ほとんど「耳にタコ」のお話なのですが、覚書として書いておこうか。
柘榴の花が散ってしまう前に。
近所に柘榴の樹があります。
散歩や買い物やあるいは病院に行く時には必ずそこを通ります。
紅色の花の季節になると、同行者が何度も同じおはなしを繰り返します。
初めて聞いた時には「そうだったの!」と、いたく感激したものでしたが……。
この様子を「紅一点」と言うことの語源は
中国の王安石の詩「詠柘榴」のなかに「万緑叢中紅一点・ばんりょくそうちゅうこういってん」という一節に由来する。
豊かな緑の中に咲いた一輪の柘榴の紅い花という情景である。
初夏の万緑のなかに、石榴の紅い花が咲く様子は、たしかにはっとするものがあります。
他に紅い花は見当たりませんし。
それが、いつのまにか男性ばかりの中にいる一人の女性という意味に使われたり、
多くの者のなかで、異彩を放つ者という意味になっていったということでした。
ちなみに、柘榴は中国から渡来した落葉喬木です。
今年も同行者の「御説?」により、「耳のタコ」がふとりました(笑)。
柘榴咲く市井にかくれ棲みにけり (高橋淡路女)