小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

うまくいきすぎている… ?

2011-04-18 18:17:18 | 学級生活の攻略法

「うまくいきすぎている…」

新年度が始まって,新しいクラスづくり。

そんな感覚を覚えることは,とても稀なことだと思います。

が,たまにあるんです。

新しいクラスは,新しいシステムをたくさんつくります。

一人一役の仕方,

掃除の仕方,

朝の会,帰りの会,

使用する学習道具。

新しいクラスは,新しい人間関係をつくります。

友だちどうしの関係,

先生と子どもたちの関係,

これらが良い形でスムーズに進むように,先生はあの手この手と指導を工夫するわけです。

そして,多くの場合はうまくいかないこともあって,先生は苦労しながら指導を進めていくことになります。

そして,時間をかけて,少しずつよくなっていくものです。

それが,学級づくりの基本的なパターンです。

しかし,時折ですが,スタートからほとんどがうまくいくことがあります。

先生が指導したことが,子どもたちに求めることが,すんなりとクラスに浸透していくのです。

それも,まったくの始めから。

ここで

「わぁ~ 今年のクラスはいい~ かなりいい子たちだ。」

「おぉ 今年は我ながら指導の仕方がよかったかな。」

なんて思いがちですが,ここで一度ストップ。

スタートからあまりにうまくいきすぎるときは,慎重になるべき!

だとも思います。

慎重になるとは,裏がないかを十分に探ってみるということです。

・器用に担任の先生にいい顔だけを見せて,裏では違う顔を見せている子がいるんじゃないか

・新クラスで不安や悩みを抱えているにも関わらず,がんばってそれを隠している子がいるんじゃないか

もしくは

・クラスづくりの指導が甘すぎて,子どもたちに響いていないのではないか

・ワンマンな先生に圧倒されて,ただ子どもたちが言いなりになっているだけではないか

といったことに,敏感になる必要があると思います。

もしそうなら,早急に対処が必要です。

普通,物事はスタートからはうまく転がらないものです。

うまく転がらないものをなんとかして転がしてこそ,軌道にのって,それ以降は自分でうまく転がれるようになるものです。

そんなはずなのに,最初から自分たちでうまく転がる場合は,ちょっと異様な感じを覚えます。

そんな感覚も,この時期には大事にしたいですね。

「始めよくて,あとから崩れるクラス」よりも

「始め悪くて,あとから良くなるクラス」の方が自然だし,ドラマがあるし,子どもの成長にも合っていますから。

もちろん,子どもたちのできが素晴らしくて,先生の指導が素晴らしくて,本当に最初からうまくいっていることもあると思います。

でも,そうだとしても,先生がそういう慎重さをもっておくことは余計なことではないでしょう。

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そろそろ教室後ろの壁にも,何か貼らなきゃな…

2011-04-15 18:08:50 | 学級生活の攻略法

新年度のスターとともにやってくる学級のお仕事の一つに,学級設営があります。

昨年度,あんなにがんばって色々貼ったのに,3月にはきれいに全部はがしてしまって,また一から貼り直しです。(笑)

ところで,この学級設営って作業は,小学校はかなり凝ってされていますが,中学校や高校はそうでもないようですね。

たまに中学校高校を参観に行く機会がありますが,自分がそうだった頃を思い出してみても,そんなにあれこれ壁には貼らないですよね。

教科担任制で,設営するものが定まらないというのが一つでしょうね。

それに比べて,小学校の教室の壁は本当に派手です・・・。

(中高で,凝ってされている先生がいらっしゃったらすみません!)

さて

その設営する中身について。

学級設営でよく見られるのは,一人一人の顔写真と目標カード,理科の観察カード,習字の作品,図工の絵画,国語の作文,社会・総合の壁新聞 ・・・など。

もちろん,「これを必ず設営すべき」というものはないと思います。

その担任の授業や,学級のカラーに応じて設営していくといいでしょう。

ただ,コツがあるのは,「何を設営するか」ではなく,「どのように設営するか」です。

設営の方法です。

年間に何度か更新される設営物ですが,そのたびにすべてを取り外して,また新しい設営物のために寸法を測り直して… という感じで,完全にリセットされるような設営では効率が悪いです。

できれば,

シンプルに「入れ替える」だけの学級設営にする!

と作業が楽です。

これは多くの学級でも実践されていることだと思います。

まず,設営物を2つに分けます。

1「年間を通して常時設営していくもの」

→個人写真・目標カード・習字の作品・理科の観察カード  など

2「メインとなる,その時期の授業でつくられた作品」

→図工の絵画・国語の作文・社会,総合の壁新聞  など

そして,1「年間を通して常時設営していくもの」たちは,掲示板の上か下,左か右の端にしきつめて並べます。

ここは一年間はずすことはありません。

写真を入れ替えたり,習字を入れ替えたりするだけです。

だから,B5~B4くらいのクリアファイルそれぞれ入れて,そこに抜き差しする形にすると非常に楽です。

画びょうを取り外さなくてよくなります。

次に2「メインとなる,その時期の授業でつくられた作品」は,掲示板の中央に広々とスペースをとります。

そして,学級PTAなどの際には目立つようにドカンと並べて見てもらいます。

ここにも,できればクリアファイルを使いたいですね。

常時クリアファイルをつけておいて,やはり抜き差しするのみにする。

サイズはB4かA3になるでしょうね。

(クリアファイルに入れらた作品は,うまく光沢が出て,際立って見える効果もあります)

また,クリアファイルが難しければ,クリップを使うのもいいですね。

このクリップは,洗濯バサミでもいいし,専用の「ジョイントクリップ」もあります。

普通の針金クリップを画びょうで付けてもいけます。

クリアファイルもクリップも,作品に画びょうの穴を開けずに済むのもうれしいですね。

こうすることで,学級設営は,シンプルに「入れ替える」だけのものとなります。

高学年であれば,(もちろん危険がなければ!)子どもに,自分の作品は自分で掲示させるようにすることだって難しいことではありません。


新年度のクラス写真・顔写真 たかが写真と思わずに

2011-04-12 21:43:38 | 学級生活の攻略法

前回の記事のアクセス数が1日で900を超えて,このブログでは過去最高でした!

見てくださっているみなさん,本当にありがとうございます。

やはり教員の方が多いのでしょうか。

保護者の方で見てくださっているという声もいただいています。

まさか子どもが見てるということは…

アクセス数を気にしてブログを運営していくつもりはありませんが,一つの励みになります。

共感していただいているときも,ご批判をいただいているときもあろうと思いますが,長い目でお付き合いください。

まだまだ未熟な一教師のブログ,今後ともよろしくお願いします。

さて

新年度がスタートして,多くのクラスではカメラが大活躍していることと思います。

クラス全員が並んでの集合写真。

子ども一人一人の顔写真。

これらを撮影して学級に掲示したり,各お便りに入れたりする学級が多いことでしょう。

私の受け持つ五年生クラスでも昨日撮影をしました。

子どもは写真が好きで上手にポーズをとってくれる子もいれば,写真が嫌いでふてくされた顔しか見せない子もいます。

集合写真なのにわざと顔を隠したり…    「こらっ 顔見せて!」

この時期に撮った写真を学級に一年間掲示し続けるものにするとなると,表情の悪い写真は残念ですよね。

そのときの,一瞬の暗い顔が,ずーっとその子の印象として残ってしまいそうです。

だから,

この時期に撮る写真は,意地でも笑顔で撮らせる!

意地でも です。

強引に引き出した笑顔であれ,偶然にこぼれた笑顔であれ,写真に残る笑顔って,いいものですよね。

なにかの名言のようなので聞いたことがあります。

「幸せが笑顔をつくるのではなく,笑顔が幸せをつくる」

なるほどと思います。

笑っていれば,幸せですもの。

クラスに並べる子どもの顔写真もそうです。

笑顔が並んでいれば,ぱっと見て「いいクラスなんだなぁ」って思うものです。

その自分の笑顔を見続ける本人だって,自然と,自分の笑顔とクラスとが結びついて,明るい気持ちになれるはずです。

だから,どんな子にも妥協せず,笑顔を作らせます。

コツ。

●思わず笑顔になるような,語尾が「い行」で終わる合言葉を決めて言わせる

●「いー」と歯を見せる顔をしながら,「口の両恥を上に持ち上げてごらん」と笑顔の練習をさせる

●カメラマンがクラスで起こった笑える出来事を言って,思い出し笑いをさせる

●クラス一ひょうきんな子をカメラマンの横に立たせて,思い切り笑わせる

●「このカメラは笑顔しか写さないよ はいポーズ」

●赤ちゃんを撮影するときに使用するような,ぬいぐるみ等をカメラの横に構えて笑わせる

などなど。

子どもたちの様子を見ながら,「これなら笑ってくれる」というのを見つけて,笑顔の写真をとりたいものです。

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あ,それと。

撮影する場所も選びましょう。

以前,センスの悪い先生が,子どもを黒板の前に立たせて一人ずつ顔写真を撮影しているのを見ました。

とても暗い・・・

やっぱり,バックに花壇や青空が写っていると気持ちがいいですね。


新クラス初日での「先生と子どもの3つの約束」

2011-04-10 07:36:43 | 「教師-子ども」関係の攻略法

新学年がスタートして,今はどのクラスも「クラスのかたちづくり」を進めているころと思います。

授業での手の挙げ方 から,そうじのときの雑巾がけのしかた まで,クラスでは整えたいシステムがたくさんあります。

これらのシステムが早いうちに浸透しだし,クラス全体に統一感が出てくると,クラスはとても居心地がよくなるし,毎日の生活がスムーズに動き出します。

このシステムをつくりだすのは,もちろん担任の先生の役目で,学期スタートに一番試されるセンスの一つですね。

そういった「クラスのかたちづくり」の一つに,担任の先生と子どもとの関係づくりがあります。

これはかなり大事です。

担任とは,子どもたちに対して絶対的な存在です。

公平で,一貫性があり,そして子どもたちが「ついていきたい」と思える担任になりたいものです。

その担任として姿勢を,新学年の早い段階に示す責任があります。

そこで,担任の先生が「叱る」ということについて。

自分の経験からすると,教師駆け出しのころはよく子どもを叱っていました。

声を張り上げて,教師としての熱意と愛情を込めて・・・

そして,経験を重ねるごとに,叱る回数は減ってきたように思います。

やはり,子どもを叱ることはつらいことだし,もちろん叱られる方が一番つらいですから,叱らずに越したことはないですよね。

この「子どもの叱り方」にも,やはり教師としての腕というか,センスが見えます。

単にキレているだけの叱り方

一貫性や公平性に欠ける叱り方

愛情のない叱り方

こんな叱り方を続けていては,子どもたちの心も離れてしまいます。

必要なときは「叱る役目」をしっかり果たさなくてはならない教師です。

感情に任せて我流で叱るのではなく,子どものためになる叱り方をしなくてはいけません。

そこで,新学年のスタート時に,

先生はどんなときに本気で叱るかを,子どもたちに示しておく!

です。

これを,学級全体に向けて示します。

「きみたちの担任の先生は,今から言うことがあった場合は,本気で叱ります。」と,所信表明をするのです。

例えば,

●いじめをしたとき  ●親を悲しませることをしたとき

●学ぶことをあきらめたとき  ●クラスの和を乱すようなことをしたとき

●命を危険にさらしたとき  ●「 」年生らしくない行動をしたとき

など,先生なりに考えてみましょう。

「これだけは許せない」というものが,いくつか浮かぶでしょう。

それを明確にして,子どもたちと約束事として共有しておくことです。

この約束を決めるときは,もちろん先生の意思一つで決めます。子どもたちと話し合ったりする必要はありません。

そしてこれを示したら,年間を通して絶対に一貫性をもつことです。

そうすることで,もしクラスで本当にそんな場面が起きてしまい,先生が本気で子どもを叱ったとしても,子どもたちは納得してくれます。

また,こうすることで,先生が自分としても子どもを指導する際の目安が一つできます。

「こんな子どもに育てたい」という目標に関して,一つの柱になると思います。

すると,教師としての姿勢がブレにくくなります。それは子どもたちからの信頼へとつながります。

ちなみに,今回,私も受け持つ5年生の子たちに伝えました。

「次の3つのことがあった場合,先生は本気で叱ります」と。

私の場合

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としています。

これが私の中の「本気で子どもを叱る基準」です。

子どもたちも,この話を真剣に聴き入れ,納得してくれたような表情が見られました。


小学生攻略法 今年の担当学年は…!

2011-04-08 17:51:15 | 教師力UPの攻略法

新学年がスタートしました。

私,攻略法管理人は,今年は5年生でした。

高学年担任の経験が多かったので,「また5年生」という感もありますが,昨年度が珍しい1年生だったということもあって,また新鮮な感じもします。

(余談ですが,年度をまたぐときの人事の話ではいろんな選択肢があって,二転三転しましたが,意外と落ち着いたところにはまっていました…)

1年生徒の違い。

まず人数が28人から33人へ。

そして一人一人の体のサイズがジャンボに。

だから教室がボリュームたっぷりに感じます。(笑)

また,1年生はいつも5人くらい肩にぶら下がっている感じでしたが,さすがに5年生はそれよりは落ち着いています。

4年生のときの先生がしっかり鍛えてくださっていたこともあるのでしょう。

聴く姿勢なども,最初からなかなかなものです。

今日は初めての社会の授業で,「5年生の社会学習は『五円玉』の学習だよ。」の話をしました。

稲穂…農業   海…水産業   歯車…工業

五円玉を書画カメラで大きく映し出して話をしてあげると,素直に喜んでくれました。

学ぶことへの意欲も高いようで,私もうれしかったです。

今年一年,大変なことももちろんあるでしょう。

どんなドラマが展開されるか,味わっていきたいと思います。

さて,

以前にも何度か5年生をもったことがあるので,今年の仕事を進めようとすると,その当時のものに頼ろうとしてしまうことが多くなってしまいます。

授業の指導計画や学級経営案,「前はどんなものを作ったっけ…」「確かデータが残っているよな…」

でも

一仕事に一改善!

は欠かさずいきたいと思います。

昔の,単なる踏襲にならないように。

自分がよかったと思う実践についても,自分自身の修行のつもりで,「一改善」です。

小さな変化でもいれていくべきですよね。

また,前回の記事にもあるように,同じ学年であったとしても,子どもの実態が違います。

今年の子たちに一番合うと思われる形を提供していくべきです。

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ただ踏襲するだけでは,

1=1=1=1=1= …

一改善を加えていくことで

1+1+1+1+1+ …  

(ときには,「+2」や「-1」になったりするかも?ですね)