2023年の年末記事
(年末記事は以下の2本!)
「失恋に似合うボブ・ディランの音楽」↓
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/04b31330a70314e9c938b2c46fc7043d
「2023年日本公演総括」↓
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/d4ca67176addf1e4d94aebff94af856f
そして大変好評頂いた『昨日のボブ記事 ↓ 』
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/2d30e47fcf469f8fbde5cebf50feba1c
に続き、再び『ボブのこと』を書こう。
今回は例の書籍についてのお話。
Bob Dylan『ソングの哲学』
2023年の来日公演時に合わせ
日本でも「ジャストタイミングで発売」され、話題となったよね。
アレです。
パラパラッとめくって
「おいおい、いやに難しいことを書いてるじゃねえか!」
と
「ホッタラカシ」にしておいたものの
先週は関東でも雨が続いてでしょ?
やっとこさ『重い腰を上げた』ってわけなのだが・・・
さて、正直に書いていくぞ。
俺は当初
『ボブが影響を受けた曲たちを語っている本』
だと思っていたのだが、読み出したところ
「どうやら違うみたいだ・・・」
と気づいた。
モチロンその様な文章も有るには有るのだが、
ソレさえもかなり難解で複雑に書かれており
何度も読み返さなければ判らない・・・。
『翻訳の問題』もあるかもしれないが、なかなか理解に苦しんだ。
俺が読んだところコレは
『曲を題材としたエッセイ』や『ボブ特有の散文』『小説らしきもの』
まで多種多様に交ざり合い、
『ボブの言葉的(詩的)芸術作品』
と見た方が良いだろう。
おまけに取り上げている曲は『かなりマニアック』であり、
全くピンと来ない人が多いはずだ。
そんな中でシッカリと曲を解説しているものに
グレイトフル・デッドの『Truckin'』が有る。
昨年の日本公演で俺を狂喜乱舞させた曲・・・
この本でボブは見事なまでに解説しているどころか、
各メンバーのプレイにまで言及しており、
デッドへの『大いなるリスペクト』を感じざるを得ない。
コレにはホント嬉しくなるのだが、
一方で幸運にもボブに取り挙げられた
クラッシュの『London calling』においては
歌詞に出てくる『60年代ビートルマニア』から話しを広げており
その文面からも『ボブの微妙な感情が読み取れる』のである。
さて、2つのロック・ソングスを挙げたが
この本で紹介されている曲の殆どが
『50年代までのR&R、カントリー(ブルーグラスとロカビリーも含む)、ブルース、ジャズ、R&B、ポピュラーなど』
であり、恥ずかしながら
『俺でも知らない人物の曲もある』
ことに驚かされた。
「いやぁ、プロとして音楽と接して来たのに、まだまだだなぁ・・・」
と思い知らされたものの、
「今から聴くか!」
という気持ちになれないのは
『ボブの文章が単純明快ではなく、非常に難しいから』
なのも事実ではある・・・。
ただ、モチロン『ボブのせい』ではなく、
『俺自身のスポンジが硬くなっちまったお陰・・・』
であり、
「これ以上は吸収できない」
コトを自分でもよく分かっているから・・・
なんだけれどね(苦笑)
「俺の20代に本書が出ていたら盤を買い漁っただろうなぁ・・・」
と、つぶやく自分が居るってお話。
結論!
この本、けっして『一般向け』ではない!
そして、『音楽ファン向け』でもありません!
「じゃぁ、どんな人に向いているの?」
はい。
『ボブを愛して止まない人』
もしくは
『マニアックなルーツ音楽を深く深く掘り下げたい人』
そんな人向けです。
『他の方は忘れてくれて結構』
そんな本なのです。
《編集長「Mash」筆》
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