[ 2021-07-08 建設通信新聞 ]
再編整備のイメージ
東京都新宿区のJR新宿駅周辺約10haを対象に都が検討している土地区画整理事業の事業計画が決まった。線路上空に設けるデッキを始め、現在の「車中心」の東西駅前広場を、人が歩いて移動・滞在できる「人中心」の空間につくり替える。周辺の駅ビルなども老朽化に伴う建て替えを計画しており、連携しながら事業を進める。デッキや広場は2035年度の一部完成を目指す。事業完了は46年度。 現在の新宿駅の駅前広場は、西口にバス乗り場、東口にタクシー乗り場がある。付随する道路も含めて歩行者よりも自動車の移動を重視した空間になっている。
一方、多くの鉄道が乗り入れ、乗降客数も多い同駅では、人の移動や滞留するための空間の不足が以前から課題になっていた。
人中心の空間づくりとして、西口では駐車場出入り口をスバルビル跡地に移動し、歩行者空間を広げる。ボイドと呼ばれる大穴で地下空間を地上化した、建築家の坂倉準三が手掛けた独特の空間デザインは継承する。
東口は、道路や駐車場出入り口などを線路方面に移動させて歩行者空間を拡大する。東西の移動は、地下の東西自由通路と線路上空に整備するデッキを軸にする。
工事に向けた今後の動きについて都市整備局市街地整備部は、鉄道や交通関係者、民間企業など多くの主体が関わる事業であるため、「調整が必要だ」と話す。
事業費は約728億円。現在、新宿駅直近地区土地区画整理事業駅前広場概略設計をパシフィックコンサルタンツが11月30日までの履行期限で担当している。