eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
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電車の架線事故発生

2016年03月17日 | eつれづれ
高崎線駅構内で火災=「17日に全線再開」―JR東
15日午前3時55分ごろ埼玉県熊谷市のJR高崎線籠原駅構内で火災があり、信号機や列車の制御装置などが焼けた。
高崎線や湘南新宿ラインなどが熊谷―本庄間で始発から運転を見合わせ、上下線計258本が運休。大宮―熊谷などで本数を5割程度に減らして折り返し運転し、約21万人に影響した。
JR東日本は「17日の始発から全線再開を目指す」としている。運転見合わせ区間では、16日夜間までバスによる代行輸送を行う。
同社によると電線の絶縁体が破損し本来電気が流れない電柱同士をつなぐ金属製のはりに通電。駅に電気を供給する配電盤や列車の進路を制御する装置、踏切保安装置などが焼けた。出火から約40分後に消し止められ、けが人はいなかった。
同社が調べたところ絶縁体のボルト(直径19ミリ)が腐食し折れていた。昨年5月の定期点検では異常はなかったという。同社は首都圏にある同種の絶縁体約8万個を緊急点検する。


テレビ報道では、この懸垂碍子のボルトが切断した様だ。碍子に記載されている1964-4とあるので既に52年経過したもので66kV送電線の長幹碍子交換時にゴミ処分されたもの、当時は
山間部での交換時、鉄塔下に穴を掘り埋めた。捨てずに今までモニュメント感覚で残してあった骨董品の2個??。

これも66kV用送電線の耐張クランプで確か裸銅線100sqで緊線したのか...忘れた。
今回、事故で落下したのは碍子下部のものだったのだろう。
昔、鉄塔最上部に張ってあるグランド線がスッポ抜け66kV線に一瞬、接触させた事故を起こしたが、その時は二次変電所を停止させて大目玉をくらった(上司に後で聞いた話)、通常は高圧PAS同様、瞬時に回路を遮断するが!?...。

鉄塔の左右碍子連を見ると6本の線が有るので6導体、アーマロッドは既に巻き付けられているがダブルトーショナルダンバーは、まだ取付されていない。

鋼芯アルミ撚り線ACSR125sqだったか忘れたが、この様な状態でクランプされている(振動吸収ダンパー)。電線太さによってポンド重さ、大きさは異なる。(500kV用はハンパで無い重さとなる)

遠い昔となったが厳冬時期だったころの緊線工事風景。

画像は500kV送電烏帽子(えぼし)型鉄塔にある懸垂碍子連でACSRアルミ800sq、6導体だった...この懸垂碍子は上の碍子コッタピン方式と異なり径も大きくボールジョイントだったか...鉄塔下の電線までは3m以上あったか...結構高い所から撮影、当時の針金電気ヤは怖い物知らずで頑張っていたバリバリの強電技術者??経歴の持ち主だが今は得体の知れない日本人、外人なのかショーンK同様、ウソ800のノーガキを語るダケとなった。

幾ら地絡電流とは言え、相当おおきな火花が継続していた...判らないのは変電所の地絡保護継電器他、まともに動作していれば瞬時に遮断器が動作して爆発など通電継続しないハズだが...他、電車の回生発電エネルギーも回った感じか。

追記ー多分、コッタピン(割りピン)が外れて碍子ごと落下したか(電線の重さで割ピン抜け、ズレは通常は考えられない)、コッタボルトがサビて落下したか...記事による推測では後者か。
△ネットより...
原因は絶縁碍子の劣化による電柱ビームとのショートだそうです。
JRの架線電圧は高崎線など直流区間では電圧が1500Vで電流は数千アンペア(A)です。
直流架線にしても、火花画像が長く続いていたのは事実なので瞬時の遮断動作は出来なかった様だ。

昔ついでに154kV変電所の新設工事でストラクチャー左奥にGCB(ガス遮断器)が見える。

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こんな事故もありました...。
4月21日に宮城県南部で発生した停電について(お詫び)
平成28年 4月21日
平成28年4月21日13時18分頃、宮城県南部で最大89,920戸が停電し、15時10分に復旧いたしました。
停電の原因は、仙南変電所(柴田町)内で設備撤去作業中に、クレーンが架空地線(避雷用ワイヤー)を切断し、母線に接触したためです。
事故発生の原因を検証し再発防止に努めてまいります。
停電により多くの皆様に多大なご不便、ご迷惑をおかけしましたことにつきまして、深くお詫び申し上げます。







未回収は数十億円のPPS倒産か

2016年03月17日 | eつれづれ
ロジテック問題 新潟市、代金回収急ぐ 県は損賠検討
破産申請手続きの準備に入った新電力大手、日本ロジテック協同組合(東京都中央区)との間で電力を売買していた新潟市は購入した電力の代金の支払いを停止し、市側の債務と相殺して販売代金を回収する方針を決めた。それでも3400万円程度の未回収額が残る見通し。また、同社からの未回収額が全国の自治体で最も多いとみられる約10億9100万円にのぼる県は、回収に向けて損害賠償請求の提訴も検討する構えだ。
新潟市は亀田清掃センター(江南区)のごみ焼却施設の余熱で発電した電力の一部を昨年4月から今年3月末まで同社に売る契約を結んでいた。2月に解除したものの12~2月の3カ月分の代金約5400万円が未回収となっている。
そこで市内の45小学校分として市が同社から購入した2月分の電力代金約1千万円の支払いを停止。同額の3月分の支払いも止める方向。市の担当者は「弁護士と相談し債権の回収を目指したい」としている。
一方、2月末に契約を解除した県は損害を県が被る場合に備え同社が納めた約3億4千万円の「契約保証金」で未回収額を補填(ほてん)する考え。ただ依然、未回収額は多額のため、県企業局は回収に向けて損害賠償請求を含め「あらゆる手段を検討したい」としている。

上手い話には、とにかく後々面倒な事がおきる様だ。ここは流行にのらず静観して様子を見るのが賢明だ。PPSも大手の電力会社より安くなるばかりでは無く、エネルギー輸入ひっ迫する世界情勢ともなれば価格など直ぐ高騰し最悪、倒産続出だろう。
そんな事よりも電力不足で安定供給も出来なくなり、停電頻繁となり日本経済も立ち逝かなくなる現実。
針金電気ヤも0088,0077とか電話料金安くなる触れ込み、ワケがわからない状態...もう懲りた。