黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

はなは、ノルウェージャンじゃない?

2018年01月26日 14時16分36秒 | ファンタジー

 今年に入って不調なことがもうひとつある。
 私は暑いのはからっきしダメだめだが、寒さはさほど気にならない体質だと自認していた。子どものころはみんなそうなのかもしれないが、凍てついた屋外で何時間も雪まみれになって遊んだ。今思うと、凍傷にならなかったのが不思議だ。高校時代はよく、学校さぼって寒い街を暗くなるまでほっつき歩いた。真冬だって、一張羅の学生服を身にまとい外套も着ないで。
 ところが、10日ほど前、ある作業のため、2時間ばかり極寒の外気に吹かれていたら、だんだん両手がしびれてきた。防寒コート、吸湿発熱タイプのももひきを着用し、毛糸の帽子をかぶり、軍手に毛糸の手袋を重ねてはき、防寒は完璧だと思っていたが、手袋を脱いでビックリ。左の人差し指と中指の付け根から甲にかけて、ぶす青黒い。手袋が少し薄かったのか。ひたすら手の甲をさすりながら帰宅して、テレビで気温を確認するとマイナス8℃だった。  
 さらに、翌日、排便したら肛門の辺りに変な痛みが走る。恐る恐る触ってみるとぼっこりしたものがある。去年の冬も同じようなことがあり、肛門科の薬に1ヶ月お世話になった。この度は薬局に行き、中年の薬剤師さんに症状をあからさまに伝え、注入軟膏とチューブ入りの軟膏を調達した。確かに寒かったが、こんなことで凍傷気味になったり痔が腫れたりするとは、なんて脆い身体になってしまったのかとつくづく思う。
 正月明けの中学のクラス会で会った同級生が自身のことを老けた老けたと嘆くので、私は相手を思いやって、お互い身体の衰えは如何ともしがたいと慰めたばかりだった。何ということか、彼一人が老化したわけではなかった。
 はなだって、いつのころからか雪が降ったらぜったい外に出ない軟弱なネコになった。はなは、ほんとうに、寒さに強く粗食に耐え人にやさしいノルウェージャンなのだろうか。そろそろシャムとかイリオモテネコの毛皮に着替えたらいいんじゃないのか、と毒づいたら、はなの耳が真後ろを向いた。(2018.1.26)

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飲まないようにしてます

2018年01月23日 23時32分11秒 | ファンタジー

 父しゃんは、正月早々の諸行事を済ませてしばらくたっても、胃の調子がイマイチ良くならないみたいだ。ぐずぐず独り言が、はなの耳に数日間、聞こえていた。実は、父しゃんは昨年9月、年一度の健康診断で胃カメラを飲んで、再検査を言い渡されていた。しかし、猜疑心が人一倍強い父しゃんは、精検の紹介状をほったらかしにしていた。検査医療機関がマスコミの批判をかわすため、何でもかんでも精検に回して責任回避している、そんな連中の言いなりになんてならないと言いながら、胃カメラの写真のポリープとネットで検索した腫瘍をこっそり何度も見比べているのを、はなはちゃんと見ていた。
 とうとう自覚症状が出た父しゃんは、やっぱり精検受けとけばよかったかな、という不安げな顔を見られないように、そそくさと町の総合病院へ行った。病院から戻り、組織を検査に回されたとポツリと言った顔は明らかに青ざめていた。それでもなお、医者は、検査機関の指摘があったので念のためと言っていたと、自分の不安を打ち消そうとするのだ。ホントに意気地がないんだから。
 その日から、父しゃんは、「飲まないようにしてます」と会う人会う人にちょっと神妙な顔でしゃべっている。
「ウソだよん」
 父しゃんは自発的にそうしているみたいに言っているけれど、母しゃんの目があるから我慢してるだけ。一人のときは、「ちょっとだけなら大丈夫」と、半分心配しながら、酒の誘惑には抵抗しきれない。ホントに軟弱なんだから。母しゃんに言いつけちゃうぞ、父しゃん!(2018.1.23)
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記念日ぎらい

2018年01月16日 16時30分36秒 | ファンタジー
 
 今年は松の内が明けきらないうちから大きな行事が続いた。6日には1泊で郷里の中学校のクラス会に出席。先生を含め14人中、半数の方々とは半世紀ぶりの再会。夜中の2時まで飲み歌いあかした。ふらふらで帰宅した翌日は町内会の新年会があり、日本酒を浴びるようにいただいてしまった。1日置いて親子お楽しみ会に世話役で出席。
 問題は、この数日の間に家人の誕生日がはさまっていたこと。一連の行事が始まる前はちゃんと心に留めてあったのだが、奥にしまい込みすぎたのか、当日の夜遅くなってから思い出した。
 それにしても、どうして記念日という大事な日付をうっかり忘れてしまうのだろう。誕生日、結婚記念日や先祖の命日にとどまらず、クリスマス、バレンタインデーといった、世間に知れ渡っている記念日さえすっかり忘れることがある。
 家人らは、たった年1度のことをなぜあっさり忘れるのか信じられない、とおっしゃるが、1年待てばまた来るのだから、1度や2度忘れたことに目くじら立てなくてもいいじゃないか、といった身勝手でおちゃらけな弁明をするのはかえって火に油なのでご法度。
 なにしろ家人は、初めての結婚記念日の出来事はもちろん、自分たち以外の様々な記念日も憶えているようなのだ。ところがこの私ときたら、大きな声で言うとハレーションが大きいのでこそっと書くが、記念日とは当日のことを忘れないためにあるもの、極端な言い方をすると、当日の出来事を記憶に留めてさえいれば、その後の記念日など必要ないとドライに割り切る性格なのだ。
 ほんとに困ったものだ。どうしてこうなるのかと考えてきたが、いまだに自分の傾向性を改められる自信はまるっきりない。改めようと思っていない? からなのか、過ぎし日の数多くの失敗の反省を、未来に生かせたことがない。世の中から記念日がなくなれば、気持ちが楽になるのだが、きっとそうはならないだろう。(2018.1.16)
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はなシャンシャン

2018年01月05日 13時19分34秒 | ファンタジー

 はなは、シャンシャン(香香)そっくりだ。香香といっても中華料理屋のどんぶりでなく、上野のパンダのこと。姿かたちは別物だが、とにかく落ち着かないパフォーマンスが瓜二つ。
 ジャイアントパンダは、ネコ目クマ科に分類され、別名を熊猫というらしい。そんな名前がつけられたのは、熊の体形してるが猫みたいにじゃれるからだろうか? 
 母親シンシン(真真)の子供のいじり方がまたしつこそう。家人が言うには、シンシンとシャンシャンの関係が、はなと父しゃんにそっくりらしい。はなと父しゃんのように、遊んでいるうちにケンカにならなければいいが。そんなことはないか。(2018.1.5)
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どこへ行った 黒毛玉

2018年01月04日 14時34分28秒 | ファンタジー

 せっかく見つけた黒毛玉なのに、はながドリブルして遊んでいるうちにどこかに置き忘れてきた。私も、はなの後ろにくっついて、ネコ目線で家中はいずりまわったが出てこない。はなは、「ぜんぜん知りません」といった顔でしらばっくれている。次の日には「ほれ父しゃん」とくわえてくるはずと思い、探索するのをやめた。
 ところが、予想に反し、数日経っても毛玉は依然行方知れず。はなは、もうその存在を忘れたかのように、一言も発しない。
 数日後、居間の隅の暖房パネルの下を何気なく見ると、あるではないか黒玉が。ネコなら、必ず探し出せるような場所だった。はなに見せると、「えっ、あったの!」とほんとうに黒玉のありかを知らなかったという様子で飛びついてきた。はなは、とのに比べ、ほんとに忘れっぽい。 
 とのだったら、何日過ぎても物をなくした場所をのぞき込んでいたものだ、たとえ、それが生きている虫であっても。そこんとこだけ、とのは、父しゃん似じゃなかった。(2018.1.4)
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はな年賀2018

2018年01月01日 13時47分18秒 | ファンタジー

 最近、父さんは毎日が日曜日なので、はな はなんだか落ち着きません。朝は、目覚まし時計が1時間寝坊するせいでお腹ペコペコ。ゴハーンを催促したら、まだ寝てなさいと厳しいお言葉。待ちくたびれて、つい父さんの体の上に乗っかってウトウトしてしまいます。
 暇な父さんは、120歳までにあれもこれもしたいと、スケジュールを立てるのに一生懸命。その上、ため込んだ本を1日1冊読むぞ、朝昼晩の体操とストレッチするぞと、かけ声だけは威勢がいいけれど、すぐヘトヘトになって昼寝ばかりしている。 
 母さんは、大食い父さんのために1日中台所にいなきゃならないので、はな もお手伝いに大忙し。そんなわけで夜になると、みんなお疲れモードです。
 はなは、今後の予定なんてまったく興味がない。そんな はな を見習って毎日のんびり遊んでいれば、父さん! 120歳も夢じゃない。今年も家族ともどもよろしくお願いします。 2018年 元旦
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