『１枚のレコードを回し、夢を語り合った･･･』
そして、そのレコードから聴こえる音楽たちは
『無限に広がる可能性を俺たちに抱かせてくれた･･･』
たった１枚のレコードが、だ。
10代の時に俺の部屋で行われた友人とのパーティ･･･
それがそのまま後の『ジェリーズ店舗』となったことは
今や有名なお話だ。
この『1枚のレコード』は、時と場合によって変わった。
ある時は『ジギースターダスト』であり
ある時は『レイラ』であり
『危機』や『クリムゾンキングの宮殿』『おせっかい』でもあった。
当然だが、それは『ブルー』や『ハーヴェスト』
そして『フリーホウィーリン・ボブディラン』でもあった。
俺たちは何も怖くなかった。
未来はトムの歌ではないが『大きく開けていた』のである。
俺の傍らには必ずテレキャスがあった。
ひととおり聴き終えると
俺はギターを手に取り簡単なコードを回し、ヤツが即興で歌う。
ビールはお互いに10本以上は必ず飲んだはずだ。
ビールはこの時から『ミラー・ハイライフ』を買っていた。
10代の頃から大好きなアメリカンビールなのだが、
今は日本で手に入れることは不可能な銘柄となった。
歌うことに疲れ、最後に必ず回した盤。
それが『明日への暴走』だ。
「俺たちは走るために生まれてきた！」
のだから･･･。
勇気を貰い、成功を信じ、パーティは明け方に終わる。
『ジャングルランド』がエンディングテーマであり、
これ以上無いほどの『心地よさ』を演出してくれた。
あれは本当に美しい時間であった。
あれから約35年が過ぎた･･･
『今の時代ロックンロールは古いものとなり、ギターは高級な趣味と変わった･･･』
あの時
「この町から抜け出さないと骨抜きにされちまう･･･」
そう歌う彼の曲が有ったからこそ
俺は行動するしか道が無かったのだ。
１枚のレコードで戦争は終わらないが、
１枚のレコードが１人の人生を変えることは簡単だ！
『アルバム』という媒体には、そのような意味があり、
ロック・ミュージックには大いなるパワーが秘められている。
俺は今も『そう思っている』よ。
《編集長＆ Jerry's Guitarオーナー「Mash」筆》
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