BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

買います

2010年04月23日 | 古本
 ひと月程前に手に入った千円の図書券がサイフに入っている。これに少し足せば新
刊の一冊も買えるという余裕と、それを早く使ってしまいたいという落ち着きのない
気分があった。何度か新刊書店をうろつき、慎重に狙いを何冊かに絞った。しかし
イザとなると決断がつかない。読みたいのは山々だが、もう少し待てば古本系に出回
るのではないかという期待があるからだ。それからでも遅くはなかったことを、何度
も半額棚で見ているからだ。
 綜合雑誌系に目をやると、あまり見掛けない表紙の出版物が1冊だけぽつねんとあっ
た。手にすると「面白いお話、売ります。」というコピーで、Story Seller vol3
という雑誌名だ。431ページ中、広告は3ページのみでうるさくない。厚さの半分が
広告という雑誌は、それだけで疲れる。

 7人の作家の読み切り、書き下ろしでそのうち知っている作家さんは3名のみ。
 書き手は以下の7人。
①沢木 耕太郎「男派と女派」 いつもの話で、特に新味なし。沢木さんは「血の味」
 という小説の不出来と「旅する力-深夜特急ノート」ですっかりミソをつけた。
②近藤 史恵「ゴールよりももっと遠く」 なる程こういうジャンルは初めてよむ。
 中々面白くて別作品も読んでみたい。ただ男性?女性?名前だけでは最近区別がつ
 かない。
③湊 かなえ「楽 園」 あなたの手口はもう分りました。子供が痛む小説はもう止めて
 下さい。
④有川 浩「作家的一週間」 うむー、こういう書き方も最近はアリなんだ、と知る。
 小説の世界も進化しているのだ。
⑤米澤 穂信「満 願」 それなりに楽しめた。ただミステリーには手を出しませんが。
⑥佐藤 友哉「555のコッペン」 こういう小説内容、興味持てない。
⑦さだ まさし「片 恋」 なんの期待もなかったが、しかし意外や巧くて面白いのだ。
 だからといってコンサートなどに行く気にはなれない。

 定価は800円(平成22年4月10日発売)だった。千円図書券を出したからと
いって200円のお釣りはくれない。ならばもう1冊、図書券に690円を足して
やっと出た「いい旅北海道 12」を買おう。発行案内メールもくれたし、あざらし
さん例の〔道新エッセイ4回で中止事件〕の顛末も知りたくて。知事サイドではなく
道新の〔志も骨もない〕担当の自主規制だった、と。らしいのだが、しかし真相は
果たして?
 「いい旅北海道 12」廃刊危機、なんとか売れて存続できればいいのだが。
  編集・発行人 舘浦 海豹 ( 発行日 2010年3月30日 )
  ※特別増量ページだったので定価は 890円
 
 それにしても「Story Seller 3」は編集後記で、この号で最後になると。存在に
気がつくともう終わりだという。編集兼発行人 新井 久幸氏には面白かったとメール
を送ろう。きっと彼なら何処かで復活する。