BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

1903

2010年04月02日 | その他
 過日 隣の町、小樽文学館へ行った。
古本コーナーがあり、ひとり5冊まで自分で決める寸志で持ち帰ることができるという。
アタシは市内の古本屋チェーン店における均一棚の、収穫不足が補えるかと期待した。
 元 小樽貯金局だったというその建物の文学館内古本部屋は、なにかこう土蔵といっ
た雰囲気で、ガッチリとした木の本棚に相当数収まっている。だがしかしそれぞれの本
は木棚に根を生やした様な収まりで、冴えない隠居本のたぐい。いわば誰も引き取り手
のない書物庫然とした按配だ。つまり胸トキメクようなタイトルは無かった。在ったと
すればとっくに誰かの手に渡っているのだろう。文庫2,3冊を手に取ってみたが、
いくらをカンパすべきか、それを考えていると展示をみる時間がなくなる。したがって
持ち帰りの収穫はゼロ。

 文学館内では 小林 多喜二 伊藤 整 石川 啄木など、小樽ゆかりの作家さんたちの
実物資料展示が行われている。多喜二は1903年生れ、知里 幸恵さんと同じ年の生
れであったのだ。29才の壮絶死、多喜二のデスマスクに見入った。 うむー・・・。