時事通信 2/12(火) 20:58
東京都健康長寿医療センターの宮腰重三郎・血液内科部長
競泳の池江璃花子選手(18)が診断された白血病は、がん化した血液細胞が増殖する血液のがんで、さまざまな種類がある。
抗がん剤による化学療法が中心だが、骨髄などの造血幹細胞移植が必要と判断される場合もある。白血病の生存率はかつては低かったが、近年は向上しており、専門家は「仮に移植が必要になっても、治癒すれば選手復帰は可能だ」と話す。
厚生労働省の調査では、2016年に白血病と診断された患者は国内で約1万3700人。うち10代は約300人だった。
大きな分類では、がん化した細胞の増殖が急速な「急性」と、ゆっくりの「慢性」がある。また、がん化した細胞のタイプから「骨髄性」と「リンパ性」に分けられる。まずは検査などでどの種類か確定させ、治療法を検討する。
東京都健康長寿医療センターの宮腰重三郎・血液内科部長によると、例えば慢性骨髄性白血病などは、化学療法のみでの治癒が見込め、移植が必要ないケースが多い。
移植が必要な場合でも選手として復帰できる可能性はあるが、治療による体力の低下は避けられず、移植後には肺障害など合併症の恐れもある。宮腰氏は「いかに体力を維持し、肺障害を少なくするかがポイントになる」と指摘する。
慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」代表の田村英人さんは、「今は医療が発展した。ぜひ復帰して、白血病にかかっても頑張れるという姿を見せてほしい」とエールを送った。