斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

着衣泳指導員養成講習会開催報告

2012年06月12日 17時40分18秒 | 水難・ういてまて
6月10日には、水難学会主催、長岡技術科学大学後援で着衣泳指導員養成講習会を開催しました。
全国の消防、大学などから33名の参加者を得て、朝9時から夕方6時まで学科、実技の両面で進められました。

今年は、指導員のラッシュガードを新調しました。全国の小学校などでこのラッシュガードを着た指導員を見ることができると思います。


本学の室内温水プールの写真です。この方角から写真を撮影したことがなかったのですが、なかなかいいでしょう?


転落入水の様子です。


背浮きの様子です。服の中にたまった空気の浮力と靴の浮力でしっかりと浮くことができます。


無事に全員が実技・学科の最終試験に合格して指導員資格を取得しました。この夏から全国で活躍すると期待されます。

水難学会学術総会

2012年06月12日 17時29分47秒 | 水難・ういてまて
6月9日に一般社団法人水難学会学術総会を長岡技術科学大学で開催しました。今回は、特別講演1件と一般講演9件でした。

特別講演の講師は、水難学会理事の安倍淳氏でした。タイトルは「被災地で着衣泳が果した役割と津波による漂流体験」でした。
同氏は、東松島市野蒜にて建物ごと津波に流されたのですが、途中で妻の志摩子さんのいた建物と偶然にドッキングして、2人で流され続け、最後は建物が壊れて残った床の上にのり、付近の川を7kmさかのぼった経験を持ちます。この一部始終を紹介するとともに、大自然を甘く考えすぎていた反省を述べていました。同氏は、潜水建設業を営んでおり、まさに海のプロです。赤十字水上安全法指導員でもあります。水難や海を熟知した同氏が津波に流された体験はたいへん重く、今後の水難学会の活動方針に大きな影響を与えると確信しています。途中、床の上で志摩子さんと抱き合って流されている様子を陸から撮影したビデオも披露され、涙なしではいられませんでした。


一般講演では、安倍志摩子さんの発表が圧巻でした。夫妻の地元の野蒜小学校で、10年近く前から夫妻で着衣泳の講習会を津波教育とセットで行っていました。その野蒜小学校は津波避難所でしたが、体育館に避難していた人々を津波が襲ったのです。体育館にいた小学生や教員が着衣泳を思い出して、浮いて難を逃れたという発表でした。そして、涙なしではいられなかったのが、着衣泳講習会が雨で中止になったときに、その体育館を使って子どもたちが床の上で背浮きの練習をしていたということ、そしてその様子を数年前の当時の着衣泳研究会の学術講演会で発表していたという事実、これを聞いたときでした。着衣泳を習った体育館に本当に津波が入ってきて、そのときに習った技術をその場で実践して助かったのです。感無量でした。

志摩子さんの発表の様子です。示しているのが、雨の日にどうやって講習会を行うのか、野蒜小学校を例に発表したときの予稿です。


震災直後の体育館の様子です。





今日の無機材料科学Iの試験に関して

2012年06月12日 17時10分38秒 | 講義記録
これから成績を付けます。成績が出たら、再試験の案内を出します。

試験とともに集めた講義アンケートについて、コメントします。
1.もっとも多いのが「どちらかといえばよい」、次に「よい」でした。
2.コメントを書いてくれた学生が数人しました。もっと多くの学生が書いてくれるとうれしく思います。ただし、読み手にとって有益でなければなりません。
今日のコメントを紹介するとともに、それに対してコメントします。
★最初はゆっくり、後半はスピードが速くなった。逆にして欲しい。   ●これはそのとおり。前半ゆっくりしすぎました。
★英語のテキストは辛い            ●辛いから勉強なのです。
★テキスト要らないのでは       ●もっとテキストを活用したかったけれども、持っていない人があまりにも多く、もってなくても理解できるようにしたのが、このようなコメントにつながったと思います。割り切りをもって臨まないといけないと思いました。
★無駄多し       ●このようなコメントには、反論します。あなたはこの4文字で無駄なく伝えているつもりかもしれないが、読み手には何ら得るものがないし、あなたが本当に伝えたいことが伝わらない。なにがどのように無駄なのかをしっかり書くことによって教員に伝えるのが講義アンケートの目的です。まずは、国語を勉強しなさい。
★小テストの解答が欲しい   ●ブログで解答をすべて出していなかったので、今後工夫してみます。