それから、「幹がしっかりしている」、というのはとても大事なことです。基本ができているのであれば、体系レベルでのミスや(論点の体系上での位置づけを間違えるとか)、処理手順そのものをミスする(論点の順番を間違えるとか)、ということは少なくなります。これらのミスは、致命傷に直結します。
他方、枝葉の部分で、記述が不正確だったり、あらぬ方向へ行ってしまうことはあるかもしれませんが、「幹自体がぐらついている」場合に起きうる、採点者が「こいつ、勘違いしてるとかではなくて、本当に分かっていないんじゃないか」、という懸念を抱く契機は少ないと言えます。
枝葉末節レベルでのトラブルは、本試験では「順位」には影響が出ると言えますが、「合否問題」に直結するようなことはないのです。
そういう意味で、入門レベルの知識に穴がない、安定感がある、ということは合格のためには必須要件と言えます。これは、予備試験も本試験も同じことです。
不合格者の答案を見ていると、典型論点において、こちらが「見たことも聞いたこともないような」理由づけをしたり、フレーズを使ったりしていることが本当に多いのです。この時点で、不合格の推定が恐ろしく強く働くのです。