ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

国民は自分の生活が第一

2012-12-19 | Weblog
 衆議院選挙のすさまじい結果はいったいなぜだったのか? 専門家はそれぞれの考え分析を述べておられますが、わたしも自分なりに整理しておこうと思います。
 まず政党別の議席増減です。自民+175、維新+43、公明+10、みんな+10。民主▽173、未来▽53、社民▽3、大地▽2、共産▽1、国民新▽1。

 毎日新聞の世論調査結果が興味深い。投票前の12月11日発表ですが、ネット毎日jpでみることができます。質問は<衆院選で最も重視する争点は何ですか?>
 景気対策 32
 年金・医療・介護・子育て 23
 消費増税・財政再建 10
 東日本大震災からの復興 7
 原発・エネルギー政策 7
 外交・安全保障 4
 行政改革・地方分権 3
 TPP 2
 憲法改正 2

 これをみて明らかな通り「景気対策/年金・医療・介護・子育て」の2項目だけで過半数を占めています。「震災復興/原発・エネルギー問題/尖閣・竹島/TPP……」、全部足してもわずかの比率しかありません。沖縄の米軍基地も北朝鮮の拉致問題も、どこにも見あたりません。それらはせいぜい「外交」でしょうか。
 自民・維新・公明・みんなも、どうやれば、何を訴えれば勝てるかを見抜いていたのでしょう。当然ですが、小選挙区と比例代表制の得失プラスマイナスも熟知しています。さらには3・11以降、電力と景気・インフレ問題はずっと世論操作され続けて来ました。

 国民の関心は「自分の生活向上」がいちばんであり、震災も原発も米軍基地も拉致、さらにはTPPも「わたしには直接の関係がない」。日々目先の生活が最も重要なこと、遠方の県民の苦しみはあるていど理解できるがそれは人ごと。自分の家庭の収入が増え、電気代などの出費が抑えられ、年金がちゃんと受け取れて、医療や老後の不安をしなくて済む。そして自分の子どもがふつうに育ってできれば大学まで行って、将来それなりに名の知れた会社なり役所に勤め孫もできる。そのとき祖父母になったわたしは、年金医療の恩典を受け老後の心配もあまりしなくて済む。
 かつて小市民という呼称がありましたが、現在の日本国民の大多数が「絶対に自分と家族の生活が第一」だと考えているのでしょう。さて当事者の3県、福島・福井・沖縄の選挙結果はどうだったか? 遠く離れた他所の県民から「人ごとですから…」、そのように言われても仕方のない結果であろうと、わたしは思います。震災原発の当事県の福島・福井も自民が圧勝。基地問題の沖縄でも自民が圧倒しています。

 福島県全4区 自民3勝、民主1議席。(比例:自民・維新各1)
 福井県全3区 自民3完勝。
 沖縄県全4区 自民3勝、社民1。(比例:自民・共産・未来各1)
<2012年12月19日>
 
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