67camper's Blog

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やっぱりカーメンのライブはいいなあ

2009-06-04 04:50:48 | jazz & vocal
At The Great American Music Hall/Carmen McRae
(Blue Note LNJ-67012・13)

 黒人ボーカル御三家,エラ、サラ,カーメンを比較すると,エラのノリ,サラの音域,カーメンの声質のそれぞれの個性があると思いますが,トーキングスタイルの歌唱で知られるカーメンのライブパフォーマンスはこれまた特徴があり,ホールやライブハウスで聴かせられるとこのトーキングスタイルと金属性のボイスは極めて説得力をもって迫ってくるように思われます。アトランティックのダンテのライブや新宿ダグの弾き語りライブでもそういった魅力は実証済みですよね。今日はサンフランシスコのGreat American Music Hallのライブ録音をアップいたします。

 ダンテのライブと同じ2枚組で、メンバーはMarshall Otwell(keyb), Ed Bennett(b), Joey Baron(ds)のトリオにゲストとしてトランペットの巨匠,ディジー・ガレスピーが客演し、素晴らしいオブリガートを聴かせてくれます。A面ではスピリチュアル"Paint Your Pretty Picture"と得意の"A Song For You"でのトーキングスタイルが絶品です。またガレスピーが加わった"On A Clear Day"も旧知のカーメン/ディジーのコラボは見事ですねぇ。B面冒頭の"Miss Ortis Regrets"の喋りとも言える歌唱,これに絡むディジーのミュートも印象的ですし,"Too Close To Comfort"~"Old Folks"~"Time After Time"のスタンダードの流れも魅力的です。C面の"Dindi"、D面の"No More Blues"はいずれもジョビンの名曲ですが,カーメンがボッサを取り上げるのは結構珍しいのかもしれません。前者ではこのボッサを一級のバラードに仕上げてしまいますし,後者ではセントトーマスを交えたスキャットでグングン盛り上げて行く所などはカーメンならではですね。

 所有盤は東芝がリリースした国内盤再発ですが,後期カーメンのライブの円熟味を充分に示したアルバムだと思います。