One for Duke/今田 勝トリオ
(Three Blind Mice TBM-47, reissue)
秋吉敏子さんを別格とすれば、邦人ピアニストでは菅野、山本、山下、本田(故人)などが有名どころでしょう。個人的には菅野のピアノが最も好きですが、TBMに多くの作品を残した今田勝も思い出深いピアニストとですね。記憶に間違いなければ彼のピアノを初めて聴いたのが本日アップの”One For Duke"でした。場所は新潟スワンだったとおもいます。
この75年の都市センターでのライブ録音は他にも菅野のアルバム等いくつかの好アルバムを生んでいる事に気付きます。今田のレギュラートリオ、今田(p)、福井五十雄(b)、小原哲二郎(ds)のラストパフォーマンスという事で各自の完全燃焼するかのような熱気の籠ったライブ演奏が収録されています。選ばれた曲はタイトルからわかりますようにエリントンこの年に天に召されたデューク・エリントンへのトリビュートとなっています。豪華絢爛なイントロから始まるソフィスティケイテッドレディのソロ演奏がはじまると会場にピリッとした緊張感が張りつめる様子がひしひしと伝わって来ます。続く"In A Sentimental Mood"への流れて行く動きがすばらしく福井のアルコが入ってくるあたりは痺れます。原曲の美しさを生かした今田のピアニスティックな魅力に溢れていますね。A面最後のサテンドールもスウィンギーなトリオの演奏が楽しめる好演ですね。
TBMが原盤ですが所有盤は再発です。数ある今田のアルバムでも屈指の一枚と思います。