傾向や風潮も、この20年でどんどん広がっています」

「そういう集団化の流れへの違和感が、作品を撮るにあたっての動機というか手がかりになってきたのは事実です。それが多くの人にとって不愉快だというのも、よく分かります」

『i』の編集作業中も、「あいちトリエンナーレ」の問題や「KAWASAKIしんゆり映画祭」での上映中止問題が起きた。どちらも、特定の立場から激しく批判された作品をめぐってのことだった。

「抗議や脅迫など直接の攻撃もありましたが、いま文化やメディアの世界で起きているのは、露骨な圧力というより、むしろ自粛や萎縮の連鎖だと思います。論争があるのが当たり前なのに、それを極度に恐れ、攻撃されることにおびえている

「『新聞記者』にしても『i』にしても、内容よりも、この題材を作品化したこと自体が『挑戦』と評価される。これはきわめて不健全な状況です。政権に厳しい問いを投げている彼女を取り上げること自体が、メディアのなかで一種のタブー化している証拠です」


同調圧力から解放されること

森監督がこれまで撮ってきたのは、オウム真理教(当時)の広報担当・荒木浩や佐村河内守など、悩みや葛藤、揺れを抱えた人物ばかりだった。今回の望月記者の裏表のない、迷いの見えない姿勢は、従来の作品の主人公たちとはかなり異なる。それだけいまの時代への危機感と切迫感があったということか。

「確かに、僕のこれまでの流儀には、望月さんは合致しない。彼女はしっかり目標を持って突き進む人ですが、僕は葛藤とか煩悶(はんもん)、懊悩(おうのう)を撮るのが好きだからね。そこは結構苦しみましたし、悩みました」

「でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです」

森監督はそれを自ら詳しく解説することはしないが、先述のとおり、今作のテーマが社会に広がる同調圧力や忖度のあり様であり、メディアがそれに抵抗できていないどころか埋没しているのではないかという問題提起にあることは明らかだ。

メディアの力が弱くなっているチェック機能が働かなくなっている、と言われて久しい。一昔前だったら森友問題も加計問題も、それだけで『アウト』ですよね。政権も、ここまで露骨なウソやはぐらかしはしなかった。追及力が弱くなっているのは確かだと思います」

「でも、メディアは社会と政治の合わせ鏡です。社会と政治が素晴らしいのにメディアだけがどうしようもないということはない。メディアが地盤沈下しているとしたら、社会全体がそれを許していると考えるしかない

「まさにニワトリと卵ですが、社会が何かに気付いて動くためには、メディアも覚醒しなければならない。そのためには、個々の記者が自主規制や思考停止、同調圧力から解放されなければならないはずです」

東京国際映画祭での作品上映後、記者からの質問タイムで際立ったのは、「あなたはどう思いますか?」という森監督の逆質問。答えに詰まる記者の言葉をゆっくり待ったうえで、「それが正解です。映画は見た瞬間に皆さんのもの。色んなことを考えてもらえばいい。僕も皆さんの意見を受けて発見していきたい」と返した。

タイトルには、衣塑子(i)のように主語(i)を出そう、というメッセージが込められているようだが、むろん森監督は絶対に自ら解題しない。

「虎の尾を踏むかのような題材を扱うのは、ある意味で僕の抵抗です。スタイリッシュな世界観やオトナの趣味を紹介する『&M』の世界にはそぐわないかもしれない。でも、メディア=媒体は、文字どおり社会や政治と人をつなげるものです。政治のことや社会問題なんて自分には関係ない、と思っている人がいま見ているスマホやPCも、キャンプや車といった趣味の世界も、ぜんぶ政治や社会が反映されている。無関係と思っているうちに巻き込まれている。メディアはそれを人々に気付かせる役割があるはずです

「言っている意味がよく分からない、と思ったら、ぜひこの映画を見て下さい」

最後に少しだけニヤリと笑った。

(文・石川智也 写真・林 紗記)


プロフィール

〈もり・たつや〉1956年、広島県生まれ。テレビ番組制作会社を独立後の98年、オウム真理教を取り上げたドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年には続編『A2』も公開し、賛否両論を巻き起こした。16年には作曲家・佐村河内守に密着した『FAKE』を発表。著書に『下山事件(シモヤマ・ケース)』 『死刑』 『A3』など。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』

企画・製作・エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸
監督:森達也 出演:望月衣塑子
2019年/日本映画 制作・配給:スターサンズ
11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(c)2019『i -新聞記者ドキュメント-』
http://i-shimbunkisha.jp/
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●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろうとしているのに許せない。もともと無実なのだから」》

2019年08月18日 00時00分59秒 | Weblog


蜘手美鶴記者による、東京新聞の記事【三鷹事件、再審認めず 元死刑囚側 異議申し立てへ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000133.html)と、
社説【三鷹事件 司法は闇に目をつぶる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080102000155.html)。

 《東京の旧国鉄三鷹駅で一九四九年七月、無人電車が暴走し六人が死亡した「三鷹事件」で、死刑確定後に四十五歳で病死した竹内景助元死刑囚の遺族が申し立てた第二次再審請求審で、東京高裁は三十一日、再審開始を認めない決定をした。弁護団は高裁に異議を申し立てる方針》。
 《七十年前の「三鷹事件」の再審を東京高裁は認めなかった。無人電車が暴走し、大勢の死傷者が出た事件。獄死した元死刑囚の長男が求めた再審だ。あまりに多い謎に司法が応えぬ姿勢は疑問だ》。

   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れているのか? 
     誤りを潔く認めるべきだ」

 裁判所の面子か何か知らないが、酷いな…裁判官のプライドはないのか? 《再審公判で疑問の一つ一つに白黒つける方法もあろう司法の役目は闇に光を当てることでもある》。再審を開始して、新証拠をきちんと検証し、警察・検察、そして、裁判所は自信があるのならば、過去の証拠をもう一度洗い直せばいい。なぜに、再審を開始しないのか?

 大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。【報道特集】(http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20190803_2_1.html)によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む (2019/8/3 放送) 無罪判決を30も出し、全てを確定させた元裁判官。退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。『イチケイのカラス』(http://morning.moae.jp/lineup/994)のモデルの一部になっているらしい。

   『●三鷹事件: 再審請求
    「三鷹事件でただ一人有罪とされた冤罪被告の遺族の方が再審請求を
     されるようです…冤罪で家族は大変に御苦労をされたようです。
     したがって、親族の方は反対されている方も多いようですが、
     今回は長男の方が請求を出されたようです」

   『●『美談の男』読了
     「冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件松川事件八海[やかい]事件。
      下山事件、帝銀事件(p.90)」

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
     「国鉄三大ミステリー、あるいは、陰謀事件。「初代国鉄総裁である
      下山定則が、常磐線の線路上で轢死体で発見された下山事件
      車庫にあった無人電車がいきなり暴走して運送店に突っ込み、
      多くの死傷者を出した三鷹事件、そして列車転覆してやはり死傷者を
      多数出した松川事件、この三つの事件が、一九四九年の七月から八月に
      かけて立て続けに起きた」(…)。」
     「家永三郎さんは「…松川事件について、…「結果的にはこの事件が
      当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで
      政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は…、
      日本の局面を大きく変えた」」(…)」

   『●『自然と人間』(2013年12月号、Vol.210)についてのつぶやき
    「【events 三鷹事件再審を求める集い 12月6日(金)18時半~ 
     …千駄ヶ谷区民会館…斎藤潤一約束…』監督】。
     三鷹事件(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/841f9e268326a5e657b01b9889a5c0e3)、
     『約束』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8ca7f09d3e1a7878287a20c9ec3ab739)」

   『●『自然と人間』(2014年1月号、Vol.211)についてのつぶやき
    「編集部【三鷹事件再審で歴史の扉が開かれるか】。
     《家族が理不尽な処遇をされることはあってはならないと思います。
     ましてや冤罪ではたまったものではありません》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
     一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」
   『●1949年《公安事件が続発…下山事件(七月五日)、
       三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》
    《一九四九年七月、東京の旧国鉄三鷹駅で無人電車が暴走し、
     六人が亡くなった「三鷹事件」。…三鷹事件では、暴走、脱線した
     無人電車が商店などに突っ込み、六人が死亡、約二十人が重軽傷を
     負う惨事となった。同じ時期に発生した下山事件松川事件とともに
     国鉄三大事件と呼ばれる…竹内元死刑囚…は無実を訴えて再審請求
     したが、六七年に脳腫瘍で亡くなった》

   『●国鉄三大謀略事件…1949年《下山事件(七月五日)、
        三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000133.html

三鷹事件、再審認めず 元死刑囚側 異議申し立てへ
2019年8月1日 朝刊

     (記者会見する高見沢昭治弁護団長(中央)。左は野嶋真人弁護士
       =31日、東京・霞が関の司法記者クラブで)

 東京の旧国鉄三鷹駅で一九四九年七月、無人電車が暴走し六人が死亡した「三鷹事件」で、死刑確定後に四十五歳で病死した竹内景助元死刑囚の遺族が申し立てた第二次再審請求審で、東京高裁は三十一日、再審開始を認めない決定をした。弁護団は高裁に異議を申し立てる方針。

 弁護団は、暴走した電車(七両編成)の写真を分析した鉄道工学者の鑑定書などを新証拠として提出し、元死刑囚以外の複数犯と強く推認されると主張したが、後藤真理子裁判長は「単独犯とする自白の根幹部分の信用性を否定するものではない。無罪を言い渡すべき明らかな証拠ではない」と判断した。

 電車転覆致死罪などで起訴された元運転士の竹内元死刑囚は、捜査や公判で「単独犯行」「共同犯行」「無実」と供述を七回変遷させた末、単独犯行として死刑を言い渡された。

 長男の健一郎さん(76)=埼玉県=が二〇一一年十一月に申し立てた第二次再審請求審では「先頭車両に入りパンタグラフを上げて暴走させた」などとする竹内元死刑囚の自白の信用性が争点になった。弁護団は、先頭車両だけでなく、二両目もパンタグラフが上がり、車両最後尾の前照灯がついていたなどとして、単独犯では不可能と主張した。

 高裁決定は、二両目のパンタグラフの状態について、別の専門家の意見などから「事故の衝撃で上がった可能性がある」と指摘。前照灯は「もともとスイッチが入ったままだった可能性がある」とした。さらに、現場近くで元死刑囚を見たとする証言を否定する弁護団の再現実験についても「独自の前提で実施され、採用しがたい」と指摘。新旧証拠を総合評価しても「確定判決に合理的な疑いを抱かせるものではない」と結論づけた。

 決定を受け、東京・霞が関の司法クラブで記者会見した弁護団長の高見沢昭治弁護士は「細かい判断を避けた曖昧な決定だ。たとえ本人が亡くなっていても、冤罪(えんざい)は晴らさないといけない」と話した。

 健一郎さんに決定内容を伝えると、表情を変えることなく「納得できない。無実を勝ち取ってほしい」と言われたという。 (蜘手美鶴

三鷹事件> 占領期の1949年夏に起きた下山松川両事件と並ぶ旧国鉄三大事件の一つ。49年7月15日夜、車庫にあった無人電車が暴走し三鷹駅のホームに激突、6人が死亡し約20人が重軽傷を負った。捜査当局は旧国鉄の人員整理に反対する共産党の組織的犯行とみて、運転士の党員ら10人を起訴。一審東京地裁は党員9人を無罪とし、唯一党員でなかった竹内景助元死刑囚の単独犯行として無期懲役を言い渡した。竹内元死刑囚は二審東京高裁で死刑判決を受け、55年に最高裁で確定。第1次再審請求中の67年に病死した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080102000155.html

三鷹事件 司法は闇に目をつぶる
2019年8月1日

 七十年前の「三鷹事件」の再審を東京高裁は認めなかった。無人電車が暴走し、大勢の死傷者が出た事件。獄死した元死刑囚の長男が求めた再審だ。あまりに多い謎に司法が応えぬ姿勢は疑問だ

 事件は一九四九年七月の夜。国鉄(現JR)中央線三鷹駅(東京)で無人電車が暴走し、六人が死亡、約二十人が重軽傷を負った。竹内景助元死刑囚は電車転覆致死罪で、同じ旧国鉄職員だった共産党員らとともに起訴された。

 約十万人もの人員整理に抗議し、事故を起こしてストのきっかけにする目的だったとされた。党員九人の共同謀議は「空中楼閣」と判断され無罪だったが、竹内元死刑囚には無期懲役。二審で死刑判決を受けた。再審請求中の六七年に四十五歳で獄死している。

 当時は謎めいた事件が相次いだ。三鷹事件の九日前には国鉄総裁が死体で発見される「下山事件」。約一カ月後には東北線の松川駅(福島県)で列車が転覆される「松川事件」があり、一、二審で複数人の死刑判決が出たが、最終的に全員が無罪確定した。

 これらの背後には、米占領下でもあったことから、共産党の弱体化を狙った連合国軍総司令部(GHQ)が関与した説もあったほどだ。そんな時代だった。

 三鷹事件で疑わしいのは、竹内元死刑囚の供述の変遷である。逮捕時は「否認」。勾留質問でも取り調べでも「否認」。起訴直前に単独犯行を「自白」。公判では「他人との共同犯行を自白」「単独犯行を自白」。やがて「否認」…。無罪を主張した。捜査段階と公判段階で激しく否認と自白を繰り返した信用性に疑義が生じるのは当然である

 無実の主張を始めたきっかけは家族への脅迫状だった。「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろうとしているのに許せないもともと無実なのだから」-、そう接見した人に語ったという。

 電車を起動、発車させたのは人為的だとしても、それは「自白」に寄り掛かっている。単独犯では難しいとも弁護団は主張した。事件時に竹内元死刑囚を見たという目撃証言も怪しいと…。電車区は停電の最中だった。

 東京高裁は「総合評価しても確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせるものとはいえない」と新証拠の価値を退けた。だが、再審公判で疑問の一つ一つに白黒つける方法もあろう司法の役目は闇に光を当てることでもある
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●国鉄三大謀略事件…1949年《下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》

2019年08月17日 00時00分40秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>三鷹事件と喜屋武由放】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-953805.html)。

 《▼無実を訴えた由放は公判で名を聞かれ「自由解放の由放だ」と答えた。50年の一審判決で由放を含む党員9人は無罪だった。唯一、党員でない竹内景助は一審で無期懲役、二審の死刑が確定後、獄死した…権力は身体と思想の自由を奪う。竹内の遺族は今も再審請求中だ》。

 1949年、《公安事件が続発…三鷹事件(七月一五日)…》。
 国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」。東京高裁では、御長男による再審請求が続いているとのこと。国鉄労働組合国労)つぶしという背景もあったのではないでしょうか。竹内景助元死刑囚は無実を訴えつつ獄中死されています。冤罪が晴れるれる日はいつになるのでしょう。

 2019年7月参院選が終わり…。
 アベ様による善政は何一つ無し。悪辣な独裁状態。そんなアベ様の「政」で唯一〝上手く行っている〟のが、メディアコントロール《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、政権批判に対して圧力がかかる不健全な言論状況》…。《権力は身体と思想の自由を奪う》…恐ろしい世の中が再びやってきた。

   『●三鷹事件: 再審請求
    「三鷹事件でただ一人有罪とされた冤罪被告の遺族の方が再審請求を
     されるようです…冤罪で家族は大変に御苦労をされたようです。
     したがって、親族の方は反対されている方も多いようですが、
     今回は長男の方が請求を出されたようです」

   『●『美談の男』読了
     「冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件松川事件八海[やかい]事件。
      下山事件、帝銀事件(p.90)」

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
     「国鉄三大ミステリー、あるいは、陰謀事件。「初代国鉄総裁である
      下山定則が、常磐線の線路上で轢死体で発見された下山事件
      車庫にあった無人電車がいきなり暴走して運送店に突っ込み、
      多くの死傷者を出した三鷹事件、そして列車転覆してやはり死傷者を
      多数出した松川事件、この三つの事件が、一九四九年の七月から八月に
      かけて立て続けに起きた」(…)。」
     「家永三郎さんは「…松川事件について、…「結果的にはこの事件が
      当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで
      政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は…、
      日本の局面を大きく変えた」」(…)」

   『●『自然と人間』(2013年12月号、Vol.210)についてのつぶやき
    「【events 三鷹事件再審を求める集い 12月6日(金)18時半~ 
     …千駄ヶ谷区民会館…斎藤潤一約束…』監督】。
     三鷹事件http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/841f9e268326a5e657b01b9889a5c0e3
     『約束』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8ca7f09d3e1a7878287a20c9ec3ab739

   『●『自然と人間』(2014年1月号、Vol.211)についてのつぶやき
    「編集部【三鷹事件再審で歴史の扉が開かれるか】。
     《家族が理不尽な処遇をされることはあってはならないと思います。
     ましてや冤罪ではたまったものではありません》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
     一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」
   『●1949年《公安事件が続発…下山事件(七月五日)、
         三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》
    《一九四九年七月、東京の旧国鉄三鷹駅で無人電車が暴走し、
     六人が亡くなった「三鷹事件」。…三鷹事件では、暴走、脱線した
     無人電車が商店などに突っ込み、六人が死亡、約二十人が重軽傷を
     負う惨事となった。同じ時期に発生した下山事件松川事件とともに
     国鉄三大事件と呼ばれる…竹内元死刑囚…は無実を訴えて再審請求
     したが、六七年に脳腫瘍で亡くなった》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-953805.html

<金口木舌>三鷹事件と喜屋武由放
2019年7月15日 06:00
名護 三鷹事件 金口木舌

 名護市のヒンプンガジュマルの近くに、1998年建立の徳田球一記念碑がある。1894年に名護で生まれた徳田は日本共産党設立に関わり戦後は衆院議員になった。1950年のレッドパージで追放後、53年に北京で客死した

▼70年前のきょう、東京の三鷹駅で無人列車が暴走し6人が死亡、20人が重軽傷を負った。捜査当局は旧国鉄の人員整理に反対する共産党の組織的犯行として、10人を起訴した。戦後の国鉄三大事件の一つ、三鷹事件

▼名護の記念碑建立に尽力し95年に亡くなった喜屋武由放も被告の一人。父・保昌は豊見城出身で東京帝国大学に進学し社会主義運動に加わった。東京生まれの由放も徳田らと接し入党した

▼無実を訴えた由放は公判で名を聞かれ「自由解放の由放だ」と答えた。50年の一審判決で由放を含む党員9人は無罪だった。唯一、党員でない竹内景助は一審で無期懲役、二審の死刑が確定後、獄死した

▼片島紀男氏の著書「三鷹事件」(NHK出版)は当局の見込み捜査と、疑問を抱かない当時の報道の危うさを指摘した。起訴の背景に連合国軍総司令部(GHQ)の反共の思惑があったという裁判官の述懐もある

▼竹内は獄中から由放宛ての手紙に「無罪真実を明かすため」「人の心に記されることを祈って」とつづった。権力は身体と思想の自由を奪う。竹内の遺族は今も再審請求中だ。
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●1949年《公安事件が続発…下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》

2019年07月05日 00時00分31秒 | Weblog


2018年11月の記事。東京新聞の花井勝規記者の記事【来年70年、三鷹事件に迫る あす武蔵野で語り継ぐ集会】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201811/CK2018112302000124.html)。

 《一九四九年七月、東京の旧国鉄三鷹駅で無人電車が暴走し、六人が亡くなった「三鷹事件」。…三鷹事件では、暴走、脱線した無人電車が商店などに突っ込み、六人が死亡、約二十人が重軽傷を負う惨事となった。同じ時期に発生した下山事件松川事件とともに国鉄三大事件と呼ばれる…竹内元死刑囚…は無実を訴えて再審請求をしたが、六七年に脳腫瘍で亡くなった》。

 国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」。東京高裁では、御長男による再審請求が続いているとのこと。国鉄労働組合国労)つぶしという背景もあったのではないでしょうか。竹内景助元死刑囚は無実を訴えつつ獄中死されています。冤罪が晴れるれる日はいつになるのでしょう。

   『●三鷹事件: 再審請求
    「三鷹事件でただ一人有罪とされた冤罪被告の遺族の方が再審請求を
     されるようです…冤罪で家族は大変に御苦労をされたようです。
     したがって、親族の方は反対されている方も多いようですが、
     今回は長男の方が請求を出されたようです」

   『●『美談の男』読了
     「冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件松川事件八海[やかい]事件。
      下山事件、帝銀事件(p.90)」

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
     「国鉄三大ミステリー、あるいは、陰謀事件。「初代国鉄総裁である
      下山定則が、常磐線の線路上で轢死体で発見された下山事件
      車庫にあった無人電車がいきなり暴走して運送店に突っ込み、
      多くの死傷者を出した三鷹事件、そして列車転覆してやはり死傷者を
      多数出した松川事件、この三つの事件が、一九四九年の七月から八月に
      かけて立て続けに起きた」(…)。」
     「家永三郎さんは「…松川事件について、…「結果的にはこの事件が
      当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで
      政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は…、
      日本の局面を大きく変えた」」(…)」

   『●『自然と人間』(2013年12月号、Vol.210)についてのつぶやき
    「【events 三鷹事件再審を求める集い 12月6日(金)18時半~ 
     …千駄ヶ谷区民会館…斎藤潤一約束…』監督】。
     三鷹事件http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/841f9e268326a5e657b01b9889a5c0e3
     『約束』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8ca7f09d3e1a7878287a20c9ec3ab739

   『●『自然と人間』(2014年1月号、Vol.211)についてのつぶやき
    「編集部【三鷹事件再審で歴史の扉が開かれるか】。
     《家族が理不尽な処遇をされることはあってはならないと思います。
     ましてや冤罪ではたまったものではありません》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
     一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201811/CK2018112302000124.html

来年70年、三鷹事件に迫る あす武蔵野で語り継ぐ集会
2018年11月23日

     (車庫から無人電車が暴走、駅舎と駅前派出所を壊し
      民家に突入して6人が死亡した「三鷹事件」の事故現場
      =1949年7月15日)

 一九四九年七月、東京の旧国鉄三鷹駅で無人電車が暴走し、六人が亡くなった「三鷹事件」。来年で七十年を迎えるのを前に、市民グループ「三鷹事件の真相を究明し、語り継ぐ会」が二十四日、武蔵野市内で集会を開く。事件の単独犯と認定された元運転士の竹内景助元死刑囚は、無罪を訴えて再審請求している最中に、亡くなった。遺族が遺志を継ぎ再審請求中で、節目の年を前に、関係者は「再審の実現を」と願っている。 (花井勝規)

 三鷹事件では、暴走、脱線した無人電車が商店などに突っ込み、六人が死亡、約二十人が重軽傷を負う惨事となった。同じ時期に発生した下山事件松川事件とともに国鉄三大事件と呼ばれる。

 五〇年八月の一審判決は、起訴された国鉄労働組合国労)の組合員ら九人を無罪としたが、竹内元死刑囚には無期懲役を言い渡した。翌年の控訴審でさらに重い死刑判決が言い渡され、上告審で死刑が確定。竹内死刑囚は無実を訴えて再審請求をしたが、六七年に脳腫瘍で亡くなった。

 集会では、三鷹事件を取り上げた民放の特集番組を上映し、事件を振り返るほか、竹内元死刑囚の長男が二〇一一年に東京高裁に再審請求を申し立て、高裁や弁護団の間で続いている三者協議について、弁護団の弁護士が解説する。

 会の代表世話人の一人で、三鷹市在住の元教員古川啓さん(65)は「三者協議の状況を聞く限り、そろそろ高裁が再審を決定するか、請求を棄却するかを判断する時期に来ている」と指摘。「再審の実現で闇の中にある真実を明らかにする第一歩を踏み出したい」と話す。

 集会は午後二時、武蔵野市境の武蔵野スイングホール十階の会議室で。参加費は資料代として五百円。問い合わせは日本国民救援会三多摩総支部内の事務局=…へ。
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●「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め共謀罪法、秘密保護法を廃止することが戦争への道を止める」

2018年06月23日 00時00分02秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



1年以上前の記事を二つ。東京新聞の伊東浩一記者による記事【27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html)と、
桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】松川事件を記憶遺産に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html)。
今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、再びすいません、コピペ・マゴビキさせて頂きました。【言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008)。

 《戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる》。
 《奪われた自由 戦前想像して…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》。

 アノ無茶苦茶から、もう1年。
 「平成の治安維持法」が、与党自公・癒党お維のオカゲで衆院、そして、参院を突破して1年。森達也さんの《4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ》が思い出される…《ならばこの4年で憲法を変えることが充分に可能に…つまり法案はさくさくとすべて通る》…その通りの酷き状況。




   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には 
     全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
   『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
     人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…
   『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
     夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ
   『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
      日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」
   『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
     国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」

   『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
        治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」
   『●Leaderでなく、狂気なDictator…
      しかも、壊憲に向け、使う話法はドアホウワホウ
   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
      「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」自公お維
                         …「平成の治安維持法」参議院突破


 主犯「A」の好き嫌いで、「こんな人たち」と指差される社会…それでいいの?
 東京新聞の記事【「共謀罪」成立1年 「監視社会強化招く」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000139.html)によると、《自由人権協会代表理事の芹沢斉(ひとし)・青山学院大名誉教授は、一年前に与党が参院法務委員会で採決を省略する異例の手続きで議論を打ち切り、参院本会議で採決を強行したことを振り返り「こんな暴挙をしたのは、近代刑法の原則に違反する悪法だからだ」と指摘。「『犯罪』をかぎつけ、立証するには通信の秘密やプライバシーを侵害する捜査手法が伴う。人権からも大いに問題がある」とも述べ、「皆さんと一緒に廃止に向かっていきたい」と呼び掛けた。…弁護士有志らでつくる「共謀罪対策弁護団」の海渡雄一弁護士は、市民のプライバシー情報が集まるIT企業の警察への情報提供について複数の市民団体でアンケートをとったところ、国内大手八社から回答がなかったことを報告し、情報収集に対する監督機関の必要性を指摘。「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め、共謀罪法秘密保護法廃止することが戦争への道を止める」と訴えた》。

   『●「平成の治安維持法」…「いつの間にか「こんな人たち」に
                くくられる危険性が、この法には色濃く潜む」
    「沖縄タイムスの磯野直記者のコラム【[大弦小弦]具体的な犯罪行為が
     なくても…】…《合意という「心の中」を処罰できる「共謀罪」法が11日、
     施行された…軍国主義が拡大し、同法は一般人の権力批判と
     少数意見も徹底的に弾圧した。何かが劇的に変化したわけではない。
     昨日より今日と、なし崩し的に社会の空気を変え、言論の自由を
     消滅させた》。…よっぽど後ろめたいのだろう、こんな短期間で
     「平成の治安維持法」を施行。じわじわとボディーブロ-のように…
     今は何も感じなくても。気づいた時には茹でガエル。いま踏んばらねば」


 《毛利正道弁護士…治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された。歴史的教訓としなければならない》。
 《戦後最大の冤罪…一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない》。

 平成の治安維持法と監視・密告社会。冤罪・謀略と国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」…。

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
       一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」

 斎藤貴男さん曰く、《奪われた自由 戦前想像して》と。さらに、《権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》とも。
 是非、斎藤さんの警鐘に耳を傾けてほしい。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html

27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」
2017年5月15日 13時54分

 戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる。 (伊東浩一)

 三月下旬、長野県岡谷市で開かれた上映会。スクリーンの中で、生前の木村さんが問い掛ける。「『おまえたち、ここで殺していいんだぞ。天皇陛下の命令だ』と(警察官が)堂々と言う。まさに殺されそうだった。こんなむちゃくちゃな時代を想像できますか

 雑誌「中央公論」の編集者だった木村さんは四二年、朝日町出身の国際政治学者、細川嘉六らと新潟県境の親不知(おやしらず)海岸を観光し、同町の旅館「紋左(もんざ)」に宿泊。だが、警察はこの集まりを共産党再建を準備する目的だったと決め付けた。治安維持法違反容疑で木村さんら編集者、研究者ら六十人以上を芋づる式に逮捕し、拷問で四人が獄死。木村さんは丸太の上で正座させられ、さらに警察官が膝の上に乗るといった拷問を受け、うその自白をした

 映画製作では、朝日町で木村さんらを接待した芸者、横浜拘置所の看守らにも取材。証拠がない中、事件がつくり上げられた実態を浮き彫りにする。「情けないことに、あの侵略戦争に屈し、拷問に屈したが、もうこれ以上は許せない」。木村さんが再審請求で冤罪(えんざい)を勝ち取ることを誓い、涙ぐむ場面で映画は終わる。

 上映会を企画した毛利正道弁護士は「大きな衝撃を受けた。今、政府は共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)の成立を目指しているが、治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された歴史的教訓としなければならない」と語る。

 <横浜事件> 1942年、細川嘉六(1888~1962)が雑誌「改造」の掲載論文を「共産党の宣伝」と批判され、警視庁に治安維持法違反容疑で逮捕された。その後、神奈川県警特別高等課(特高)が押収した紋左の写真をもとに、細川らが共産党再建準備会を開いたとして、同容疑などで言論、出版関係者ら60人以上を投獄。拷問で4人獄死、30人余りが起訴される戦時下最大の言論弾圧事件となった。2010年2月、元被告5人の刑事補償を巡る横浜地裁決定は「共産党再建準備会の事実を認定する証拠はない」とし、「実質無罪」と認められた。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html

【私説・論説室から】
松川事件を記憶遺産に
2017年6月19日

 戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれていた。機関士ら三人が死亡した。

 警察は当時の国鉄の大量人員整理に反対していた労働組合員による犯行だと決め付けていた芋づる式に組合員らが逮捕された。

 一審では被告二十人が全員有罪、うち死刑が五人、五人が無期懲役だった。二審も有罪だったが、最高裁が二審を破棄。差し戻し審で全員が無罪となり、これが確定した。

 冤罪であったことが明白となったが、その背景には弁護団の活躍ばかりでなく、作家の広津和郎が「中央公論」で無罪論を書くなど、作家らの支援運動があったことがある。

 福島大学には松川事件の資料がある。八八年に開設した松川資料室には十万点にのぼる関係資料を収集・公開している。同大ではこれをユネスコの「世界記憶遺産」への登録を目指している。既に国内委員会に対して登録申請の手続きを済ませた。

 一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ。実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。

 冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない。 (桐山桂一
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http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008

今日の東京新聞
購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。

                       2018-06-15
       言わねばならないこと110 斎藤貴男さん

言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん/2面


奪われた自由 戦前想像して

 「共課罪」法(改正組織犯罪処罰法)の成立から1年。権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている。

 共謀罪は、テロの未然防止の名目で一般市民がテロリストか否かを見分けるところから捜査を始める。性悪説に立ち、市民を見張るべき対象に位置づけている。本来、見張るべき対象は権力側ではないのか

 この1年間に財務省の文書改ざんや自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)などの問題が次々と明らかになった。権力こそ暴走したら恐ろしい。「権力は判断を誤らない」という考えはもはや信用できない

 こういう話をすると「被害者意識ばかり膨らませている」と批判を受ける。確かに共謀罪の疑いで逮捕された人はまだいない。でもそれは、単に権力が逮捕しなかったということにすぎない恣意(しい)的な判断で逮捕できるという現状は変わらず、むしろ社会は監視の度合いを強める方向に向かっている

 共謀罪法が成立した前年には通信傍受法が改正され、警察が会話を盗聴できる対象犯罪が広がった。今月から他人の罪を密告すれば自分の罪を軽くできる司法取引制度も始まっている。

 全ての動きは連動している。この国の「自由度」は極端に狭まっている

 気掛かりなのは、社会が現状に無関心であるように感じられること。戦争がない状態が当たり前の時代に育った人が大半を占めているから仕方ないかもしれない。だが、思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される


 さいとう・たかお/フリージャーナリスト 1958年、東京生まれ。早稲田大卒。日本工業新聞、週刊文春などの記者を経てフリーに。2013年から放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員。主な著書に「戦争経済大国」など
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●2016年報道の自由度ランキング72位: 「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪

2016年06月11日 00時00分28秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の編集部による森達也さんのロングインタビュー『映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー/佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」』(http://lite-ra.com/2016/06/post-2302.html)。

   『●『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』読了
   『●『世界が完全に思考停止する前に』読了
   『●『悪役レスラーは笑う ―「卑劣なジャップ」グレート東郷―』読了
   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了 (1/3)
   『●『こころをさなき世界のために』読了
   『●『視点をずらす思考術』読了(1/2)
   『●『視点をずらす思考術』読了(2/2)
   『●『ドキュメント・森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』読了
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(1/2)
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
   『●『メメント』読了
   『●『東京番外地』読了
   『●蓮池透×森達也ロング対談
   『●『戦争の世紀を超えて』読了
   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さんのフェイク・ドキュメンタリー新刊、そして水俣病・・・
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを
                                 僕は何よりも誇りに思う」
   『●原発推進のおバカ映画を見て、一体何の教訓を得ろと??
   『●森達也さん「組織全体の病理と民意の後押し」
   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   『●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」・・・
        「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり

   『●戦争法案・壊憲法案に「対案」? 
      答えは「No!」、対案なんてクソくらえだ!
   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間で
          この国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『森達也さん、新刊『「テロに屈するな!」に屈するな』:
             アベ様らによる、そんな未来を子や孫に?


 《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありませんメディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落したということです。今のこの国のレベルは途上国以下》。

 ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って」いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか? 
 2016年「報道の自由度ランキング」、ニッポンは72位。「メディアは二流ならば社会も二流」、では、アベ政治も二流?、三流?、…最低流、最下流、粗悪? 自公お維大地支持者の皆さんの気が知れない。

   『●スガ殿曰く「報道が萎縮するような実態は全く生じていない」
                …「日本は今や世界の笑い者」、恥ずかしい…
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
              「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
        権力にオネダリして、そうしていただいたのである」

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http://lite-ra.com/2016/06/post-2302.html

映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー
佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」
【この記事のキーワード】インタビュー, 編集部 2016.06.03

     (15年ぶりの単独監督作『FAKE』を
          6月4日に公開する森達也氏)

 “「現代のベートーベン」全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった!”──2014年2月の「週刊文春」(文藝春秋)のスクープを皮切りに、メディアを巻き込んだ大スキャンダルに発展した佐村河内守氏の“ゴースト騒動”。会見後、佐村河内氏は表舞台から姿を消したが、その佐村河内氏の「素顔」に迫ったドキュメンタリー映画が、6月4日より劇場公開される(公式サイト)。

 タイトルは『FAKE』。監督は、オウム真理教信者たちの日常を描いたドキュメンタリー『A』で物議を醸した森達也氏だ。

 騒動後、自宅に引きこもり状態となった佐村河内氏の日常を通して、“ゴースト騒動とは一体何だったのか、誰が誰を騙していたのか、真実とは虚偽とは何かをあぶり出そうとする『FAKE』は、現在の日本社会を投影する“問題作”でもある。

 佐村河内氏と二人だけの対話を試みる森監督。バラエティ番組の出演交渉に訪れるテレビ局関係者。容赦なく佐村河内氏に質問をぶつける海外メディア記者。騒動後も夫を支える続ける妻。そして、これまでの“佐村河内像”をひっくり返すであろう、衝撃的ラストシーン──。

 森氏の単独監督作としては『A2』以来15年ぶりとなる本作。なぜいま、佐村河内氏なのか。そこから浮かび上がる社会、メディアの病理とは何か。森監督に話を聞いた。

……………………………………

──なぜ、佐村河内氏を撮ろうと思ったのですか。

 もともと興味があったわけじゃない。2014年8月に書籍の企画を持ち込まれて、あまりその気はなかったのだけど彼と会って、2時間くらい話をしました。そのときに彼や、彼を取り巻く環境がフォトジェニックだなと強く感じたんです。特に美男というわけではないけれど、画になるなって。それは彼だけじゃなくて、傍に奥さんがいて、猫がいて。リビングはとても薄暗くて、窓を開けたらすぐ近くを電車が走っている。そういったものを全部含めて画になるなと。それで帰り際に、「あなたを映画に撮りたい」と伝えていました。……まあ無理やりに言葉にしたけれど、ほとんど直感です。


──ほとんどのシーンが佐村河内氏の自宅での撮影ですね。カメラを回しているときに「耳が聴こえているのでは」と感じたことは?

 アレ?って思ったことは何度もありました。でも、その次の瞬間、「ああ、やっぱり聴こえてないんだ」って思ったこともある。佐村河内さんの症状である感音性難聴は、聴こえる音と聴こえない音があり、「聴こえている音も曲がって聴こえる」と本人は言っています。これは体調によっても変わる。考えたら当たり前ですよね。あと、口話(口の形)を読んでいるときもある。佐村河内さんは奥さんの口話はかなりわかるんだけれども、初めて会った人の場合はほとんどわからない。人によって癖がありますから。つまりすべてグラデーションなんです。聴こえるか聴こえないかの二項対立じゃない。多くの聴覚障碍者はこの領域にいます。ところがメディアは、この端数をわかりやすく四捨五入して単純化してしまう。

──佐村河内氏を撮りながら、森監督自身の気持ちが変わっていったということは? あるいは佐村河内氏がメディアを使うことに長けているな、とは感じなかったですか。

 僕自身の気持ちですか? ……変化しなかったと思います。もうこの歳になると、ちょっとやそっとじゃ変わりません。佐村河内さん自身から「こう撮ってくれ」などの注文は、ほとんどなかったな。決してメディアに対して戦略的なタイプではないように思う。たしかに彼にはプロデューサー的な才覚はあったのかもしれないけれど、障害というある意味でエアポケットに入り込んでしまったこととか、偶然による部分も大きかったんじゃないかな。


──『FAKE』のパンフレットには「誰にも言わないでください。衝撃のラスト12分間」という文言がありますね。たしかに観劇後、思わず誰かに言いたくなる圧巻のラストでした。

 映画のラストに関わるシーンも含め、受け取り方は人それぞれです。そもそも人間の感覚なんて、第三者が共有できるものではない。僕にとっての緑は、あなたにとって黄色かもしれない。結局は脳内で感覚器が受けた刺激を神経信号に変換して再現しているわけですから、絶対という言葉は誰も使えない。でもメディアは、これもやっぱり安易に断言してしまう。そして二極化です。騒動前は「全聾の作曲家」と持ち上げて、騒動後は「実は聞こえていたペテン師」と叩く。狭間が見事に消えている。それは非常につまらないし、何よりももったいないです。

──「もったいない」とは?

 たとえば風景画を描こうと思って絵の具を買ってきたとします。でも葉っぱを描くときに、緑の絵の具だけを使う人はあまりいないでしょう。じっと景色を見つめながら、黄色や茶色や、いろいろと混ぜるはずです。地面の色もそうだし、人の肌もそう。白と黒の間にも様々な領域があるはずで、それが僕たちの世界です。だから豊かなんです。でもいまのメディアは、それらをあっさり単純化して、原色にしてしまっている。そのほうが分かり易いし、視聴率や部数もあがるから。

 メディアから受け取る情報で、僕たちは身の回り以外の世界観をつくっています。ところがメディアのこの作業によって、世界はとても単純で扁平でつまらないものに加工されてしまう。本当はもっと様々な要素があるのに、吐息や呻きやつぶやきが消えてしまい、残るのは大きな声と対極の沈黙だけ。それはあまりにもったいない。そんな平面的な世界観のまま、僕は人生を終えたくない。


──たしかに「全聾の天才作曲家」も「ペテン師」も両方ともメディアがつくり出した“佐村河内像”ですね。今回、森監督が佐村河内氏にカメラを向けたのも、この閉塞した社会とメディア状況のなかで一方的にバッシングされた人として、なにか琴線に触れるものがあったではと思ったのですが。

 まあ、後付けでそういうことを言ってはいますが(笑)。もともと日本は「世界一ベストセラーが生まれやすい国」なんです。みんなが買うから自分も同じものを買うという一極集中、付和雷同が極めて強い国。つまり集団として動くことが得意なんです。その傾向が急激に加速している。集団とは群れでもある。イワシでもカモでも、群れはひとつの生きもののように動きます。要するに同調圧力が強くなる。でも人の場合は、イワシやカモのように感覚は鋭くないから、言葉による短い指示を求めます。こうして二元化を進行させながら、集団は共通の敵を探し、その敵を撃退する強いリーダーを求め始める敵がいなければ強引に作り出して、これを攻撃する。歴史にはそんな過ちがいくらでもある。911後のアメリカはその典型です。

 こうした状況に対しての苛立ちは、確かにあります。その意思表明のメタファーとなる回路を見つけたいと思っているとき、たまたま佐村河内さんに出会った。要はそういうことですね。だからといって、その苛立ちや意思表明が作品と関係があるとは思いません。それはあくまでも、撮影を始めたころの僕の心象風景です。


──二元化と集団化というキーワードが出ましたが、日本社会のどのあたりから、あるいは何が原因で、これが深まっていったのでしょう。

 日本人はそもそも集団と相性が良い。でも1995年、オウム真理教による地下鉄サリン事件は不安と恐怖を強く刺激して、人々の集団化をさらにエスカレートさせる大きなトリガーになったと思います。しかもその動きが加速し続けた。『A2』を撮影していた2000年前後は、オウムに対する社会の憎悪が、『A』のときよりもさらに強く大きくなっていることを実感しました。例えば、行政が信者の住民票を不受理にするなど、明確な憲法違反なのに、誰も異議を唱えない悪に対しての徹底した制裁異物の排除高揚するセキュリティ意識。そして足並みそろえる同調圧力。こうしたことが一気に進みます。


──アレフ信者の子どもの就学を拒否するような住民運動も起こりました。

 地下鉄サリン事件は無差別テロと呼ばれている。ならば標的は、自分自身や自分の愛する者だったかもしれない。だからこそ被害者意識が一気に共有されました。日本社会に初めて誕生したパブリック・エネミーによって善悪二元化が激しく促進され、不安と恐怖はさらに連鎖して、集団化のギアがトップに入り続けた。


──集団化によって異論を唱える人たちを排除するような同調圧力が働き、同時に強く分かり易いリーダーを求めるようになった。では、その流れを食い止めるようなものはなかったのでしょうか。

 2011年の東日本大震災のとき、もしかしたらこの集団化の流れにブレーキがかかるのではないかと、少しだけ期待しました。震災、特に原発事故は、多くの日本人の「後ろめたさ」を覚醒したからです。正確に言えばサバイバーズ・ギルト。この後ろめたさは個の感情です。ならば集団の動きや同調圧力に水を差すかもしれない。しかし結果はそうはならなかった。という言葉がシンボリックに示すように、集団化はむしろ反動で加速し、被災地や原発の問題に関する報道も急激に減少した。たしかに後ろめたさを持続し続けることはつらい。みんなでまとまってひとつの方向に動いたほうが心強いし、ラクだということなんでしょうね。


──その「絆」あるいは「善意」のような言葉は、メディアが扇動した部分があると思います。メディアも震災当初は「原発だ!放射能だ!」と声を大にしていたのが、現在はそれがなかなか言えない状況がつくられている。これについてはどう考えていますか。

 最終的にメディアを動かすのは市場原理です。メディアも営利企業ですから視聴率や売り上げは重要だし、だからこそ数字に結びつく素材を求めていく。朝日新聞も産経新聞も、日本テレビもTBSも、リテラもそうじゃないですか。これを批判するつもりはありません。組織を存続させるために営利追及は当たり前のことです。

 部数や視聴率が取れないから原発問題を取り上げない。それだけです。それをよく「政権のバイアスがかかっているから」と見なす傾向があるけれど、僕はそうではないと思う。メディアは、そこまで考えていない。ならばなぜ、産経と朝日はこれほどに論調が違うのか。マーケットが違うからです。しかも日本の新聞は世界でも珍しい宅配制度でマーケットが固定されているから、市場原理がより剥きだしになります。

 ただし普通の企業なら、営利追及だけでいいかもしれない。でもメディア企業の場合は、ジャーナリズムというもうひとつの柱がある。これは市場原理と馴染まない。社会や大衆が望まなくとも、ときには火中の栗を拾って報じなければならないときがある。けれども日本のメディアは、特にオウム以降、組織のなかのコンプライアンスやリスクヘッジなどが前面に出て、現場の感覚が消えかけている。個が弱いからです。企業としては進化したとの見方もできるけれど、ジャーナリズムとしては衰退です。欧米メディアの場合は、組織は組織として、個は個として、いい意味での摩擦が存在します。『FAKE』では、日本とアメリカのメディアが、それぞれ佐村河内さんに取材するシーンがありますが、その報道に対する姿勢の違いを観て、いろいろ感じてもらえればいいなと思いますね。


──テレビや新聞だけでなく、雑誌メディアはどうでしょうか。

 うーん、雑誌ジャーナリズムって「あえて逆をいく」ところがありますよね。2004年のイラクで、武装勢力に高遠菜穂子さんら3人が人質として拘束されたとき、世に「自己責任」という言葉が溢れました。あれを最初に書いたのは「週刊新潮」だった。その後「新潮」の記者に会う機会があって、「あれはひどいよ」と言ったら、「自分たちは『世間と逆をいけ』と教えられてきた。あのときも、世間は拘束された人たち救え!と人道的なことを言うと予想して、逆張りの主張をした。ところが社会が追随してきたので面食らった。そしたら、みんなが『自己責任だ』となっちゃった」と説明してくれました。


──「新潮」が読み間違えたのか(笑)。

 座標の軸が明らかに動いています。それも一極集中、付和雷同がどんどん進行する形で。だからジャーナリズムも本当に立ちづらい状況になっている。さらにインターネットの出現もあった。エポックとなった1995年は、一連のオウム事件や阪神淡路大震災という日本を揺るがす大事件が続発しましたが、同時にWindows 95が発売された“ネット元年”でもあるんです。ネット社会がスタートし、一般の人々が簡単に情報を発信できるような社会となっていく。こうしたネット社会に対し、既成メディアは当然危機感を持っています。競争原理もより煽られて、さらに刺激的・扇情的になっていった。

──ただ、ここ数年は、逆にスキャンダラスな傾向を強めているのは「週刊文春」ぐらいで、他誌はスキャンダルもスクープも減っていると思います。

 そういえばそうですね。「週刊文春」の一人勝ち。「週刊朝日」や「サンデー毎日」はともかくとして、「週刊新潮」の元気がない。まあでも、ある意味で「文春あっぱれ」とは思います。ベッキーやショーンKもやるけれど、政権スキャンダルもやってしまうという見境のなさ。右も左も関係ない。雑誌ジャーナリズムの王道です。映画『エイリアン』(第1作)で、怯える乗組員が「あいつは強い。なぜならば善悪を超越して、見境やためらいがないからだ」というようなセリフを言っていたけれど、まさしくエイリアン的になっている(笑)。それはそれでいいんです。でもそれが世間の中道になるならば、やはり社会の傾斜がおかしいと言いたくなる。


──安倍政権はいまマスメディアに対して、「公平中立」にやれ!とプレッシャーをかけてきていますよね。

 もしも「公平中立」を本気で具現化するのであれば、絶対的な座標軸が必要になります。でもそんなものは存在しない。座標軸は時代や国によって変わります。情報は“解釈”です。つまり記者やディレクターやカメラの視点。絶対的な真実など存在しない。どこから見るかで情報は変わります。多様な視点や様々な主張が集積された公共的な言論空間を届けることが、本来のメディアの機能です。公正中立や客観などは幻想です。高市早苗総務相のいわゆる「電波停止」発言は、政治家が政治的公平性を判断するとのレトリックの段階ですでにアウトだけど、そもそも放送法の解釈を間違っているのに、メディアは反論できなくなっている。「公平中立」を自分たちのエクスキューズとしてきたからです。「両論併記」も同じです。両端の位置を誰かが決めなくてはならない。つまり主観です絶対的な中立などわからない。それは神の視点です。


──「公平中立」や「両論併記」などと言っているのは日本だけでは。

 アメリカだったら、例えば大統領選が近づくと、FOXは共和党を応援するし、ニューヨーク・タイムズは民主党支持とはっきり主張するでしょうね。読者もそれを認識した上でメディアを選びます。だからリテラシーも身につく。


──この傾向は、安倍政権になってから決定的になったと感じるのですが。

 加速している面はあるとは思います。社会とメディアと政治は、三位一体ですから。政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありませんメディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。

 2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落したということです。今のこの国のレベルは途上国以下。そう考えたほうがいいと思います。

……………………………………

 15年ぶりの森達也単独監督作品である『FAKE』は、大きな話題をさらうだろう。それは、これまでメディアが撮ることができなかった佐村河内守氏の「素顔」がスクリーンに映し出されるから、だけではない。この作品には、『A』から森監督が紡いできた「世界」の生々しい“歪さ”が潜んでいる。

『FAKE』に合わせて、代表作『A2』が、2002年の公開時にカットされたシーンを含む「完全版」として公開される。この15年で加速した日本社会の亀裂を、ぜひ劇場で確認してもらいたい。
(編集部)

■『FAKE』 監督・森達也
6月4日(土)より、渋谷・ユーロスペース、横浜シネマジャック&ベティにてロードショー、ほか全国順次公開。詳しくは公式ホームページ(http://www.fakemovie.jp/)にて。

■『A2 完全版』 監督・森達也
6月18日(土)〜24日(金)連日21:00、7月9日(土)〜15日(金)連日21:00より渋谷ユーロスペースにてレイトショー
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コメント (2)
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●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」

2014年12月16日 00時00分56秒 | Weblog


『ポリタス 政治にプラス』(http://politas.jp/)に出ていた森達也さんの記事【【総選挙2014】もう投票しなくていい】(http://politas.jp/articles/307)。

 2014年12月衆院選が終わりました。大変に残念な結果になりました。

   ●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」: 
                      2014年12月衆院選に是非行こう!


 「白紙委任状を渡したに等しいのかな・・・・・・とはいえ、小選挙区制のなせる異常さですね。比例区での各党への投票率とのギャップの酷さ。そして、全体の投票率の低さ。スウェーデンでは、常に80%を超えるそうです。それに対して、我がニッポンでは50%そこそこでは、話にならない。


   『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」
   『●小選挙区制という選挙制度もデタラメならば、政治家選びも未熟
   『●「原発事故は終わっていない」
   『●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党
   『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率
   『●原発推進の無自覚さ: 「フクシマ」のフの字もなし
   『●自公議員に投票したことの意味:
      原発は「重要なベース電源」、さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続

   『●『DAYS JAPAN』(2014,DEC,Vol.11,No.12)の
                                            最新号についてのつぶやき

     ■⑫『DAYS JAPAN』(2014,DEC,Vol.11,No.12) /
       斎藤美奈子さん【OUTLOOK 福島県知事選が示した脱原発への
       厳しい道】、「が、ここで注意すべきは・・・・・・という投票率の低さ・・・・・・
       内堀氏の得票数が49万384票・・・・・・棄権した有権者は
       その2倍近い86万6337人もいたのである」
     ■⑬『DAYS JAPAN』(2014,DEC,Vol.11,No.12) /
       斎藤美奈子さん【OUTLOOK 福島県知事選が示した脱原発への
       厳しい道】、「これが政治への失望票、批判票でなくてなんだろう。
       ・・・・・・沖縄県知事選・・・・・・安倍自民党に今度はどんな判定が
       下されるのか。福島県知事選との得票率の差にも注目したい」

   ●「真っ当に憲法を考えている政党はどこだ?」
          『週刊金曜日』(2013年6月21日、948号)について

     ■『週刊金曜日』(2013年6月21日、948号) /
       矢崎泰久さん【発言2013】、「腰を抜かすほど驚いて、
       「君の一票の棄権は、バカの一票が倍になることだ・・」・・
       民主主義の大敵は投票に行かないことだ・・。・・とにかく投票に行く。
       このことによってしか、悪政は拒否できない・・棄権は危険だ!」

 森達也さん曰く、「僕はもうあきらめた」、「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」。森達也さんらしい言い回しだ。でも、ブログ主は、「僕はもうあきらめた」とは言わない。アベ様は沖縄で4度目の敗北・完敗・・・・・・そこに希望を見出したい。「これから4年間でこの国をどう変えないかどう破壊しないか」、沖縄から希望が湧き出すことに期待する。

   ●森達也さん「組織全体の病理と民意の後押し」
   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   『●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」・・・
        「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり

   『●沖縄で連敗続きのアベ様、
     「この問題は過去のものだ。争点にはならない」で済まされるのか?


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http://politas.jp/articles/307

森達也
映画監督・作家・明治大学特任教授
【総選挙2014】もう投票しなくていい

もう投票しなくていい。僕はもうあきらめた。

仮にこれから多少は投票する人が増えたとしても、おそらく50%には届かない。つまり有権者の半分以下の意思で、これから4年間の政治体制が決まる。しかも予想では自民単独で300議席以上。315議席を上回るとの見方をした新聞もある。ならばあと2議席で衆院定数の3分の2

つまりどう少なめに見積もっても、公明党を足せば与党が3分の2を占める。ならばこの4年で憲法を変えることが充分に可能になる。現状において参議院も公明党を足せば与党は過半数だ。仮に公明党が政権を離れたとしても、参院で否決された法案は衆院で再可決することが可能になる。


”将棋でいえば詰み。チェスならチェックメイト臨界は超えた”

つまり法案はさくさくとすべて通る。ねじれ解消良かったね。ならば二院制の意味は何だろうと思うけれど、もう言わない。だって将棋でいえば詰み。チェスならチェックメイト。臨界は超えた。もう制御はできない

真偽は不明だがミハイル・ゴルバチョフが、我が国は失敗したが日本は世界で最も成功した社会主義国家だと言ったとの話がある。ジョークとしてもよくできている。自由を自ら手放して管理統制されることを望む国民。300議席を超えるなら、それは実質的にはほぼ一党独裁だ。仮にこれが自民党ではなく民主党や共産党、社民党だったとしても、議員数が300議席以上を占めるなら、それは民主主義を危機的状況に追い込む事態だと僕は考える。

でもよりによって自民党だ

首相官邸のウェブサイトからリンクできる教育改革国民会議の議事要旨には、「子供を厳しく飼いならす」との記述がある。「警察OBを学校に常駐させる」とか「団地やマンションには床の間を作らせる」「学校に畳の部屋を作る」などの項目も並んでいる。行政に対しては、「『ここで時代が変わった』『変わらないと日本が滅びる』というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う」との記述もある。

まるで愛国親父たちの酒場の戯言だ。百歩譲ってもこれは内部資料だと思うのだけど、それが当たり前のように公開されている。なぜ畳や床の間なのか。そこに本音が透けている。いや「透けている」のレベルではない。剥きだしだ。

自民党が今も掲げる憲法改正草案の第一章は、「天皇は日本国の元首であり」から始まっている。第二章9条には「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」との項目が加わり、第三章13条において国民の権利への尊重は、「公益及び公の秩序に反しない限り」との条件が付加されている。そんなの当り前じゃないかと思う人にこれだけは言っておくけれど、「公益及び公の秩序の線引きは誰が決めるのだろう


”子供は飼いならせ。勤労奉仕をさせろ。誇りを持て。国を愛せ”

とにかく300議席を超えれば、この改正草案が間違いなくリアルになる。いや「秘密保護法」や「集団的自衛権行使」などで、今もほぼリアルになりかけている。天皇を元首として床の間の神棚(本音はこれだからね)に向って手を合わせる。子供は飼いならせ。勤労奉仕をさせろ。誇りを持て。国を愛せ。戦後レジームからの脱却は戦前への回帰。当然ながらアジアは緊張する。ならば国防軍の出番だ。積極的平和主義の名のもとに

今回の選挙については、テレビの事前報道がとても少ない。朝日新聞(12月10日)によれば、解散から一週間における選挙関連の放送時間が、前回2012年の約3分の1に激減しているという。確かにそうだ。例えばこの原稿を書いている(12月11日朝)時点で、朝8時からの民放各局のワイドショーはすべて昨日のノーベル賞授賞式の華やかな話題で一色だ。三日後に迫った選挙についての情報はまったくない。選挙への関心が薄れて高視聴率が見込めないことと自民党がテレビ各局に文書で「公平」な報道を求めたことで、各テレビ局は選挙報道に慎重になっていると朝日新聞は解説しているが、前者にせよ後者にせよ、メディアの現状としてはあまりに嘆かわしい。

「国境なき記者団」が発表した2014年度の「言論の自由度ランキング」で、日本は59位。ちなみに60位はアフリカのモーリタニアだ。ランキング発表を始めた2002年以降で日本が50位以下に転落したのは三回だが、いずれも安倍政権の時代だ。


”国益という言葉は、いつからこれほどポピュラーになったのだろう”

これを指摘する山崎雅弘は現政権とメディアとの関係について、公共放送の会長や経営委員など現政権と親密な関係を保つ社会的優位者が暴言を吐いても地位を失わなくなり、大手新聞社や在京テレビ局のトップが首相と頻繁に会食し、「国益」「売国」などの言葉が大手メディアや週刊誌で頻繁に使われるようになったなどの事例を挙げている。書きながら思う。そもそも国益という言葉は、いつからこれほどポピュラーになったのだろう。国の利益。見方によってはとても卑しい言葉だと思うのだけど。

でもいつからか多くの人が摩擦なくこれを口にするようになった。その反作用として、国の利益を損なったとする個人や組織を売国奴として攻撃する。テレビ番組や書籍のタイトルに「日本」や「日本人」が増え始めた時期と重複している。今回のノーベル賞受賞の報道もその延長だろう。そういえば安倍晋三と百田尚樹の対談本のタイトルは「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」。悪い酒でも飲みすぎたのだろうか。思わず大丈夫ですかと言いたくなる

権力は暴走する。腐敗する。それは世の習い。そのために権力を監視する装置としてメディアがある。でもこの国のメディアは今、その機能を放棄しかけている。ほぼ現政権の広報機関だ。だから権力も気が弛む。暴言が頻発する。武器輸出三原則を防衛装備移転三原則と言い換えて変更する。現職閣僚がヘイトスピーチを行う団体幹部と記念写真を撮る。あまりに露骨で稚拙だ。ところが大きな問題にならない。だから事態は加速する。

書きながら鬱になる。もうこれ以上は書きたくない。だってこれは愚痴と言い訳だ。僕は精一杯抗った。でも力及ばなかった。後世に自分をそう慰める。

だからもう投票には行かなくていい。落ちるなら徹底して落ちたほうがいい。敗戦にしても原発事故にしても、この国は絶望が足りない何度も同じことをくりかえしている。だからもっと絶望するために、史上最低の投票率で(それは要するに現状肯定の意思なのだから)、一党独裁を完成させてほしい。その主体は現政権ではない。この国の有権者だ

まあ実のところは書くまでもない。僕ごときに言われなくたって行かない人は行かない。行かない人はそもそもポリタスを読まない。そんな意識もない。結果はもう明らかだ。15日以降に誕生するのは世界でも稀な自発的な独裁国家(でも考えたらナチスドイツもそうだった)。これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ。


森達也 (もり・たつや)

1998年、ドキュメンタリー映画『A』を公開。世界各国の国際映画祭に招待され、高い評価を得る。2001年、続編『A2』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。著書は、『A』『クォン・デ』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『下山事件』『東京番外地』(新潮社)、『王さまは裸だと言った子供はその後どうなったか』(集英社新書)、『ぼくの歌・みんなの歌』(講談社)、『死刑』(朝日出版社)、『オカルト』(角川書店)、『虚実亭日乗』(紀伊国屋書店)、など。2011年に『A3』(集英社)が講談社ノンフィクション賞を受賞。また2012年にはドキュメンタリー映画『311』を発表。最新刊は『自分の子どもが殺されてから言えと叫ぶ人に訊きたい』(ダイヤモンド社)と『クラウド 増殖する悪意』(dZERO)。

ホームページ: 森達也オフィシャルウェブサイト
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●国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」

2013年10月18日 00時00分07秒 | Weblog


西日本新聞の記事【「松川事件は終わらない」 無罪確定50年で集会】(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/45903)。

 「戦後最大の冤罪事件と呼ばれる「松川事件」」、「元被告らが「真犯人が見つかるまで、松川事件は終わらない」と訴えた」そうだ。松川事件を含む国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」。大事なことは、「結果的にはこの事件が当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は・・・、日本の局面を大きく変えた」ということ。

   『●『美談の男』読了
     「冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件松川事件八海[やかい]事件。
      下山事件、帝銀事件(p.90)」

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
     「GHQの策略・謀略。「一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
      年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
      (八月一七日)・・・・・・。いずれをとっても謀略の色が濃く、
      ・・・「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
      謎に包まれている事件ばかりだ」(p.52)」

   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
     「国鉄三大ミステリー、あるいは、陰謀事件。「初代国鉄総裁である
      下山定則が、常磐線の線路上で轢死体で発見された下山事件
      車庫にあった無人電車がいきなり暴走して運送店に突っ込み、
      多くの死傷者を出した三鷹事件、そして列車転覆してやはり死傷者を
      多数出した松川事件、この三つの事件が、一九四九年の七月から八月に
      かけて立て続けに起きた」(p.13、63、135、139)。」
     「家永三郎さんは「・・・松川事件について、・・・「結果的にはこの事件が
      当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで
      政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は・・・、
      日本の局面を大きく変えた」」(p.64)」

   『●『新聞記者 ~疋田桂一郎とその仕事~』読了(1/2)
     「元毎日新聞の西山記者 (p.156)、「妹たちのかがり火」
      仁木悦子さん (p.160)、松川事件の広津和郎さん (p.205) などの名も」

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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/45903

「松川事件は終わらない」 無罪確定50年で集会
2013年10月12日(最終更新 2013年10月12日 20時34分)

   (無罪確定から50年を記念する集会を前に記者会見する元被告の
    (左から)阿部市次さん、岡田十良松さん、赤間勝美さん、
    本田昇さん=12日、福島市の福島大)

 戦後最大の冤罪事件と呼ばれる「松川事件」で、被告全員の無罪が確定して50年を記念する集会が12日、現場に近い福島大(福島市)で開かれ、元被告らが「真犯人が見つかるまで、松川事件は終わらない」と訴えた。

 集会には約800人が参加し、4人の元被告が紹介されると、大きな拍手が起きた。登壇した元被告の阿部市次さん(90)は「無罪を勝ち取った後も、冤罪事件はたくさんあった。これを防ぐには司法の改革と、国民の大きな世論が必要だ」とあいさつ。赤間勝美さん(83)は「真犯人を捜し出すまで、元気でいたい」と力強く述べた。
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●『運命の人』というフィクション・ドラマと沖縄密約事件についてのノンフィクション

2012年02月03日 01時48分27秒 | Weblog


来栖宥子★午後のアダージォ』に「諸永裕司著『ふたつの嘘沖縄密約 19722010/ 運命の人』を超えるノンフィクション」という記事が出ていました(http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/0b4080e138bc346c94da110a5ea310c7)。西山太吉元記者の沖縄密約事件に関する記事である。引用はしませんので、原文を読んでみてください。
 来栖氏の独白は、「115日のドラマ『運命の人』(TBS)。本木雅弘さんだというので楽しみにしていたが、がっかり。佐藤道夫氏の「ひそかに情を通じこれを利用しそのまんまの、スキャンダルドラマだった。山崎豊子さんは、危うい。それに引き替え『ふたつの嘘 沖縄密約1972-2010』は、堅牢なノンフィクションだ」から始まる。

 山崎豊子氏については何となく好きになれず、一方、諸永裕司氏についても、森達也さんの『下山事件〈シモヤマ・ケース〉以来どうも引っかかりを感じている。
 どちらも原作を読んでいないけれども、山崎豊子氏フィクション・(スキャンダル)ドラマよりは諸永裕司氏ノンフィクションの方が優れているようだ。後者について、購入するかどうかを迷っているところ。来栖さんの記事の後半に紹介されている目次を見る限り、第一部、第二部共に興味深いのだけれども、どうしよう・・・。

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●三鷹事件: 再審請求

2012年01月14日 00時50分46秒 | Weblog


THE JOURNALに出ていた篠田博之さんによる記事(http://www.the-journal.jp/contents/shinoda/2012/01/post_88.html)。関連した記事が以下で読めます。

   http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120106-00000304-tsukuru-soci
   
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120106-00000305-tsukuru-soci
   
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120106-00000306-tsukuru-soci

 三鷹事件でただ一人有罪とされた冤罪被告の遺族の方が再審請求をされるようです。『創』の2012年1月号に出ていたので興味を持っていました。たとえ冤罪でなかったとしても、家族が理不尽な処遇をされることはあってはならないと思います。ましてや冤罪ではたまったものではありません。三鷹事件では、冤罪で家族は大変に御苦労をされたようです。したがって、親族の方は反対されている方も多いようですが、今回は長男の方が請求を出されたようです。

 私は、これも冤罪だと思っています。被告は汚名を晴らすことなく、亡くなっておられます。

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http://www.the-journal.jp/contents/shinoda/2012/01/post_88.html

戦後三大謀略事件「三鷹事件」の再審を求める動き

 1949年に起きた下山、三鷹、松川のいわゆる三大謀略事件といえば、歴史の教科書に載っている話で、多くの人が古い過去のことと思っているかもしれないが、そのひとつ三鷹事件の再審請求が昨年1110日に起こされた。実は三鷹事件については、被告の大半が無罪となったのだが、ひとり竹内景助被告のみ死刑判決が確定、再審請求申し立てを起こした段階で本人が病気で死去。死刑囚の汚名を着せられたまま真相が闇に葬られてしまったのだった。今回、息子が父親の遺志をついで改めて再審請求申し立てをしたのである。
 様々な新証拠の存在からこの事件が冤罪であることは明らかだが、事件から年月がたっていることもあり、再審開始への道のりは簡単ではない。
 今回の再審請求に至る経緯や判決の問題点などについては月刊『創』1月号に再審弁護団の高見澤昭治弁護士の詳しいインタビューが掲載されているからぜひお読みいただきたい。
(以下のサイトに全文を掲載)

         
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120106-00000304-tsukuru-soci

 そして1月
19日(木)18時半〜20時半に吉祥寺の武蔵野公会堂で「三鷹事件の再審開始を求める集い」が開催される。「下山事件」の著書もある森達也さんや事件の目撃者である堀越作治さん(元朝日新聞記者)の講演、それに再審弁護団の報告などが行われる。

 入場無料。主催は三鷹事件再審を支援する会
(世話人・大石進)電話0422-26-8029
mitaka-case
island.dti.ne.jp

 私・篠田は三鷹に住んでいることもあって、この事件に関心を持ってきた。この再審の動きについては『創』で今後も積極的に取り上げていくつもりだ。
・・・・・・・・・。

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●『東京番外地』読了

2010年11月21日 01時07分43秒 | Weblog


『東京番外地』、11月に読了。森達也著、新潮文庫。2009年8月発行。解説は重松清氏。

 第一弾「葛飾区小菅一丁目」から第十四弾「府中市多磨町四丁目」、および、番外編「千葉県浦安市舞浜一丁目」まで「」東京ルポルタージュ。「東京近郊のスポットを無目的に歩きながら、思い出したり触発されたこと、あるいは場の記憶に感応したことなどを随筆風に綴るという書籍の企画」(p.15)。

 下山定則氏の殺人。昭和史最大の謎。『下山事件シモヤマ・ケース)』(pp.10-11)。
 『放送禁止歌』(p.12、96、220)。『職業欄はエスパー』(p.13)。『』(p.14、66、284)。

 大道寺将司さん(p.21)。

 植草一秀氏と監視カメラ(p.43)。「・・・こんな理由で尾行されてはたまらない。・・・明らかな悪意・・・」。推定無罪原則のあまりの軽視。

 精神保健福祉法、少年法の改正(p.95)。「ところが実際のところは、少年事件増えてもいないし凶悪化もしていない。・・・事件の低年齢化も全く根拠がなく、統計はむしろ高齢化を示している。/ところが多くの人はこれを知らない。なぜならメディアが不安や危機ばかりを煽る。・・・その方が視聴率や部数が上がるからだ。つまり身も蓋もない市場原理の帰結。/同様に、精神障害者による事件も、実態とイメージとは大きなギャップがある」。

 「第六弾 「微笑む家族」が暮らす一一五万㎡の森/千代田区千代田一番地」(p.109)。「天皇版・電波少年」という企画趣旨。「・・・劇団「ザ・ニュースペーパー」・・・の風刺コント「さる高貴なご一家」をこの広場で、さらに天皇家の目前でやってもらい、その様子を撮影する・・・」〝危険〟で〝過激〟なドキュメンタリー。フジテレビが中止勧告。
 「NHKが・・・放送直前に強引に改編し、その背景には自民党政治家による圧力があったと報道して大騒ぎになり、さらに朝日とNHKとの泥仕合にまで発展」した、中川氏・安倍氏による番組改竄強制事件。
 「・・・自民党は憲法草案を決定した。・・・「日本国憲法を遵守して」と発言した今上天皇は、どんな思いで読んだのだろうか」。

 「立川反戦ビラ撒き事件」(p.124)。
 「狭山事件」(p.126)。無罪推定原則の著しい衰退(p.130)、「簡単に蔑(ないがしろ)にされては困る」。

 「Suica」(p.140)は誰何(すいか)。

 『あしたのジョー』と存在しない泪橋(p.149)。

 岡林信康さんの「山谷ブルース」(p.152)。佐藤満夫・山岡強一氏のドキュメンタリー映画『山谷 やられたらやりかえせ』。「監督二人が殺された映画など、他にはちょっと思いつかない」。

 「郵政民営化是か非か式の二者択一が焦点・・・単純化や簡略化には大きな副作用がある(小泉チルドレンを筆頭に、国会議員の質がとても低下した)」(pp.163-164)。

 杉原千畝さん(p.175)。

 ドキュメンタリー映画『フォッグ・オブ・ウォー』(p.184)。東京大空襲を実施した戦争屋ルメイに日本政府から勲一等旭日大綬章を授与、という唖然とするお話。「渡す側も渡される側も、記憶中枢に重大な欠陥があるとしか思えない」。東京大空襲「春季慰霊大法要」に興味なさげな石原都知事と(毎年靖国参拝の)小泉元首相も。大村益次郎と靖国神社。
 
小泉純一郎元首相の靖国参拝に際してのノーテンキな発言。〝井戸〟の水を濁らせてばかり。「・・・小泉首相の二つの論拠は、「公約」と「心の問題」。・・・公約にあげるならそれはもう心の問題じゃない。心の問題と言い張るならば、それは公約になどすべきじゃない。とても単純なこと。・・・それは何よりも、・・・自民党の総裁選の際の公約だ。つまり国民一般は、彼とそんな約束をした覚えはない。この国には自民党員と自民党の議員だけが住んでいるわけじゃない」(p.263)。

 『いのちの食べ方』(p.223、231)。鎌田慧さん『ドキュメント屠場』(p.231)。

 
ジョージ・オーウェル(p.246)。

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●『A2』読了

2010年10月04日 05時03分37秒 | Weblog


『A2』、7月に読了。森達也安岡卓治著。現代書館。2005年5月第1版第2刷(2002年4月第1刷)。

 「はしがき」・「あとがき」以外に、「撮った理由、及び「A2」本篇から落としたエピソード・・・・・・森達也」、「採録シナリオ「A2」」、「森達也と二人三脚で「A」「A2」づくり・・・・・・安岡卓治」の3章。

 フィル・スペクター(p.30)。

 浅野健一さん、「人権と報道・連絡会」(p.68、71)。河野義行さん(p.130)。
 『創』の篠田さん、『アエラ』の烏賀陽さん。「烏賀陽 ・・・オウムに好意的なニュース番組なんか作っていいのかと、うちはスポンサー降ろさせてもらうぞと、・・・抵抗するというのはなんか、濁中の黄河に向かって裸一つで飛び込んでいくような、そういう恐怖感を僕は感じているし。いつもいつも叩き潰されて、自分の書きたいことが結局最終的には100%は出せないという歯がゆさも持ってるし・・・」(p.157)。

 下山事件(p.186)の撮影

 「テレビ界・・・ベテランディレクターの多くがテレビの世界を離れている。映像消費文化の象徴のような存在だ。/森も、・・・企画では傑出した独自性を持っているものの、処世術はうとい。/・・・ポリシーを持ち、様々な場で発言する「フリー・ディレクター」は、森以外に何人いるだろうか?/批判的な精神を持続することは難しい」(p.188)。

 『放送禁止歌』(p.189)。岡林信康。「・・・全共闘・・・。/「お祭り騒ぎ」をテレビで見ながら、「若者たちの時代」が到来することを夢想したわれわれが直面したものは、紛争処理後の徹底した管理強化教と、それによって押し殺された・・・無気力な同世代の群れであった。政治的な関心を示すだけで教師からにらまれ、反抗には隠微な制裁が加えられた。/・・・「勇者たち」の多くは、彼らが憎み、破壊しようとしたはずの制度の中にしっかりと組み込まれ、歯車として生き続けていた。/当時の武勇伝を得々と語るものたちと出会うことがある。が、命がけで闘おうとした本物の闘士たちは、けして語らないのだと思う。自らの敗北がもたらした荒廃を、歯ぎしりしながら見つめているのではないだろうか。/岡林信康自身も「手紙」を封印し、もう歌うことはないという」(p.190)。高田渡、なぎら健壱、「イムジン河」(p.191)。
 『職業欄はエスパー』、『一九九四年よだかの星』(p.194)。「他の生き物を犠牲にして生きてゆくしかない人間の矛盾」(p.196)。

 「森は、「A」によって、自分が本来作るべきものを
再認識したのだと思う。自らの主観を貫くことで、作品のオリジナリティーを発揮することの大切さに気づいたのだ」(p.196)。

 「・・・戦後の日本でこれほど明瞭な「社会の敵」は存在しなかったのではないだろうか。・・・だが、社会に渦巻くその「憎悪」に身を任せ、煽りたてるだけでは、事件の根幹にある問題にたどり着くことは出来ない。・・・、「なぜ、彼らが?」の解答は得られていない。犯罪の核心は「動機」にある。その「動機」をすべて「信仰」に収斂させてしまうことは乱暴すぎないだろうか?」(p.198)。「・・・世論の「憎悪」が高まり、メディアの理性をゆがめていることを感じた。テレビは、・・・横並びで・・・犯罪の凶悪さを叫ぶ声の大きさで視聴率を争っている。/誰か、冷静に見すえようとするものはいないのか?/・・・/森と出会ったのは、そんなときだった。/・・・ふたつ返事で、プロデュースを引き受けた」(pp.208-209)。

 原一男さん(p.215)。

 転び公妨(p.222)。

 山形国際ドキュメンタリー映画祭「市民賞」受賞(p.235)。

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●『美談の男』読了

2010年09月28日 05時07分22秒 | Weblog

『美談の男/冤罪 袴田事件を裁いた元主任裁判官・熊本典道の秘密』、7月に読了。尾形誠規著。鉄人社。2010年6月刊、第1刷。

 本の帯、「私は無罪を確信しながら死刑判決を言い渡した―――。39年前の過ちを自ら告白した元エリート判事の転落と再生/酒……家族崩壊……自殺未遂……放浪……そして―――。逃れたくとも逃れられない袴田事件の呪縛」。
 「裁判員制度が始まろうとしているいま、いつ誰が熊本と同じ立場になってもおかしくない」(p.10)。「・・・最終的な合議の場で死刑に一票を投じる・・・。己が死刑判決を下した一員になること、その事実が生涯付きまとうだろうことに恐怖を覚えるに違いないのだ」(p.23)。

 「熊本は・・・。/・・・九州大学の法学部に進んだこと。在学中に司法試験を受けトップで合格したこと。・・・死刑判決に4回関わり、そのすべての死刑囚と東京拘置所で面会したエピソードだ」(p.23、89、92、125、138「正門」・「多々良川」、p.236「和白」)。

 罵声、棍棒での殴打、蹴ったり、殴ったりの取り調べ(p.60)。「冤罪王国、静岡」(p.61)の静岡県警の悪しき体質、4つの冤罪: 「幸浦[さちうら]事件」、「二股事件」、「小島[おじま]事件」、「島田事件」(pp.62-63)。免田財田川松山事件に続く、確定死刑囚再審で無罪になった初の事例が、島田事件。4事件全ての主任取調官は〝拷問王〟と評されることになる稀代の悪徳刑事。

 冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件、松川事件、八海[やかい]事件。下山事件、帝銀事件(p.90)。
 免田栄さんと足利事件菅家利和さん(p.219)。
 名張毒ぶどう酒事件(p.254)。

 「・・・熊本は・・・。検察から届く拘留請求の、なんと3割を却下したのだ。いま現在の却下率が1%にも満たないことを考えたら、驚異的な数字である。司法研修を終えたばかりのペーペーに、なぜそんな芸当ができたのか」(p.96)。
 「泣きながら書いた偽りの死刑判決文」(p.115)。「・・・熊本は断腸の思いで、死刑判決文を書き上げる。しかも、全くの〝作文〟である。自分がとんでもない過ちを犯していることに、震えながら怒りながら泣きながら、矛盾に満ち満ちた350枚を創作した。職を辞する決意は、既に固まっていた」。

 袴田巌さん。「産まれてまもない我が子と別れ、長年の拘留生活により精神にも異常をきたしている袴田死刑囚。なぜ、彼はこんな地獄を味わい続けなければならないのか。疑わしきは被告人の利益にの原則に従うなら、審理はやり直され、無罪確定の上、袴田は釈放されなければならない」(p.253)。
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●『首都圏生きもの記』読了(1/2)

2010年04月25日 04時48分47秒 | Weblog

『首都圏生きもの記』、4月に読了。森達也著。学研新書。2010年3月刊(第1刷)。

 帯より、

「都会は人間だけのものじゃない!/都会は人間が暮らすエリアだ。
 
でもこの環境に適応して暮らす生きものはたくさんいる。
 
プラナリア、クワガタ、ナナフシ!? 彼らを見ればいろいろなことが見えてくる。
 
首都圏に生息する生きものたちを、独自の視点で語る!」

 ちょっと驚くような知識の披露が随所に。それに加えて、「オウムドキュメンタリー放送禁止歌動物実験下山事件、それに最近では死刑問題などをテーマにしてきた印象があるためか、テレビ・ディレクター時代には硬派でジャーナリスティックな問題ばかりを扱ってきたのでしょうね、などと時おり言われる」(p.233)森さん独自の視点でのコメントが。

 『カッターでプラナリアを三等分!』。「・・・資本主義はダーウィニズム市場原理とは切り離せない。競争があるからこそ商品の性能は向上するし、価格も下がる。これが行き過ぎると弱者切り捨ての新自由経済になってしまうけど、・・・」(p.22)。「だって切断面の細胞は、どの方向の身体が欠損したかを認識していることになる。・・・/・・・ヘッジホッグ・・・」(p.32)。

 『身を挺して水を浄化するイトミミズ』。「・・・溶存酸素・・・。/・・・指標生物という。これに選定される条件としては、生育できる環境が極めて限定的であることだ。/河川などの水質階級マップ・・・強腐水性水域・・・」(pp.54-55)。

 『がんばれ皇居の外来種』。「・・・網に掛かった魚三千四百匹のうち、三千三百五十六匹をブルーギルとブラックバスが占めた。つまり九十八パーセントが外来種。・・・同じような状況の湖沼は日本中にある」(pp.66-67)。「・・・今生天皇は、「桓武天皇の生母が百済の武寧(ぶねい)王の子孫であると『続日本紀』に記されていることに、韓国との所縁(ゆかり)を感じています」と記者会見で公式に発言した。/・・・声を潜めて「タブーらしいよ」などと囁き合っていた天皇家と朝鮮半島との関係について、・・・まさしくカミングアウトした瞬間だ。/でもこの事実を覚えている人はあまりいない。なぜならテレビや新聞は、この発言についてほとんど報道しなかったからだ。/・・・天皇としては、相当に強い決意をした上での発言であるはずだ。これをスルーしてしまう方がよほど不敬じゃないかと思うのだけど。/・・・/あらゆるジャンルでグローバル化は進む。そして交雑する。ハイブリッドが進む。それはこの小さな国の宿命だ。無理に抗うことではない。自然さを回復するために不自然さを選択すべきではない」(pp.68-69)。

 『冬の畑の生きものたちと相転移』。「水をゆっくり冷やしてゆくと、零度を過ぎても液体のまま氷結しないという現象がある。過冷却だ。・・・成虫で越冬する虫たちのほとんどは、この過冷却能力が非常に大きい。彼らの血液には氷核形成物質が少なく(いい換えれば液体の純度が高い)、グリセリンや糖類などの凍害防御物質が多量に含まれているのだという。/・・・微かな物理的な刺激で一気に氷結する。それこそ数秒でみるみる凍るのだ。その逆が突沸。・・・やはり物理的な刺激で一気に沸騰する現象だ。日本の世相のあらわれかたによく似ているメディアによって一気に氷結し、あるいは沸騰する。・・・アザラシのタマちゃんへの善意溢れる熱狂が、・・・白装束集団・・・に対する過剰な危機意識とまったく同じ時期に現れたことは、とても象徴的だ。・・・つまりメディアという温度変化によって、この国は極めて相転移を起こしやすい。でもその自覚はあまりない。まあその自覚があるのなら、これほど安易に相転移を繰り返さないだろうと思うけど」(pp.122-123)。
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●『日本の公安警察』読了(1/2)

2010年04月24日 07時07分05秒 | Weblog

日本の公安警察』、4月に読了。青木理著。講談社現代新書。2000年1月刊(2004年10月、八版)。

 「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」。

 
オウム真理教事件でも使われた手口。「公安警察内で「転び公妨」と呼ばれる手法がある。・・・/日本国内に潜入していた日本赤軍メンバー、丸岡修が・・・逮捕されたのは・・・、典型的な「転び公妨」だった」(p.34)。

 GHQの策略・謀略。「一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)・・・・・・。いずれをとっても謀略の色が濃く、・・・「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが謎に包まれている事件ばかりだ」(p.52)。
 「A級戦犯として公職追放されていた岸信介らが追放解除されたのは、一九五一年八月六日のことだった」(p.56)。

 「一方、安保闘争の高揚に〝呼応〟する形で右翼によるテロ事件も続発する。/一九六〇年一〇月一二日、・・・浅沼社会党委員長が聴衆の面前で一七歳の右翼少年に刺殺された。・・・さらには六一年二月一日、雑誌「中央公論」に掲載された深沢七郎の小説「風流夢譚」が、皇室を侮辱した内容であるとして中央公論社長の家に押し入り、お手伝いを殺害し嶋中夫人にも重傷を負わせた、いわゆる「風流夢譚」事件が起きる」(p.68)。

 奇々怪々な「菅生(すごう)事件」という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、〝爆弾犯の異常な出世(pp.108-116)。「・・・当時国家地方警察大分県本部に所属する公安警察官だった。・・・事件は一転して、公安警察による謀略事件だった疑いが浮上した。/・・・〝オトリ捜査〟・・・。/・・・共産党員らに有罪を言い渡した原判決を破棄し、全員無罪の判決を下した。/寒村で突如として起きた「共産党員による駐在所爆破事件」は、地元の共産党周辺へと投入された公安警察官らによる謀略事件だったのである。/・・・大分地裁は戸高を爆発物取締罰則違反で起訴し、その後福岡高裁も戸高の有罪を認定したが、結局は「爆発物に関する情報を警察の上司に報告したことが自首にあたる」として刑を免除される。驚くべきはこの後の戸高に対する処遇だった。警察庁は有罪判決からわずか三カ月後、警部補として復職を認めたのである。/・・・/復職後の戸高は警察大学校教授、警察庁装備・人事課長補佐などを歴任して警視の地位まで昇任。八五年、警察大学校術科教養部長を最後に退官したノンキャリアの公安警察官としては異例の出世だった。/・・・「パチンコ疑惑」・・・参院予算委員会で、再び「戸高・・・」の名前が物議を醸す。・・・警察OBが占める「たいよう共済」の常務に問題人物が就任・・・。戸高・・・のことだった。・・・こんなところにも顔を出している。・・・菅生事件の〝亡霊〟は事件から四〇年以上を経ても警察組織の中枢でひっそりと息づいていた。そしてプリベイドカードは、今も巨大な警察利権の一つとして指摘されている」。斎藤茂男(p.112)。

 盗聴。「中野の警察大学校に本拠を置く「サクラ」部隊は、そんな秘密工作活動を発足以来三〇年以上にわたって延々と、そして水面下で続けてきた。だが一九八六年、組織に大きな転機が訪れる。共産党の緒方国際部長宅盗聴事件の発覚である。/・・・/緒方側の申し出を受け、NTT職員は現場を所轄する警視庁町田署に事実関係を通報した。しかし、到着した町田署員は緒方側から事情を聴くと近所で長時間の電話をし、緒方らに対して「警察は静観する」と言ったきり捜査に乗り出すことを拒否。NTT側が一一月二八日、同署に告発したにもかかわらず、これを受け取らず、翌二九日になってようやく受理した。/ところが一二月一日になると突如として実況見分を実施し、大量の〝証拠品〟を持ち帰ってしまう。極めて不透明な形で行われた見分は証拠隠滅すらうかがわせるものだった」(pp.126-133)。当時の検察総長伊藤榮樹氏のたとえ話・おとぎ話。損害賠償請求訴訟では賠償が命じられ、高裁でも勝訴、国側の上告断念で判決は確定。

 「過去の「サクラ」あるいは「チヨダ」のキャップ=裏理事官・・・。裏理事官に就任するのはすべてがキャリアの警察官僚である。・・・/最近で最も著名な裏理事官経験者は衆院議員の亀井静香だろう」(p.143)。
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