僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、色々な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集No.990【 小 船 】

2016-07-27 09:50:34 | 
   小 船

       にのみや あきら


雑然とした桟橋から
一直線に白い線を残して
小躍りしながら
小船が去って行った
まるで
永遠に帰ってこない
未知の世界にでも向かうかのように
僕たちを置き去りにして
消えてしまった

突然
僕たち二人の身体に
不安と苦悩が同居しはじめる
去った船との別れが
寂しさを招き
やるせない世界に
誘われて行った

あの小さな船の存在が
こんなにも二人を
奮い立たせ
惜別の情に吸い込まさせるのか
身の置き所のない
焦燥感に駆られた
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僕の詩集No.989【 夜 明 け 】

2016-07-26 09:50:13 | 
   夜 明 け

       にのみや あきら

夜明け前
汽車の窓から
ガラス越しに外の景色を眺める
まだ顔を出していない
朝日の微光を背にうけ
影絵のような
家いえを覗き見る

とりとめのない風景が去る
家いえは
朝日の微光を斜めにうけ
今日が始まるのを待っている

すべてがめずらしい
変わった色彩の家
変わった形状の家
一軒の家に目を奪われる
だが汽車は人ごとのように
次つぎに風景を変え
その家を遠ざけてしまった

家が山陰に隠れようとした時
夜が明け
最初の駅に着く
そうだ
この村に降りて見よう
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僕の詩集No.988【 駄洒落詩集 ( 46 ) 】

2016-07-25 11:25:44 | 
   駄 洒 落 詩 集 ( 46 )

           にのみや あきら


★ アメリカ大統領候補ドナルド・トランプ氏に、トランプの相手を頼んでも、
  忙しくてOKしてくれないよね。

★ 本屋さんの蔦屋(つたや)で、店員さんに要望を伝えたが、あまり良く伝わらなかった。

★ 食事中に、ハシを落とすのは、はしたないよ。

★ 老いたから、もう人生の荷物、置いた!

★ 芭蕉が悪い句を詠んだ。それは詠んだ場所が悪かったんだ。

★ 晩になったから晩酌しよう。

★ 五歳の後妻なんていないよね。

★ あの作品に色をつけてやるかどうか、いろいろ考え中なんだ。

★ あのお客、分厚い肉を食べてる。ニクラシイ!

★ 会津白虎隊の、突撃の合図は、どんな合図だったんだろう?
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僕の詩集No.987【 電 線 と 煙 】

2016-07-25 09:50:47 | 
   電 線 と 煙

         にのみや あきら



汚れ切った空
茶色の煙突
電柱
張り巡らされた電線
電線は各工場の棟に吸い込まれ
電気を送り
色々な工作機械を動かす
大勢の作業員
みんな何を考えて働いているのだろう
どう生きようとしているのだろう
人生はそれぞれ

煙突から大空に
放り出された工場の煙
役目の終った煙はむなしい
いずれは消える運命
消える前に
もうひと働きしたい
この世では役に立たなくなった
とは言われたくない
見捨てないで欲しい
僕はまだ消えないで頑張る
工場を離れたくない
もう一度役に立ちたい
煙の運命ははかない
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僕の詩No.986【 人 生 ( 17 ) 】

2016-07-24 09:50:31 | 
   人 生 ( 17 )

         にのみや あきら


テレビの最終番組が

終る

電灯のスイッチを

切る

妻が背中を向けて

寝る

静寂と不安が全身を

刺す

ああ、この人生

私には重すぎる
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