黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

先週、会社を休んだ理由

2013年10月31日 14時13分38秒 | ファンタジー

 先週金曜日、約五年越しの懸案だった前立腺の生検(生体組織診断)を受けた。午前中、主治医から、前もって撮ったMRIの画像を前にして、手術の説明があった。肛門からエコーのカメラを入れ、前立腺の様子を見ながら、裏側から、長さ五㎝くらいの針を二十本刺して細胞を採取するというもの。五㎝もの針を二十本も刺したら、前立腺がクタクタになるのではと危惧したが、膀胱にもカメラを入れるという説明を聞いた私は、完全に落ち込んでしまい、軽口など聞いている余裕はぜんぜんなかった。膀胱検査はこれまで二回も受けていて、検査後に襲ってくる耐え難い痛みはなかなか忘れられるものではなかった。
 麻酔は、虫垂炎の手術をしたときと同じ下半身麻酔で、それに加え、眠気を誘う薬も点滴で入れるとのこと。手術はぼんやりしているうちに終わってしまうから大丈夫と慰められた。しかし、下半身麻酔の薬剤の量は盲腸手術に比べ、ほんの少量しか使わないと聞いて、それなら痛いかも、と私は震え上がった。手術後は導尿の管を入れっぱなしにして一泊してもらう、状態が良くなければ延びることもあり得るとのこと。検査結果は二週間後に判明するので来院願う、というものだった。
 手術室へは、担架に横になり、者どもそこのけそこのけ、といったパフォーマンスで突っ込んでいった。手術室の中は色々機材がほったらかしになっていて、物置のようだ。広い部屋の真ん中に手術台が一台ポツンと置かれていたら、かえって緊張するだろうな、と思った。背骨の穴に痛くない麻酔注射をうち、さあ、足の指は動きますか?ここの感覚はどんなですか?眠くなってきましたか?緊張しませんか?などと、声かけ専門の男性看護師の言葉が鮮明に聞こえる。ぜんぜん眠気を催さない。
 そのうち、これから針刺しですという声とともに、パチンパチンという音が響き始めた。痛くはないが、緊張感が高まる。とうとう二十発分、数えてしまった。術後、麻酔が切れても痛みはまったくない。導尿の管だけは、初めてではないのに気持ちがよろしくない。二日目に無事退院を果たしたが、取られた細胞の培養結果が判明するまで、何となく気の抜けない日々が過ぎていく。(2013.10.31)

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