BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

ホワイト嘔吐

2013年12月18日 | 新 刊
 ベストセラー本を新刊で買うのは大いに抵抗がある。しかしこの本だけは今すぐ
に読まなくてはいけない。半額など待っていられないのだし。
 この本、二つの意味で背筋が凍りつくほど恐ろしくなった。
 国家公務員1種試験合格者を頂点とするキャリア官僚の、人間を見下した発想の
恐ろしさだ。最高学府とは東京大学卒業のエリートではなく、東京大学法学部卒業
のキャリア官僚なのだと、のたまう。
 もう一つはやはり原発事故の恐ろしさだ。福島第1原発事故の恐ろしい事故の結
果もそうだが、政府はなんの教訓も反省も無く原発再稼動や新設稼動に突き進む。
推進関係官庁の官僚は、巧妙にそれを仕組む。それが日本国民にとって最良の選択
だとばかりに。
 しかしなんだこの本、小説形式だし登場人物は実際の原子力政策や政府与党関係
者の、その人物像に重なるよう名前が判りやすく表記されている。ああ、あの人だ
と読んで判る人が多ければ多いほど面白く読めるのは、全く困ったもんだ(笑)

 「原発ホワイトアウト」 著者 若杉 冽  講談社 定価1600円+税
  ( 2013年12月4日 第8刷発行 )※9月発刊だったがすでに8刷