再起動計画

2017-09-13 22:46:19 | 司法試験関連

不合格に終わった方は、来季に向けて自分をリブートしなければいけません。既に再現答案が出来上がっている人はそれを使えばいいのですが、問題はまだ作成していない人です。

今更作成しても「再現」ではもはやないので、再現答案「作成そのもの」にこだわる必要はありません。しかし、大まかな構成と、問題文の事実(資料含む)で引用した部分などの確認は全力ですべきです。できれば各論点の書いた分量的なものも思い出せるといいです。論点そのものは「書いた・書いていない」レベルでは分析としての意味がほとんどありません。制度趣旨・理由付けであれば何を書いたのか書いていないのか、事案の問題提起はどのようにしたのか、当てはめとしてどのような事実を用いたのか、などが特に重要です。具体的レベルで検討するようにしましょう。時間をかけるべき作業です。

合格者の再現答案は若干「盛っている」部分があるので、鵜呑みにはできませんが、それでも、①何を書いていて何を書いていないのか、②分量的な配分はどうか、③どのような事実をどこでどう使っているか、などは大変参考になります。あと、上位答案と下位答案を読み比べる、という作業も有益です。何がどう違うのか、まずは自分の頭で差異を検討してみるのです。

翌年リベンジに成功した人の共通点は、「自分の問題を正確に把握」→「その課題をこなすためのベストな勉強方法の確定」→「やりきる」ということをきちんとできているということです。いわば「路線変更」に成功した人たちですね。一番難しい作業工程は、最初の「自分の問題を正確に把握」する、と言う部分です。

その意味で、これからの1ヶ月ほどは本当に重要です。腰を据えて、自己分析=自分における合格するための障害事由たる「反規範的人格態度」がなんなのか、をとことん突き詰めるようにしてください。ここがお座なりだと来年も結果は同じになりますから、慌てて雑な分析をしたりすることの無いようにしてくださいね。

「行動」を変えなければ「結果」も変わりません。これからの8カ月、勝つためにどう行動するのか。全てはそこにかかっています。

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「幹」レベルでのミスは致命傷

2017-09-13 19:34:13 | 司法試験関連

それから、「幹がしっかりしている」、というのはとても大事なことです。基本ができているのであれば、体系レベルでのミスや(論点の体系上での位置づけを間違えるとか)、処理手順そのものをミスする(論点の順番を間違えるとか)、ということは少なくなります。これらのミスは、致命傷に直結します。

他方、枝葉の部分で、記述が不正確だったり、あらぬ方向へ行ってしまうことはあるかもしれませんが、「幹自体がぐらついている」場合に起きうる、採点者が「こいつ、勘違いしてるとかではなくて、本当に分かっていないんじゃないか」、という懸念を抱く契機は少ないと言えます。

枝葉末節レベルでのトラブルは、本試験では「順位」には影響が出ると言えますが、「合否問題」に直結するようなことはないのです。

そういう意味で、入門レベルの知識に穴がない、安定感がある、ということは合格のためには必須要件と言えます。これは、予備試験も本試験も同じことです。

不合格者の答案を見ていると、典型論点において、こちらが「見たことも聞いたこともないような」理由づけをしたり、フレーズを使ったりしていることが本当に多いのです。この時点で、不合格の推定が恐ろしく強く働くのです。

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何故、合格率が高いのか

2017-09-13 18:38:45 | 司法試験関連

予備組と上位既修組の合格率が高い理由はなんでしょうか。両者に共通しているのは「L2」のレベルが高い、と言う点です。要は、予備試験、旧司法試験、既修者試験などのレベルの問題演習ができている、ということです。

結局、本試験では「当てはめ勝負」、とはいっても、事実を当てはめる基準である、規範を正確に論証できていなければ当てはめしようがありません(第1次規範、第2次規範、理由づけ、定義などです)。この辺が分かっていない人が不合格者には意外に多いように思います。

また、近時の傾向として「ボーナス問題」と言うか、特にひねりもなく、基本論点を問う問題(一応事実関係はやや多め)が出るようになり、不完全な記述しかできないとこのあたりで差をつけられてしまう、というのも大きいでしょう。

本試験論文対策の特徴であるL3ばかりに目を奪われて、前提段階であるL2が満足にマスターできていないと受かるわけがないのです(この問題自体は、新司法試験移行直後からありますが)。

この点、予備組は予備試験論文式試験でミッチリ鍛えられています。上位既修組も、入学前にある程度の分量をこなしていますし、学部時代からの予備試験併願組も多いので、L2がマスターできている人が多いと言えます。ただ、上位既修も近年の法科大学院試験の競争低下の影響を受け、玉石混交になりつつありますので、「上位既修」という括り方は、ややアバウトかもしれません。個人差が大きくなりつつあるなとは思います。

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