黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

のめり込みすぎ

2020年01月21日 00時14分37秒 | ファンタジー

 昨年末に予告していた「弥生時代の歴史」は読了。勢いあまって、「豊璋 藤原鎌足の正体」(関裕二著、河出書房新社)というきわどい本までななめ読みした。これが実に興味深い本。百済の王族、豊璋が倭国に来て、中臣氏に取り入り鎌足を名乗り、中大兄皇子(後の天智天皇)を篭絡して国家権力を握り、ついには子の藤原不比等らの活躍でこの国を支配するほどの勢力になったという説を唱える。
 この話は極めて大胆に聞こえるが、そもそもこの列島の成り立ちを見れば、数万年前の旧石器時代から、朝鮮半島やサハリン経由で、あるいは大陸から日本海を越えて、様々な文化や技術を持つ関係者がやって来たのは考古学や遺伝子解析でほぼ解明されている。紀元前10世紀前後には、半島から北九州に渡来した人々によって水田稲作を伴う弥生文化が伝えられ、それから紀元7世紀までの1千数百年の間、人々が半島や大陸から入れ替わり立ち替わり渡ってきた。
 なので、鎌足が、列島にやって来て権力を握った初めての外国人でないのは自明だ。そのほかにも、伝説の武内宿祢、継体天皇、その子孫の厩戸皇子、蘇我氏たちも渡来人だったとした方がつじつまが合うという説、さらに、天智は百済人、天武は新羅人で、7世紀の天武(大海人皇子)の壬申の乱とは、半島で滅亡した百済の残党を討ち取るために、北九州の宗方氏の力を借りた新羅勢力が列島に侵入した事件だったといった臆測がひそかに飛びかっていることも、私はよく知っている。
 つまり、7世紀のいわゆる大化の改新や壬申の乱が起きたころまでは、この列島内に対外的に自立した安定政権は形成されていなかったのだ。
 ところで、こんなマニアックな世界にのめり込むと、普通の生活の場に帰って来られなくなる恐れを感じたので、先週、4冊の本を買った。「荷風追想」(岩波文庫)、「中華の成立」(岩波新書)、「まぼろしの小さい犬」(ピアス著、岩波少年文庫)、「南の島のよくカニ食う旧石器人」(藤田佑樹著、岩波科学ライブラリー)。写真を見たら岩波の本ばかり。もう定量だと思いながらも、また列島の古代史関係の本を1冊入れてしまった。この本はおもしろいらしい。(2020.1.21)



 

 

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残りわずかなかりんとう

2020年01月09日 21時40分38秒 | ファンタジー
あんなにたくさんあったのに、これだけになってしまった。
かりんとうは、はなの大好物だ。いちばんおいしい外側の黒糖をきれいになめられれば、はなは大満足。中身は油で揚げすぎたのか、とても硬くて食べられない。父さん、食べたければどうぞ。黒糖のはげ落ちた写真を撮ってみたけれど、なんだか気味が悪くて掲載できない。(2020.1.9)
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アウトドアぎらい 番外編1カサンドラ

2020年01月07日 14時24分40秒 | ファンタジー
 数か月前の雑誌をざっと眺めていたら、カサンドラ症候群というタイトルが目についた。暇なので、かなり長い記事だったが読んでみた。ところが、カサンドラの意味がどうもわからない。ずっと前に見たカサンドラ・クロスという映画のタイトルはすぐ思い出せた。そんな星座の名前みたいな映画に、私がほんの子どもだったころから有名なソフィア・ローレンが出ていたことまでおぼえているが、そんな記憶はこの際何の役にもたたない。
 ともかく、カサンドラの意味が不明なので、近くにいた家人に聞いてみた。すると、私の顔に向けた家人の目が引きつった。彼女によると、その雑誌が発刊された直後、二人で長時間にわたってその記事の話をしたという。確かにカサンドラという言葉を耳にしたおぼえはあるが、家人の証言に思い当たる節がない。鈍感な私も、これには参ったと思った。
 家人の指示でしぶしぶ辞書を引いてみた。パートナーの特異な思考・行動パターンに翻弄されて、良好な関係を築けないことから起きる神経症のことだと書いてあった。そのパートナーとはつまり私のことか、と思って顔を上げると、家人の顔が急に明るくなったような気がした。
 そういえば、私には昔から何度読んでも聞いても頭に入らない言葉があった。たとえば愛とか情感とか雰囲気とか。言葉の意味が理解できないだけでなく、以前も書いたが、飽きるくらい繰り返し練習しても、身につかない動作、手仕事、手順などが多々あった。それは、子どものころから慣れ親しんだアイススケート、キャッチボールのほかボールにかかわるすべてが初心者のまま推移したこと。簡単な料理のレシピ、たとえばチャーハンや焼きそばにどんな調味料を入れるのか、毎回頭を悩ますこと。家庭菜園のどの場所にどんな作物を植えたか、前年の苦労を忘れてしまうこと。完璧に大工仕事やペンキ塗りをしたことがないこと。これらはほんの一例。年取ればさらに増えるだろうと思うとゾッとする。
 日常生活では、一方の側だけにすべての問題があるわけではないと思う。互いに自分を知り、パートナーにできるだけ迷惑をかけないよう配慮することは、長く共同生活するための秘訣なのだ。私には、いつになったら身につくのだろう。
 (2020.1.7)
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あけまして2020

2020年01月01日 14時43分00秒 | ファンタジー
あけまして おめでとうございます
一人娘猫 はな です。
父しゃんは、週1日だけ小学校の見守り隊をやっている。
はなも、実は見守り隊のメンバー。ただし、見守りの対象は子どもでなく、父しゃんと母しゃん。夜が更けたらソファーで居眠りする母しゃんを起こして布団に寝かしつけ、酔っ払ってふらふら階段を上がる父しゃんを心配して2階まで送り届ける。それから、2人の枕元に座りこみ、コテコテ言いながら布団に入った父しゃんを寝つくまでしっかり監視する。ほんとうに律儀な見守り猫だ。
人の年齢に換算して80歳になる″はな″には、父しゃんと母しゃんは手のかかる子どもみたい。枕元でじっと見つめる″はな″の眼差しは、自分で言うのもちょっと恥ずかしいけど、母猫の目のように優しいと思う。ときには枕に顔を載せたまま、先に眠ってしまうこともあるけれど。
今年もどうぞよろしくお願いします。
2020年 元旦

 

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