認知症になっても、生き生きと今まで通りの生活をされている人は、いっぱいいます。
高齢者の認知症の方も、畑仕事や、裁縫など、長年やってきたものは、結構、体が覚えている。少しくらい間違えても、周りがとやかく言わずに、さらっと流してしまえば、本人にダメージは残りません。
進行が速いと言われる若年の人でも、早くから公表し、周りの適切なサポートを受けている方は、進行が緩やかな気がします。そして何より、その方の「仕事」がきちんとあること、これが大きいと思います。何でもいいんです。これが私の仕事だ、と思えるものがあり、それを続けることが、本人の大きな自信になります。
でも、サキさんの場合は・・・。
家の中でのサキさんの仕事を、私は奪ってしまった、取り上げてしまいました。
台所の仕事、主婦としてのサキさんの職場である台所の仕事。
野菜の皮むき器(ピーラー)を使うたびに指を切っていたサキさん。包丁もだんだん使えなくなってきました。炊飯器の水加減も分からなくなり、研ぐのはサキさん、水の量は私の係になりました。しばらくして、研ぐのも私の仕事のなりました。
「洗い物くらいなら出来るよ」
サキさんが言ってくれるのですが、断ってしまいました。サキさんが洗うと、どうしても泡のついたまま乾燥機に入れてしまうので・・・。気持ちはわかるのですが、
「ありがとうね、でもいいよ、座っとって」
私の言い方も、毎日毎日同じ繰り返しの中で、段々ときつい言い方になっていました。
「いいから座っといてって、言っとるでしょう、お願いやでじっとしとって」
まるで、邪魔者扱いです。サキさんの想いはどうだったでしょう。でも、この時は自分のことで手一杯でした。
洗濯物も、うまいこと干せなくなり、取り込んだ後も、どこに片づけたかわからなくなり、一緒にやるようになり、しばらくして私だけの仕事になりました。
サキさん一人ではできないことが多くなってきました。日々の時間に追われる生活の中では、ゆっくりのんびりやればいいよ、とはならずに、サキさんから仕事を奪う結果になってしまいました。
そのほうが、私一人でやったほうが、早くて楽 だからです。
サキさん一人で出来なくなった時、まだ介護保険は利用していませんでした。この時に、包括さんや、ケアマネさんに相談し、サキさんの仕事へのサポートを頼んでいたら、違った展開になっていたと思います。
買い物のサポート
料理のサポート
洗濯のサポート
そうサポートです。やってもらうのではなく、あくまでもサキさんが行う仕事のサポートです。主体はサキさんです。
でも、今の介護保険制度で出来るのかな。そのころのサキさんは介護認定を受けていたとしたら、おそらく要支援。要介護だとしても、家族のための料理までは認められていない気がします。要介護者本人のための食事提供や、洗濯物の取り込みなどはできても、家族の物はできないはずです。
介護保険がダメなら、それこそお手伝いさん。もしくは若年性認知症の初期の人をサポートして生活を支えるボランティアの皆さん(そんな人いるのかな)に、援助をしてもらえれば、サキさんはまだまだ働けたはずです。自分の仕事だと言えるものを持ち続けられたはずです。
若年性認知症の初期の人の生活を支えるための援助制度。サポート体制。とても重要で大切だと思います。
サキさんの仕事を奪ってしまったこと。
サキさんを家の中で、お客さん扱いにしてしまったこと。
サキさんに生きがいを感じさせてあげれなかったこと。
全てを後悔しています。
高齢者の認知症の方も、畑仕事や、裁縫など、長年やってきたものは、結構、体が覚えている。少しくらい間違えても、周りがとやかく言わずに、さらっと流してしまえば、本人にダメージは残りません。
進行が速いと言われる若年の人でも、早くから公表し、周りの適切なサポートを受けている方は、進行が緩やかな気がします。そして何より、その方の「仕事」がきちんとあること、これが大きいと思います。何でもいいんです。これが私の仕事だ、と思えるものがあり、それを続けることが、本人の大きな自信になります。
でも、サキさんの場合は・・・。
家の中でのサキさんの仕事を、私は奪ってしまった、取り上げてしまいました。
台所の仕事、主婦としてのサキさんの職場である台所の仕事。
野菜の皮むき器(ピーラー)を使うたびに指を切っていたサキさん。包丁もだんだん使えなくなってきました。炊飯器の水加減も分からなくなり、研ぐのはサキさん、水の量は私の係になりました。しばらくして、研ぐのも私の仕事のなりました。
「洗い物くらいなら出来るよ」
サキさんが言ってくれるのですが、断ってしまいました。サキさんが洗うと、どうしても泡のついたまま乾燥機に入れてしまうので・・・。気持ちはわかるのですが、
「ありがとうね、でもいいよ、座っとって」
私の言い方も、毎日毎日同じ繰り返しの中で、段々ときつい言い方になっていました。
「いいから座っといてって、言っとるでしょう、お願いやでじっとしとって」
まるで、邪魔者扱いです。サキさんの想いはどうだったでしょう。でも、この時は自分のことで手一杯でした。
洗濯物も、うまいこと干せなくなり、取り込んだ後も、どこに片づけたかわからなくなり、一緒にやるようになり、しばらくして私だけの仕事になりました。
サキさん一人ではできないことが多くなってきました。日々の時間に追われる生活の中では、ゆっくりのんびりやればいいよ、とはならずに、サキさんから仕事を奪う結果になってしまいました。
そのほうが、私一人でやったほうが、早くて楽 だからです。
サキさん一人で出来なくなった時、まだ介護保険は利用していませんでした。この時に、包括さんや、ケアマネさんに相談し、サキさんの仕事へのサポートを頼んでいたら、違った展開になっていたと思います。
買い物のサポート
料理のサポート
洗濯のサポート
そうサポートです。やってもらうのではなく、あくまでもサキさんが行う仕事のサポートです。主体はサキさんです。
でも、今の介護保険制度で出来るのかな。そのころのサキさんは介護認定を受けていたとしたら、おそらく要支援。要介護だとしても、家族のための料理までは認められていない気がします。要介護者本人のための食事提供や、洗濯物の取り込みなどはできても、家族の物はできないはずです。
介護保険がダメなら、それこそお手伝いさん。もしくは若年性認知症の初期の人をサポートして生活を支えるボランティアの皆さん(そんな人いるのかな)に、援助をしてもらえれば、サキさんはまだまだ働けたはずです。自分の仕事だと言えるものを持ち続けられたはずです。
若年性認知症の初期の人の生活を支えるための援助制度。サポート体制。とても重要で大切だと思います。
サキさんの仕事を奪ってしまったこと。
サキさんを家の中で、お客さん扱いにしてしまったこと。
サキさんに生きがいを感じさせてあげれなかったこと。
全てを後悔しています。
本人に任せることも必要なのかなと思います。それが、その人が今までやり続けていたことならなおさらです。
でも、任せるのは、時間と心に余裕がないとできません。
香菜子さん、うまいこと気分転換をして、心に余裕が持てるといいですね。私には余裕がありませんでした。
後悔することばかりです。サキさんがまだできることを、やらせなかったことが・・。
本人のプライド、意地、尊厳をいかに守っていくのかも大切だと思います。私は、心と時間の余裕がなく、出来ませんでした。
要介護になってしまうと、ヘルパーさんが食事をつくるので、本人の分しかつくれないのです。
やっぱり、何か変ですよね。