僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、色々な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集No.990【 小 船 】

2016-07-27 09:50:34 | 
   小 船

       にのみや あきら


雑然とした桟橋から
一直線に白い線を残して
小躍りしながら
小船が去って行った
まるで
永遠に帰ってこない
未知の世界にでも向かうかのように
僕たちを置き去りにして
消えてしまった

突然
僕たち二人の身体に
不安と苦悩が同居しはじめる
去った船との別れが
寂しさを招き
やるせない世界に
誘われて行った

あの小さな船の存在が
こんなにも二人を
奮い立たせ
惜別の情に吸い込まさせるのか
身の置き所のない
焦燥感に駆られた
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