治療法は異なる

2017-09-16 12:29:59 | 司法試験関連

時期的に、合格者に答案を見てもらうことが多くなると思います。

その際、返ってくるコメントは大きく2つに分けられると思います。一つは、「基礎力不足系」、もう一つは「書き方が上手くない系」です。前者はL1・L2レベルに難があり、後者は私の言う「5ツール」のうち「答案作成能力」を中心としたL3レベルには難がある場合、と言う風に大別出来ると思います。同じ「不合格者」でも、両者は全く別物です。これが肝です。

後者の場合は、答練・ゼミなどを中心にテクニカルな部分を修正していく必要があります。インプット中心の勉強では効果が出にくいでしょう。よく聞く「最後の一年はゼミを中心に取り組んだら合格できた」というのはこの部類に難のあった人達のものです。後者のタイプの「治療方法」としては、答練ゼミなどが最適だからです。過去問なども何度も何度も書いてみましょう。「自分の理想とする答案像」に如何に近づけられるかが、来年5月までのあなたのミッションです。

他方、前者のタイプの場合は、答案云々の前にそもそも基礎力に難があるので、「とりあえず答練受けて」的な勉強をしても正直得るものは少ないです(ほぼないと言ってよい。より強く苦手意識が付くくらい)。「治療法」として最適なのは基礎固めということになります。特に短答で7割ベースを取れない人は、そもそも答案云々の前の問題だと自覚すべきです。

ただ、残念ながらこの決断ができる人はあまりいません。「今更基礎からなんて馬鹿にするな」、という無駄なプライドが邪魔をするからです。しかし厳しい現実を言えば、来年合格は結構厳しい層です。再来年合格も現実的な視野に入れるくらいの覚悟が必要です。それくらい状況は逼迫しています。中途半端な勉強を8カ月やって来年駄目だったとき、来年の今頃も今年と同じような状態に陥いります。これを5回繰り返して最後は失権します。そうならないよう、グランドデザインをしっかり持つことが大切です。初学者ではないので300時間くらいの入門講座なら年内に終わらせられます。

来季合格の為には年内100日、年明け4ヶ月というように2タームに分けて合理的な計画を練るべきです。答案は、なるべく沢山の人に見てもらうといいと思います。合格者といえども全系統のレベルが高いというわけではないですし、評価される答案というのは1つのタイプしかないわけでは無いからです。その際、自分なりに分析した結果に基づく悪い点などを言ってからコメントを貰う、という「自主的な姿勢」が必要です。相手に丸投げで「コメント頂戴」と言う姿勢では来年も厳しいと思います。

受かるか、受からないか。全て自分の選択・行動次第です。自分の人生なのですから、積極的にコミットしていきましょう。。

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