サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

在宅介護をギブアップ

2015年10月12日 22時16分01秒 | 私の日記
去年の8月の終わりにサキさんは愛知県一宮市の病院に入院した。そこから家にサキさんのいない生活が始まった。10月の終わりまで入院、それから老健さんへ入所。今年のゴールデンウィークの前までお世話になった。そして、5月ひと月間だけ家に戻って、一緒に生活したが、6月から岐阜市の病院に再入院。そして、9月26日から現在の特養さんのお世話になっている。サキさんが家にいない生活は、もう1年以上にもなる
先月のアルトさんのつどいで、同じ若年性認知症の奥さん(要介護5)を在宅で看ているGさんから「私は看れるまでは看ようと思っている。ギブアップした人もおるけど」と言われた。実際、その通りだ。私は早々と白旗を掲げ、在宅介護を「ギブアップ」してしまったのだ。そう言われたのがショックというよりは、なんか自分が情けない気持ちでいっぱいになった。
なんで、最初の病院の退院の時に「在宅介護」を考えなかったのか。もうその時点で在宅介護を「ギブアップ」していたんではないのか。あの時に、家をリフォームしていたら、サキさんは家に戻れたのではないか。いろんな思いが交錯する。

10月12日今日のサキさん

2015年10月12日 16時54分39秒 | 今日のサキさん
1週間ぶりにサキさんに会いに行った。
サキさんの部屋のドアを開けるとベッドに横になっていた。音楽も何もなく、ただじーーっとしている。目は見開いていた。


「サキさん、お父さん来たよ」と呼びかけるが、あまり反応はない。面会に行く前に床屋へ行き髪をバッサリと切ったからわからなかったのだろうか?そんなこともないか。最近はだいたい反応は薄い。さっそく音楽をかけてみたが、いつもの中島みゆきさんの「誕生」や「糸」にも反応なし。あれだけ涙をながしていたのに、今日はまったく無反応。でも表情は穏やかな気がする。やさしい表情だ


施設のスタッフの方とゆっくり話をしたいのだが、なかなか話す機会がない。皆さん忙しそうに動き回っている。
「サキさんは笑顔を見せますか?」
「お風呂のとき、サキさんの表情はどうですか?」
「食事は?普通食に戻すことはできますか?」
「サキさんが声を出すことはありますか?」
「夜、サキさんはよく眠れていますか?」


なかなか会いにも行けない。また行っても、ゆっくり居てあげられない。(時間はあるんだけど)居ずらいわけではないけれど、サキさんからの反応がどんどん少なくなってきているので、間がもたない。会話もできないし。手を握ってこちらから一方的に話しかけて、そして歌を歌って。何をすればいいんだろう。何ができるんだろう。やっぱり笑顔がみたいから、一方的でも仕方ないので、反応があるまで、がんばろう。

帰るときは、やっぱりつらい。心が晴れない。なら、もっと一緒にいてあげればいいのに、それもしない。やっぱり私は自分のことしか考えないダメな人間のようだ。サキさんのために・・・と言いながら、いつも自分の都合だけだ。