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アイスランドの噴火から5か月 → 2024年5月上旬現在約3700人が避難生活

2024-05-12 05:00:37 | 災害情報

アイスランドの噴火から5か月 今も約3700人が避難生活 NHK 2024年5月11日 20時41分

およそ30の活火山があり、世界でも有数の火山国として知られる北欧のアイスランドで去年12月に噴火が起きてから5月で5か月になります。断続的に続く噴火の影響で、今もおよそ3700人が避難を余儀なくされる事態となっています。

噴火が続いているのは南西部のレイキャネス半島で、去年12月、地面の亀裂から溶岩が噴き出して以来、合わせて4回の噴火が起きました。

アイスランド気象庁によりますと、溶岩が流れた地表の面積は4月中旬の時点で6平方キロメートル余りにおよび、その一部は火口から南西に3キロ離れた町グリンダビークにゆっくりと押し寄せています。

アイスランド政府は町を溶岩流から守るため、土砂をおよそ10メートルの高さに積み上げた防護壁を町を囲むように作りましたが、押し寄せた溶岩流はすでに防護壁の高さに達し、壁を乗り越えつつあります。

グリンダビークではおよそ3800人の住民のほとんどが町の外に避難しているものの、噴火の影響が少ないと判断された地区の100人ほどが自宅にとどまっているほか、日中は町内の水産物工場などで働いている人もいます。

こうした人たちの安全や住宅などを守るため、防災当局は無人カメラで火山活動を24時間態勢で監視したり、ドローンで撮影した立体画像で溶岩の流れなどを分析したりしていて、状況に応じ避難を呼びかけることにしています。

防災当局「生活再建できるよう 町を守っていく」
防災当局のマネージャー、アルナ・エリションさんは「溶岩流が防護壁を越えるような事態になれば消防による放水を行い、溶岩を冷やす計画だ。町の人たちがいつか自宅に戻り、生活を再建できるように町を守っていかなければならないが、自然は動き続けている。この状況は何年も続く可能性があることを受け入れる必要がある」と話しています。

被災地の現状は
NHKの取材班は4月、アイスランド当局の立ち会いのもと、グリンダビークの町に入りました。

風の向きや強さによっては有毒な火山ガスの濃度が高くなるため、ガスマスクを持ち歩く必要があり、実際に時折、装着するよう指示されました。

町内に人の姿はまばらで、地面や道路などあちらこちらに噴火に伴う地殻変動によってできた深い亀裂が見られました。

当局によりますとこうした亀裂に作業員の男性1人が転落して亡くなったということです。

また、町を守る防護壁の内側でも小規模な噴火が起きたため、そこから流れてきた溶岩に飲まれた住宅数軒が焼け落ち、黒く固まった溶岩の中には焦げた車もありました。

避難続ける住民 “復帰への希望は失っていない”
住民の多くは今も避難を余儀なくされ、グリンダビークで生まれ育った写真家のインギ・ヨナソンさん(47)もその1人です。

最初の噴火が始まる前の去年11月に自宅前の地面が陥没したため家族とともに町を逃れ、その後、友人の家や借家などを転々としています。

グリンダビークは住民どうしが家族のように親しくつきあい、2人の子どもが安心して遊べる町だったと振り返りますが、噴火後は子どもたちも学校の友達と離れ離れになってしまったということで、許可が下りれば一刻も早く町に戻り、地域の再建をしたいと言います。

ヨナソンさんは「過去の例を見るとこの噴火は100年、200年続くかもしれない。それでも町の灯を消したくないし、復帰への希望は失っていない」と話しています。

噴火続く中 政府は地元の経済活動推し進める
こうした中で政府は噴火が続く中でも、安全対策を講じながら地元の経済活動を推し進めようとしています。

アイスランドの電力のおよそ30%を構成するのは地熱発電ですが、グリンダビークの町などに電力を供給している地熱発電所では、溶岩流が一時、1キロ先まで迫りました。

それでも発電所の周りに短期間で建設された防護壁と、防災当局から毎日提供される噴火関連の情報によって安全を確保し、一度も中断せず稼働を続けているということです。

被災地近くの観光名所は
一方、グリンダビーク近くにある観光名所の温泉施設「ブルーラグーン」は、噴火が始まった去年12月からの4か月で100日近く休業し、売り上げが日本円でおよそ50億円落ち込んだということです。

対策として施設内の40か所に火山ガスの検知器を設け、さらに当局の避難指示を知らせる防災スピーカーも取り付けるなどして、4月、本格的な営業再開にこぎ着けました。

温泉施設の部長「運営 生活 前進していく方法を見つけなければ」
温泉施設のシグドゥル・トステンション部長は「再開するためにはすべての利用者を40分以内に避難させる方法を確立させなければならなかった。難しい課題だったがそもそも火山活動がなければ、この施設は存在しえない。何とか運営し、生活し、前進していく方法を見つけなければならない」と話しています。

噴火が観光の後押しにも 国外からの来訪増加
噴火が続く中でも、アイスランドが経済活動を進められる要因の一つに、噴火が爆発的なものになっていないことがあります。

2010年には、氷河の下で発生した噴火によって大規模な水蒸気爆発が起きて火山灰が広い範囲に広がり、ヨーロッパ各地の空港で合わせて10万便以上が欠航する事態となりましたが、今回は航空便への影響はほとんど出ていません。

こうした状況を背景に、噴火後に外国からアイスランドを訪れた人は、前の年の同じ時期に比べて10%ほど増えたことが政府の統計で明らかになっています。

首都レイキャビクで溶岩を使ったショーを運営する観光施設の経営者は「安全な環境のもとで火山について知りたいという人が増えている。私たちにとって、今回の噴火は後押しになった」と話しています。

“火山活動 場合により数百年続く可能性も”
今後の噴火の見通しについて、アイスランド気象庁のエリサベト・パルマドッティル専門員は、レイキャネス半島の地下には現在、新たなマグマがたまり始めていることから、近く、地表に新たな火口ができ、マグマが噴出する可能性があるとしています。

ただ、長期的な予測はほぼ不可能で、終息の見通しは立っていないとしたうえで「レイキャネス半島の地質学的な歴史を見ると、火山活動は数十年、場合によって数百年間続く可能性もある」と指摘しています。

アイスランドにはおよそ30の活火山があり、ほかの地域でいつ同じような事態が起きてもおかしくない状況です。

環境・エネルギー・気候相 “火山との共存続ける覚悟”
これについてトールダルソン環境・エネルギー・気候相は「アイスランド人のDNAには自然を敬う意識が組み込まれている。道路や建物を計画するときは最悪の事態を想定している上、常に学ぼうとしている。今回の噴火についても現状に満足せず、最新技術を使ってグリンダビーク周辺だけでなく、ほかの地域も監視していく必要がある」と述べ、今後もできるかぎりの安全対策を講じながら、火山との共生を続けていく覚悟を示しました。


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