知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

興味のあることは、何でも調べて文章にする。   写真は「光と影」と言われるが、この理解には、まだまだ、ほど遠い.

『自然の不思議・樹木のこと 13(樹木の大きさ世界ランキング)』 『「運動会」や「序列・肩書」に学んだ、日本人はランキング好き』

2024-02-16 17:14:46 | 植物・花
『自然の不思議・樹木のこと 13(樹木の大きさ世界ランキング)』
『「運動会」や「序列・肩書」に学んだ、日本人はランキング好き』

先ずは、大きさランキングでは別ジャンルの動物です。 土俵は『陸と海』で異なりますが、動物の大きさランキングは次の通りです。
地球史上最身長の陸の動物は、 パタゴティタン 37メート ル 69トン 
地球史上最重量の海の動物は、シロナガスクジラ、34メートル、199トン

昔の巨樹好き・傘寿プラスが、遅まきながら先日、日本最大の巨樹『杉の大スギ(幹囲20.0ⅿ、樹高約60.0ⅿ)』をテレビ放映で見ました。 日本の楠木の大きさランキングでは第二位の熱海市木宮神社の大クス(幹囲23.9ⅿ、樹高約26.0ⅿ)は見ましたが、第一位(日本最大の樹木)の蒲生のクス(幹囲24.2ⅿ、樹高約26.0ⅿ))まだ見ておりません。

野次馬根性丸出しで、地球上で最大の生物・植物を調べた結果は、フェアな比較は難しいですが、以下の通りでした.

世界最大の樹木
体積最大シャーマン将軍の木(米国、幹囲31.1ⅿ、樹高約83.3ⅿ、樹齢2200年)

 ウキペデイア情報から引用
シャーマン将軍の木は、米国カルフォルニア州にあるセコイア国立公園内の原生林に生えている、セコイアの巨樹。 1,487㎥に及ぶ体積を持つことから、地球上で最も大きな生命体でもあると考えられている。


幹囲最大トゥーレの木(メキシコ、幹囲46.2ⅿ、樹高約41-43ⅿ、樹齢1200~3000年)
ウキペデイア情報から引用
この幹周は巨大な板根があるための数値であり、実際の断面の内部直径よりかなり高くなるもので、それを考慮すると、板根を取り除いた直径は9.38mになる。 これはトゥーレの木に次いで太い木と知られている、ジャイアントセコイアの直径8.98mよりまだわずかに大きい。 なお、日本から来た愛好家で、巨樹の著書もある蟹江節子らが市長に許可を取り、日本の環境省が国内の巨樹の調査時に定めている地上1.3mの位置で幹周を計測したところ、45mを記録した。日本の巨樹として広く知られる縄文杉の幹周が16m程度であることからも、その大きさを察することができる。

樹高最大ハイペリオンの木(米国、幹囲15.2ⅿ、樹高約115.0ⅿ、樹齢約600年)
ウエブ情報から引用
米国・北カルフォルニアのレッドウッド海岸にあるセコイアにつけられた名前で、世界一高い木。

樹齢も樹囲も規格外を最後に備忘録に、世界最大のバオバブ(南アフリカ、幹囲141.3ⅿ、樹高約30.0ⅿ、樹齢約6000年)
ウエブ情報から引用
樹齢を調べてみると、放射性炭素年代測定法によって6000年と推測されているそう。このバオバブは、メソポタミア文明が栄えるよりも前から、この大地に根を張っているという訳です。さらに驚かされるのは、このバオバブが今でもしっかり生きているってこと。僕が行った時は若葉でしたが、時期になると実をつけるそうです
楠木もメタセコイア(落葉樹)も、日本の神社や公園で見慣れていますし、米国のセコイア(常緑樹)も、その樹高の大きさと、樹間距離の小さなことに驚きました。 
を今回は、バオバブの不思議さ再認識し、今後もさらに調べてみたいと思いました。 このス🄱らしい地球は大事にしていきたいものです。 身近な、『節電・節水・節肉食・移動はバス電車で』、頑張りましょう。 これが、CO2排出トップスリーの『発電・製造・運輸』のCO2排出削減の支援になります。
(記事投稿日:2024/02/16、#728)


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『自然の不思議・樹木のこと 11(屋久杉は凄い、その頂点に縄文杉』 『屋久杉は「秀吉」「薩摩藩」「明治政府」に、伐採・建材された!』

2024-02-02 22:51:22 | 植物・花

『自然の不思議・樹木のこと 11(屋久杉は凄い、頂点に縄文杉』
『屋久杉は「秀吉」「薩摩藩」「明治政府」に伐採・建材にされた!』
運良く残れた「縄文杉」は、つい58年前(1966/05/28)に、 
 屋島の標高1,300メートルの高塚山尾根筋に近い南斜面で、
 屋久島の旧上屋久町の元観光担当だった岩川貞次氏が発見。』

屋久杉は屋久島の標高500メートル以上の山地に自生するスギ。 狭義には、このうち樹齢1000年以上のものを指す。 縄文杉は、屋久島に自生する最大級の屋久杉。 スギの1個体に付された名であり、種の名称や、あるいは、縄文時代から生きている個体の総称ではない。

屋久杉を調べていて、気が付き、驚いたことは、標高約500m~2000ⅿに自生していることも驚きですが、推定樹齢1000年以上のものは、建材にはならないほどの『姿』なっていますので伐採されずに残りました。 その他の若い『姿』の良い、多くの屋久杉は、主には『太閤秀吉』『薩摩藩』『明治政府』などに建築材料として伐採されてしまいました。 

屋久杉は、屋久島の標高500メートル以上の山地に自生するスギ。 狭義には、このうち樹齢1000年以上のものを指し、樹齢1000年未満のものは「小杉」と呼ぶそうです。 また屋久島で植林された杉を「地杉」と呼ぶが、樹齢100年以内の小杉を指す語としても用いられる。 このように使い分けて呼ぶのは、主に地元で昔から生活に密着した材料であったため、工芸品でも有名。
スギ
裸子植物マツ綱のヒノキ科スギ属に分類される常緑高木になる針葉樹の1種、スギ属の唯一の現生種とされる。 大きなものは高さ60mになり、日本自生の木の中で最も大きくなる種とされる。

縄文杉
樹高
25.3m
胸高周囲
16.4m
推定樹齢
2000年代~7200年
標高
1300m
場所
大株歩道沿い
 
ウキペデイア情報から引用
解説
先ずは、ユニークなエピソードから、
『縄文杉は「秀吉配下に見付からず」に済んだのは運がよかったと思い込んでいました。 当時まだ縄文杉は発見されておらず、ずっと最近(1966年)の発見です。 もし発見されていたら、太閤様のことですから、城郭・寺院の建築材料には不向きでも『どこかの置物』にでもしてしまったかもしれません。』
1966年に発見された縄文杉は現在確認されている最大の屋久杉です。 背が低いずんぐりした樹形は台風の常襲地帯に育つ屋久杉の特徴をよく表しています。また、凹凸の激しい幹は江戸時代に利用できない巨木として切り残されたことを示しています。 樹齢7200年という説もありますが、中心部が空洞になっており、その内側から採取した資料の科学的計測値は2170年となっています。
登山者の踏圧により根が傷むことがないよう1996年に展望デッキがつくられました。 また、2009年より荒川登山口へは通年(3月~11月)車両乗入規制が行われ、登山口からは往復で10時間程の本格的な登山コースとなっています。
 2005年に折れたおよそ1000歳の大枝(全長5m、直径1m)は、数千年を生きる縄文杉の生命力や森の成り立ちを知る手がかりとして「縄文杉いのちの枝」と名付けられ、屋久杉自然館に展示されています。

ウィルソン株
伐採された屋久杉の大きさ(推測)DATA
樹高
42m
胸高周囲
13.8m
推定樹齢
2000年余
標高
1030m
場所
縄文杉登山ルート大株歩道沿い

ウキペデイア情報から引用
解説
大正時代に屋久杉を調査し、大株を紹介したアメリカの植物学者ウィルソン博士にちなんで名付けられました。 300年程前に伐採された切り株で、中は大きな空洞になっています。巨木が伐採された後、根際には次世代の3本の小杉が生えています(切り株更新)。

ウィルソン株は、豊臣秀吉の命令により京都の方広寺大仏殿造営の為に 切られたとされる。1587年の秀吉の九州制圧後、秀吉が島津義弘に命じて屋久島の木材の伐採を行ったとされており 、1590年頃に小豆島の大型船11隻が、京都方広寺大仏殿造営のための屋久杉材を大坂へ運んだとされるが、そのうちの1本と思われる。

秀吉の命により切り倒されたとされているスギの切り株である。 もし生育して現存するのであれば、屋久島最大と思われるだけではなく、日本最大の樹木であった可能性も捨てきれない。

 
各資料には胸高周囲13.8mなどと表示されているものを見かけるが、これは胸高ではなく切り口付近の周囲である。 切り口は高さが5mほどの高さであり、胸高の1.3mでは、この値よりも遙かに大きな幹周を誇っているであろう。 縄文杉の幹周を、遙かに凌駕する大きさを誇っているに違いなく、生きていたならばダントツで日本一のスギだった可能性が高い。

 
この切り株を調べた方の資料によると、樹高も60mほどの高さを持っていたとされており、伐採された梢の先端は現在でも横たわったままであるという。
おそらく樹姿も素晴らしかったと想像され、その為に材として伐採されてしまったのであろう。一方の縄文杉や大王杉は材に問題があり伐採を免れたとも言う。 大王杉に至っては、木の裏側に試し切りの跡さえも残っている。

ウィルソン株は、縄文杉へのアプローチの途中にあり、ほとんどの登山者がこの切り株の前で一息入れ、さらに奥への縄文杉への道にトライしていく。ここはちょっとした空間が広がっており、まさに一息つくにはもってこいの場所なのだ。ほとんどの方の目的が縄文杉であろうから致し方ないのであろうが、このスギの偉大さにも気づいて欲しいところである。
 伐採から400年もの時間が経つが、一向に朽ち果てることもなくその姿をとどめている。いかに屋久杉が優れた材であるかを、身を以て証明しているかのようである。

翁杉
樹高
27m
胸高周囲
12.7m
推定樹齢
2,000年
標高
1030m
場所
徒歩往復6時間ほど

ウエブ情報から引用
解説
現在の大きさは幹周13mをくだらないであろう。 この周辺から岩峰の翁岳が見えることから名が付けられたらしい。 苔生した姿が、何とも屋久島のスギらしくて好ましい。

 残念な事だが、2010年9月9日の夜から10日の朝の間に、高さ2mほどのところから折れて倒伏してしまった。倒れた幹はそのまま放置とし、自然環境教育の場とする旨、林野庁から発表があった。 幹の太さにおいては縄文杉に次ぐ大きさを誇っていただけに、非常に残念である。

大王杉
樹高
24.7m
胸高周囲
11.1m
推定樹齢
3000年
標高
1190m
場所
縄文杉登山ルート大株歩道沿い

ウエブ情報から引用
解説
急斜面にあり、根元の上と下で5.3mもの落差があります。下部に大きな割れ目があり、中は空洞になっています。 縄文杉が知られるまでは、最大の屋久杉といわれて『大王』の名前がつけられました。 現在は登山道が整備されすぎたため、スギの南西側を登る道一本となってしまっているが、かつては大王杉のすぐ脇を通る登山道も存在した。
その道からはスギの背後に残された試し切りの痕跡、空洞内の様子なども伺うこともできた。 この空洞内で登山者による火災が起きたため、その後は前述の登山道一本にまとめられてしまったようである。 縄文杉よりも大王杉のほうが、風格があるように見えるそうです。 全容をなかなか見渡せないため、少々不利な立地条件にも見える。


 
紀元杉
樹高
19.5m
胸高周囲
8.1m
推定樹齢
3000年
標高
1230m
場所
安房林道沿い

ウエブ情報から引用
解説
クレーン車による詳しい調査が行われ、着生樹の様子が明らかになりました。紀元杉は特に着生樹が多く、10種類以上が着生しています。 枯れていた先端部分は、2012年4月に安全の為に切り離され、屋久杉自然館に展示されています。(全長150cm 直径60cm)

屋久島の中でも一、二を争う樹齢を誇っている。 伝承では樹齢推定3000年と伝えられ、樹齢がはっきりとしない縄文杉よりも、こちらの方が古いのではないかとの声も聞く。 屋久島を代表する巨樹、ウィルソン株、大王杉、縄文杉らと比較しても決して引けはとらない大きさであり、老樹の威厳をも兼ね備えていると言っても良いだろう。 

一度見たかった縄文杉、今では国土地理院地図、又はグーグルマップでの散策になります。
(記事投稿:2024/02/02、#722)
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『自然の不思議・樹木のこと 10(樹木の樹形・枝張りのこと 2)』 『セコイアは、定期的山火事でも生き残り、混生林から純林になった優れもの』

2023-04-07 10:11:02 | 植物・花

『自然の不思議・樹木のこと 10(樹木の樹形・枝張りのこと 2)』

『セコイアは、繰返す山火事でも生き残り、混生林から純林になった優れもの』

『地球上で最大の樹木「セコイア」vs 生きていた化石植物「メタセコイア」』

 

繰り返しになりますが、この歳、傘寿になって、早とちり的ですが、解かったことは、樹形は人間の手が及ばず、自由にのびのびと成長できれば、一般的には、温かい地方では広く・低い『洋傘形』と、寒い地方では、鋭く・高い『円錐形』に大別されるようです。 セコイアも、メタセコイアも、鋭く・高い『円錐形』です。

 

実生の植物の場合、『根』と『幹・枝』の量には相似比があると言えるそうですので、樹形の空中の枝張りと、地中の根張りは相似に近いと解ってきました。 根張りは、浅根型(メタセコイア・セコイア)と深根型(マツ)があるようです。 

 

特にメタセコイアも浅根型ですので、津波対策の防潮林としては、最前線にマツ、二番線にはメタセコイアが、間には、潮風に強い、マテバシイの木などが、向いているようでは? と、ずぶ素人判断です。 セコイアもメタセコイアも、浅根型ですが驚くほど、樹間距離が小さくとれますし、成長が早いので、防潮林として最適かと思います。

 

セコイア(浅根型ですが驚くほど、樹間距離が小さい)

ウエブ情報から引用

常緑性の高木であり、大きなものは樹高60–115m、幹の直径 3–9m になる。 樹冠は若い木では円錐状、古くなると不規則になる。

 

 

 

 

メタセコイア(浅根型ですが驚くほど、樹間距離が小さい)

横浜市三ツ池公園のメタセコイア

イチョウとともに化石植物といわれる遺存種で、当初は日本を含む北半球で化石として発見されるのみで、絶滅した植物と考えられていたが、20世紀半ばに中国南西部で自生していることが確認された。 

1949年に日本政府と皇室が、それぞれメタセコイアの挿し木と種子を譲り受け、全国各地の公園、並木道の街路樹、校庭などに植えられている(とにかく成長が早いのに驚かされる)。 

発見地の中国では、各地に植栽が奨励されたが、道路の並木としてだけでなく、造林木としての伐採利用も期待された(北京国際空港から北京市内への高速道路の両側の並木)。 

(記事投稿日:2023/04/07、#643)

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『自然の不思議・樹木のこと 9(樹木の樹形・枝張りのこと 1)』 『「国営昭和記念公園」の樹木は樹間距離が大きく、自然な樹形・枝張りに近い』

2023-04-02 16:40:03 | 植物・花

『自然の不思議・樹木のこと 9(樹木の樹形・枝張りのこと 1)』

『「国営昭和記念公園」の樹木は樹間距離が大きく、自然な樹形・枝張りに近い』

『街路樹、屋敷林、人工林を見慣れ、この公園の樹形・枝張りで、目から鱗』

 

この度、この歳、傘寿になって、早とちり的ですが、解かったことは、樹形は人間の手が及ばず、自由にのびのびと成長できれば、一般的には、温かい地方では広く・低い『洋傘形』と、寒い地方では、鋭く・高い『円錐形』に大別されるようです。

 

アメリカネムノキ(台風・大風に備えた樹形、その木何の木で有名)

ウエブ情報から引用

 

モミノキ・針葉樹(雪の重さと寒さに耐え、太陽光を求め、円錐形に)

ウエブ情報から引用

先日(2023/03/28)広大な『国営昭和記念公園、季節を問わず、散策が楽しい!』に行ってきました。 一日では、四分の一回るのがやっとでした。 とにかく広い公園で、カメラぶら下げての散策には2-3日かかりそうです。 公園は『緑の回復と人間性の向上』をテーマに1978年(昭和53年)度より建設省の手で施設整備が進められ、1983年(昭和58年)広大な、約70haで開園した後、レインボープールや子供の森、日本庭園、砂川口、盆栽苑等次々と施設が整備された。  

この公園は立川基地跡に開設されており、レクリエーション施設としての面もあるが、立川市と昭島市の広域避難場所の一つに指定されている。 防災関係機関が所在する立川広域防災基地が公園に隣接している。 

この度、広大な『国営昭和記念公園』の散策で気が付いたことは、表題の通りです。 世界の20数ヶ国で、ボーッと、見てきた樹形のこと、この歳、傘寿まで、気にも留めませんでした。 その樹形の理解と記憶は『樹冠』と言われるくらいですので、半球形(球形で代表される)と円錐形でした。 

見慣れた樹形は、人工林の北山杉に代表されるような徹底した『人工下枝払い』が圧倒的に多い中で、本当に珍しいのは、①北米の巨木・セコイアは『自ら下枝払い』をするそうですが? ②バオバブの樹形、と合わせて今後の課題です。 

これまで、いつも見ていた大半の『樹形』の風景は、人間に剪定・矯正されたもので。 人間の都合で『半球形(球形で代表される)と円錐形』になれなかったようで、まさに標題『「国営昭和記念公園」の樹木は樹間距離が大きく、自然な樹形・枝張りに近い』、『街路樹、屋敷林、人工林を見慣れ、この公園の樹形・枝張りで、目から鱗』でした。 

 

『国営昭和記念公園』の代表的なケヤキの樹形

全容

幹と根回り

 

これから勉強するために、樹形のこと、ウエブ情報で、少し調べて備忘録にしました。

 

樹木が本来持っている自然な樹形

樹木には樹種によって特徴的な形、「樹形」があります。 代表的な形は円錐型卵型です。  

これらの形に、

  • 盃型:ケヤキやムクノキなど
  • 円柱型:ポプラやイタリアンサイプレスなど、
  • 傘型:イタリアカサマツなど

以上で、樹形のパターンとしてはほとんど網羅できている。

イタリアカサマツ;老木になると途中の枝が失われ、先端の枝のみが茂り傘状となる。umbrella pine, parasol pineの別名はその成長した老木の外観に因る。

 

樹木の地上部は幹と枝葉で構成されていますので、樹形はそれらの成長の仕方によって特徴が生まれます。 一般に、針葉樹は1本のまっすぐな幹をもつ円錐形の形になるものが多い。 それは、先端の芽(頂芽)が側芽よりも強く伸長する性質を持つ針葉樹が多いからです。

 

円錐形の樹形が特徴的なヒマラヤシーダ

ウエブ情報から引用

 

これに対して、広葉樹は頂芽優性が弱い。 このため、側芽も頂芽と同じように良く伸びて幹や枝がたくさん分岐していく結果、卵型になっていきます。

 

きれいな卵型の樹形(スダジイ)

ウエブ情報から引用

「頂芽優勢」の性質は、植物ホルモン「オーキシン」の作用(頂芽を伸長させ、側芽の伸長は抑制する)であることが知られていますが、進化の過程でどうして樹種による違いが生まれたのかを説明するのは簡単ではありません。 

ただ、基本的には、太陽の光を最大限に得られるように枝葉を広げること、倒れず折れない構造的な強さを持つこと、受粉と種子散布の戦略に合致すること、生育環境(気候・気象・土壌・生態系)に適応することなどの要素の兼ね合いによって最適な形が選択された結果と考えて差し支えないでしょう。 

たとえば、寒冷地や高緯度の地域に多く見られる針葉樹。

その円錐形の樹形は、多雪地域で雪を自然に落とすのに(合掌造りの屋根のように!)役に立ちそうですし、高緯度の地域で低く上る太陽の光を最も効率的に受けることができる形に見えます。 

一方で、雪や風などの外力や光が当たる方向のような環境的制約がないのであれば、全方位へ均等に枝葉を広げられた方が光の獲得に有利なはずです。 日本の太平洋側に分布するヤブツバキが卵型の樹形で10m以上に成長するのに対して、日本海側の多雪地帯に分布するユキツバキは下枝が良く伸びて枝分かれし、樹高も2mほどにしかなりません。 このようなユキツバキの樹形は、多雪地域の環境に耐えられるように適応した結果であることが知られています。

 

台風の通り道となる沖縄では、低いところからよく分岐して下枝を横へ大きく伸ばし、その下枝をさらに気根で支える、ガジュマルやアコウのような樹木が分布しています。 これらの樹形は重心を低く下げて強風でも倒れにくい形です。

ウエブ情報から引用

重心を低くして強風に耐える樹形(アコウ

(記事投稿日:2023/03/30、#642)

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『自然の不思議・樹木のこと 7(どんぐりは1万余年の縄文時代を支えた)』 『「どんぐり背比べ」より『どんぐりの種類比べ』の方が相応しい)』

2022-10-19 23:44:39 | 植物・花

自然の不思議・樹木のこと 7(どんぐりは1万余年の縄文時代を支えた)』

『「どんぐり背比べ」より『どんぐりの種類比べ』の方が相応しい)』

『ヒトのためにも、クマのためにも、縄文人が護ってきた「1万余年続いた縄文人の生活の

   知恵」、「ムラ(村)・ハラ(原)・ノハラ(野原)と「自然混交林」を護っていきたい』。

ウエブ情報から引用

 

先日(2022/09/28)日経新聞文化蘭で、宮国晋一氏の『どんぐりはオンリーワン「同じ種でも木によっては多彩、根気強く観察25年」』を拝見しました。 すぐに思い出したのは二点;

 

  • 縄文人は定住で『採集・狩猟・漁労で農耕(田畑)なし』に対して、古代エジプトは定住で『農耕(田畑)あり』)があった)ことから、1万余年も続いた縄文時代と木の実・どんぐりのこと。 縄文時代の日本は「広葉樹林」が広まり、そこから収穫できるどんぐりは供給量が多く、縄文人の食文化に大いに貢献したとも考えらえています。 

 

  • 熊はドングリを飽食すれば豊富な脂肪が身体に着き、その後、木の穴などで冬眠します。 そして冬眠の間にメスのクマは1~2頭の子グマを産みます。

でも、ナラ類の結実にはほぼ一年ごとに豊作と凶作の周期があります。 またブナは5年またはそれ以上の間隔でしか豊作になりません。ドングリに依存する冬眠前のクマは、凶作の年には窮乏生活を送ることになります。 時には人里に現れるケースが多発しています。 

 

どんぐりは形も大きさもほぼ一様で差がないので、背比べをしても優劣が決められないことから、『どんぐりの背比べ』とは、どれもこれも似たり寄ったりで、抜きん出た者がいないことのたとえです。 『どんぐり』は漢字で『団栗』と書く、『背比べ』は『背競べ』とも書きます。 日本語は詩歌・文学には素晴らしい言語です。

 

宮国晋一氏のエッセイ『どんぐりはオンリーワン「同じ種でも木によっては多彩、根気強く観察25年」』からの抜粋・引用です。 

 

『コロンとした丸い形、細長い形、指の先ほどの小サイズ――。 秋の公園で地面に落ちているどんぐりをじっくり観察してみると、驚くほど多様な形をしている。 一見別の種類に見えて、実は同じ種類の場合も多い。 そんな個性の豊かさに引かれて、25年間収集を続けている。

どんぐりとはブナ科の果実の俗称で、コナラやクヌギなど、国内に22種が存在する。 だが、同じ種でも木ごとにつける実は多様で何百、あるいは何千と種類がある

 

野山に自生する木には、単調で似た形の実がなる場合が目立つ。 一方、公園や緑地に生えている木は、それぞれ全く異なる形状をしたどんぐりをつけることが多いようだ。 なぜ、場所にとってこんな違いが生じるのか。 私は人間が木を選別してきたことが関係していると考えている。』

 

人のためにも、クマのためにも、縄文人が護ってきた『1万余年続いた縄文人の生活の知恵』・『ムラ(村)・ハラ(原)・ノハラ(野原)』と自然混交林を護っていきたいものです。

(記事投稿:2022/10/19、#588)

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