折り鶴の憩い

日々の想いを・・

「ターナーからモネへ」展へ

2018-05-09 14:09:34 | 講演会・展示会・TVドラマ etc
 ゴールデンウィークも忙しなく過ぎ、ここ2日程肌寒い日が続いています。
気温差が大きい中でも、公園のツツジは今も花盛り。甘い香りに気持ちが安らぎます。

 今 福井県立美術館で英国・ウェルーズ国立美術館所蔵の「ターナーからモネへ」展が、
開館40周年特別企画展として開催されています。
 このコレクションは、30年ぶりの来日とか。宣伝ポスターの鮮やかな色彩にひかれ、先月下旬行ってきました。

 入って先ず驚かされたのは、展示室入口のモネ「サン・ジョルジョー、黄昏」をモチーフにしたカーペット。  
 展示室に入ると、5の章に分れていて・・・
 1章『ロマン主義』で、「モーの眺め」ジョルジュ・ミシェルの作品で始まりました。全体に風景画が多く、淡い春のムード感。私の好きな作品は、木の迫力が凄かったカミーユ・コローの「ブナの木」、それとターナーの「ナンパ後の朝」。明るくて気分がよい。
 次の2章『リアリズム』。クールベの「ベアトリス・ブーヴエ」は天使を描いているのだが、何かおかしい感じ。全体に暗いので、短時間でスルー。
 3章『パリのサロンとロンドンのロイヤル・アカデミー』。色々なタイプの作品があり面白い。小品から大きいカンバス。景色・人物など。ジェームズ・テイソの「別離」、メッソニエの「お人よしといかさま師」、ビショップの「ナラとシラカバの生長」に見とれた。フロホークの「ひまわり」、花瓶の絵柄が中国か日本風なの暫し考え込む。
 4章『印象派』 ぼんやりの美感。靄っぽい感じだ。モネの作品では、「睡蓮」の色調。ルノアールの「会話」丸みのある輪郭に和んだ。
 5章『ポスト印象派とその後』 色々なタイプの絵の中で、ドランの「ヴエールの教会」一見子供の絵のようだが、明るくソフトでいつまでも眺めていたかった。
 この頃になると、かなり心身共に疲れてきた。構図と色彩が交錯しボーとしながら出口へ。
 フロントへ行く途中の壁面には、大きなポスター。    
 余韻に浸りながら久しぶりにリフレッシュができました。

ランス美術館展へ

2016-12-12 11:14:07 | 講演会・展示会・TVドラマ etc
12月に入り、急に冷え込むようになりました。
それでも晴れ上がった日は、何処かへ行きたくなります。
県立美術館の「ランス美術館展」、確か12月25日までだったなぁ。

ポスターを初めて見た時、「フ」が抜けているのかと思いました。
シャンパンと大聖堂で有名なフランスの古都「ランス」と、知って自分の無知が恥ずかしい。
    
水曜日だったからか、小学生の団体以外の一般人は少なかったです。
展示は4区分されていて、
1章 「国王たちの時代」
特に美しい女性の肖像画が素晴らしく、明るい光の中に優美さを感じ、その瞳に魅惑されました。
2章 「近代の幕開けを告げる革命の中から」
全体的に暗く、特に有名な「マラーの死」は何となく陰鬱ムード。でも「ルイ・ポメリー夫人」(デュブッフ)をみて、その仏像にも似た安らぎにホッとしました。
3章 「モデルニテをめぐって」
全体に明るい雰囲気。「オペラ座通り、テアトル・フランセ広場」(ピサロ)や「バラと彫像」(ゴーギャン)の前には人だかりしていましたが、私にはその良さがよくわかりません。
4章 「フジタ、ランスの特別コレクション」
ここは1番興味深かった展示でした。「授乳の聖母」は現代のアニメにも通じるよう。「好色」の風刺的なのも面白い。それと「猫」の眼が印象的。
別コーナーには、最後の仕事として打ち込んだ礼拝堂のフレスコ画の下絵などが展示されていました。
礼拝堂の中にいるようで、やさしい気持ちになれました。

「清川あさみ」作品の世界に

2015-09-06 15:43:10 | 講演会・展示会・TVドラマ etc
7月中頃 福井新聞に「清川あさみ・美彩集・」展の紹介が記載されていた。
”写真に刺繍を施すなどの独自手法で美を表現”とある。
早速図書館でパンフレットをみたら、カラフルで斬新だ。
行きたい!! 場所が車でしか行けないが・・
と、フクテツバスツアーの9月3日の日帰りコースの中にあった!  早速申し込んだ。

当日のツアーでは最終目的地なので着いたのは15時過ぎ、見学者は僅かだったが一寸疲れ気味。
展示室に入った瞬間、「もうひとつの場所」コーナーの作品にくぎ付けになった。糸やビーズで造り上げた動植物。その繊細な美しさに、只々驚き。夢の世界に誘われていく感じだった。
 なお、この作品は「地球で最も美しい絶滅図鑑」として発刊された動物・魚・鳥などの絶滅危惧種や絶滅種を描いた絵本の原画とか。  
          
左側には大きなパネルが4枚。1番目にはパンフレットの表紙にある木村カエラ。写真の胴体には布、糸、羽などが巧妙に施されていたが、大きさに少し圧倒。でも綺麗。
右側の中間には、葉などに刺繍され人工植物の「Dream Time」コーナー。怪しい光がチラホラと誘う。
突き当りには、鳩の群れ(絶滅種のリョコウバト)の作品。
右手の部屋には、「Complex」「TOKYOモンスター」「Tanjyo」の作品が展示されていたが、一寸暗かった事もあり余り興味が持てなかった。
次の部屋は「美女採集」35人の女優さんの写真の上に刺繍などの作品。それぞれの女性の個性がより表現されている。
最も素晴らしいと感じたのは「道端ジェンカ×ダチョウ」「貫地谷しおり×コアラ」、写真の人物が脇役となり刺繍などの画面が主役になっている「光と影」の構図。絵画としても十分楽しめた。
更に隣の部屋には「子供部屋のアリス」「狼王ロボ」の原画などの作品が展示されていたが、溜まっていた疲れが出てきたのでサラッと鑑賞して外に出た。
そこにはもう一つ、野外展示があった。 
テーマは「森を採集する―解放、そして未来へー」
真直ぐに伸びた杉の木に臙脂、・黄・紫の布が巻かれており、下には扉が開いている12個の大きな鳥かご。
眺めていると、頭も眼も少しずつ緊張が解れより 「清川あさみ氏」の世界が広がっていくよう。

華やかで幻想的モードの世界にうっとりと堪能でき、念願の鑑賞に大満足。


北斎展を観に

2014-09-06 10:58:12 | 講演会・展示会・TVドラマ etc
日中は未だ暑さは残っているけれど、周りは大分秋めいてきました。晩夏から初秋へ

暑さと大雨で鬱陶しかった日々に変化をと、一昨日北斎展に行ってきました。
7月19日から始まっていたのですが、
夏休みは混み合うかなとと思っている内に、終わりの日が迫り慌てて・・
       平日の午前だったのですが、次から次へと入館していきます。
多くは中年以降の女性たち。
展示室に入ると、展示品の保護のため光量を落としていてやや暗い。
「北斎習作期~黄朗の時代~」から始まったのですが、
じっくり鑑賞している人が多くて列は中々進まない。
一般の絵画に比べ、小さく細かな描写それに薄暗かったからなのでしょうか。
次は「北斎修業・壮年期」で忠臣蔵、東海道五十三次。
この辺から、列は乱れ飛び飛びに観ていく人も。
「忠臣蔵」は一コマ毎の動きが面白く、「東海道五十三次」は宿場風景が興味深いのですが、疲れた!
ここで作品55点。全部で200余点なのに。後は適当にチョイスしながらにしよう。
でもここで気付いたのは、松などの緑の感じ。初期のは立体感があったように思えたのですが。
戻って確認する気力は無いので、はっきりわからない。眼が疲れてきたからかもしれないし。
でも雲のオレンジっぽい色、何だか安らぐ。それに古い漢字も。
「風景画完成期」に入ると、代表作の富嶽三十六景 妖怪絵・・・と。
       
「富嶽三十六景」では、
有名な「波富士(神奈川沖波裏)」「赤富士(凱風快晴)」「桶富士(御州不二見原)」が続きます。
一寸元気が出てきました。
妖怪絵の「百物語 さらやしき」なども、馬琴とのコンビ作品とかで怖いけれど不思議に癒しの感覚。
しかしここ位までが気力の限界で、
眼と頭の疲労がドッと出て 後は虚ろに眺めていくだけです。
全部をじっくり鑑賞するには、夏バテの身体にはかなり無理でした。






映画「サクラサク」を、みて

2014-05-21 10:27:22 | 講演会・展示会・TVドラマ etc
映画「サクラサク」は、制作前から県内で話題に上がっていた作品。
4月上旬に公開されたが、何時でも行けるという気分で過ぎてしまった。
もうソロソロ行こうかと思っていた矢先、娘から「特別鑑賞券」を2枚貰った。
夫を誘ったが余り気乗りしない様子なので、1人で行くことにした。

前回観た映画は、3月で「小さなおうち」。あの時も1人だったが、今風な大型館だった。
今回は客席100もないレトロな映画館。入館すると、20代頃の雰囲気がフッとよみがえった。
内容が身近な問題だけに、中年の夫婦連れが多い。

この作品の原作「解夏」も読み、人村朱美さんの朗読会では感涙した。
「認知症をめぐる家族愛」という暗いテーマを、映像ではどのように描いていくのだろうか。
次第に蝕まれていく脳への苦悩を、「藤竜也」が実にうまく演じていた。他の出演者が霞むほど。
福井の原風景も、美しく描かれていた。

見た後の想いは各人で違うだろうが、私は「よかった。でも、重かった」
同年輩のお話だったかもしれないけれど・・・