知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

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『「イエローストーン火山」は破局噴火が危惧される火山』 ―噴火すれば人類滅亡の危機!イエローストーンに起こる異変―

2020-09-27 07:56:58 | 地球・火山・地震・津波

『「イエローストーン火山」は破局噴火が危惧される火山』

『噴火すれば人類滅亡の危機!イエローストーンに起こる異変』

 

  『水の惑星・奇跡の星』の地球には、その地球を『核の冬』ならぬ『噴火の冬』にしてしまう『スーパーボルケーノ』がいくつもあります。 その星にある日本は、四枚のプレート(太平洋プレート・北米プレート・フィリッピンプレート・ユーラシアプレート)交差点にある『奇跡の島国』です。 日本にもスーパーボルケーノまでは言えませんが、次のように巨大カルデラ・コールドロン、❸~❺が存在しています。

 

世界には、『噴火の冬・氷河期』を起させるほどの、巨大火山噴火の痕跡・カルデラはあります。 トップ5;

❶南北約70km、東西約50km  米国のイエローストーンカルデラ

➋南北約100km、東西約32km  インドネシアのトバカルデラ 

❸南北約32km、東西約37km  日本大崩山(コールドロン))

❹南北約26km、東西約20km  日本の屈斜路カルデラ

❺南北約25km、東西約18km  日本の阿蘇山カルデラ

これらに続くのは、南北約11km、東西約8km日本の箱根カルデラです。

 

先ずは❷~❺は、かなり安定しています。 その安定している内の代表格の巨大火山噴火は;

 

インドネシアのトバカルデラ

 74,000年前に起きた最新の超巨大噴火は、同時期に、ヒトDNAの多様性が著しく減少する「ボトルネック(遺伝子多様性減少)」が見られることから、この噴火で当時の人類の大半が死滅したという説もある(トバ・カタストロフ理論)。

       

      ウキペデイアより引用

 

 イエローストーンは地球上の最大規模のカルデラですが、中規模な群発地震が発生・火山性の湖の水温上昇・動物の異常行動などもあり、一部に危機感もあるが、反対に次のような安心できる『説』もあり、『杞人天憂』であれと神頼みです。

 

 先日(20200908付け)日経新聞The STYLEに載っていました。

『「お熱いのがお好き アメリカ」、米国中西部に広がるイエローストーン国立公園。 公園内最大の規模を誇る熱水線「グランド・プリズムマティック・スプリング」が水蒸気を上げる。 この公園の約三分の一の地域は、超巨大火山(スーパーボルケーノ)のカルデラ内にある。 火山は今も活動中で、マグマから発せられる熱が多くの温泉や間欠泉地帯を生み出しているが、近い将来に超巨大噴火を起こす確率は極めて低いと予想されている。』とありました。

 

米国のイエローストーン国立公園

 モンタナ州、ワイオミング州、アイダホ州にまたがった、1872年に世界で初めて、「国民のために永久に保存するには、国立公園とすることが適当」と、アメリカ政府が指定した、世界初の国立公園です。 また、1978年には、初めての世界遺産のひとつとして選ばれています(この写真も、この公園のほんの一部です。

       

       ウキペデイアより引用

イエローストーン火山

 下図の一番下の円は1815年のタンボラ噴火。 イエローストーンの噴火史の中では比較的小さいとされる64万年前の噴火でもこれより遥かに大きい(この図には、イエローストーン火山の大きさ表示はない)。

                   

                    ウキペデイアより引用

           

 

 イエローストーンは60-70万年前毎の周期で巨大噴火を起こしており、前回の巨大噴火より既に60万年が経過しているので、いずれ近いうち(近いといっても地質学的時間スケールであって数千年から数万年)に巨大噴火が起こることが予想されている。 噴火の規模は最悪ピナトゥボ山の噴火(1991年)の100倍以上の規模になるとされる。 ユタ大学イエローストーン火山観測所のボブ・スミス所長によれば、超巨大噴火が起きた場合、イエローストーン国立公園は完全に消えてなくなるという。 イギリスの科学者によるシミュレーションでは、もし破局噴火が起きた場合、3-4日内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸に着き、米国の75%の土地の環境が変わり、火山から半径1000㎞以内に住む90%の人が火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は最大10度下がり、その寒冷気候は6年から10年間続くとされている。

 

 『地震より怖いのが火山』とかねがね思っている自分が驚いた表現が、イエローストーン火山には『近い将来に超巨大噴火を起こす確率は極めて低いと予想されている。』ことでした。 超巨大噴火は、起こらないに、越したことはありませんが、比較的高頻度で起こる、地震・津波は、不謹慎な言い方ですが。局所的です。 超巨大噴火は、その火山ガスによる太陽光線の遮断で、地球の気候まで変えてしまう、『核の冬』ならぬ、『噴火の冬』に、記録にあるものが下記の通りです。 以下ウェブ情報です。

 

➊【7万年前から75千年前】トバ火山(インドネシア)※火山噴火の噴出物量は9000立方kmと過去200万年で最大。

  今から7-75000年前に、トバ火山が火山爆発指数でカテゴリー8の大規模な噴火を起こした。 これがきっかけとなり、劇的な寒冷化はおよそ6000年間続いたとされる。 その後も気候は断続的に寒冷化し、地球はヴュルム氷期へと突入する。 トバ事変の後まで生き残ったホモ属はネアンデルタール人、デニソワ人と現世人類のみで、現世人類も、総人口が1万人にまで激減したという。 人類史を揺るがした大事件であったといえるだろう。

 

❷【7300年前】鬼界カルデラ(日本) 火山噴火の噴出物量は100立法km

  今からおよそ7,300年前、鹿児島市の南方およそ100kmの島で激しい噴火が発生し、島の大部分が失われて海底に巨大なカルデラが形成。 活火山のない四国も厚い火山灰で覆われ、南九州から四国にかけて生活していた縄文人は死滅するか、食料を求めて火山灰のない地域に移動し、1,000年近く無人の地となった。

 

❸【紀元前17世紀】サントリーニ島(ギリシャ)火山噴火の噴出物量は60立方km

  高さ30mの津波がギリシャ本島やクレタ島を襲ったという。このためクレタ島を中心に栄えていたミノア文明が大打撃をこうむった。 ギリシャ文明が戦争的色彩を強めるきっかけになったといえるかもしれない。 またこの噴火の噴煙は世界を覆い寒冷化を生みだした。 中国でも異常気象の記録があり、ちょうどこのころ夏王朝が滅亡した。

 

❹【535年】クラカタウ(インドネシア)火山噴火の噴出物量は不明

  NASA研究員が発表した仮説で、過去3000年間で最大という説あり。 火山噴火の噴出物量は不明だが、かなり広範囲な影響と中国の歴史書記録から、クラカタウ爆発が推定されている。 この巨大噴火による気候変動を発端として、東ローマ帝国の衰退やネズミを媒介とするペストの蔓延、さらにはイスラム教の誕生やマヤ文明の崩壊にもつながったとされる。

 

 カルデラ・Calderaの語源はスペイン語のCaldera(鍋)に由来しますが、さらに遡ると、後期ラテン語のCaldâriaにまでたどり着きます。 これはコールドロン・Cauldron(大釜、大湯わかし)と同じ語源です。

 

『イエローストーン火山噴火(予想される規模)』です。

 過去3回の超巨大噴火は、現在の国立公園内で起きた。最も新しい噴火は64万年前に発生し、その規模は、1980年に57人の犠牲者を出した、ワシントン州セント・ヘレンズ山の噴火の1000倍に相当する。研究者たちの推計によると、火山灰は上空約3万メートルにまで達し、噴出物は西部一帯を覆い、南はメキシコ湾にまで達したという。また、800℃に達した灼熱の火砕流が渓谷一帯を席巻し、比重の重い、高温の噴出物が数百メートルの厚さで堆積(たいせき)した。緑豊かな谷が、一瞬にして、アスファルトのようなもので覆われたのだ。

 

 しかし、イエローストーンでは、さらに規模の大きな噴火が発生している。210万年前に起きた噴火の規模は、64万年前の2倍を超え、地表には広さ4000平方キロもの巨大な穴が開いた。これら2回に比べると、小規模だが、それでもなお壊滅的な被害をもたらした噴火が、130万年前にも発生している。

 

 超巨大噴火のたびに、影響は地球全体に及んだはずだ。噴出したガスは成層圏にまで達し、水蒸気と混ざり硫酸塩エアロゾルの薄い層が形成され、太陽光をさえぎっただろう。このため地球では、「噴火の冬」と呼ばれる気温の低い期間が数年も続いた可能性がある。

 

 驚異的な破壊力の割に、超巨大噴火が残した痕跡はあまり目立たない。イエローストーンのカルデラは浸食が進み、後に発生した小規模な噴火(最近では7万年前に起きた)の際に流れ出た溶岩や火山灰が溜まり、氷河によって表面が削られて平らになっている。そして、森が噴火の痕跡を覆い隠しているのだ。そのため、ドーン少尉のような鋭い観察眼をもっているか、地質学者に教えてもらわない限り、噴火の跡を見つけることは不可能と言えよう。

 

 「ここから見えるカルデラは、全体の3分の2にすぎません。あまりに巨大なので、全体を見渡せないのです」と、イエローストーンの超巨大火山を研究する地質学者、ボブ・スミスは語る。私たちはイエローストーン湖東端にそびえる丘、レイク・ビュートの上にいた。そこからはカルデラが見渡せるということだったが、私には見えなかった。その大半は湖底に水没しているし、直径が約72キロと巨大なためだ。

 

 これまで地質学者たちは、イエローストーンの噴火のサイクルを数十万年単位の長いものとして考えていて、その噴火プロセス、つまり「噴火の予徴が始まってから実際に噴火するまで」の時間は数千年単位で移行するものだろうと推測していました。

 

 ところが、最近の科学者たちの調査で、「イエローストーンの噴火プロセスの時間的推移は《数十年以内》」だということがわかったのです。

 つまり、何らかの兆候があった後に、これまでは「あと数千年のうちに噴火するかもしれない」というような考え方だったのですが、この発見により、「兆候が始まってから、わりとすぐに噴火までに至るかもしれない」ということを科学者たちが認め始めているというものです。

 

過去にこんな記事もあります。

 

 アメリカ地質調査所(USGS)の科学者たちは、これまでイエローストーンのカルデラに関連して「何も心配することはない」と述べ続けてきた。しかし、最近の新しい情報を見て、彼らは自分たちの発言を見直している可能性がある。

 

  しかし、イエローストーンが噴火した時の爆発や降灰、そして、その影響による気候がどのようになるのかを経験したことがあるものは誰もおらず、噴火した場合にどうなるかということについては、実際のところは何もわかりようがない。

 

 イエローストーンは北アメリカで最大の火山地帯でもあります。 イエローストーンの見所のいくつかは、この火山によるものです。これらの火山が活動した記録は、近年だと2004年から2006年にかけて、部分的に地盤が上昇したことや、2017年に地震が起こったなどがありますが、噴火には至っていません。

 

 2018年の7月、イエローストーン国立公園で30メートルに及ぶ巨大な裂け目が出現し、一時は噴火ではないか、と騒がれる事態がありましたが、これも噴火とは関係のないもので、一部のジャーナリストが騒いだだけのことでした。

 

 しかし、イエローストーンはいつ噴火してもおかしくない、という話もあります。なぜなら、イエローストーンは60万年から70万年の周期で噴火を起こすと言われているからです。 調査によると、イエローストーンが最後に噴火したのは64万年前であり、周期だけで考えると、いつ噴火してもおかしくない、と言えるのです。

 

 先般、NHKBSプレミアムで、イエロースト―ンカルデラのマグマ溜まりの大きさが、測定できることが紹介されていました。 このマグマ溜り、東西約80km、南北約40km。 このマグマ溜りの成長速度が不明、どこまで成長したら破局爆発するかも予測できないし、巨大彗星や隕石の衝突の様に、人類には全く、予知も、防ぐ術もない。 


この20年ほどのイエローストーンでの異変としては、

2004 - 2006年にかけて、イエローストーン公園の東西 80km南北 30kmの範囲で地盤が最大 12cm上昇。過去にはなかった現象

1999年にイエローストーン公園内の湖の底で高さ 30m以上、長さ 700mの巨大な隆起が発見される

❸イエローストーンの地下 20kmから 50kmまでに、東西 80km南北 40km(容積は約 4.6km3)の世界最大のマグマだまりがあることが判明

 

 イエローストーンの破局噴火が起こると『噴火の冬』が数十年~数百年続き、人類滅亡の心配もあり得ます。 起こると分かっても、人類には何もできないという『運命』を思い知ることになります。

    (記事投稿日:20200927、228


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