知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

興味のあることは、何でも調べて文章にする。   写真は「光と影」と言われるが、この理解には、まだまだ、ほど遠い.

『2023/06/26日経新聞一面に、衝撃的なニュースが「テクノ新生」岐路に立つ人類、「ヒト」は衰退するのか』

2023-06-28 22:10:59 | 地球・火山・地震・津波

『2023/06/26日経新聞一面に、衝撃的なニュースが「テクノ新生」岐路に立つ人類、「ヒト」は衰退するのか』

『地質時代区分で最近提唱され始めた「人新世」と「火新世」をも、一気に飛び越しそうな「テクノ新生」の幕開けか!』

『人類は切羽つまりました、すぐできる身近な問題から即刻始めましょう』

 

課題『テクノ新生』の課題と同時進行でも、すぐでも皆で対応したい目の前の、

そこにある問題、

 

節電

日本列島の夜景は宇宙から見ても明るい 

昔の記憶、ドイツの住宅地の夜は暗い

 

乗用車の大型化と、もったいない利用方法

タイヤの太さに驚き、まるでアイスランドの氷河走行のジープ並み

国交省が使用の数値『平均乗車人数の値は. 1.3 人』、非効率極まりなし

 

自転車利用

ヒトの移動には最もエコ

西欧の自転車大国、オランダ・デンマーク等

欧米のサイクル・トレイン

 

バス・電車利用

効率よいヒトの移動は、自転車⇒電車⇒バス

停留所・駅へのアクセスで足腰鍛錬

 

木を植えよう

鎮守の森復元、荒れた山林、荒れた街路樹の植樹と手入れ

スペインでは街路樹に柑橘類とその果実の輸出も

 

身近に、すぐやることは、沢山あります。『俺・僕・私関係ねー』と言わずに、急いで  

 

標題に戻ります先ずは、日経記事の抜粋・引用です。

石器の発明から約300万年。人類は脆弱な肉体を道具と知恵で補い、生態系の頂点に立った。テクノロジーは指数関数的な進化を遂げ、人工知能(AI)は人間の覇権を脅かすまでになった。地球史の新たな時代「テクノ新世」が幕を開ける

ウエブ情報から引用

「まさか医者がAIに惨敗するなんて」。米南部テネシー州に帰省中だった医師のデイビー・スミスさんは1月、同僚の電子メールを読んでがくぜんとした。

スミスさんは、1月同僚の電子メールを読んで愕然とした

 

スミスさんらは生成AI『Chat GPT』と医師に同じ質問をなげかけ、どちらが優れた回答をするかを調べた。専門家が下した判定は『AIの圧勝』。

情報の質の高さを示す指標は3.6倍、共感力は約10倍の差が付いた。

 

『漂白剤が目に入った』という相談に、AIの回答はいたわりの言葉から始まる。淡々と説明する医師とは対照的だった。

 

AIの回答『それはとてもお気の毒でしたね。きれいな水で目頭から目尻までやさしく洗いましょう。痛みや充血があれば医師の診察を受けてくださいね。』

 

(温暖化の中での最も難しい課題)『地球を冷やす』。米新興企業メーク・サンセッツは2月、米西部ネバダ州で二酸化硫黄(SO²)を運ぶ気球を打ち上げ、上空に散布し、太陽光を反射し地球温暖化を防ぐという。『SO²が作る1グラムの雲の粒は1トンの二酸化炭素(CO²)がもたらす温暖化の影響を相殺すると主張する。』惑星の環境を改変する神の領域にも近い技術だが、大気汚染や災害を引き起こす恐れもある。科学者の間で『新たなリスクをもたらす』と否定的な声も多い

 

AIによる人類絶滅のリスクは、核戦争に匹敵するーー。AI研究の大家ジェフリー・ヒントン氏ら350人超は5月末、共同声明に署名した。共同声明をまとめた団体は、AIがもたらすリスクの一つに『衰弱(人類の)』を挙げる。重要な判断を機械に託すようになると、人間は知識やスキルを得る動機が減る。いずれ人類は衰え、自治能力を失う恐れがあると警告する。(この問題は、老若男女を問わずそれぞれが、それぞれの今までの経験から感じており、青少年にも、壮年にも、老人にもこの問題・課題の大きさを理解しています。)

 

『人類の時代』を意味する新たな地質時代『人新生』を設ける議論が進む。ただ破壊的なイノベーションはヒトの限界を踏み越える。人類に変わりテクノロジーが派遣を握る『テクノ新生』の到来も予感させる。技術を脅威とみなすか、それとも共生を探るか、人類は地球史の分岐点に立つ。

 

とあり、かなり厳しい状況にあること再認識しました。

人類は、『全体(人類)最適』など他人事で、『部分(自分・家族・同族)最適』を邁進中で、『人』は無秩序・やりたい放題で、地球温暖化(むしろ気候激甚化)を進め『奇跡の星・水の惑星・緑の地球』を、『難しい環境=自然火災を起こしやすい星』にしつつあります。 

 

この現代に『人新生』の地質時代区分が提唱されていますが、すでに、気候激甚化で地球の気温が、現在の大半の生物には住みにくいレベルに上昇してきています。一部の先生方からは『火新世』などの地質時代区分を提唱の聞こえ来ています。

 

この厳しい情況を地質時代区分の学術分野でもいろいろあるようです。世の中には、本当に難しいことを決める学者先生方がおります。 それは地質時代区分です。 現在の、地質時代区分は下記です。

  • 累代区分では:顕生代
  • 代区分では: 新生代
  • 紀区分では: 第四紀
  • 世区分では: 完新世
  • 期区分では: メガヤラン期

現代を分かりやすく『新生代・第四紀・完新世』と呼ばれていますがこれを、『新生代・第四紀・テクノ新生』が幕を開ける、と日経新聞(2023/06/26)一面に紹介されていました。

 

ーボンニュートラルとゼロカーボンの難しさですが、とにかく身近の課題から急いでやりましょう。

(記事投稿日:2023/06/28、#667)

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『蒜山三山の麓「蒜山高原 緑と水を訪ねて」を見て、昔、インターハイの蒜山登山大会に参加、乳流れる里 蒜山高原牧場に感激』

2023-06-25 15:06:06 | スポーツ

『蒜山三山の麓「蒜山高原 緑と水を訪ねて」を見て、昔、インターハイの蒜山登山大会の開催地、乳流れる里 蒜山高原牧場に感激』

『世界中で乳用牛と言えばホルスタイン牛と一つ覚えの能天気に、蒜山高原のジャージー牛は日本で唯一と、当時は知らず!』

 

先日(2023/06/23)NHKBSプレミアム『さわやかウインドー「蒜山高原 緑と水を訪ねて」』を見ました。半世紀以上も昔に参加できた『蒜山三山の高校登山大会』を懐かしく思い出しました。 

当時は高校の山岳部で『山をやっている』と、県代表選考試験(学科と実地)を受けられ、それにパスできると、インターハイ(全国高等学校総合体育大会・高校総体)に参加できました。 一方、国民体育大会(国体)の登山大会にも、推薦か選考かは、今では不確かですが参加できました。 

この年は、高校総体の登山大会は、当然ですが、女性・初心者向けの牧歌的な岡山県の蒜山三山でした。当時はジェンダーギャップなどの言葉すらなく女子高校生のヤマガールもたくさん参加していました

 

蒜山高原とジャージー牛(後方が蒜山三山)

ウエブ情報から引用

蒜山酪農は1956年の組合設立以来、一貫してジャージー牛にこだわり続けています。蒜山は日本最大のジャージー牛飼育地域. 蒜山地域では、昭和30年頃よりジャージー牛の育成に取り組み、今では日本最大規模のジャージー牛飼育地域となっています。全国約1万頭のジャージー牛の内、およそ2千頭は蒜山地域で飼育されており、これは全国のジャージー牛の、実に5頭に1頭は蒜山産という事になります。

 

蒜山三山には、沢山のエピソードや、思い出が残りました。 この三山の麓には、当時『乳流れる里』とも言われた日本有数の飼育数を誇るジャージー牛の牧場もありました。蒜山三山、左から、上蒜山(1,202 m)・中蒜山(1,123 m)・下蒜山(1,100 m)、蒜山三山は、大山、三瓶山とともに大山隠岐国立公園として国立公園に指定されています。

 

当時は、岡山県の蒜山も、蒜山三山も知りませんでした。 日本人は、連なった山に『○○三山』と名付けるのは、上手くて好きで、日本には、54ヶ所の三山があります。 関東人が良く知っているのが、上毛三山( 赤城山・榛名山・妙義山)、日光三山( 男体山・女峰山・太郎山)などです。

 

日本は脊梁山脈から流れ下る急流の河川を持った国ですので、この牧歌的風景は大事にしていきたいと同時に、このような自然環境の下でも、地産地消で食料自給率の改善に努めたいものです。

(記事投稿日:2023/06/25、♯666)

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『COVID-19との長期戦に備えて(参考にすべき国々と比較 07)』『新規感染者数PPM値は、韓国の急増が心配、「大規模な第9波の可能性」』

2023-06-23 21:37:14 | 政治・経済・報道

『COVID-19との長期戦に備えて(参考にすべき国々と比較 07)』

『今回の調査結果は、データの未更新「※7日以上未更新」が多く、ご参考』

『新規感染者数PPM値は、韓国の急増が心配、「大規模な第9波の可能性」

   これを「対岸の火事」とはせずに、「他山の石」として徹底的に比較検討を』   

 

この度の本当に厄介な感染症は、日本では『新型コロナウイルス感染症』と呼ばれ、報道されていますが、世界中で、WHOの定義、病名が『COVID-19』、ウイルス名が『SARS-CoV-2』で使われています。 感染予防を徹底させるには、関係者は状況を、PPM(パーツ・パー・ミリオン)数値とその増減・傾向のグラフ表示を、一部の他国との比較で報道したらいかがと思います。

 

人口100万人あたりのCOVID-19の感染者数推移(2023/06/21)

 

7日間の新規感染者数(人口100万人あたり)2023/06/21現在

World

26.6

81.4%

 

China

3.2

68.3%

 

France

129.6

59.3%

 

Germany

14.3

54.9%

 

Japan

0.0

100.0%

 

South Korea

2196.0

119.1%

 

United Kingdom

0.0

- %

 

United States

0.0

100.0%

 

パーセントは先週比

グレーは7日以上未更新
2022
年人口

 

新規感染者数PPM値は、7カ国中の2カ国(フランスと韓国)が世界平均以上、韓国が急増しています。 台湾情報なし。 相変わらず中国の数値は良く分かりません。

札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門の情報

 

人口100万人あたりのCOVID-19の死者数推移(2023/06/21)

7日間の新規死者数(人口100万人あたり)2023/06/21現在

World

0.1

60.9%

 

China※

0.0

- %

 

Germany

0.1

46.7%

 

Japan

0.0

100.0%

 

South Korea

1.3

181.1%

 

United Kingdom

0.0

100.0%

 

United States

0.0

100.0%

 

パーセントは先週比
※グレーは7日以上未更新
2022年人口

 

7日間の新規死者数PPM値は、グレーは7日以上未更新が多く、今回はデータとしては不十分でした。

札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門の情報

 

『大規模な第9波の可能性』と専門家の間で言われていますが、新型コロナウイルス(Covid-19)の発生から3年余りが経ちました。 政府は、新型コロナウイルスの感染法上の分類を5月8日から、季節性インフルエンザと同じ『5類』に引き下げると決めました。

 

いろいろな統計表や、グラフが発表されていますが、このCOVID-19は強力で、第1波から、第8波まで、簡単には判断できないほど、世界中の各国・地域に各々、複雑な展開をしています。

 

以前は、日本も『日本のコロナ対策はミステリアス』、「ジャパンミラクル』とか言われていますが、今は,一部の海外の関係者から、日本の関連数値に疑問が出始めています。

 

この記事内容を思い出して、今迄の対策の『総括的評価』をやって頂き、最近、急に、日本で猛威を奮っているのは、どの、グループ・型・株、でしょうか。  関係者の皆様には、欧米の抑え込んでいる国々のいいところは、ご参考にしていただき、更なる対策と改善をお願い致します。

(記事投稿日:2023/06/23、#665)

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『金(ゴールド)の不思議と、人の歴史と、英雄たちのこだわりと、』 『欧州では「金産出はほとんどなく」にもかかわらず、宮殿の壁・天井にまで金で、飾られて金ぴか宮殿が、なぜ?』

2023-06-21 18:18:25 | 歴史・世界

『金(ゴールド)の不思議と、人の歴史と、英雄たちのこだわりと、』

『欧州では「金産出はほとんどなく」にもかかわらず、宮殿の壁・天井にまで金で、飾られて金ぴか宮殿が、なぜ?』

 

先ずは、金のことについて再確認です。金は、光沢ある黄色の金属。酸に侵されないが、王水には溶ける。王水は濃塩酸と濃硝酸との混合液で、金や白金を溶かすので王水と呼ぶ。だが何と言っても金は貴金属中随一とされ、宗教の世界もこれを最高の存在になぞらえる。仏教では仏の体を金山といい、仏の言説を金口という。古代ギリシャの詩人ピンダロスは『金はゼウス神の子、染みも錆も金を滅ぼすことはない」とうたった。英語goldはサンスクリットの〈輝く〉という意味の語に由来するとされ、金はまた権力や富の象徴ともされ、古代エジプトのツタンカーメン王の黄金の棺や、古代中国の錬金術師たちの存在が、これを物語っています。

 

世界の金の歴史

人類は、紀元前の古代から「金」の放つその圧倒的な輝きに惹かれ続けてきました。それは「権力の象徴」でした。また金はその輝きや長く続く美しい品質から「不老不死」の象徴として、権力者にとって「お守り」や「魔除け」の意味も持っていました。

 

紀元前6000年頃 人類と金の歴史の始まり

人類と金との歴史が始まったのは、紀元前6000年の昔、チグリス川とユーフラテス川の辺りにあった『メソポタミア』で文明が栄えていた時代まで遡ります。謎に包まれた部分も多いシュメール人ですが、『「アヌンナキ (Anunnaki)」は金を採掘するために別の星から地球に来た』と粘土板に残しています。

メソポタミア

エジプトに比べて、メソポタミアの黄金について知られていることは少ないが、紀元前四千年紀(前4000~前3001年)のウルの時代から、金が使われていたと推測されるし、紀元前三千年紀の半ばのものと考えられる、サー・レナード・ウーリ(1880~1960)が発掘した「ウルの王墓」からは、優れた金細工が出土している。

 ウエブ情報から引用

アヌンナキ (Anunnaki)

アヌンナキは パンテオンでも最も強力な神々で、天空の神アヌと大地の女神キの子孫であり、人間の運命を司った。

 

紀元前3100年頃 古代エジプトと金

古代エジプトでは金の所有量が国の繁栄を左右するほど、金は国家にとって重要なものだったのです。エジプト王朝と言えば、紀元前1300年ごろに作られたツタンカーメンの棺やマスクを思い浮かべますが、そのマスクは王の威光と国家の繁栄の象徴として、23金(純度95.8%)と言う非常に純度の高い金を使って装飾がされ、さらに棺にも約100キロを超す量の金が使われています。その時代、金はその希少価値から特に高貴な存在であったファラオのみが装飾として利用することを許されていました。 

ツタンカーメンの墓からは、他にも2000点以上ものの、金や宝石を使った装飾品が発見されていますが、中でもこのマスクはその歴史的な価値も含め時価300兆円とも言われています。エジプトは特に、「太陽信仰」が行われていたため、光輝く金は太陽神ラーの一部と考えられていました。そのため、宗教儀式やファラオのみが使用出来ていたのです。

ウエブ情報から引用 

絶対的な立場を持つ者以外は基本的に所持しないものとされましたが、資産としての金塊「インゴット」は古代エジプトで既にあったようです。今はインゴットといえば延べ棒ですが、古代エジプトではドーナツ型であり、またそれが金を表す象形文字としても残っています。 

神聖視されていた金は国家によって徹底管理され、一般市民はかけらを持つことも許されていませんでした。

当時の金採掘は、川でザルを用いて砂金を集める「パンニング」で行われており、1人が集められる量はごくわずかなものでした。この膨大な労力を考えても、当時のエジプト王朝が絶大な権力を保持していたことがよく分かります。

 

12~13世紀|中世ヨーロッパと金

ヨーロッパには銀鉱山はあったものの、金産出はほとんどなく、他国からの輸入に頼っていました。大航海時代になって、他国との交易が盛んになると、金は、身分の高い人物を飾り立てる宝飾品として、王の王冠や、地位の高い人が身に着ける装飾品に多く使われました。『金産出はほとんどなく』にもかかわらず、宮殿の壁・天井にまで金で飾られて金ぴか宮殿が、実に多かった。

ウエブ情報から引用

 

目を奪われる美しい装飾の数々は、金細工師によるもので、金細工技術の発達が、後にその保管方法や加工技術の発展につながり、これが銀行業の始まりとされています。 

金細工師は金を保管しておく保管庫を持っており、金を保有する人々がその保管庫に金を預けるようになりました。その際に金細工師が、金の預かり証を発行し、それが紙幣として購買力を持つようになったのです。金細工師は、預かった金を運用して増やしたり、また預かり証を発行して代わりに金を貸し出したりもしました。正に今の銀行と同じことが行われており、その始まりにも金が関わっていたのです。

錬金術の起源は古代ギリシャや古代エジプトにあるとされていますが、12世紀に文献がラテン語に翻訳されると、ヨーロッパでも研究が盛んになります。この「錬金術」は現代では不可能であることが実証されていますが、当時の錬金術師たちが試行錯誤した研究の成果は化学の発展に大きく貢献しました。「万有引力の法則」を発見したイギリスの物理学者アイザック・ニュートンも密かに錬金術の研究を行っていたとされます。

 

1533年|インカ帝国の滅亡と金

マチュピチュ遺跡で有名な、アンデス山脈に栄えた巨大なインカ帝国もまた、金で有名な国でした。「黄金の国」と呼ばれたインカ帝国は、歴史の中でも特に金を多く所有していた国として知られ、その量はおよそ10万トン以上、推定320兆円以上とも言われています。非常に金に恵まれた豊かな国であったのですが、それが理由で多くの国に狙われ、1533年インカ帝国はスペインの軍人フランシスコ・ピサロによって滅ぼされました。13世紀から16世紀にかけて特に、金の取り合いによる国の侵略が行われていたといいます。 

捕虜となってしまったインカ帝国の皇帝アタワルパは、『もし、私を自由の身にしてくれるのならば、この部屋を黄金でいっぱいにして見せる』という取引を持ちかけ、スペイン軍のフランシスコ・ピサロはこの提案を受け入れます。皇帝アタワルパは即座に何百人もの使者を各地に送り、貴族・僧侶・地方の長官はインカ皇帝の命ずるままに黄金をカハマルカの地に送ってきました。部屋いっぱいの黄金、それは金額にして約2億7000万ドル(約250億円)にも達していたといわれています。

 ウエブ情報から引用 

皇帝アタワルパは、このプレートの真下に引かれている赤い線までこの部屋を金銀で満たすと約束した。

 

日本の歴史と金

金は日本の歴史においても、権力と富を象徴するものでした。5世紀の前半に書かれたとされる「後漢書」東夷伝によると、後漢王朝の光武帝が西暦57年倭(わ=日本)の奴国(なこく)の王に「漢倭奴国王」と彫られた金印を授けたとあります。

 

当時から金は、権力者のみが所有する特別なものでした。豊臣秀吉は1586年(天正14年)、黄金色に輝く茶室を作らせ、天皇に披露しました。自らの権力を誇示するためと言われ、壁、天井、柱、障子の腰、のすべてを金で貼り、黄金の台子と皆具を置いたと記録されています。

ウエブ情報から引用

黄金の茶室は容易に運搬可能な組み立て式の茶室であった。 秀吉が関白に就任した翌年の1586年1月、年頭の参内で御所に運び込まれ、 正親町天皇 に披露された。 

ヴェネツィアの探検家マルコ・ポーロは著書「東方見聞録」の中で「ジパングは、カタイ(中国北部)の東の海上1500マイルに浮かぶ独立した島国で莫大なゴールドを産出し宮殿や民家は黄金で出来ているなど財宝に溢れている。」と書きました。これは日本がその当時は世界でも有数の金産出国で、奥州平泉の中尊寺金色堂の絢爛豪華な金装飾を目にした外国人が、事実を誇張して伝え、「黄金の国ジパング」として伝わったのではないかと言われています。

 

「東方見聞録」の記録はあまりにも大げさなものではありますが、海の向こうの黄金の国の存在に、当時の海外の人々はロマンをかき立てられたに違いありません。東方見聞録』に出てくる金でできた宮殿とは、平安時代後期の1124年、岩手県平泉に建てられた「中尊寺金色堂」だと言われています。当時「奥州」と呼ばれていた東北地方では、砂金を豊富に採掘していました。

 

現代の世界の金産出量

現在もっとも金の産出量が多いのは、年間およそ400トンを産出する中国です。これに300トンあまりを産出するオーストラリア、ロシアが続きます。ここでも中国が凄い。日本最大の菱刈金山が年間6トン、かつて日本最大の金山だった佐渡金山ですら400年あまりで83トンの産出量ですので、世界的に見ると日本の金産出量はわずかです。しかし、日本近海の海底には手つかずの金脈が眠っているともいわれています。技術が進歩し、海底にある鉱床の開発が進めば、マルコ・ポーロが描いた「黄金の国ジパング」のように、日本が金の産出国として知られる日がやってくるのかもしれません。

(記事投稿日:2023/06/21、#664)

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『中国がASEANへの水上輸送強化へ、プロジェクト「平陸運河」着工が凄い』

2023-06-16 22:50:50 | 河川・運河

『中国がASEANへの水上輸送強化へ、プロジェクト「平陸運河」着工が凄い』

『1400年前に完成した「京杭大運河(北京-杭州間、総延長2500㎞)」を、この「平陸運河によって、北部湾(旧トンキン湾)に繋がり、中国の「陸・河・海」輸送ネットワークで、一帯一路の完成へ』

 

中国は、人口14億人、標準語としての普通話 以外に、大きく分けて7つの方言、『広東語、北方語、呉語(上海語)、閩語(福建語)、湘語、贛語、客家語』がある。国土は、約960万平方キロメートル、日本の約26倍で、世界では、ロシア、カナダ、アメリカに次いで4番目。都市区分は、4つの直轄都市と、22の省、5つの自治区、2つの特別行政区から構成されている。

 

民族構成、漢族と55の少数民族からなる。昔(1930年代)は400種類以上あったとされる少数民族は、政府の政策(民族識別工作)により55種に迄絞られた。宗教は、主だった国教としての宗教は無いが、国内に『仏教、キリスト教、道教、イスラム教』の信者がいる。食文化は、八大菜系として、地域ごとに8つに分けて呼ばれることが多い。『山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理』

 

半世紀前に、香港に駐在していたころは、将来は数ブロックに分裂するものと思っていましたが、この巨大な多民族・多宗教の大陸国家を、いろいろありましたが、強力なリーダーたちが、治めてきており、世界一の経済大国になろうとしていることは、驚嘆に値します。それは大河川を巨大な運河で結んだことも大きな要因かと思います。

 

中国の大河川(黄河・長江・珠江が三大河川)

ウエブ情報から引用

 

唐時代の京杭大運河

ウエブ情報から引用

 

現代の中国の河川と平陸運河

ウエブ情報から引用

 

平陸運河

運河は中国南部の広西チワン族自治区の南寧市から欽州市を経て、北部湾(旧トンキン湾)に注ぐ。全長135キロ、総投資額は727億元(約1兆4,540億円、1元=約20円)を予定。給水や灌漑、洪水防止、生態環境改善などの機能を組み合わせた航路を整備し、5,000トン級船舶の通航が可能。開通すれば、中国の南西部や西北部から最短で海に出られる航路となる。これまでの長江と珠江に加えた新たな水上輸送ルートを整備することで、長江と珠江を利用したルートの混雑緩和が期待されている。

 

同プロジェクトは、中国国家発展改革委員会が2019年8月に発表した「西部陸海新ルート全体規画」実施の一環として建設されるもの。運河が長江、珠江、北部湾を縦方向に貫通することによって、中国とASEAN間の貨物輸送の増加をもたらし、中国とASEANのさらなる連携促進につながると期待されている。

西部陸海新ルート全体規画

中国西部の省・自治区・直轄市から陸路・海路を利用してASEANなどとの貿易を直接行う新しいルートのこと。重慶市や四川省成都市を起点として、北部湾までの鉄道輸送と、北部湾を経てASEANなどにつながる海上輸送を組み合わせた輸送ルートを整備する計画。

 

大河川と歴史、中国の場合は、将に歴史大絵巻で、興味は尽きません。日本の国土開発の歴史も、中国のケースと比較し、じっくりと調べてみたいと思いました。

(記事投稿日:2020/06/16、#663)

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