昨日Tが旅立ちました。
↓湘南文芸として逗子アートフェスティバルに参加した時の、Tのミニ版画展。
Tへ
デデポポー デデポポー
わたしの窓に来てしっかりと止まり
落ち着いた声でゆっくり繰り返し鳴く
何を見るでもなく左右に首を動かす
あなたが正面を向いたとき目が合った
しばらく眼差しを交わしてから
重たそうではないがたいそう立派な
鈍く美しくグレーに光る躰を宙に浮かせて
遠くの屋根に移るとき
力強い羽根の起こした風が胸に入り
わたしは充分に理解した
言いに来たんだね
逝くけど悲しむことはないよと
端からそんなつもりはないよ
手許にあっていつでもひもとける
二百五十編のあなたがある
いつだって無駄な言葉を使わず
飾らず偽りなく自分を表現したあなたの詩を
書き写した二百五十枚がわたしにはある
また会おうね
これまでと同じように
互いに無駄話はせず詩を読み合って
正直に伝え合おうね
そんなことがあったんだね
こんなふうに感じたんだね
いいね いいね
デデポポー