黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

北大構内を散策して思ったこと

2022年07月26日 22時56分03秒 | ファンタジー
〈総合博物館1929年建造〉
 今日は暑い日だった。ちょっとした用があり、数十年ぶりで北海道大学の広大な敷地内を歩いた。自分が通った学校ではないのだが、一瞬、50年あまり前の学生だったころに戻ったような気分に襲われた。きっと暑さにやられたのだ。
 ふと見上げると、「中央食堂」の看板が掲げられた、安普請の古びた建物の前にいた。一度大学を辞めた私は、復学後、学生食堂のアルバイトで食いつなぎながら、卒業までの約2年間、卒論テーマの龍のことばかり考えていた。学食の独特なにおいを嗅いで、そのころの日々の記憶が頭の中によみがえったのかもしれない。
 日蔭に入ってしばらくすると、さらに時をさかのぼり、大学受験の勉強を拒否していたころの自分が現われそうになったので、びっくりして正気に戻ったのだった。(2022.7.26)
〈旧図書館、旧昆虫学養蚕学教室〉

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カラスたちは日曜日も学校に通う

2022年07月17日 20時22分39秒 | ファンタジー
 激しく雨が降っているが、カラスたちは日曜日の今日も律義に学校に通う。
 近ごろ、小学校の校庭の西と南側に、3羽カラスたちが出没している。その辺には、戯れあう彼ら以外に生き物の気配はないので、そこは彼らの楽園、いや縄張りになっているのだろう。
 私が校庭のカラスたちに注目するようになったのは去年6月、独り立ちしたばかりのカー子が事故死したときからだ。
 個体識別しているわけではないが、あの事故後2日間、瀕死のカー子を見守った2羽のカラスたちが、傷心から立ち直り新たな家族を持ったのだと思うと感慨深いものがある。(2022.7.17)

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夏花真盛り

2022年07月11日 16時44分06秒 | ファンタジー
 選挙戦が終わったのに、世の中は静まらない。やはり以前の騒々しい日々がずっと続いていて、何ひとつ決着してはいなかった。周囲の騒音によって目くらましにあっていただけだった。そして、さらに訳のわからない暴力との戦いが始まる気配さえ漂っている。
 一方、自家の花畑に目を転じると、花々は季節を十分堪能して、はしゃいでいるように見える。
  葉桜過ぎて赤い実の礼を云い
               猫士
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はなはスマホを持ってないので

2022年07月03日 22時15分55秒 | ファンタジー
 はなみたいに、スマホもガラケーも嫌いなヒトがここに一人いる。
 父さんは、携帯なんていらない、と言っていたのに、母さんのスマホを見るなり、うらやましがってスマホに替えた。
 ところが、今回の通信遮断が起きると、
「こんな騒動はイヤだ、静かな環境で心ゆくまでアナログ文化を楽しみたい、電子機器なんてひとつもいらない」と、せっかく手にしたスマホを返納するぞと息まく。
 一体全体、父さんはどうしたいの? アナログ生活ってどんなものなの?
 父さんはこう言った。
「ここから車で10分くらい走ったら人家は消え、鬱蒼とした森林になる。そこにあるらしいひなびた小さな小屋に、ダンボールに詰め込めるだけいっぱいの本を持っていく」
 それらの本を読み終えるまで半年くらいかかりそうなのだが、この間、はなより生活能力がない父さんはどうやって生活するつもり?
 はなも母さんも、いっしょに行かないんだよ、ぜったい。(2022.7.3)
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