BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

蜜蜂の羽音

2020年01月16日 | 古本
久し振りに面白い小説を読ませてもらった。何かと取り上げられていたのでやや抵抗はあったが読んで損はない。
養蜂家の父と共に各地を転々とするピアノを持たない少年、風間 塵や小さい時からピアノを習っていた天才少年
少女たちの、3年ごとに開催される「芳ヶ江国際ピアノコンクール」。エントリー48名が第1次、2次、3次
最後の本戦で6名になるまでの演奏という闘い。その内容につき、いろんなクラシック作曲家やクラシック曲の
名前が出てくるが、読んでいて知らなくてもそんなに抵抗がない。これが村上 春樹さんの小説で唐突にクラシック
の曲名が出てきたりすると、だと何だよーと思うが、これはそんな風には思わせない音楽曲への文章表現がある。
もちろん小説的都合あわせはあるが、小説なのだからそこはしょうがない。ただ16才の風間 塵くんはなぜあれ程
までに天才なのかの、〔ユウジ・フォン=ホフマン〕が贈る「ギフト」だとしても説得力に欠けるきらいはある。
500頁を超えるページ数だが、上下2段組は読みやすくていい。 第156回直木賞受賞作。
これすでに映画化されたようだが、どうせイケメンタレントのお芝居だろうから観る気はしない。
 「蜜蜂と遠雷」 著者 恩田 陸  幻冬舎 定価1800円+税
  ( 2017年1月25日 第10刷発行 )

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